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テーマ : 川根本町

風流踊、無形遺産登録へ 徳山(川根本町)と有東木(静岡)の盆踊も

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、盆踊りなどとして伝承されてきた静岡県の徳山の盆踊(川根本町)と有東木の盆踊(静岡市葵区)を含む24都府県41件の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を、無形文化遺産に登録するよう勧告した。政府関係者が1日発表した。28日から12月3日までモロッコで開かれるユネスコ政府間委員会で、勧告通り登録が正式決定する見通し。各地の踊りは人口減少や高齢化による担い手不足が課題となっており、登録が実現すれば、伝統継承の励みとなりそうだ。

徳山の盆踊の「鹿ん舞」=2019年8月
徳山の盆踊の「鹿ん舞」=2019年8月
有東木の盆踊(静岡市提供)
有東木の盆踊(静岡市提供)
徳山の盆踊の「鹿ん舞」=2019年8月
有東木の盆踊(静岡市提供)

 風流踊は華やかな衣装をまとい、太鼓や笛のはやし、歌に合わせて踊るのが共通の特徴。豊作祈願や厄災払い、先祖供養など地域の歴史や風土を反映した祈りが込められている。日本三大盆踊りの「郡上踊(ぐじょうおどり)」(岐阜)や「西馬音内(にしもない)の盆踊」(秋田)が含まれ、いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。
 文化審議会が2020年2月、23都府県の37件をまとめて一つの遺産とみなし、候補に選定。同年3月に政府がユネスコに登録申請した。21年3月に「対馬の盆踊」(長崎)など4件を追加し、再申請した。
 国内の無形文化遺産は現在、歌舞伎や和食など22件ある。風流踊は09年に単独で登録された「チャッキラコ」(神奈川)を拡張し、名称を変える形になるため、登録されても国内件数は22件のまま変わらない。
 風流踊に続く候補として、政府は今年3月、日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」の登録をユネスコに申請した。24年秋ごろに登録の可否が審査される予定だ。

 徳山の盆踊 川根本町徳山地区で400年以上続く伝統芸能で、毎年8月の浅間神社例祭で奉納される。作物を荒らす獣を追い払い、豊作を祈願したのが始まりとされる「鹿ん舞」、浴衣姿の少女が踊る「ヒーヤイ」、成人男性による「狂言」を交互に披露する。1987年に国重要無形民俗文化財の指定を受けた。
 有東木の盆踊 葵区有東木地区に伝わる夏の恒例行事。中世から近世の初期に流行した歌と古風な踊りを盆踊りとして継承し、99年に国指定重要無形民俗文化財に指定された。踊りは男女で区別され、太鼓や飾り灯籠を用いる。

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