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富士山バックに滑走 スノーパークイエティ(裾野市)、「日本一早いオープン」人気【しずおかアウトドアファン】


 本格的な冬の到来とともに、ウインタースポーツに関する話題も多く聞こえてくるようになった。温暖で降雪の少ない本県では、スキー場は2施設と貴重な存在だ。「スノーパークイエティ」(裾野市須山)と「リバウェル井川スキー場」(静岡市葵区井川)を訪ね、今冬の様子を聞いた。
 「日本一早くオープンする屋外スキー場」。イエティを語る上で欠かせないのが、このキャッチフレーズだ。1999年から25年間続く記録で、今季も昨年10月20日に営業を開始した。初日は、シーズン入りを待ちわびたスキーやスノーボードの愛好者でにぎわう様子が話題になった。
スキーを楽しむ家族連れらでにぎわう「スノーパーク イエティ」=1月上旬、裾野市
 成人の日の8日。スキーヤーらは間近にそびえる富士山の雄姿を横目に、ゲレンデでのひとときを楽しんでいた。東京都大田区から来た会社員見立坂大輔さん(46)、ななはさん(6)親子は朝から来場。大輔さんは「ゲレンデの傾斜はそれほどきつくなく、長さもコンパクトなので、子どもも滑りやすい。関東からのアクセスもよい」と語った。
スノーパークイエティ リバウェル井川スキー場スノーボードで軽快にゲレンデを滑る来場者=1月上旬、裾野市の「スノーパーク イエティ」
 施設があるのは富士山2合目に当たる標高1400~1300メートルの一帯。初級者から中上級者向けまで多彩な4本のゲレンデのほか、そり専用ゲレンデ、雪遊び広場などを備える。マネージャーの小林淳さんによると受付やレンタルショップ、飲食店などが一番高い場所にあるため、リフトに乗らなくても、すぐに滑り出せる。今年は東南アジアなど海外からの訪日客も増えている。
 園内の一角にあるスノーボード向けの「ジブパーク」では、同じ富士急グループの遊園地「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市)のジェットコースター「フジヤマ」のレールを再利用したアイテムを設置。飛び乗ったり、レール上を滑ったりするトリックを楽しめる。人気のキャラクターやダンス・ボーカルグループとのコラボ企画なども実施している。
 初心者でも楽しく安全 リバウェル井川スキー場(静岡市葵区)
 静岡市葵区井川の山の尾根付近にあるリバウェル井川スキー場。ゲレンデ周辺には雪景色が広がり、平野部とは全くの別世界だった。
 リバウェル井川は1989年に市が開設した市営スキー場だ。県外まで足を延ばさなくてもスキーやスノーボード、雪遊びを楽しめるスポットとして、毎年訪れる利用客がいる。
緩やかな斜面を滑り出すスキーヤー=20日、静岡市葵区のリバウェル井川スキー場スキーゲレンデでは初心者向けのスキー教室も=静岡市葵区のリバウェル井川スキー場
 今冬は氷点下の寒さが続かずに準備が遅れ、オープンは前年より13日遅い1月20日になった。初日は早朝から雪が降りしきる天気。標高約1450メートルのスキーゲレンデ一帯は真っ白だ。
 単独のスキーヤーや親子連れが次々に滑り出して行く。普段は県外のスキー場に行くという袋井市の高木孝佳さん(63)は、この日は天候を見てここを選んだ。慣れたスキーヤーには決して広くないゲレンデ。それでも「自由自在に滑れるのがスキーの楽しさ」と話し、新雪の感触を確かめるように滑っていた。
 緩やかな丘の斜面に、滑走距離約300メートルのスキーゲレンデと、同約50メートルのそり専用ゲレンデが1本ずつある。滑り終えた場所からはベルトコンベヤー式リフトで丘の上に戻る。短時間に繰り返し上り下りしながら、皆で同じペースで楽しむ家族連れもいた。
 晴れていれば南アルプスの山並みをはじめ、富士山、伊豆半島まで見渡せる眺望も売りだ。管理運営を担うリバウェル井川運営組合の大代龍彦組合長(47)は「初心者がここで雪に触って、楽しさを知る場になればいい。安全で安心なスキー場を目指したい」と話す。
 (生活報道部・草茅出、山本淳樹)
 

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