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幕末から富士山の象徴 歴史たどる 世界遺産センターで特別展 富士宮市

 富士宮市の県富士山世界遺産センターで18日から、世界文化遺産登録10周年記念特別展「富士山 藝術の源泉」後期展が始まる。幕末から明治時代にかけて、富士山が将軍家の象徴から天皇の象徴に移った歴史をたどる。2月12日まで。

明治期に作られた掛け軸「住吉富士吉野図」=富士宮市の県富士山世界遺産センター
明治期に作られた掛け軸「住吉富士吉野図」=富士宮市の県富士山世界遺産センター

 明治20年代に作られた4作品を新たに展示した。嘉仁親王(後の大正天皇)に献上された国内最大級の三幅対掛け軸「住吉富士吉野図」は、幕府御用絵師の狩野派から帝室技芸員に任命される狩野永悳立信(かのうえいとくたちのぶ)らが手がけた。霊峰の手前には雲海のみが描かれ、神聖で不可侵な象徴であることが表現されている。
 同センターの松島仁教授(美術史)は大日本帝国憲法を引用し、神聖にして侵してはならない天皇を富士山と重ねたとみる。その上で「天皇が国だった時代で、日本の象徴は富士山という印象が生まれ始めた時代」と分析する。

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