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テーマ : 川根本町

相模原―甲府、先行開業を 知事「合理的な促進」【大井川とリニア】

 川勝平太知事は23日の定例記者会見で、JR東海のリニア中央新幹線について、神奈川県駅(仮称、相模原市)―山梨県駅(同、甲府市)間の先行開業を目指すべきだと主張した。リニアの南アルプストンネル工事に伴う大井川水問題を巡り県とJRとの協議が続く中「どの程度可能性があるか確認したい」と述べ、9月上旬に神奈川県駅の工事現場を訪れる予定で関係者と調整していると明らかにした。

リニア中央新幹線の計画ルートと駅
リニア中央新幹線の計画ルートと駅

 静岡県は東京・品川―名古屋間の2027年開業を目指す立場を表明した上で、7月にリニアの沿線自治体でつくる建設促進期成同盟会に加盟した。川勝知事はこの立場を維持するとしつつ「できるところからやる以外に建設促進する方法はない。部分開業が合理的な促進方法だ」と指摘し、同盟会の中でほかの知事の理解を求めていくとした。
 川勝知事は20年に品川―甲府間の先行開業をJR東海側に提案し、山梨県の長崎幸太郎知事も同区間の先行開業に前向きな姿勢を示している。ただ、この日の会見で川勝知事は相模原―甲府間ですでにリニア実験線が整備されていることや、品川駅付近の工区で大型掘削機の一部が故障したことに触れ、相模原―甲府間が「暫定開業が唯一可能な場所」と強調した。
 (政治部・尾原崇也)

 ■「閑蔵線の整備必要」 静岡市長に働きかけ促す
 川勝知事は23日の定例記者会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事で働く作業員の安全確保に必要だとして、田辺信宏静岡市長に対し「市道閑蔵線のトンネル整備を(JR東海に)働きかけてほしい」と注文した。
 川勝知事は8日の東京電力田代ダム視察を踏まえて「“命の道”の整備が極めて重要だと認識した」と述べた。川根本町の要望もあるとして、地元の静岡市が事業者のJRに整備を働きかけるよう求めた。
 リニア工事に伴う車両通行ルートの整備では、過去にJRが閑蔵線のトンネル整備を提案したが、市と地元の井川地区が県道三ツ峰落合線と県道南アルプス公園線をつなぐトンネル整備を要望し、2018年にJRが工事費を負担して整備する基本合意を市と結んだ経緯がある。
 川勝知事は「三ツ峰落合線のトンネルをやめろということではないが、4年以上たってまだ1ミリも掘られていない。井川の人々が安心するためにも閑蔵線の整備が必要」と主張した。
 静岡市建設局の幹部は「基本合意からの4年間はトンネルの詳細なルート計画などに時間を要し、工期とは関係ない」と改めて反論した。閑蔵線の整備については膨大な費用と時間がかかる工事との認識を示し、「軽々には答えられない。基本合意にのっとり対応する」と話した。

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