日本酒の違い、根源探る 同じ米、こうじ、酵母使い全国の蔵で製造 富士宮・高砂酒造も参加
富士宮市の高砂酒造など全国各地の日本酒9蔵と焼酎2蔵が共同で、酒の味や香りの違いの根源を探っている。全酒蔵が同じ米とこうじ、酵母を使って醸した純米大吟醸酒と焼酎が3月上旬までに出そろう。水や製法の違いが完成品にどのような影響をもたらしたのかを確かめる。
日本酒が千差万別と言われる理由に迫ろうと、企画を東海、甲信越、中国、四国地方の酒蔵で2022年に始めた。今回の仕込みは第2弾。前回23年に完成した純米大吟醸酒で、素材は同じでも味が異なることが分かった。高砂酒造の杜氏(とうじ)小野浩二さん(63)は「違ったのは水と仕込み方。各蔵の風土や哲学が味に影響したのだろう」とみる。
今回は酵母を変え、香りの違いを強調する。日本酒9蔵の酒を一つにまとめて蒸留した焼酎も九州の2蔵で新たに作る。高砂酒造の石川勇介営業部長(49)は「企画を重ねていけば、蔵の個性とされるものの正体に近づけるかもしれない」と期待を込める。
希望者は完成品を飲み比べることができる。28日までにクラウドファンディングサイト「マクアケ」から購入を申し込むと、4月末までに発送される。
(富士宮支局・国本啓志郎)