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通園バス置き去り緊急対策 安全装置6月完備目指す 政府、来年度義務化決定

 牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」で9月に女児=当時(3)=が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受け、政府は12日の関係府省会議で、来年4月から全国の園で送迎バスに安全装置の設置を義務化することを柱とする緊急対策を取りまとめた。小倉将信こども政策担当相は、6月末までに装置設置を現場に働きかけるよう指示した。

通園バス置き去り死事件を受け開かれた関係府省会議。中央奥は小倉こども政策相=12日午後、東京・霞が関
通園バス置き去り死事件を受け開かれた関係府省会議。中央奥は小倉こども政策相=12日午後、東京・霞が関

 義務化の対象は幼稚園と認定こども園、保育所、特別支援学校の幼稚部から高等部まで、児童発達支援・放課後デイサービスで、送迎バスの数は計約4万4千台に上る。経過措置の1年間はバス後部に点検表を設けるなどして降車後の車内確認の徹底を促す。小中学校と放課後児童クラブの約1万1千台は義務化の対象外だが、設置費用を補助する方針。
 装置設置に加え、降車時の子どもの点呼も関係府省令を改正して義務付ける。違反した園は業務停止命令の対象となる。
 職員向けの安全管理マニュアルを国として初めて作成した。送迎する際の注意点を示し、車内確認時に使える点検表を用意した。自治体を通じて早期の運用を求めていく。
 マニュアルの動画配信や研修の実施、登園状況の記録管理システムの普及、子どもの所在地を確認する衛星利用測位システム(GPS)の導入も支援するとした。
 小倉氏は昨年7月の福岡県に続き、同様の事件が2度起きた事態を重く受け止め「一刻の猶予もない」と強調した。
 送迎バスを持つ全国の園に対して実施した緊急点検結果(速報値)も公表した。バスの運行は計1万787施設で2万2842台。このうち、特別支援学校幼稚部を除く1割が登園と乗降時に園児の人数や名前を確認していなかった。バス通園時の園児の見落とし防止につながる研修の実施も5割前後にとどまり、適切な取り組みを行っていない園が一定数ある実態が判明した。(東京支社・青木功太)

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