ブドウ畑を交流の場に 富士宮の観光農園 ヨガ教室など企画連発
昨年開業した富士宮市外神のブドウ狩り施設「富士山ぶどうランド」が、ブドウの木の下で行うワークショップを多数企画し、徐々に集客力を伸ばそうとしている。市内で観光農園は珍しく、佐藤文紀園長(39)は「農業を土台にあらゆる体験ができるテーマパークにしたい」と意気込む。
ぶどうランドは約2千平方メートルの農園でピオーネやシャインマスカットなど9種類を育てる。今年は全種類が実り、本格的な始動の年になった。来場者は好みの房をもぎ、その重さで代金を支払う一般的な仕組みだが、同園はブドウ狩りの付加価値を高めようと、もぎたてのブドウを使ってスイーツを作ったりカクテルを味わったりするイベントを不定期で開催している。
ブドウは2メートルほどの高さに実るため、下に広がる空間を地域交流の場に利用している。このほどヨガ教室を開催し、参加者はブドウ狩りに続いて、八方を緑に囲まれた空間でゆったりとヨガのひとときを満喫した。友人と3人で参加した同市の井出俊江さん(53)は「ヨガと同時にブドウ狩りができてぜいたくな一日になった」と、充実した表情でブドウを味わった。
同園は国道139号に近くて交通アクセスが良く、富士登山者が帰宅する前に立ち寄ることもあるという。観光バスの受け入れも徐々に始まり、佐藤園長は「酪農に次ぐ富士宮の観光ができる農業に育てたい」と話す。ブドウ狩りは完全予約制で希望者は公式ラインから申し込む。佐藤園長によると、9月下旬まで楽しめそうだという。
(富士宮支局・国本啓志郎)