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テーマ : 川根本町

小中学生に「茶育」 問屋、農家ら注力 茶の魅力を若年層に発信

 静岡県内で小中学生に日本茶の魅力を伝える食育活動「茶育(ちゃいく)」の取り組みが広がっている。急須でいれるリーフ茶に親しむ世帯が減る中、茶業者は国や県の施策を活用しつつ企画の検討を重ね、若年層への浸透を図る。

絵本を制作した山下有子代表(左)。茶の魅力を伝える活動を展開する=5月、静岡市葵区
絵本を制作した山下有子代表(左)。茶の魅力を伝える活動を展開する=5月、静岡市葵区

 出版業のマイルスタッフ(静岡市葵区)は5月、「おちゃのえほん」(B5変型判)を発行した。「おちゃって、のんだことある?」の一文から始まる、子どもが水出し茶を入れて家族に喜んでもらう物語。県の茶需要創出事業「ChaOI(チャオイ)プロジェクト」で茶育の商品開発を進める製茶問屋の丸福製茶(同区)と連携し、制作に取り組んだ。
 書店での販売やイベントなどを通して絵本を普及させる考え。マイルスタッフの山下有子代表は「家族で煎茶を飲む時間の心地よさを多くの子どもたちに伝えたい」と話す。
 農林水産省は今年、全国の茶業者と茶育を実践する教育現場のマッチング支援を始めた。茶農家や団体をリスト化し、体験内容や時期、費用などを学校側に共有している。
 茶生産者の山香荘茶園(川根本町)は地域の小学生の見学を長年受け入れる中で、茶の魅力をより広く発信しようと茶育への参加に踏み切った。今後は製茶工場見学や茶摘み体験などを希望する各地の修学旅行生らの来訪を受け入れ、茶畑の風景や煎茶の味わいを伝えていくという。
 県内小中学校ではこれまでにも、茶を水筒に入れて持参してもらったり給茶機を設置したりする事業が展開されてきた。県は2016年に「児童生徒静岡茶愛飲促進条例」を施行。香りや外観から茶種を当てる闘茶会の開催や、タブレット端末で基礎知識を学ぶ「静岡茶食育デジタル教材」の導入を進める。県お茶振興課の担当者は「茶の歴史や文化を伝え、健康的な飲み物として親しんでもらうための取り組みを重ねていく」と話す。
 (経済部・平野慧)

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