「生命線」再び寸断 島田、昨秋台風被害の道路 住民肩落とす
梅雨前線と台風2号の接近に伴う大雨により、島田市と川根本町を結ぶ道路で相次いで通行止めが発生した。昨年9月の台風15号で被害を受けたのと同じ箇所もあり、仮復旧した道路が再び寸断される実態が一夜明けた3日、浮かび上がった。
同市川根町笹間下の日向上橋が架かる県道。昨年9月の台風15号で橋付近の道路が陥没したが、住民らが土砂を投入するなど道路を固めて仮復旧させた。行政が本復旧を進める計画だったが、今回の大雨で再び道路が崩落して通行止めになった。笹間地区の住民が同市中心部や川根本町に向かうための主要道路という。
同市川根町笹間上の北島亨さん(81)は「この道は住民にとって生命線。迂回(うかい)路は険しく、落石なども発生していて厳しい状態」と肩を落とす。
同市福用の国道473号でも土砂崩れが発生し、通行止めになった。現場は4月中旬に仮設橋が完成し、7カ月ぶりに通行再開したばかりだった。土砂崩れは仮設橋の北側で起きたという。同市川根町笹間渡の県道を一時ふさいだ土石流も昨秋の台風で被害が出た場所とほぼ同じだった。
県島田土木事務所の担当者は「同じ箇所で被害を受けやすいが、雨の規模が大きくなり、頻度も増えている。笹間地区の通行止めは見通しが甘かったと言われても仕方なく、心苦しい」と話した。