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テーマ : 富士宮市

北山用水と本宿用水「世界かんがい遺産」 登録の影に住民の力 富士宮と長泉の団体、継承に決意新た

 「世界かんがい施設遺産」に登録が決まった富士宮市の北山用水と長泉町の本宿用水。登録に至るまでには地元住民の地道な取り組みがあった。登録証が6日、維持管理する地元団体の元に届いた。会員らは保全に汗を流した先人たちの功労に思いをはせ、地域の宝を後世に継承する決意を新たにした。

登録証が届いて喜びを分かち合う北山用水運営協力委員会のメンバー=富士宮市役所
登録証が届いて喜びを分かち合う北山用水運営協力委員会のメンバー=富士宮市役所
本宿用水の登録を報告する高田さん(右から2人目)ら=長泉町役場
本宿用水の登録を報告する高田さん(右から2人目)ら=長泉町役場
登録証が届いて喜びを分かち合う北山用水運営協力委員会のメンバー=富士宮市役所
本宿用水の登録を報告する高田さん(右から2人目)ら=長泉町役場

 北山用水は、地元住民5人でつくる運営協力委員会が月に数回、水路にたまったごみを撤去し生活用水の通水を維持する。大雨で増水の危険が高まるときの水門調整も任され、地域を水害から守ってきた。2021年からは地元の北山小に出向いて児童に北山用水の歴史と価値を教えている。
 石川雅洋会長(73)は冷たい水に入って取水口に堆積した土砂を運び出した思い出を懐かしそうに振り返った。登録を機に多くの見学者が来ると見込み、5人は「遺産に恥じない姿を保ち続ける責任を果たそう」と意見が一致しうなずき合った。
 本宿用水の登録に尽力した本宿共有財産管理委員会は、用水に関わる資料を集めて細かな歴史を探ってきた。年に1度、地元住民を集めて用水内の土砂やごみの撤去。見学会などを開催し、管理や歴史の継承を担ってきた。
 資料収集の先頭を走った高田泰久さん(77)は「登録されてうれしい。地域の食料生産を安定させるために作られた歴史ある用水の存在を、もっとたくさんの人に知ってほしい」と笑顔を見せ、地元住民と自治体の連携に意欲を示した。

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