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テーマ : 川根本町

県と静岡市 災害派遣の要請、経緯認識に食い違い 台風15号対応巡り、記者会見で質問が集中

 静岡市内をはじめ静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号を巡り、11日にそれぞれ開かれた田辺信宏静岡市長と川勝平太知事の定例記者会見では、行政の対応に質問が集中した。要請の遅れが指摘されている自衛隊への災害派遣については、両首長はおのおの「災害派遣3原則」などを理由に、自前の役所の対応は妥当との認識を示した。ただ、要請に至る経緯や内容に県と市で認識の食い違いがあり、改めて情報共有や連携が不十分だったことを印象づけた。
 台風15号は9月23日から24日にかけて静岡市など県内各地を襲い、県は同市と川根本町の要請を受けて同26日に陸上自衛隊に災害派遣を要請した。
 田辺市長は会見で、同24日午後時点で断水の深刻さを把握したが、25日夜には「給水体制は整えられつつあると認識」し、26日の市災害対策本部会議で医療機関での水不足の懸念を共有して派遣要請を決めたと説明した。
 「県の危機管理部とは断続的に議論をしていた」としつつ、県からの派遣要請の打診は「私にはなかった」と話し、市長や市の担当者レベルで県から打診された認識は無いと答えた。
 一方、川勝知事は「市からは連絡はなく、長いこと給水が間に合っているとの話だった」と振り返り、「断水規模の大きさから月曜(26日)朝に早く要請するよう県の危機管理部門から市の危機管理部門に求めた。督促しながら待っていた」と説明。県担当職員は「『要請はしないんですか』と伝えた」と話した。知事は「市の危機管理システムに問題があった」と断じた。
 今後取り組む検証作業で、田辺市長は市役所内の情報共有体制を見直す方針を示した。「情報管理の手順が明確にされず、情報共有も不十分で市民の思いに応えられなかった」と述べた。
 川勝知事は「自主防災組織と市町との連絡体制が大雨災害で機能しなかった。県として被災地の情報をどう早期に集約するかが課題」と述べ、早期に市町との連絡会議を開き、課題を共有する意向を示した。

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