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認知度不足 巻き返し期す 目標来場者95万人【彩りをつなぐ 浜名湖花博2024㊥】

 「本当に来てもらおうと思っているのか。PRが足りていない」。1月上旬、「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委主催)の開催を切望してきた浜松市経済界の1人は前売り入場券の販売状況を聴き、政財界の集まりで語気を強めた。

「浜名湖花博2024」の開幕に向けて準備が進むはままつフラワーパーク。実行委は目標来場者達成に向けてPR強化を進める=16日午後、浜松市中央区
「浜名湖花博2024」の開幕に向けて準備が進むはままつフラワーパーク。実行委は目標来場者達成に向けてPR強化を進める=16日午後、浜松市中央区

 23年9月の前売り券発売から4カ月たった同年12月末時点の販売枚数は約4万枚。実行委が販売目標に設定している38万枚の1割強にとどまっていた。
 新型コロナウイルス感染症の5類移行と大河ドラマの放送が重なり、観光客でにぎわった23年の浜松市。コロナ禍で落ち込んだ経済を花博効果でさらに活発にしようと期待した経済界は危機感を抱き1月以降、財界の仲間に見どころを紹介するなどPRや前売り券の販売を強化し始めた。
 そもそも開催地の浜松市民も花博開催の認知度はいまひとつ。20年前の花博に行ったという中央区の主婦(45)は「花博ってまたやるの?」、浜名区の男性会社員(54)も「ポスターは見るが、内容は知らない」との認識だ。市外観光客の引き合いも弱く、浜名湖周辺宿泊施設の4月以降の予約は厳しい状況が続く。
 実行委は当初、従業員の多い企業や団体客が見込める旅行業界などを中心に前売り券の営業活動を展開。来場者の多くを占める個人客へのPRは「限られた予算を最大限に使う」(実行委)ため開幕直前に集中させ、テレビコマーシャルを開始したのも開幕10日前の今月13日だった。実行委の担当者は「これから主力の個人客向けのPRを強化していく」と周知不足を認め、巻き返しを狙う。
 3月に地元企業が浜松、湖西市の全小中学生に前売り券約14万枚を寄贈するなど経済界の協力もあり、前売り券販売は目標の9割近い約33万枚にまで増加。実行委によると、個人の問い合わせも増え始め、機運はようやく上向いてきた。
 目標ははままつフラワーパークと浜名湖ガーデンパークの両会場で95万人の来場。県浜名湖花博20周年記念事業推進室の平野裕二室長は「過去の花博は口コミやリピーターで来場者数が伸びた」と述べ、目標達成に向けて園芸愛好家やファミリー層などターゲットに応じた手法で魅力のPRに力を注ぐ考えを示した。

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