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静岡県指定文化財に徳川慶喜の油絵2点 富士・伝法の古墳群で出土の遺物も 保護審議会が答申

 静岡県文化財保護審議会は18日、久能山東照宮(静岡市駿河区)が所有する江戸幕府15代将軍徳川慶喜が描いた油絵2点を含む計3点を県指定文化財に指定するよう川勝平太知事に答申した。今月中に登録される予定。県文化財課によると、慶喜の制作した絵画が県指定文化財に登録されるのは初めて。

徳川慶喜作の油絵「日本風景」(久能山東照宮提供)
徳川慶喜作の油絵「日本風景」(久能山東照宮提供)
徳川慶喜作の油絵「西洋風景」(久能山東照宮提供)
徳川慶喜作の油絵「西洋風景」(久能山東照宮提供)
東平1号墳出土遺物一括(富士市教育委員会提供)
東平1号墳出土遺物一括(富士市教育委員会提供)
徳川慶喜作の油絵「日本風景」(久能山東照宮提供)
徳川慶喜作の油絵「西洋風景」(久能山東照宮提供)
東平1号墳出土遺物一括(富士市教育委員会提供)

 答申されたのは「日本風景<徳川慶喜筆/油絵 絹>」と「西洋風景<徳川慶喜筆/油絵 麻布>」。「日本風景」は江戸幕府が滅び、慶喜が静岡で生活を始めた直後の1870年頃の制作とみられる。縦40センチ、横60センチで、題材の場所は特定できないとした。「西洋風景」は縦51・5センチ、横36センチ。慶喜が静岡で暮らした後半の1887~97年ごろの制作とみられ、山岳風景と石造りのアーチ橋を描いた。いずれの作品も東洋画の画法を用いた西洋画という慶喜特有の特徴が認められる。
 慶喜は静岡で隠居生活を送った30年間、多くの趣味を持ち、油彩画も数多く残した。
 もう1点は、富士市が所有する「東平第1号墳出土遺物一括」で、富士市伝法の古墳群から出土した丁字形利器や大刀など170点を一括指定する。
 審議会では、牧之原市の県指定天然記念物「掉月院の夫婦槙(こぶまき)」について、まきの木が枯れたため9月30日付で指定解除したことを報告した。県指定文化財は今回指定分を含め計557点で、内訳は有形340点、無形1点、民俗56件、記念物160件。

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