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熱海未来音楽祭 10月20日から 即興演奏、大河のように 

 音楽家で詩人の巻上公一さん(熱海市)がプロデュースする「即興」をキーワードにした音楽とパフォーミングアーツの祭典「第5回熱海未来音楽祭」(20~22日)のプレイベントが、同市の起雲閣で開かれた。

熱海未来音楽祭のプレイベントで演奏する(左から)巻上公一さん、アルメン・ナルバンディアンさん、吉田隆一さん、高岡大祐さん=熱海市の起雲閣
熱海未来音楽祭のプレイベントで演奏する(左から)巻上公一さん、アルメン・ナルバンディアンさん、吉田隆一さん、高岡大祐さん=熱海市の起雲閣

 「4万キロメートルの音楽散歩」と題し、巻上さんと5人の音楽家が組み合わせを変化させながら即興演奏を繰り広げた。米国出身のピアニスト、アルメン・ナルバンディアンさんの端正なメロディーを連ねた清涼感のあるソロからスタート。巻上さんのテルミン、内橋和久さんのギター、フランク・グラトコフスキーさん(ドイツ)のバスクラリネットが加わり、跳ねるようなリズムを時折交えながら、音量や音程を高めたり降下させたりを繰り返した。
 休憩を挟んだ二つ目のセッションはグラトコフスキーさん、チューバの高岡大祐さん、バリトンサックスの吉田隆一さんの管楽器によるアンサンブル。徐々にメンバーが増えていき、全6人がさまざまなフレーズの受け渡しを聴かせた。長調と短調を交差させ、時に神域に入ったような静謐[せいひつ]さを演出。大河のような演奏は35分に及んだ。
 音楽祭は20日に開幕する。中国四川省彝[い]族の4枚弁の口琴を操る王珊[ワンシャン]さんらの演奏会、江州音頭の唄い手中西レモンさんを中心にバルカン地方の民謡やユダヤ人音楽「クレズマー」の要素を加えたフィナーレなど、多彩な音楽イベントを実施する。
 巻上さんは5回目を迎えた地元での音楽祭について「お客さんとともに成長してきた。志を持って高みを目指す表現に触れる機会を提供したい。生きること、死ぬことに向き合った芸術は、聴く人の力になると信じている」と話した。
 (教育文化部・橋爪充)
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 熱海未来音楽祭の詳細は公式サイト(http://www.makigami.com/atamimirai.html)で。

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