美術・絵画・写真の記事一覧
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美観や暮らし 写真に 遠州の愛好家 作品展 浜松市中区
遠州地区の写真クラブの会員らによる作品展「浜松フォトフェスティバル」(浜松写真連絡協議会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が12月3日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 同市や近隣の愛好者、プロカメラマン約100人が出展した。テーマ、ジャンルは問わず、今年1年間で撮った写真の中からえりすぐられた153点が並ぶ。富士山、海といった本県の美しい景観を撮影した風景写真や、街中にある人々の暮らしの一場面を切り取ったスナップ写真など、表現に工夫を凝らした作品の数々に来場者が足を止めている。昨年、今年に亡くなった同協議会の会員の遺作展示も行っている。
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彫刻家土屋さん制作 「祈り」の石地蔵25点 浜松市天竜区で展示
島田市の彫刻家土屋誠一さん(73)が制作した石地蔵が29日まで、浜松市天竜区横川のそば処「百古里庵」で展示されている。背丈5センチほどから約50センチと、さまざまな大きさの作品約25点が庭園に並ぶ。 土屋さんは「祈り」をテーマに、花こう岩や大理石をのみで彫って地蔵を作っている。地蔵2体が体を寄せ合った「なかよし」や、柔和な表情の「慶」など穏やかでユニークな“お地蔵さま”が来場者を和ませている。土屋さんは「石本来の個性を引き出すように作っている。見てほっとした気持ちになってもらえたら」と話す。 午前11時~午後4時。会期中は土屋さんが庭園で手彫りを実演する。
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静岡県西部版画家ら39人が作品披露 浜松市中区
静岡県西部版画倶楽部の作品展が27日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。西部地区在住の作家や愛好者39人が会派を越えて参加した。12月3日まで。 木版画をはじめ銅版画やシルクスクリーン、リトグラフなど多彩な77点を展示=写真=。国内最大規模の公募展「春陽展」や県版画協会展などで入賞した作家も出展している。版画技術を駆使した創造性豊かな作品が注目を集めている。版画の裾野拡大を目指して開催していて、版画のみの展覧会としては県西部で最大の規模を誇るという。
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長泉町のビュフェ美術館 50年記念展「偉才の行方」 バイオリンの音色で開幕飾る
長泉町のベルナール・ビュフェ美術館で25日、開館50周年記念展「ベルナール・ビュフェ 偉才の行方」(同美術館、静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)が開幕した。フランス人画家ベルナール・ビュフェによる1940年代から最晩年までの作品77点を展示している。2024年11月24日まで。 初日は三島市出身のバイオリニスト牧野順也さんが、来館者が集まる作品の前で演奏し、開幕を飾った。 来年1月20日には同館の小針由紀隆館長が三島市民生涯学習センターで関連の講演会を開く。没後に再び脚光を浴び始めるなど激変したビュフェの評価と、フランス美術界について解説する。申し込み、問い合わせは同館ホーム
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退職教員、個性のペン画30点 静岡市清水区で展示 風景や昆虫、植物描く
静岡市清水区の退職教員らで作る油性ボールペン画の愛好会「渋谷たかしと仲間たち」の作品展が28日まで、同区の清水駅前銀座まちかどギャラリーで開かれている。 油性カラーボールペン画の普及に力を注いだ故渋谷隆史さんと13人の会員の約30点を出展した。カラフルなイラスト風や水彩のような薄いタッチで描かれた国内外の風景や昆虫、植物などの力作が並んでいる。 同会の市川利隆さん(78)は「自由に描き、同じボールペンでも人それぞれ個性が出ている」と魅力を語り、来場を呼びかけた。
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ビュフェ美術館(長泉)50周年祝う 「偉才の行方」展開会 親族迎え式典盛大
25日に開館50周年を迎える長泉町のベルナール・ビュフェ美術館は24日、50周年記念式典と記念展「ベルナール・ビュフェ 偉才の行方」(同美術館、静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)の開会式を同美術館で行った。画家ベルナール・ビュフェ(1928~99年)の祖国フランスから親族を迎え、節目を盛大に祝った。 式典にはベルナールのめいのブランシュさんと孫のティモテさん、在日大使館のシャルランリ・ブロソー文化参事官らフランス関係者のほか、地元首長や議員、企業関係者約60人が参加した。ブランシュさんは「再訪できて感慨深い。開館式で植えられたクスノキは、日仏友好の象徴であり、ベルナールと(同
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静岡・泉ケ谷で地域芸術祭 現代アートがつなぐ「境界」
静岡市駿河区の旧東海道丸子宿の一角、泉ケ谷地域で開催中の地域芸術祭「静岡アートビジョン」(同実行委員会主催)は、現代アート作品を通して今と昔、街と里山、自然と人間の営みなどさまざまな境界を緩やかにつなぎ、新たな魅力を提示している。 同地域の入り口には、伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」があり、古道沿いに寺社や、養蜂、酪農など自然と共生する住民の生活エリアが続く。監修したNPO法人クロスメディアしまだ(島田市)の児玉絵美事務局長は「住民と匠宿、職人たちとのつながりもここの魅力。潜在する地域像を掘り起こす視点が、現代アートの予測を超えた見方と重なった」と説明する。 大井川鉄道の無人駅を舞台
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「心のまま」個性豊かに表現 特別支援学校生らアート展 沼津市
静岡県東部の特別支援学校に通う児童生徒や卒業生の作品を集めた「心のままアート展」(NPO法人こころのまま主催)が23日、沼津市日の出町のサンウェルぬまづで始まった。12月3日まで。 障害のある児童生徒ら34人が、沼津西高や田方農高の生徒と実施したワークショップで制作した絵画や造形作品を中心に約150点が並ぶ。独特な色彩で表現した生き物の絵や抽象画、トラックなどを緻密に描いたイラストなど、個性豊かな作品を展示する。 26日午前10時半から、積極的な障害者雇用で知られる日本理化学工業(川崎市)の画材を使って描くワークショップを開く。また、12月1日午後1時半から精神科医の星野概念さんによる相
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天竜芸術祭美術展 市民の力作ずらり 28日まで
浜松市天竜区の二俣協働センターで23日、同区にゆかりのある市民が芸術作品を披露する「第19回天竜芸術祭美術展」(静岡新聞社・静岡放送後援)が始まった。写真や日本画、書道、彫刻など10分野計191点が集まり、来場者を楽しませている。28日まで。 4年に1回選出される芸術祭大賞には尾沢和子さんの日本画「春うらら」、芸術祭準大賞には曽我清臣さんの油絵「刻」が選ばれた。鈴木真佐雄実行委員長(73)は「各分野から多彩な作品が集まった。多くの人に楽しんでもらいたい」と話す。
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切り絵愛好家 松永さん個展 袋井市
袋井市宇刈の切り絵愛好家松永義司さん(86)の切り絵展が30日まで、市役所市民ギャラリーで開かれている。30点の自信作を出品した。 松永さんは定年を機に切り絵の制作を始めた。以降5年おきに個展を開き、今年は20周年で第4回目。旅先で訪れた風景を題材に、長野県安曇野の紅葉や彦根城の桜、富士山5合目の景色などをモノクロやカラーで表現した。 松永さんは「色の組み合わせや立体感、細やかな表現など切り絵のおもしろさを堪能してほしい」と来場を呼びかけた。
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白須賀発 芸術イベント開幕 湖西 自然素材で作品作り 11月25日から2日間一般公開
湖西市白須賀の白東館(旧食堂「吾妻屋」)と地域のビオトープを会場にした芸術イベント「浜名湖のその先へ Re―blooming」が23日、開幕した。初日は自然の素材や漂流物を使ったワークショップと、桜を題材にした映像作品の上映が行われた。イベントには市内外の芸術家8人とバンド1団体が参加する。25、26の両日に作品展示の一般公開とマルシェなどを行う。 ビオトープの会場で、浜松市北区の木工作家柏原崇之さん(42)と千葉県船橋市のフラワーアーティスト加藤ひろえさん(56)がワークショップを開いた。来場者は周辺で育ったヤマフジのつるを土台にしてセンリョウやシダをあしらったリースや、遠州灘海岸の漂着
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絵画や立体作品 障害者アート並ぶ 27日まで 浜松市中区
障害のある人の芸術作品を紹介する「障がい者アート展」が27日まで、浜松市中区の市福祉交流センターで開かれている。 市内の障害者施設や特別支援学校から絵画や立体作品、書など約130点を集めた。両足の親指でパソコンのマウスを操作して描いた恐竜やかわいらしく花を持つ猫の陶器などが目を引く。同センターの担当者は「個性豊かな作品を楽しんでもらえれば」と話した。
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静岡中央銀「富士山フォトコンテスト」 星陵高に特別奨励賞 富士宮市
静岡中央銀行は22日、同行が主催する「富士山フォトコンテスト」(静岡新聞社・静岡放送協力)で、特別奨励賞に選出された富士宮市の星陵高写真部への表彰式を同校で開いた。 同部の22人が計32点をコンテストに応募した。同行営業企画部の沢田武嗣部長が、写真部の岸野航河部長らに賞状と記念品を手渡した。 会場では静岡新聞社東部総局編集部のカメラマンが、星陵中・高の写真部員に向けた「写真の撮り方教室」も実施した。
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旧校舎アート空間に 「龍山、ぽちゃん」12月1~3日開催 浜松市天竜区
浜松市天竜区龍山町の在住者らでつくる任意団体「龍山未来創造プロジェクト」は12月1~3日の3日間、旧龍山北小校舎や校舎周辺を活用したアート企画「龍山、ぽちゃん」を開催する。天竜川沿いの校舎を舞台に、さまざまなアーティストが“龍山”を作品で表現する。 企画は昨年に続き2回目。常設で龍山の林業や鉱山、歴史をテーマにした空間アートを展示する。 2日は、同町瀬尻地区の伝統文化「ぶか凧」と竜をモチーフにしたウォールアートを披露する。竜の絵画作品を国内外で発表する国分夢志さんが手がける。3日はタンバリンの演奏や龍山に伝わる民話の語りなどが楽しめる。同団体の長谷山大騎代表(29
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名画や写真 細密模写 鎌田さん鉛筆画展 26日まで藤枝
磐田市の美術家鎌田和直さん(56)の鉛筆画展「Mono remix」が26日まで、藤枝市小石川町のアートカゲヤマ画廊で開かれている。黒鉛筆でミケランジェロや伊藤若冲の名画、100年前のニューヨークやパリなど風景写真を細密に模写した30点が並ぶ。 鎌田さんは立体造形を中心に制作してきたが2年前、カーボン鉛筆の深みのある色調に魅せられ、鉛筆画を描くようになった。 ひと月に1枚のペースで仕上げる作品は、きらびやかなショーウインドーや石畳の通りなど再現性が高い。理髪店やガソリンスタンドを左右対称に配置した作品は、現実と虚構のはざまを追求したという。鎌田さんは「鉛筆の特性を最大限に生かす試み。モノ
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ヴァンジ美術館、静岡県が跡地取得へ 12月補正に関連経費計上へ最終調整
静岡県が無償譲渡の申し出を受けている「ヴァンジ彫刻庭園美術館」(長泉町、閉館)について、静岡県は県議会12月定例会に提出する2023年度12月補正予算案に、跡地の取得を前提とした関連経費を計上する方向で最終調整していることが20日までの関係者への取材で分かった。 同美術館を巡っては県東部の行政関係者や民間が県による支援や利活用を求める中、県議会各会派からは美術館の取得や運営に対し「不採算施設を県有化する先例となる」などの懸念が示され、これまで議論に約2年を費やした。補正予算案が12月定例会に提出された場合、県議会の判断が注目される。 12月補正予算案には23年度分の維持管理費や利活用
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銀世界のタンチョウヅル追い50年 御殿場の長田さん 12月に静岡で個展
50年間にわたりタンチョウヅルを専門に撮影し続ける御殿場市のアマチュア写真家長田好一さん(74)が12月4~13日、静岡市役所市民ギャラリーで個展を開く。これまでの集大成と位置づけ、白銀の世界に映えるタンチョウヅルの写真36点を展示する。 長田さんがタンチョウヅルを追い始めたのは25歳のころ。当時は絶滅危惧種で、テレビに映る姿に心を奪われた。以降、新型コロナウイルス拡大前までは毎年のように北海道鶴居村に赴き、2週間から1カ月ほど撮影を続けてきた。氷点下25度前後の環境下で2時間近く撮影機会を待つこともある。1度の遠征で撮れる納得の写真は多くて数枚という。 2014年から個展を開いている。
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「和モダンの世界」寄せ木細工で 浜松・平野美術館 展覧会に合わせワークショップ
浜松市中区の平野美術館で開催中の展覧会「和モダンの世界―近代の輸出工芸―」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催)に合わせたワークショップが19日、同館で開かれた。神奈川県から箱根細工技能士の篠田英治さん(41)を講師に招き、約20人が寄せ木細工を楽しんだ。 参加者は朴(ほう)の木やケヤキ、唐変木など10種類の木片を組み合わせて好みの形を作り、赤や緑、紫など自然色を生かしてオリジナルのコースターやキーホルダーなどを製作した。 大瀬小(東区)2年の小山由真さんは、動物園に出かけた際に見ることができなかったパンダを題材に選び、「いろいろな色の寄せ木を見てパンダにしようと思いついた。(完成品は)キー
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Xマスの体験が基 絵本原画13点展示 浜松で28日まで
浜松市南区のハローこども園の園長宮野恵理子さんによる絵本の原画展が28日まで、同区三和町のカフェ「Cafe Brown」で開かれている。自身の体験を基に描いた作品「はじめてのクリスマス」の原画13枚を並べた。 約30年前に娘の初めてのクリスマスを機に手がけた作品を、今回の展示に合わせて手を加えて仕上げた。子どもたちとサンタがクリスマス会を楽しむ様子や、ツリーの上に光る星に手を伸ばす子どもの姿など、柔らかな水彩画が落ち着いた雰囲気のカフェの来場者を楽しませている。宮野さんは「絵だけの作品なので、ストーリーを想像して楽しんでほしい」と話した。
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長泉・ビュフェ美術館50年記念展 偉才の生涯を回顧 25日から
長泉町のベルナール・ビュフェ美術館で25日、開館50周年記念展「ベルナール・ビュフェ 偉才の行方」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)が開幕する。18日、同館で作品の設営が行われた。 20世紀後半を代表するフランス人画家ベルナール・ビュフェ(1928年~99年)の40年代から最晩年までの作品を総覧しながら、偉才を再考する展示。室内や静物を中心に描いた初期作品から、サーカス、闘牛、愛する人たちなど全8章に分けて77点を紹介する。 18日は、学芸員がビュフェが来日した際に見た光景を描いた作品を飾るエリアの配置を考えた。学芸員の井島真知さんは「偉才として若くしてデビューしたビ
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日々の暮らしテーマ 絵画100点 靭矢さん 静岡市で個展
静岡市葵区の画家、靭矢裕斉[うつぼやひろなり]さん(44)の個展「LIVING」が26日まで、同区鷹匠の書店「ひばりブックス」で開かれている。 人物や動物を題材に、靭矢さんが日々の暮らしからイメージした作品約100点を展示している。油彩やアクリル絵の具、クレヨンなどを使い、単純化されたモチーフと明瞭な色彩が特徴。靭矢さんは「本のジャンルに例えると、エッセーのような感覚で描いている。作品を見た人それぞれにストーリーが生まれたらいい」と話す。
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命の尊さ描く イラストレーター・えだむらさん 浜松市で個展
浜松市南区のイラストレーターえだむらかつみさんの個展「いのちの花展」が30日まで、北区細江町のギャラリーカフェ寸座フランセで開かれている。 えだむらさんは、自らの流産や父母との死別などの経験から、命の尊さや慈しみを表現するようになったという。自作の詩「いのちの花」をテーマに、少女や天使を花々とともに描いたアクリル画と水彩画約50点を展示した。 作品には「いっぱい咲いたね キレイだね」「ありがとう この想(おも)いあなたに伝えたくて たぁくさんのお花を贈るよ」など、癒やしの言葉を添えている。 午前9時半~午後6時。火曜定休。
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熱海の街中で芸術堪能 「アートグラント」 11月18日開幕
熱海市のまちを回遊しながら国内外の芸術家が手がけた作品を鑑賞できるイベント「アタミアートグラント」(プロジェクトアタミ実行委員会主催)が18日、開幕する。新進気鋭の芸術家を中心とした約50組100人の作品が市内各地を彩る。12月17日まで。 開幕前日の17日には参加芸術家や主催者らが同市の熱海芸妓(げいぎ)見番に集まり、記念セレモニーに臨んだ。イベントは芸術家の活動支援や地域活性化を目的とし、今年で3回目。主会場となるアタミアートビレッジ(同市熱海)のほか、JR熱海駅前や中心街の「シーサイド」など計四つのエリアを設け、絵画や立体作品など多彩なアート展示を繰り広げる。 市街地の半径3キロ圏
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浜松の画家宮地さん 絵画や寺宝紹介 初山宝林寺で特別展
浜松市北区細江町の初山宝林寺は12月10日まで、文化芸術の振興を図る「秋の特別展」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同寺で開いている。同市西区の画家宮地越子さんが手がけた絵画や同寺の寺宝を、国指定重要文化財の方丈で展示している。 宮地さんは、人物のデッサンや花、風景などを油彩とパステルで描いた約40点を並べた。インド舞踊のワンシーンや階段に腰かけた女性を描いた油彩画は縦約1・6メートル、横約1・3メートルの大作。作品は背景を不鮮明に描いているのが特徴で、宮地さんは「モデルとなる人物の雰囲気を背景で表現している」と話した。 同寺は、寺を開創した独湛(どくたん)禅師と、独湛禅師を招いた近藤貞用夫
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日中韓の工芸家 9人の作品紹介 12月3日まで 静岡市駿河区 東アジア文化都市
日中韓の工芸家の技を紹介する「東アジア工芸展」が12月3日まで、静岡市駿河区丸子の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」で開かれている。 染め物や刺しゅう、漆芸、陶芸など9人の作品から、古くからの交流によって発展してきたそれぞれの表現を味わうことができる。県が推進する交流事業「東アジア文化都市」の一環。 日本からは、日本画から着想を得たという手芸家洋輔さんの刺しゅうと、匠宿「火と土」工房長の前田直紀さんの陶芸、静岡文化芸術大で講師を務める漆造形家小田伊織さんの作品が並ぶ。小田さんは靴をモチーフにした造形物で、使い続けることで増す漆の魅力を表現。「工芸品は大切にしまいがちだが、経年変化による
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絵画、書、絵手紙 シニアクラブが作品展展 浜松市浜北区
浜松市浜北区のシニアクラブ浜北による「文化作品展」が15日、同区の浜北文化センターで始まった。17日まで。 会員自作の絵画や書道作品、絵手紙、洋服など約200点が並ぶ。新企画として、古布などを再使用した色とりどりの座布団も展示し、初日から来場者の注目を集めた。会場では塗り絵や折り紙、絵手紙、書道の体験ができる。 鈴木貞子会長(79)は「個性豊かな作品ばかり。ぜひ見に来てほしい」と来場を呼びかける。最終日は午後2時まで。
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4絵画教室の油彩画を展示 浜松市中区
浜松市の画家根岸英さんが講師を務める4絵画教室の合同展「英彩会絵画展」が19日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 静岡県西部の40~80代の教室生ら約40人が油彩を中心に約110点を出品した。満開に美しく咲く桜や「ウィズコロナ」と題してマスクを着けて歩く人々、白い皿に置かれた真っ赤なサクランボなど思い思いに表現した作品が並ぶ。出品者の加藤正勝さんは「普段絵になじみのない人もぜひ足を運んでほしい」と話した。
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油彩や水彩で描く国内外の風景 浜松の画家・根岸さん個展
浜松市中区の画家根岸英さん(82)の個展が19日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。油彩と水彩で描いた国内外の風景約45点を並べた。 100号サイズの雨上がりのベネチアや岐阜県の白川郷合掌造りなど、力強い油彩と優しい水彩の作品が来場者を楽しませている。 旅先で訪れた風景をそのまま描くのではなく、アレンジを加えた絵にこだわりを持っているという。根岸さんは「人物を入れることで観光地のにぎやかな雰囲気を出した。個々の絵の空気感を楽しんで」と呼びかけた。
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デッサン力作展示 浜松・秋野不矩美術館 11月19日まで
絵画愛好家でつくる「天竜デッサンクラブ」が19日まで、浜松市天竜区の秋野不矩美術館で作品展を開いている。 50~80代の会員15人が寄せた人物画や風景画など39点が並ぶ。各種絵の具や鉛筆など多彩な画材を用い、浜名湖周辺の景色やポーズをとる女性などを描き出した。 同クラブは天竜区の二俣協働センターに月1回集まり、モデルを招いての人物デッサンなどを通じて技量を高めている。 入場無料。午前9時半~午後4時半(19日は午後4時まで)。
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優しいタッチ パステル画並ぶ 浜松市中区で展示会
パステル画の愛好者らでつくる「彩テル会」の作品展が13日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。19日まで。 講師の宮地越子さんと市内を中心とした生徒5人が手がけた風景や花など約25点が並ぶ。優しいタッチで表現された奥浜名湖の風景やクリスマスローズが来場者を楽しませている。 作品展は2年に1度開催し9回目。宮地さんは「フワッとした柔らかいパステル作品を楽しんでもらえれば」と話した。
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愛好家とらえた風景や動物50点 浜松市中区で写真展
浜松、磐田両市の写真愛好家でつくる「ACT写心クラブ」の作品展が13日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。19日まで。 70~90代の会員12人が撮影した風景や動物など約50点を並べた。アクトタワー(同区)と日の出が重なった浜名湖の風景や足で魚を捕る「シマフクロウ」など個性豊かな写真が来場者の目を引く。 松浦謙二代表は「浜松周辺など地元で撮影した作品が多い。多くの人に来てもらえれば」と呼びかけた。
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「存在」追求した人物描写 画家・山城道也さん(島田市)【表現者たち】
油彩の大作がぐるりと囲んだ展示室。画家山城道也さん(47)=島田市=が御前崎市内で開催中の個展は、二紀展出品作を中心に、20代からの画業を振り返る構成になっている。 「写実が基本だが、リアリティーを追求するというより、『存在』が表現できたらいい」。強く影響を受けたのは常葉学園短大以来の恩師、佐々木信平さん(1936~2017年)。中央画壇で活躍し、東欧の大地にたくましく生きる人々を捉えた作品で知られる。「研究室をのぞいては、制作過程を間近で見てきた」。山城さんもおのずと人物、群像表現をまねることからスタートした。 屈強な西伊豆の漁師たち、少女の成長を10年間かけて追ったシリーズ。近年はわ
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静岡市の写真家橋向真さん急逝 「すごい富士山」地元展覧会に追悼パネル設置
旅行先の岐阜県中津川市で4日に46歳の若さで急死した写真家橋向真さん(静岡市葵区)の展覧会を開催中の駿府博物館(同市駿河区)はこのほど、会場に橋向さんの死去を知らせる追悼文パネルとノートを置いた。訃報に接したファンらが弔いの言葉を書き残している。 パネルには紙製の花を供えた。東京都や愛知県など全国各地のファンが訪れ、作品と出会ったことへの感謝や早すぎる死去に対する哀悼のメッセージを寄せている。同館の小泉祐子館長は「富士山写真の新しいスタイルの開拓者で、今後の活躍を楽しみにしていました。ご冥福をお祈りしています」と話した。 橋向さんは「すごい富士山」と銘打った写真シリーズで交流サイト(SN
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油彩、水彩、色鉛筆 人物や風景35点 画家神尾さん、静岡で個展
川根本町の住民でつくる色鉛筆愛好会と水彩画デスケルクラブの両講師を務める画家神尾昌義さん(75)=同町=による個展が12日まで、静岡市葵区安西のギャラリー十夢で開かれている。 油彩画や水彩画、色鉛筆など多彩な画材を用いた35点が並ぶ。白いドレス姿の女性や、青年、ネパール人女性などの人物画のほか、富士宮市の朝霧高原など県内の風景を描いた作品も出展した。日本最大の公募展「日展」に昨年出品した縦162センチ、横110センチの油絵「青いスカート」は、椅子に腰かけてこちらを見るブラウスとスカート姿の女性が等身大で描かれ、来場者の目を引きつけている。 神尾さんは「人を描くのが好き。モデルとなった人の
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秋の風景写真中心 藤枝のグループ会員4人 静岡で力作展示
藤枝市岡部地区の写真愛好家グループ「岡部たかくさ写友会」(遠藤一男代表)の「自由気ままな写真展」が29日まで、静岡市葵区のもくせい会館で開かれている。 秋の風景写真を中心に、会員4人が近年撮影した13点を展示している。箱根西麓や黒部峡谷の鮮やかな紅葉、収穫期を迎えた里山など、爽やかな秋の一コマを捉えた。同会は年2回写真展を開き、今回で25回目という。遠藤さんは「会員が思い思いの1枚を選んだ。秋の景色を楽しんでもらえたらうれしい」と話した。
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直接触れて鑑賞楽しんで 彫刻やステンドグラス 静岡で作品展
NPO法人県補助犬支援センターは12日まで、作品を直接手で触れて楽しむ「心で観(み)る美術展」(静岡新聞社・静岡放送後援)を静岡市役所市民ギャラリーで開催している。5人の美術家による彫刻やステンドグラス、トールペイントなどの作品約60点が並ぶ。 目の不自由な人も含めて誰にでも、作品に触れることで大きさや素材の特質を感じてもらい、芸術に親しんでもらおうと企画。ステンドグラス作家の関雪江さん(富士市)がシャクヤクをモチーフにデザインした高さ約60センチのランプは、ランプシェードに触れるとデザインの凹凸や白熱電球のじんわりとした温かさを感じることができる。彫刻家の桑山賀行さん(神奈川県藤沢市)の
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森との関係見直す 現代美術家・楡木令子さん フィンランド人招き展覧会
藤枝市の地域おこし協力隊としても活躍する現代美術家楡木[にれき]令子さん(東伊豆町出身)が同市の中山間地を拠点に、2人のフィンランド人写真家を招いた交流プロジェクト「The Forest―鎮守の杜[もり]」を実施している。26日まで、かつての保育園を活用した展覧会を中心に、森林と人の関わりをテーマに据えたさまざまなプログラムを予定する。 写真家2人はリトヴァ・コヴァライネンさん、サンニ・セッポさん。ともにヘルシンキデザイン美術大修士課程を修了した。1990年代初頭に森林や自然を主題にしたプロジェクト「Tree People」を始め、現在も継続する。 「フィンランド人にとって森林は大切な場
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国内外の風景をパステル画に 「瑠璃パステルクラブ」会員の力作展示 浜松・北区
浜松市のパステル画同好会「瑠璃パステルクラブ」の第2回作品展が7日、同市北区三方原町の浜松いわた信用金庫三方原支店・葵西支店併設のギャラリーポテトで始まった。12日まで。 50~70代の会員8人と講師の出田英子さんが手がけた20点が並ぶ。5月に撮影会を行った奥山半僧坊(同区引佐町)や、会員が旅行で訪れた国内外の街並み、毎朝の散歩コースなど、お気に入りの風景を描いた力作が目を引く。 出田さんは「懐かしさを感じたり、旅行に行きたいと思ったりしながら楽しんでもらえたら」と話した。 開館時間は午前9時から午後4時。
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手作り作品や迫力パフォーマンス アークラ大サーカス 御殿場に全国の作家ずらり
全国のクラフト作家やアーティスト、パフォーマーが作品の展示や販売、演技を発表する祭典「アークラ大サーカス」(実行委員会主催)が4日、御殿場市の国立中央青少年交流の家で始まった。5日まで。 布製品や陶芸、ガラス細工、装飾品などを扱う約180店舗が出店し、手作りの温かさが感じられる品々を紹介している。御殿場開催に合わせて富士山に関連したオリジナル商品を扱う店もあり、来場者がお気に入りの一品を買い求めている。地元の味を提供する飲食店が並ぶエリアや木工体験、お面作りなど多彩なワークショップに挑戦できるエリアも設置された。 施設内の2カ所に設けられた舞台では大道芸や音楽ライブ、演劇などが次々と披露
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貴重な刀剣ずらり 「博物館レベル」の展示会 御殿場・秩父宮記念公園で4、5日
ごてんば市民芸術祭の一環で貴重な刀剣の数々を紹介する第57回武具刀剣展示会が4、5の両日、御殿場市の秩父宮記念公園で開かれる。重要美術刀剣や特別重要刀剣など高い価値を持つ個人所有の刀剣が並ぶ。 市武具刀剣保存会(高橋浩会長)の会員が、刀剣とつばなどの刀装具を日替わりで飾る。平安時代末期の名刀から明治、昭和時代ごろの「現代刀」まで約50振りのコレクションが展示される。特別重要刀剣である短刀「左 筑州住」や静岡県文化財に指定されている太刀「備州長船家重」などを間近で楽しむことがきる。 展示会は2日にプレオープンし、来場者が美しく光る刃を食い入るように見つめた。高橋会長は「博物館と遜色ないレベ
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木片からつながる無限の善 彫刻家・高須英輔さん(熱海市)【表現者たち】
木材を分割し、それをさらに分割し、さらにまた分割し―。繰り返しの作業の中で生まれた大小の木片をグラデーション状に積み上げた「蘇生組積[そせいそせき]」は、彫刻家高須英輔さん(77)=熱海市=が1980年代から取り組む代表的なシリーズ作品だ。 「一つの善が二つの善に。それが無限に広がって限りなく善にあふれた世界になってほしい」 武蔵野美術大で油絵を学び「親分子分の関係」と話す彫刻家井上武吉さん(30~97年)のアシスタントを経て30歳でデザイナーとして独立。自らの作品制作も続け、彫刻を中心に表現を模索した。 「蘇生組積」のアイデアは、東京・神楽坂にある陶器店の内装デザインの依頼を受けた中
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柔らかく優雅な肉体美 上原美術館「十一面観音像」【コレクションから⑰】
頭上に十面をのせた観音像。十面は全方角を見守る、救済の力をあらわすという。正面の顔を見ると、太く通った鼻筋と、目尻が上がった切れ長の目に、異国の面影を宿す。 十一面観音はインド発祥の密教の仏で、中国経由で日本にもたらされた。この顔には貴族たちの異文化への期待と憧れが凝縮されている。 立ち姿にも注目したい。正面から見た時、腰を大きく右にひねり、左足を浮かせて立つ。これもインド伝来の人体表現。平安の人は裸身を見慣れていない。上半身のあらわな肉身とあわせ、腰をひねる優美な立ち姿は、いささか刺激的だったろう。胸や腰に見られる、ねっとりとした肉身表現にも注目したい。 この像が制作されたのは平安時
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大道芸W杯テーマ 専門学生がポスター制作 静岡市葵区で展示会
静岡市で2~5日に開かれる「大道芸ワールドカップin静岡」をテーマに、静岡デザイン専門学校(同市葵区)のグラフィックデザイン科3年生が制作したポスターの展示会が5日まで、同区七間町の同校サテライトギャラリー「デザインファーム」で開かれている。 公式のポスターとガイドブックの表紙のデザインに採用された金原百々菜さんの作品など約80点を展示した。金原さんの作品は、青空に向かってさす人さし指の先に、大道芸人を模した段ボールの人形を乗せ、明るい雰囲気に仕上げた。キッズコーナーで使われるビジュアルに採用された浅井野々香さんの作品は、赤と白を基調にかわいらしいピエロをデザインした。 作品には学生が作
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「南アルプスは自然の宝」 登山愛好家らの写真、版画 静岡市葵区で展示会
自然を題材とした写真や版画などが並ぶ「静岡アート&ネイチャークラブ展」が5日まで、静岡市役所市民ギャラリーで開かれている。 「南アルプスは自然の宝」がテーマ。市内の登山経験者や写真愛好家ら11人でつくる写真クラブ「しぜん」は、国内2番目の高山である北岳から見た雲海に浮かぶ富士山や、ニホンカモシカ、ライチョウなど登山でしか見られない光景を作品にしたほか、カルガモやチョウなど身近な自然を切り取った写真も並んだ。 県内3山岳団体や全日本山岳写真協会は、赤石岳や聖岳など南アルプスの雄大な風景を写真で紹介した。SBS学苑パルシェ校(同市葵区)の木版画講座の受講生ら10人は、富士山と満月が共演する幻
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書歴70年 桜井さん(焼津市)が静岡市葵区で初個展 大作そろう
書歴70年を超え全国に教え子がいる焼津市の書家桜井流翠さん(88)の初の個展「桜井流翠米寿記念展」が1日、静岡市葵区の市民文化会館で始まった。5日まで。 4月からの3カ月間で書き上げた17点が並んだ。唐代の詩人李白の詩を書き連ねた縦1・1メートル、横6メートルの作品など、大作がそろった。流れるような行草体、仮名交じりの調和体、一文字一文字がつながらず区切られている「単体」などと各作品の書体はさまざまで、まるで複数人が参加した合同展のような趣がある。 同館では桜井さんの教え子の作品を集めた「花翠会一門展」も同時開催している。宮城岐阜など各県の弟子が101点を出品した。同展会期も5日まで。
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立体感ある布アート 10日まで浜松市中区で教室作品展
浜松市、磐田市で布アート教室を主宰する高木君代さん=浜松市南区=と受講生による作品展「ハンカチ・布で楽しむ3Dアート展」(静岡新聞社・静岡放送後援)が1日、同市中区のホテルコンコルド浜松で始まった。10日まで。完成まで1年という力作の数々が並ぶ。 月に一度の講座で制作した20点を出展。着物やハンカチの模様を利用して立体感のある作品に仕上げている。ハンカチを5枚使用し、白やピンクの鮮やかな花を咲かせるコスモス、チューリップなど技巧を凝らした作品を来場者が興味深そうに眺めている。
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登山家がとらえた南アルプスの一瞬 静岡市葵区で写真展
登山愛好家による写真を集めた「南アルプス写真展」(静岡新聞社・静岡放送後援)が31日、静岡市役所市民ギャラリーで始まった。11月5日まで。 静岡県山岳・スポーツクライミング連盟、静岡市山岳連盟、県勤労者山岳連盟、日本山岳会静岡支部の4団体が共催。所属会員や呼びかけに応じた人が撮影した作品計約150点を展示している。一つ一つ異なる表情を見せる山、積雪のある尾根、ライチョウや高山植物など、南アルプスに足を運んだ登山家の目でとらえた多様な写真が並ぶ。古いアイゼンなど会員のコレクションも併せて展示した。 写真展は、南アルプスの魅力を広く市民に知ってもらおうと、2018年から毎年開いている。市山岳
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天然色「貝紫」作品並ぶ 染織家稲垣さん 静岡市葵区で個展 11月1日まで
静岡市の染織家稲垣有里さん(50)の個展が11月1日まで、同市葵区鷹匠のギャラリー悠で開かれている。 稲垣さんは30年前からライフワークとして天然染料「貝紫」の研究、作品制作に取り組んできた。その着物の他、ストールやアクセサリー、天然藍染めによるタペストリーやバッグなど約250点を展示している。 貝紫は、染め方によって鮮明な紫色からピンク、淡いグレーまで美しい色の変化が特徴。稲垣さんは「貝の命を糸に移して生まれる高貴な色に魅せられてきた。染織という工芸を、生活の中に取り入れるきっかけになればうれしい」と話す。
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和モダンの世界紹介 浜松・平野美術館 海外収集品200点展示
明治から昭和の近代工芸作品を紹介する「和モダンの世界―近代の輸出工芸―」(平野美術館、静岡新聞社・静岡放送主催)が28日、浜松市中区の同美術館で始まった。12月17日まで。 漆器や陶磁器、木工品など、日本輸出工芸研究会の金子皓彦会長が西欧を中心に海外で収集した約200点を展示している。着物を身につけた農民らの姿を象牙などでかたどって装飾した芝山細工のついたてや、西欧で「ジャポニスム(日本趣味)」として人気を集めた薩摩焼など、多様なジャンルの〝和モダン〟作品が並ぶ。 静岡市の指物師山本安兵衛が手がけ、ウィーン万博(1873年)に出品された飾棚もあり、高い技術で表現された世界観が来場者の目を
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草花あしらった日本刺繍ずらり SBS学苑講師、生徒 展示即売 静岡市葵区
SBS学苑で日本刺繍(ししゅう)を学ぶ受講生らの作品展が26日、静岡市葵区七間町のギャラリーえざきで始まった。31日まで。パルシェ校と藤枝校で講師を務める佐貫真理さんと受講生17人が出展した。 梅やスイセンなど四季折々の草花などを刺繍した匂い袋と半襟、刺繍額計約120点を展示。季節に応じて使い分けられるようにと、片面にもみじや菊の花をあしらい、もう一方にしだれ桜をデザインした独創的な半襟が来場者の目を引いた。受講生が孫の成人式や卒業式のために心を込めて制作した作品も並ぶ。 佐貫さんは「受講生がそれぞれ工夫を凝らした作品をぜひ手に取ってじっくりみてほしい」と話した。 会場では即売も行って
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多彩な表現 水彩画の奥深い世界 風景や人物画など32点 静岡市葵区
日本水彩画会静岡支部は11月1日まで、静岡市葵区のしずぎんギャラリー四季で作品展を開いている。会員15人が、風景や人物などを描いた水彩画32点を出品した。 雨でぬれた路面にヘッドライトなどが反射する様子を、青や黄色、紫色などを用いて巧みに描いた作品や、赤くなり始めた夕暮れ時の空を、ぼかしやグラデーションで繊細に表現した作品などが目を引く。6月に同会が開催した全国規模の「第110回日本水彩展」で入選した4作品も来場者の注目を集める。 同支部の村松利孝支部長は「色を重ねたり、ぼかしたりして生まれる多彩な表現を通じて、水彩画の奥深さを楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。
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写実追求し50年 市川さん油彩画展 静岡市葵区で10月31日まで
静岡市葵区の画家市川元晴さん(73)の個展「風」が31日まで、同区の松坂屋静岡店で開かれている。人物表現を中心に写実を追求し、画業50周年を迎えた市川さんの初期から最新作まで油彩画約80点を展示している。 長年主題としてきたピエロやサリー姿のインド人女性の他、近年手がける白馬の群れなど、重厚な色調と精緻な描写が特徴。中学3年の時に描き、創作の原点となった鉛筆デッサン「おばあちゃん」を元に着彩した作品も展示した。市川さんは「これまでの歩みを総覧できる。楽しんでもらいたい」と話した。
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河野さん公募展最優秀 静岡県立美術館で障害者アートフェア 東アジア文化都市
障害者アートフェア(静岡県主催)が25日、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで始まり、県内ゆかりの出品者による「ふぁいんだー」作品公募展を29日まで、国内外で活躍する招待作家の展示を11月5日まで同時開催している。県が推進する東アジア文化都市事業と県障害者芸術祭の一環。 作品公募展は1次審査を通過した約40点が出品され、伊豆の国特別支援学校高等部3年の河野芽衣さん(三島市)の「メイのお手紙」が最優秀賞に選ばれた。 河野さんは日々、セロハンテープや身の回りの物を封筒に直接貼り付けた手紙を投函(とうかん)するという。出品作は「親しい人への思いが込められている。人間が生きること、表現するこ
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「和モダン」作品一堂 28日から平野美術館 搬入作業進む 浜松
明治から昭和の近代工芸作品を集めた「和モダンの世界-近代の輸出工芸-」(平野美術館、静岡新聞社・静岡放送主催)が28日、浜松市中区の同美術館で開幕する。25日、搬入作業が始まった。 日本輸出工芸研究会の金子皓彦会長が英国やフランスなどで収集したコレクションから、漆器や陶磁器、木工品など多様な輸出工芸品約200点を展示する。西欧で流行した「ジャポニスム(日本趣味)」で人気を集めた薩摩焼や芝山細工に加え、駿河で作られた漆工芸品や静岡市の指物師山本安兵衛がウィーン万博(1873年)に出品した飾棚など、本県ゆかりの作品も多く並ぶ。 会場で設営に当たった金子会長は「バリエーション豊かな作品が一堂に
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緻密な計算で霊峰パチリ 「奇跡的」ショットも 富士市で写真展
富士山を撮影する静岡県内外の写真愛好家でつくる全日本富士写真連盟による「富嶽(ふがく)百景写真展」が11月5日まで、富士市の道の駅「富士川楽座」フジヤマギャラリーで開かれている。 富士山が望める名所や独自に見つけたポイントから撮影した作品など、会員約30人による41点が並ぶ。新月の夜に天の川と富士山を同時に収めるといった緻密な計算を踏まえた写真が多い。一方、会員が奈良県の山間部を訪れた際に気象条件や時間帯の妙から、偶然に富士山を捉えることができた作品もある。 同会の担当者は「年に数回しか見られないような奇跡的なショットもある」と話し、来場を呼びかけた。
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浜松北高美術部 卒業生ら作品展示 10月30日まで 浜松市中区
浜松北高(浜松市中区)美術部のOB、OGらでつくる「カッパ会」の美術展が25日、同区の遠鉄百貨店で始まった。30日まで。 1966年まで同部顧問を務め、「カッパ先生」の愛称で親しまれた故井口清さんから指導を受けた70~90代の卒業生ら19人がそれぞれ制作した絵画や写真、彫刻作品など約40点を出展。写実的に表現した風景画や独創的な世界観が光る抽象画といった、アマチュアからプロまでが技巧を凝らした作品が来場者の注目を集めている。 カッパ会は同校卒業生で、美術に触れている人の参加を呼びかけている。
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秋の美 27流派が華やかに 第70回静岡県華道展、静岡市で開幕
静岡県内華道の27流派の選び抜かれた作品が一堂に集う「第70回県華道展」(県華道連盟、静岡新聞社・静岡放送主催)が24日、静岡市葵区の松坂屋静岡店で開幕した。29日まで。同連盟の大羽見松斎会長や県スポーツ・文化観光部の横山雅機文化局長らがテープカットで70回目の開幕を祝った。 各流派の家元ら華道家による力作計363点を3部に分けて2日ずつ展示する。ホトトギス、ツルウメモドキ、キク、ケイトウなど秋を感じさせる花材を使い、華やかに仕上げた作品が多く並ぶ。「立華」や「盛花」「文人花」など古典様式のほか、発泡スチロールやステンレスパイプとともにユリやグロリオサの色鮮やかな花を生けた造形作品など、
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里山、海岸… 土地の記憶とともに 奥能登国際芸術祭 石川・珠洲
石川県珠洲市で11月12日まで、国内外50組超のアーティストが集う広域フェスティバル「奥能登国際芸術祭2023」が開かれている。能登半島の変化に富んだ景観や古くから受け継がれてきた生活・文化を下敷きにした作品を鑑賞するため、海岸線や里山の集落を巡った。 芸術祭は2017年に初開催。トリエンナーレ(3年に1回)方式を想定していたが、20年は新型コロナ禍で1年延期した。ことしの第3回も、5月5日に起こった震度6強の地震が開催を危うくした。「人口約1万3千人の半数以上が高齢者。復興優先との声もあった」と事務局の水上昌子次長は振り返る。 開催の決め手は、過去の実績だった。17年の第1回は7万1
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すごい富士山展、写真家・橋向さんが解説 静岡・駿府博物館
静岡市駿河区の駿府博物館で開催中の展覧会「すごい富士山~絵画と写真の共演~」のギャラリートークが22日、同館で開かれた。作品を出品した写真家の橋向真さん(46)が来場者を前に撮影時のエピソードや同展への思いなどを語った。 来館者約60人が参加した。橋向さんは「北斎の作品と自分の写真が並んで夢がかなった」として、江戸時代の浮世絵師葛飾北斎の代表作富嶽三十六景の「凱風快晴」と自身が撮影した赤富士作品の共通点などを解説した。撮影の際には気象条件などを細かく調べて理詰めで挑むという。一方で、偶然が生んだ「奇跡」のような作品もあるとして、湖と雲に映った影が織りなす三つの富士山が写りこんだような作品は
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県内外の祭事や自然 愛好家4人が写真展 静岡市葵区
静岡県中部の写真愛好家4人による作品展「写友4人会の写真展」が31日まで、静岡市葵区古庄の写真店「ズームアイ」のギャラリーで開かれている。 展示したのは高須聖美さん(59)=焼津市=、渡辺健司さん(85)=静岡市葵区=、浦田光一郎さん(73)=同区=、吉村宗之さん(77)=同市駿河区=の4人。焼津祭りなど県内の祭事やイベントを楽しむ人々、秋山郷(長野県・新潟県)の鮮やかな新緑と紅葉を美しく切り取った作品など個性豊かな約40点が並ぶ。 4人での写真展は初めて。高須さんは「写真好きな4人それぞれのセンスや好みなど違いを楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。
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親子で絵画「二人展」 24日まで静岡市葵区
静岡市駿河区の内科医杉浦浩策さん(77)と長女の冨田綾子さんの絵画を紹介する「二人展」が24日まで、葵区両替町のギャラリー浜村で開かれている。近年描いた新作を中心に、計21点の油彩画や水彩画を出品した。 2人は同じ趣味を持つことで数年前から「展示会をいつか一緒にやってみよう」と話していたという。杉浦さんは二人展の開催を「夢の一つがかなった。最高です」と喜ぶ。柔らかなタッチが印象的な杉浦さんは旅先で見つけた風景画や「挑戦中」だという人物画も披露した。「鉄路」は、絵画を始めた20年ほど前に友人と旅したオーストラリアのケアンズで見た道路脇に鉄道の線路が伸びる風景を鮮やかに描いた。 京都市と静岡
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横須賀“アート”街道に 絵画や陶芸ずらり 10月22日まで 掛川市
掛川市景観形成重点地区の古い町並みを舞台にした「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」(遠州横須賀倶楽部など主催)が20日、同市横須賀地区で始まった。22日まで、街道沿いの古民家や商店の軒先など54会場に多彩なアート作品が並ぶ。 1999年に始まり、23回目の開催。県内外の作家83人が絵画や彫刻、陶芸作品などを出品した。8回目の参加となる木彫作家藤田稔さん(63)=袋井市諸井=は、清水邸の納屋に妖怪をモチーフにした木彫り作品35点を展示した。「会場の雰囲気が作品とばっちり合う」と魅力を話し、来場者との交流を楽しんだ。 21日は午後9時まで、最終日の22日は午後5時まで。両日とも掛川駅南口と横須
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江戸時代旧大名 細川家の狩野派名宝公開 静岡県立美術館 10月17日から展覧会
江戸時代に肥後熊本54万石を治めた旧大名細川家伝来の美術工芸品を守り伝える美術館「永青文庫」(細川護光理事長、東京都文京区)の狩野派コレクションを、県立美術館の所蔵品などと共に公開する展覧会「大大名(スーパースター)の名宝 永青文庫×静岡県美の狩野派」の内覧会が16日、静岡市駿河区の同館で開かれた。平明な画風を確立し狩野派の土台を築いたとされる2代目狩野元信の作品をはじめ、室町時代から安土桃山時代にかけての名品を守ってきた永青文庫と、江戸時代の狩野派の作品を中心に集めてきた県立美術館が計57点を出品。狩野派400年の歴史を一挙にたどれる内容に仕上がった。 展覧会に合わせて両館と
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掛川「原泉アートデイズ!」開幕 11作家 日常から創作 茶工場や空き家 9会場 地域に滞在 経験や交流表現
掛川市原泉地区の茶工場や空き家を会場にした広域アート展「原泉アートデイズ!」(原泉アートプロジェクト主催)が12日、開幕した。6年目を迎えた今回は、原泉にとってアートは日常との思いを込めて「交差する日常」をテーマに据えた。国内外11作家の作品を地区内9会場で展示している。11月26日まで。 展示作品はそれぞれ、作家が地域に滞在して創作した。地域で得た経験や作家同士の交流での気づきを反映した作品がそろった。 初回から参加する野々上聡人さんは、グループ「作戦」で創作活動の場や寝室などが一つの空間に存在する「野暮 Yabo」を出品。作品について「生活そのものが芸術」と説明し「ここでしかできない
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ブルターニュ展 入館者1万人 岩崎さん夫妻に記念品 静岡市美術館 22日まで
静岡市美術館(同市葵区)で開催中の展覧会「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」(静岡新聞社・静岡放送など主催、清水銀行特別協賛)の来場者が11日、1万人に達した。 節目を飾ったのは、美術展巡りが趣味という静岡市葵区の岩崎完治さん(68)と弘子さん(67)夫妻。完治さんは「ご褒美をいただいたようでうれしい。細部まで描き込まれ、人々の日常が伝わってくるよう」、弘子さんは「落ち着いた色使いが安らぐ」と笑顔で語った。記念セレモニーが開かれ、清水銀行の平岩将常務らから図録など記念品が贈られた。 同展は、フランス北西部・ブルターニュ地方の自然や独自の文化を描いたク
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「まあだだよ」 観客への“最後の授業”【名画の歳時記⑦】
今日10月5日は「世界教師デー」。1966年のこの日、「教師の地位向上に関する勧告」が調印されたことから、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により制定された国際記念日です。 先生と教え子たちの交流を描いた映画は昔から数多くありますが、日本映画の古典では浜松市出身の木下恵介監督による「二十四の瞳」(54年)が最もよく知られているのではないでしょうか。 しかし、日本映画のもう一人の巨匠、黒澤明監督作品の多くも、実は先生と教え子を描いたものなのです。デビュー作である「姿三四郎」(43年)、「赤ひげ」(65年)などはまさにそうですし、「野良犬」(49年)、「七人の侍」(54年)ほかの作品も、先生と
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感謝の気持ち込め絵画展 愛好家団体「THK」 静岡で10月8日まで
静岡県内の絵画愛好家でつくる団体「THK」の絵画展が2日、静岡市役所市民ギャラリーで始まった。8日まで。 油彩画や水彩画など、メンバー7人が思い思いの手法やテーマで書き上げた41枚の力作が並ぶ。成岡史恵さん(79)=同市葵区=は秋の夜に目を閉じて虫の音を聞く女性2人を描いた日本画を出品。岩絵の具を使ってススキやワレモコウなどの草花や、女性の肌の質感を繊細に表現した。 団体名はTHANKS(「ありがとう」の意)の略で、絵を描くことのできる環境や見てくれる人への感謝の思いを込めたという。発起人の岩佐智江さん(76)=同市駿河区=は「1年間描きためたバラエティー豊かな作品を展示している。見に来
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軽くて簡素 実戦向き甲冑 久能山東照宮博物館「金陀美具足」【コレクションから⑭】
織田がつき羽柴がこねし天下餅すわりしままに食うは徳川 この歌は織田信長公、豊臣秀吉公、徳川家康公の天下取りを表現したもので、家康公とは地味で、狸親父[たぬきおやじ]というイメージがある。しかし今年はドラマの影響から旧来のイメージ像とはずいぶん変わってきているように感じる。 家康公所用品の中でも特に注目されているのが、「金陀美具足[きんだみぐそく]」である。製作年代には議論があるが、社伝によると、永禄3(1560)年、桶狭間合戦の前哨戦である大高城の兵糧入れにて使用した甲冑[かっちゅう]とされている。 江戸時代には、紅葉山神庫(江戸城内東照宮の御神宝蔵)に家康公ゆかりの宝物と共に納めら
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版画協会作品展 独創的な34点 静岡市葵区
静岡市の版画愛好家らでつくる市版画協会は10月1日まで、展覧会を市役所市民ギャラリーで開いている。 日常の何げない瞬間を切り取った風景画や、写真と版画を組み合わせた独創的な作品など34点を会員ら19人が展示した。葵区の松永広子さん(81)は、約8カ月かけて制作した太陽の光が反射する長尾川の水面を線の強弱で巧みに表現した木版画を出品。松永さんは「浮世絵用の『ばれん』ですることで繊細な線を表現できた」と工夫を語った。 同協会の浦田周社会長(83)=同区=は「会員それぞれの個性が光る作品ばかり。ぜひゆっくり見てお気に入りを見つけて」と見どころを紹介した。
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異なる質感の「白」 ペイント作品60点並ぶ 小林さん(焼津) 静岡市葵区
焼津市の美術家小林由季さんの個展が23日、静岡市葵区鷹匠のギャラリー「NEUF(ヌフ)」で始まった。30日まで。 「白」を基調としたシンプルなペイント作品約60点を展示した。自分自身の在り方を問い、思考をクリアにすることを目指して創作しているという小林さん。今回はこれまで主に使用していたアクリル絵の具の他に、日本画の顔料なども用いて作品を制作。やすりで削ったり素手でこすったりして、一枚一枚が異なる質感に仕上げた。 小林さんは「どれも同じ『白』に見えるが光の加減や見る向きの違いで色の見え方が変わる。見る人によって異なるアートの解釈を楽しんで」と作品の魅力を紹介した。
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心象、風景、抽象で表現 磐田の鈴木さん 浜松市浜北区で絵画展
浜松市浜北区の県立森林公園の絵画教室で講師を務める鈴木正善さん(81)=磐田市=が30日まで、第45回絵画展を同公園バードピア浜北で開いている。9月初旬に発表した抽象画作品集の原画を中心に約30点を展示している。27日休み。 画面いっぱいを色で塗った上で線や図形を並べた作品が多い。夜の漁港を描いた100号の作品は、水面に映る光を濃い青と明るい黄色の対比で表現。赤を背景に黒い線が何本も通る絵画は、クラシック音楽を聴きながら指揮棒を振るった軌跡と地元の路地の様子を組み合わせた。同公園の林の風景画は青色の濃淡のみで制作した。鈴木さんは「年を重ねてもアイデアが次々と湧いてくる」と話している。
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裾野市政カレンダーの写真審査会 富士山引き立つ作品など101点
2024年の裾野市政カレンダーに掲載する写真審査会が22日、市役所で開かれた。 市内外の写真愛好家ら39人から、21年1月1日以降に市内で撮影した計101点の応募があった。会場には季節の花々や星空、花火をアクセントに富士山を引き立てた作品などが並んだ。村田悠市長や広報特派員らが審査員を務め、表紙と各月に最適な写真を選んだ。 村田市長は「裾野市から見える富士山が一番。どれも迫力のある写真で素晴らしい」と総評した。 表紙写真は、田島信雄さん(裾野市)の赤く染まった雲を背景に富士山のシルエットが際立つ「赤雲4態」に決まった。
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静岡県立美術館の名作、沼津で 移動展「旅する人生」 10月1日まで
静岡県立美術館の所蔵作品を紹介する移動美術展「旅する人生」(県立美術館、沼津市振興公社主催)が22日、同市民文化センターで始まった。10月1日まで。 同センターでの移動美術展は3年ぶり。雄大な富士山と愛鷹山を描いた歌川広重の浮世絵や、焼津市出身の石田徹也さんがサラリーマンの姿をユーモアたっぷりに表現したアクリル画など、多様な約30点が並ぶ。江戸幕府最後の将軍徳川慶喜による風景画もある。 23日には、来館者先着100人までを対象にしたシルクスクリーンの体験講座を開く。同センターの担当者は「これだけの作品を沼津で見られる機会はあまりないので、ぜひ足を運んでほしい」と話した。
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同級生喜寿の力作一堂に 焼津・小川小1958年度卒業生が展示会
焼津市立小川小を1958年度に卒業した当時のクラスメートによる作品展が21日から同市東小川の柳屋ギャラリーで始まった。趣旨に賛同した「6年2組」のクラスメートが制作した油彩画、写真、衣服などの力作が並ぶ。26日まで。 卒業生55人のうち、20人の作品約100点を展示している。5年前の2018年3月、70歳の古希を過ぎた記念として26人のクラスメートが同じ会場で作品展を開催。大勢の来場客で好評だったことから、77歳の喜寿を迎える今年に再びの開催を企画した。 64年の東京五輪で聖火リレーのランナーを務めた村松茂さんは使用したトーチと走っている様子を写した写真を出品した。画本「銀河鉄道の夜」で
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「女の園」(1954年) 力強さとやるせなさ 「木下惠介」編③【アートのほそ道】
試しにチャットGPTで「木下惠介監督なら現代の女性問題をどう撮る?」と聞くと、「軌跡~女性たちの闘いと希望」と題して、異なるバックグラウンドを持つ5人の女性たちが、女性の権利、平等、自己肯定感、性暴力、キャリア、家族などの問題に向き合う物語を答えてくれました。AIが考える登場人物はキャリアウーマンや主婦などで、小学生から高齢者まで幅広い年齢ですが、惠介がこの粗筋にどんな肉付けをするか想像するのは興味深いものです。 70年前に女性の権利をテーマにした「女の園」(1954年、高峰三枝子、高峰秀子、岸恵子、久我美子)は、大島渚が映画監督を目指すきっかけになった作品と言われ、「戦後日本映画のピーク
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ブルターニュ料理いかが 静岡のホテル 展覧会とコラボ
静岡市美術館(同市葵区)で開催中の「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」(静岡新聞社・静岡放送など主催、清水銀行特別協賛)に合わせ、同区紺屋町の中島屋グランドホテルが特別メニューを提供している。 テラスレストランのランチコース(4000円)は、ガレットや魚介料理「コトリヤード」などブルターニュ地方の郷土料理を楽しめる。テラスラウンジのアフタヌーンティー(2500円)で、同地方の伝統菓子ファーブルトンやクイニーアマン、特産の「ゲランドの塩」を使ったキャラメルケーキなどを用意している。同ホテルの西洋料理を担当する佐野幸伸料理長は「ソース、スープまで一つ一つ丁
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収蔵品の写真撮影OKに「本物と向き合うきっかけに」 静岡県立美術館
静岡市駿河区の静岡県立美術館は、18日まで開催中の収蔵品展「美術館のなかの書くこと」を皮切りに、個人利用に限って同館収蔵品の写真撮影を可能にした。 同館はこれまで、著作権の観点のほか、来館者や作品の寄託者への配慮など主に「管理上の理由」(同館)で収蔵品の撮影を禁止していた。しかし近年、国内外で展示品の撮影ができる美術館が増えていることから、数年前から対応を検討。スマートフォンでの撮影が気軽になり、案内板や撮影可否の表示を設置することで、作品を鑑賞する環境を保てると判断した。寄託品が多い展覧会では寄託者の要望などを踏まえ一律不可とする場合もある。 開催中の「美術館のなかの書くこと」では、フ
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美術作家 丹羽菜々さん(三島市)揺れる広がる、色の帯【表現者たち】
額縁の中にとどまるのではなく、作品がどこまでも続くように。三島市の美術作家丹羽菜々さん(60)は、白く長い紙や布を種々の色で染めたシリーズ「色の帯」に、約10年前から取り組んでいる。風に揺られる「帯」が、周囲の空間に変化を与える。 ギャラリーの限られたスペースを複数人で分け合う状態に窮屈さを感じ、作品の展示場所を制約のない窓の外へ移した。「自分自身も広がっていく感覚。揺られた帯の色が風に溶けていった」。当初は紙の帯だったが、2014年から屋外の展示を重ねる中で、耐久性の高い材質に変えた。現在は裂けにくい化学繊維の布を使っている。 制作は画材や作品が所狭しと並ぶワンルームの自宅で行う。帯の
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「松崎」題材のスケッチ審査 9月16日から作品展示
松崎町観光協会はこのほど、町内の自然や町並みを題材にして描いた絵を審査する「第21回伊豆松崎スケッチコンクール」の審査会を同町松崎の同協会で行った。小学生、中学生、高校生、一般の各部門に静岡県内外から51点が寄せられ、最高賞のスケッチ大賞には菅野光男さん(神奈川県川崎市)の「満開の桜の下で」が選ばれた。菅野さんの大賞受賞は2年連続。 コンクールは町が2002年に「スケッチの町」宣言を行い、翌年から毎年開催する。なまこ壁の建物や田園風景、港に並ぶ漁船などを表現した作品が並び、審査員の観光関係者ら6人が入賞作21点を選出した。今回は小中高生の各部門に力作が集まったという。 作品展示会は16日
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島田市博物館分館・海野光弘版画記念館「波紋映」(木版)1977年 木版に映す農村の美(【コレクションから⑬】曳地真澄/学芸員)
画面の大半を占める水面[みなも]には、落ちたしずくの波紋が幾重にも輪を描いて広がり、爽やかな夏の青空や古民家、華やかなタチアオイ、そして笠[かさ]をかぶった人が、光を反射しながら映し出されている。山形県鶴岡市にある田麦俣[たむぎまた]地域の美しく懐かしい日本の原風景を描いたのは、静岡市出身の木版画家、海野光弘(1939~79年)だ。 「波紋映[はもんえい]」は、病を患っていた妻を元気づけるために制作されたという。しかし、そのわずか2年後、海野自身が愛する家族を残して脳出血のため、39歳の若さで死去した。 海野は日中、家業である染物屋の仕事に従事し、それが終わった後に版画を制作する生活を送
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ヴァンジ彫刻庭園美術館、9月末で閉館へ 管理継続が困難に
休館中のヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)は12日、9月末で閉館するとホームページで発表した。同館を取り囲むクレマチスガーデンも閉鎖する。 コロナ禍による経営難を理由に、昨年12月末で休館していた。館内やガーデンの景観を損ねないよう清掃など環境整備に当たっていたが、運営上、管理継続が困難になった。 ホームページの更新と問い合わせ窓口は閉館前日の29日に終了し、同館が管理する「クレマチスの丘」のホームページも年内に閉鎖する予定。同館の飯野隆常務理事(67)は「経営体力的に困難で区切りをつけることになった」と話した。 同館は複合文化施設「クレマチスの丘」の一角に2002年4月に開館。彫刻家ジ
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勇気伝える絵本原画50点 北区 作家のオオタさん作品展 浜松市
浜松市南区の絵本作家兼造形作家オオタマキ(本名・太田真紀)さんが手がけた絵本の原画展が12日、浜松市北区三方原町の浜松いわた信用金庫三方原支店・葵西支店併設のギャラリーポテトで始まった。パステルや水彩、色鉛筆などさまざまな画材で描いた約50点が並ぶ。18日まで。 昨年1月、ことし8月に出版した2冊を紹介している。「天野ジャックはイバりん坊」は、ひねくれ者の男の子とおとなしい女の子が、戦争により変化していく考え方に流されずに声を上げ、世の中を少しずつ変えていく物語。勇気を持って行動することの大切さを伝えている。「魔女と魔法使い」も、戦争や環境問題がテーマになっている。 オオタさんは「紙と人
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老いや人生観を絵画で 90歳油井さん(葵区)作品展 静岡市
アマチュア画家油井溜二さん(90)=静岡市葵区=の絵画展「老いと死展」が18日まで、同市役所市民ギャラリーで開かれている。 老いや老後についての「メッセージ画」として油井さんが定義した独創的な26点が並ぶ。バイクが走る道を人生に見立て、六つのバックミラーに映る過去とライダーの表情を繊細に描いた作品や、力の抜けた手から白いバラがはかなく落ちる様子で死の瞬間を表現した作品などが見られる。 油井さんは79歳の時に大病を患い、「老い」や「死」という人間の力で解決できないものについてイメージを膨らませて絵に描くようになった。「90歳の自分が見た“今”を表現した作品から、人生
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牧水の鳥の歌 掛け軸状で紹介 沼津の記念館
沼津市制100周年記念の企画展「若山牧水 鳥の歌 いきとしいけるもののうた」(沼津牧水会主催)が12日、同市の若山牧水記念館で始まった。10月9日まで。 牧水が「うぐいす」や「かっこう」といった鳥を題材に詠んだ歌を紹介する掛け軸状のパネル14点が並ぶ。石川啄木や与謝野晶子などの歌人による作品もある。初日に関係者が集まる式典が開かれ、同会メンバーでつくる実行委の長沢靖夫委員長(85)は「牧水が鳥に自身を投影した歌や、憧れを表現した作品に分類した。牧水の自然観を感じてほしい」と話した。11月18日には、宮崎県の若山牧水記念文学館の伊藤一彦館長を招いた「記念講演会」を開く。
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ユポ紙使い 個性の水彩画13点 画家上野さんら浜松市中区で展示
浜松市西区の水彩画家上野博さんと県西部の生徒ら9人の作品展「YUPO紙に描く水彩画展」が20日まで、中区のホテルコンコルド浜松で開かれている。 通常の水彩画で使う紙とは異なる水を吸収しない合成の「ユポ紙」を使った13点を展示している。表面がツルツルしているユポ紙は水彩絵の具が浸透しにくく、ローラーやティッシュなどを使って色を塗り込むことで作品を作り上げた。スプレーを使って宇宙誕生の「ビッグバン」を描いた作品などが来場者を楽しませている。作者の増田功さん(83)=浜北区=は「ユポ紙を使うことで水彩の新しい可能性を表現できた。技法に注目して楽しんでほしい」と話した。
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40周年記念賞に名古屋の稲葉さん 可睡ゆりの園フォトコン 袋井
袋井市の可睡ゆりの園はこのほど、2023可睡ゆりの園フォトコンテスト(静岡新聞社・静岡放送後援)の入賞者を発表した。 毎年5~7月の開園時期に合わせて開催している恒例イベント。咲き誇るユリをはじめとした園内の風景を撮影した6266点が県内外から寄せられた。審査の結果、40周年記念賞に稲葉進さん(愛知県名古屋市)の「梅雨の晴れ間」、大賞には加藤恒夫さん(神奈川県平塚市)の「きらめく星座」が選ばれた。来年5月に表彰式を行う予定。 その他の主な入賞者は次の通り。 推薦 宮崎司郎(愛知県豊田市)▽特選 犬塚勝英(浜松市)加藤芳樹(同)佐藤美栄子(神奈川県茅ケ崎市)杉本昌弘(藤枝市)松浦昌(掛川
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静岡市美術館「ブルターニュ展」講演会 監修者 千足さんが魅力解説
フランス北西部、ブルターニュ半島の自然や文化を描いた作品を集めた「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」(静岡市、静岡新聞社・静岡放送など主催、清水銀行特別協賛)を開催中の静岡市葵区の市美術館で9日、記念講演会が開かれた。展覧会を監修した成城大名誉教授で広島県立美術館館長の千足伸行さんが、ブルターニュで生まれた絵画について語った。 千足さんは19世紀から20世紀にかけて近代化が進む中、「画家たちは過疎地と見られていたブルターニュの風俗や風景を求め、その魅力を伝えた」と説明。作品を示しながら、漁業を中心とした人々の暮らしぶりや信仰と結びついた行事、民族衣装な
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菊川市有形文化財に「驟雨之図」 市教委が指定
菊川市教育委員会は8日までに、黒田家代官屋敷資料館(同市下平川)に収蔵されている江戸末期の画家福田半香(1804~64年)の絵画「驟雨之図(しゅううのず)」を市有形文化財に指定した。 市教委の担当者が同日、所有者で黒田家15代当主の黒田淳之助さん(86)に指定書を渡した。絵画は縦180・7センチ、横96・8センチの軸装。南画風の水墨画で、1860年に描かれた。急に雨が降り出した梅雨時の風情を描写し、動きのある川面と木立で激しい雨の音を表現している。 市教委によると、市指定有形文化財は計20件になった。
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渡辺崋山「猛虎図」など50点 浜松の平野美術館 日本画や現代アート名品選
浜松市中区元浜町の平野美術館で10月15日まで、「館蔵名品選」が開かれている。日本画を中心に、洋画や現代アートなど桃山時代から現代までの厳選した作品約50点を並べた。 ファンも多い重要美術品である渡辺崋山の「猛虎図」や赤とんぼを見つめる子犬を描いた後藤順一さんの「秋茜」などが来場者を楽しませている。 学芸員の中川美瑠さん(22)は「それぞれのジャンルの面白さがある。ぜひ楽しんで鑑賞してほしい」と話した。 月曜休館。入館料は大人500円、中高生300円、小学生200円。土日は小中学生は無料。
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入場1万人達成 静岡県立美術館の企画展「糸で描く物語」
静岡市駿河区の県立美術館で開催中の企画展「糸で描く物語 刺繍(ししゅう)と、絵と、ファッションと。」の入場者が8日、1万人に達した。 節目の入場者となったのは浜松市浜北区の木俣千秋さん(72)。兄の松村俊夫さん(77)=静岡市葵区=らと作品を見て回り、「美術館に刺しゅう作品を展示するのは珍しいと思い、楽しみにしていた。民俗衣装が美しく見応えがあった」と話した。記念品として、図録などが贈られた。 企画展は18日まで。東欧の伝統衣装や絵本の挿絵、オートクチュールの装飾など、時代や地域を越えて発展してきた刺しゅう作品約230点を紹介している。関連イベントとして、9、10両日に同館屋外にクラフト
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「普通じゃない」地点へ 俳優 蔭山ひさ枝さん(静岡市葵区)【表現者たち】
静岡大演劇部の卒業生を中心に結成し、静岡市を拠点に活動を続ける「劇団渡辺」は来年、20周年を迎える。蔭山ひさ枝さん(43)=同市葵区=はその間、「看板俳優」の誉れと重圧を一身に受けてきた。 2023年は、活動を加速させている。あらゆる行動がままならなかった新型コロナ禍の3年間に報復するかのようだ。2月にイプセンの古典「人形の家」で主役ノーラを演じるなど、8月までに6作品。どの演目も、アルトの声で放たれる巧みなせりふ回しと確かな身体表現で、観客に強い印象を残した。 「無計画な人間だから、面白そうだしやるか、となる。でも、もともと『演劇で食べていくぞ』という気持ちで始めた劇団。常に作品に関わ
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有段者ら 個性の書170点 書道愛好家団体が作品展 静岡市葵区
静岡市清水区に本部を置く書道愛好家団体「書三昧(ざんまい)」の第44回作品展(静岡新聞社・静岡放送後援)が7日、同市役所市民ギャラリーで始まった。10日まで。 同団体に所属する県内外の有段者らによる漢字やかな、前衛書などさまざまな部門の個性豊かな作品約170点が並ぶ。「時間」をテーマにした近代詩文書や、金粉を交ぜた墨で「福」と書いた作品も目を引く。 同団体本部の望月俊孝編集長(54)は「書道は日本や中国の魅力ある文化。書道をしていない人も気兼ねなく楽しんでもらえれば」と幅広い人々の来場に期待する。同本部主催の学生誌上展に出品された書約60点も展示している。
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「笛吹川」(1960年) 時代劇に反戦の意志 「木下惠介」編②【アートのほそ道】
木下惠介は生涯49本の映画を製作しましたが、主要テーマの一つは反戦で、戦争の愚かさを辛辣[しんらつ]な眼差[まなざ]しで批判しています。 50本目の作品として幻の日中合作映画「戦場の固き約束」を企画し、シナリオも完成しましたが、さまざまな事情により撮影できませんでした。惠介の従軍体験から書かれたもので、戦争に翻弄[ほんろう]される中国人の若い恋人たちと日本人兵士との交流と悲劇を描いたものです。この脚本を惠介はどんな映像に仕上げるか、監督になった気分で想像するのも興味深いと思います。 惠介の戦争に対する眼差しは、代表作「二十四の瞳」(1954年、高峰秀子主演)の離島に赴任した新米先生と教え
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映画「運び屋」 残暑に負けぬシニアパワー【名画の歳時記⑥】
9月に入りましたが、今年は例年以上に暑い日が続き、なかなか元気が戻ってきません。今月の18日は「敬老の日」ですが、元気いっぱいのお年寄りから残暑を乗り切るエネルギーをもらいましょう。 クリント・イーストウッド監督/主演作「運び屋」(2018年、日本公開2019年)でイーストウッドが演じている老人アールは80代にして、ひょんなことから麻薬組織の“運び屋”として働くことになります(“ひょんなことから”始めるようなことではないですけどね)。 突然、収入が激増し、組織の仲間たちから頼りにされることで生きがいも生まれ、アールの人生は再び活力に満ちたも
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国内外の風景や人物 個性豊かに描写 10日まで中区で作品展 静岡県油彩美術家協会西部地区
静岡県油彩美術家協会西部地区の作品展(静岡新聞社・静岡放送後援)が10日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 会員30人らが自由なテーマで描いた国内外の風景や人物など約70点を出品した。風船を追いかける子どもや高くそびえるスペインのサグラダ・ファミリアなど、個性豊かに描写された作品が来場者を楽しませている。 同会の鈴木喜博事務局長(70)は「同じ油絵でも抽象や写実など表現方法は異なる。バラエティーに富んだ作品をぜひ楽しんでほしい」と呼びかけた。
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「感じたまま」写した60点 SBS学苑講師 浜松で生徒と作品展
SBS学苑の写真講座で講師を務める塚原勝二さん(76)=静岡市駿河区=と受講生の作品展が6日、浜松市中区の遠鉄百貨店6階ギャラリー・ロゼで始まった。11日まで。 「感じたまま」をテーマに、ジャンルにとらわれず思いのまま撮影した風景や動物の写真60点が並ぶ。浜松校の生徒8人を中心に、静岡校の生徒も出品した。ゾウが鼻を絡ませて仲良くたわむれる姿や、満開の桜の花びらが散る瞬間を捉えた作品などが来場者を楽しませている。 塚原さんは「身近な被写体を見て何か感じてもらえれば」と話した。
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家康ら戦国武将が絵手紙に 藤枝・駅南図書館で作品展
5月に発足し、藤枝市と島田市を拠点に活動する橘絵手紙友の会の作品展「徳川家康と戦国武将達」が5日、藤枝市立駅南図書館で始まった。会員ら約100人が絵手紙や和紙などを使って制作した作品約200点が並ぶ。24日まで。 大河ドラマ「どうする家康」の放映をきっかけに、展示会を企画した。家康に関連する景色や食、城などを絵手紙で表現したかるたのほかに、ほうとうや塩辛い田舎料理、タイの天ぷらといった各武将が食べていた食事をテーマにした絵が飾られている。武将の名言を書いた凧(たこ)と行燈(あんどん)も見られる。 日本絵手紙協会の公認講師で同会の甲斐紗都呼代表は「家康をはじめ、戦国武将ゆかりの地や食文化を
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色鮮やかな木版画並ぶ 清水町制60周年記念 前田さん個展 25日まで
SBS学苑イーラde沼津校木版画講師で、清水町在住の前田光一さん(87)の木版画展(同町、町教育委員会主催)が25日まで、町地域交流センターで開かれている。町制施行60周年記念企画展の一環。 日本の里山や昔ながらの建造物をテーマにした色鮮やかな木版画約45点が並んでいる。柿田川や瀬戸内海などの澄んだ青色が映える作品のほか、石垣や木の木目、家の瓦を細かく表現した作品などが来場者の目を楽しませている。 前田さんは「現地でスケッチをして、見た物をそのまま木版画にしている」とこだわりを話した。
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作品搬入、出展者が意見交換 磐田市美術協会 油彩や日本画 6日から展示
磐田市美術協会(近藤育夫会長)は6日から10日まで、同市見付の中央図書館で「第18回いわび小品展」を開く。市内外の会員が5日、油彩や水彩、日本画など約40点を搬入した。 会員約40人が、20号以下の絵画を1点ずつ持ち寄った。会場には、バラやチューリップの静物画のほか、マグカップを手に持つ女性を表現した人物画など個性豊かな作品が並ぶ。 搬入後、出展者が作品の特徴やこだわりを解説するギャラリートークを行い、会員同士がそれぞれの作品を鑑賞しながら「手の形がきれいに描かれている」「キャンバスが縦の方が上品な雰囲気が出るのでは」などと意見を交わした。
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絵画教室生の風景画など26点 浜松市北区
浜松市北区の三方原協働センターを拠点に活動する絵画教室「彩紀アート画室」の水彩画作品展が8日まで、同区三方原町の浜松いわた信用金庫三方原支店・葵西支店併設のギャラリーポテトで開かれている。 生徒7人と講師の斎藤雅紀さんが約1年間に手がけた風景画を中心に26点を出品した。同区引佐町のカフェの庭や初夏の都田総合公園、佐鳴湖など身近な景色を題材にした力作が並ぶ。ヒマワリやクレマチスなどの花々を描いた静物画も目を引く。斎藤さんは「色使いなどの個性や、水彩の柔らかな雰囲気を楽しんでほしい」と話した。
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袋井市内の移り変わり描く 田中さん個展
風景画を50年以上にわたって描き続ける田中稔さん(77)=袋井市葵町=の個展「袋井百景」が10日まで、市役所市民ギャラリーで開かれている。 酒屋などが並ぶ昭和50年代の市内の町並みや、約60年前まで袋井市-森町間を走っていた秋葉線の袋井駅を描いた油彩、水彩画約40点がそろう。愛野公園の秋景色など近年の風景を写した作品も並び、市内の移り変わりを絵画で楽しめる。 田中さんは「全て現地に行って描いてきた作品。現場の空気感や雰囲気を感じてもらいたい」と来場を呼びかけた。
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「ブルターニュ展」 静岡市美術館で開幕 特有の自然、文化描く
フランス北西部のブルターニュ地方特有の自然、文化を描いた作品を紹介する「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」(静岡市、静岡新聞社・静岡放送など主催、清水銀行特別協賛)が5日、静岡市葵区の市美術館で開幕した。 ブルターニュ地方は、厳しい自然が特異な地形をつくり出し、ケルト文化の伝統を色濃く残す。19世紀後半から20世紀前半にかけ、多くの画家が足を運び、その壮大な景観や人々の風俗、宗教儀礼などを描いてきた。同展は、同地方にあるカンペール美術館のコレクションを中心に、45作家約70点を展示している。 印象派を代表するモネ、ゴーギャンが率いてブルターニュで結成
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9月5日開幕「ブルターニュ展」 静岡市美術館で展示作業
静岡市美術館(葵区)で5日に開幕する「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」(静岡市、静岡新聞社・静岡放送など主催、清水銀行特別協賛)の展示作業が3日、行われた。 フランス北西部に位置するブルターニュ半島は壮大な自然景観を有し、ケルト民族に由来する独自の文化が育まれた。同展は、ブルターニュ地方を代表するカンペール美術館のコレクションを中心に、その風土に魅了されたクロード・モネ、ポール・ゴーギャンら45作家の絵画作品約70点を展示する。 カンペール美術館のフロランス・リヨネ副館長は「ブルターニュ地方で19~20世紀にかけて生まれた芸術は、日本の浮世絵の影響
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富士特支学校生の感性豊かな力作並ぶ 富士宮で作品展
静岡県立富士特別支援学校の児童生徒による美術作品展が13日まで、富士宮市城北町の江戸屋城北店ギャラリーfeuで開かれている。同校と富士宮分校に通う児童生徒が授業で手がけた感性豊かな力作約40点が並ぶ。7日は定休。 小学部2年の望月鉄志君の塗り絵「ぬりぬりぺったん」は、半袖半ズボンの形に切った台紙に、レンコンやピーマンなどの野菜を輪切りにして作ったスタンプを押し、夏らしい絵柄を演出した。富士宮分校高等部1年の池田武士さんは、ピンク色を基調にフクロウの凜(りん)とした姿を描いた。 社会参画に向けた作業学習で制作した木工作品や陶芸品も展示している。
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ヒマワリ畑の写真ずらり コンテスト応募作品展 浜松市浜北区
浜松市浜北区の杏林堂薬局小松店で15日まで、同区平口の分譲地のヒマワリ畑で撮影された写真コンテストの応募作品展が開かれている。 近隣住民の親子らが応募した21点が並ぶ。笑顔あふれる子どもたちと、元気に成長したヒマワリが写った作品などが集まった。 住宅ができるまでの分譲地を使って工務店のスローハンド、LPガス販売のエネジン、杏林堂薬局などが企画した。約300平方メートルの一部を使い、6月に親子らを招いて種をまき、ヒマワリ畑づくりから行った。
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印象に残った風景 油絵で 浜松市北区の加藤さん 作品展
浜松市北区細江町の絵画愛好家加藤ひろかず(本名・博万)さん(79)の油彩画作品展が16日まで、同町のギャラリーカフェ寸座フランセで開かれている。 加藤さんはヤマハを2009年に定年退職した後から本格的に油絵を描き始めた。14年間で訪れたヨーロッパやアメリカなど海外の街並みや、タコつぼが並ぶ日間賀島(愛知県)、大型漁船が停泊する県内の漁港など、印象に残っている風景を描いた計35点が並ぶ。 岐阜県や豊橋市などの鉄道を題材にした力作も目を引く。加藤さんは「自然の風景の中に電車や船、建物など人工物が入る構図を意識している」と話した。 開館時間は午前9時半~午後6時。火曜定休。
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ほかで見られない陶芸作品楽しんで 富士の川崎さん作品展 試行錯誤の力作100点
富士市の陶芸家川崎松風さん(52)の作品展が5日まで、静岡市葵区七間町のギャラリーえざきで開かれている。 今春開催された東海伝統工芸展で入選した作品や志野風紋壺など約100点が並ぶ。同工芸展で8回目の入選を果たした「萌黄釉大鉢(もえぎゆうおおばち)」は直径48センチ、高さ20センチの大型の作品。美しいもえぎ色は釉薬に着色剤のクロムを混ぜて表現した。温度管理や釉薬のかけ方など試行錯誤を繰り返して仕上げた。 川崎さんは「オリジナルの配合で色を出した。ほかでは見られない力作を楽しんでほしい」と呼びかけている。
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凹凸から生まれる物語 アーティスト ふるさわともこさん(静岡市清水区)【表現者たち】
白い静かな紙の世界。凹凸で見せるのは、複数のコーヒーカップから立ち上る湯気と香り。自在に膨らんだ形が、穏やかな日常を連想させる。アーティストふるさわともこさん(55)=静岡市清水区=がエンボス版画で描くのは「陰影から感じられる少し不思議な物語。不規則な形を表現するのが好き」と話す。 先端を滑らかに削った割り箸1本で凹凸を作る。30年近く愛用してきた。型紙を重ねた木炭紙の裏に押し当て輪郭線を出していく。 凹凸が表現できる幅は、型紙の厚さ1ミリ。走る子どもたちの姿、生活の道具、植物の葉も、シンプルで存在感のある線を目指す。 武蔵野美術短期大で工芸デザインと金工を学び、卒業後は雑誌の挿絵など
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平和への願い 1枚の絵に 富士宮・内房小 キッズゲルニカ完成
富士宮市の内房小児童40人によるキッズゲルニカ作品が完成し31日、同校で発表会が開かれた。世界の平和な未来を地元内房から願う1枚を地域の関係者に披露した。 作品はピカソのゲルニカと同じで縦3・5メートル、横7・8メートル。同校のマスコットキャラクター「たけピカくん」が内房地区の豊かな自然を背景に自撮りしている構図を描いた。校舎近くの桜並木や特産のタケノコで地元をアピールし、平和の象徴のハトも入れた。 6年生12人を中心に、夏休みに集まって作品を仕上げた。6年生の望月美愛さん(11)と吉田光里さん(11)は「戦争のない、国同士が仲良くなる日が来ることを願って制作に取り組んだ」と話した。
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SBS学苑講師と受講生らが絵画展 静岡市葵区
SBS学苑講師を務める千葉県柏市の日本美術家連盟会員伊東槃特(はんどく)さん(74)=静岡市出身=と受講生による作品展が31日、静岡市葵区追手町のしずぎんギャラリー四季で始まった。9月6日まで。水彩画やアクリル画、ペン画など、色使いやモチーフの形に個性があふれる力作約40点が並ぶ。 受講生の一人服部俊介さん(79)は、旅先のイングランド北西部の水道橋越しに広がる曲がり道と街並みを描いたペン画に淡く明るい色使いで水彩絵の具を重ねた作品を出展。「日本にない西洋の古き良き景色が伝われば」と語った。 鳥獣戯画を題材に背景を朱色や黄土色系で彩ったアクリル画や桜の木に止まったメジロを蛍光色の色鉛筆で
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静大特支中学部生 コースター作品出展 色合い褒められ「うれしい」 静岡県立美術館
静岡大付属特別支援学校中学部の生徒6人が30日、作業学習で自作したコースターを展示している静岡市駿河区の静岡県立美術館県民ギャラリーを訪ね、来場者に感想を聞いた。 生徒は「学校の来客をもてなす」をテーマに織機で毛糸を編み、12点の展示用コースターを作った。色使いを追求したり、形を美しく整えるよう気を付けたりしたという。 同校は、他者の視点に関心を持つことで生徒自身の視野を広げようと来場者へのインタビューも企画した。生徒は自分たちの作品が展示されているのを見てうれしそうな表情を見せ、鑑賞に来た人に感想を求めてノートに記した。3年の近藤菫さんは「色合いがきれいと言われてうれしかった。大勢の人
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平野美術館 渡辺崋山「猛虎図」天保9(1838)年 藩を支えた堂々たる姿【コレクションから⑫】
画面に描かれた虎は、画の中でどっしりと構えており、思わず触れたくなるような豊かな毛並みが魅力的だ。「猛虎図」の作者である渡辺崋山[わたなべかざん]は三河国田原藩士の子として生まれ、8歳で藩の世子御伽役[せいしおとぎやく]を勤めた非常に優秀な人物。後に谷文晁[たにぶんちょう]に弟子入りし、絵の才能が開花。現在まで語り継がれる数々の名品を残した。 崋山が田原藩の家老に就任したのは天保3年のこと。当時、田原藩の財政は非常に厳しく、多額の借金を抱えていた。加えて天保年間は全国的に飢饉[ききん]が続き、とても借金を返せる状態ではなかった。そこで藩は、借金元の豪商・加藤家に何とか借金をなしにすることは
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文字とアートの融合 作品60点 静岡デザイン専門学校講師 葵区で個展
静岡市葵区の静岡デザイン専門学校グラフィックデザイン科講師の池田仁さん(70)=焼津市=の個展「デザインと遊ぶ」が30日、同区七間町の同校サテライトギャラリー「デザインファーム」で始まった。9月10日まで。 人工血管が付いた心臓に「Restore」と文字を書き入れ、心臓手術に成功した喜びを表現したイラストなど、文字とアートを融合させた約60点の作品が並ぶ。ワインコルクや商品の空き箱、タグなどを組み合わせて“飛行機”を模した作品24個を1枚の板に張り付けた作品は、箱に描かれた多彩な文字や模様が来場者を楽しませている。 池田さんは「文字の持つ奥深さや、生活の中にある身
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新・山本二三展 来館者3万人達成 浜松市美術館 小粥さん夫妻らに記念品
浜松市中区の市美術館で開催中の特別展「新・山本二三展」の来館者が30日、3万人を達成した。同美術館の特別展で来館者が3万人を超えるのは、新型コロナウイルスの影響で約4年ぶり。7月8日に始まり、約2カ月弱で到達した。 「天空の城ラピュタ」などスタジオジブリのアニメーション映画で美術監督を務め、19日に70歳で亡くなったアニメ文化隆盛の立役者の遺作を一目見ようと、多くの人が訪れる中でセレモニーが行われた。節目の来館者となった東区の小粥可彦さん(75)、つる子さん(72)夫妻と孫の中郡中1年大屋晶さん(12)に飯室仁志館長から記念品が贈られた。 ジブリ作品の長年のファンだという可彦さんは「山本
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異国情緒、パリの画家魅了 9月5日から静岡市美術館で名画展
フランス北西部、ブルターニュ半島の自然、文化に魅了された画家たちの名画を展覧する「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス神秘と伝統の地へ」(静岡市、静岡新聞社・静岡放送など主催)が9月5日、同市葵区の市美術館で開幕する。首都パリとは異なるブルターニュ地方から生まれた美しい風景、豊かな人々の営みを写し取った多様な芸術表現を紹介する。 大西洋と英仏海峡の間に突き出たブルターニュ半島は、花こう岩が露出した荒野やエメラルドグリーンの海、深遠な森といった大自然を擁する地域である。もともと「ブルターニュ」とは、「ブルトン人の土地」を意味する「ブリタニア」から派生した地名で、5世
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「こども絵画コンクール」入賞者を表彰 遠鉄百貨店で28日まで作品展示
住友生命が主催する「第46回こども絵画コンクール」の浜松支社審査会(静岡新聞社・静岡放送後援)の表彰式が26日、浜松市中区の遠鉄百貨店6階ギャラリー・ロゼで開かれた。 今回のテーマは「しあわせ、みつけた!」。「0~4歳」から「中学生」まで年齢別6部門に同支社管内の県西部から計842点の応募があり、審査の結果、18点の入賞作が決まった。 吉田佳代支社長らが入賞者に賞状と記念品を手渡した。入賞作のうち、7点が全国審査に進み、全国審査の上位入賞作は2024年3~4月にフランスのルーヴル美術館に展示される。 同ギャラリーでは28日まで、入賞作など200点を展示している。友達と元気いっぱいに遊ん
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ヒマラヤの暮らし捉えた写真50点 静岡・葵区で愛好家が展示
静岡市清水区の写真愛好家芦沢伸治さん(76)がヒマラヤ山脈で撮影した作品の展示会が29日まで、同市葵区のコミュニティホール七間町で開催されている。雄大なヒマラヤの山々やそこに住む人々の暮らしぶりなどを切り取った力作50点が並ぶ。 夕日に照らされる世界最高峰のエベレスト(8848メートル)を、付近の別の山頂約5400メートル地点から撮影した作品が来場者の目を引く。現地の人々を撮影する際は、あいさつの言葉「ナマステ」と片言の英語を使って交渉。寒い中でも無邪気に遊ぶ子どもたちの純真なまなざしや、食事をする母娘の穏やかな笑顔などをリアルに捉えた。 2015年から19年にかけ、「富士山に比べヒマラ
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「楢山節考」(1958年) 逃げ場のない閉鎖性 「木下惠介」編①【アートのほそ道】
木下惠介の監督デビュー80年目の特別展「木下惠介と111のキーワード」(9月16日から)を準備しながら、改めて木下映画の魅力を考えました。生涯制作した49本の映画は、「ヒューマニズム」「反戦」「家族愛」などのキーワードで語られますが、京都大の木下千花教授が言うように「木下作品の魅力とは、そのシニシズム、皮肉にケレン味、簡単に言えばイジワルさ」(『KEISUKE』木下惠介記念館2011年発行より)と私も感じます。 作家長部日出雄が「天才監督」と表現したように、惠介は「遊ぶように映画を作った」と言っています。創作の悩みを微塵[みじん]も感じない挑戦的な映画作りで傑作を次々に生み出し、「バカと愚
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静岡県内外で撮影 力作並ぶ 掛川、シニア5人が作品展
掛川市の三井シニアクラブ写真サークル「写遊会」の作品展が27日まで、同市大坂の大東図書館で開かれている。69~84歳の5人が静岡県内外で撮影した計50点を出品した。 法多山尊永寺の節分祭やさがらサンビーチでの草競馬など、各地の風物詩を撮影した作品を展示している。ハナショウブやハスの花をフレームいっぱいに写した力作も並び、来場者の注目を集めている。 同クラブの福住悦也代表(79)は「それぞれの感性を尊重して、互いに干渉しないのがクラブの決まり。個性的な作品が集まった」と話している。
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色彩豊か 富士山と竜 日本画家栗原さん(北区)作品展 浜松市中区
浜松市北区の日本画家栗原幸彦さん(71)の富士山と竜が題材の作品を集めた「日本画の名匠 栗原幸彦の世界展」が30日まで、中区のギャラリー&フォト広沢で開かれている。 アートイベント会社「アートフォースM&K」(北区)を経営する亀岡光則さんが富士山世界文化遺産登録10周年を記念して企画した。赤富士や松崎町雲見から見た駿河湾越しの富士山の日本画など色彩豊かな約30点を展示。来年の干支(えと)の辰(たつ)にちなみ日本画の古典的なモチーフである竜を題材にした作品も並ぶ。 会場では賛助出展として西区の人形作家瀬川明子さんが手がけた富士山の祭神「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」や金の竜をかたどった
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風景や街並み描く 日本画の力作37点 浜松市天竜区で同好会展示
天竜日本画同好会の作品展覧会が22日、浜松市天竜区二俣町の市秋野不矩美術館市民ギャラリーで始まった。会員17人と講師を務める同区の日本画家内山明美さん(58)の日本画計37点が展示されている。27日まで。 同好会は2年に1回のペースで展覧会を開いていて、会員が近年描いた作品を中心に展示する。海や山など自然の風景や二俣町の街並み、草花、人物など自由な題材で描かれた多彩な日本画が並ぶ。富士山と田貫湖(富士宮市)を描いた内山さんの賛助出品作「霊峰夕映」も存在感を放っている。 同好会は1998年に発足し、同区の二俣協働センターで月2回活動している。
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創元会巡回展 大作並ぶ 油彩や水彩、コラージュなど 浜松市中区
美術団体「創元会」の静岡巡回展(静岡新聞社・静岡放送後援)が22日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。27日まで。 油彩や水彩、コラージュ作品など全国の支部から選抜した約70点と静岡支部の会員の作品16点が並ぶ。作品はすべて100号以上の大作。イタリアのリパリ島の漁港や部屋で操り人形を動かす女性の作品などが来場者を楽しませている。初日には創元会の前田潤事務局長による作品のミニ解説も行われ、約20人が耳を傾けた。 坂本真知子支部長は「みなさんそれぞれが感動する作品を見つけてほしい」と呼びかけた。
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障害者アート展示の輪 静岡県の貸し出し事業 企業の活用増
障害者の絵画作品を有料で貸し出し、作者を支援する静岡県の事業「まちじゅうアート」が2019年度の開始以来、レンタル数を毎年伸ばしている。企業からのレンタル申し込みが増えていて、CSR(企業の社会的責任)の実現につながる点だけでなく、芸術性そのものの評価が利用の広がりを生んでいる。 静岡市葵区の中心街にある三井住友信託銀行静岡支店。店内に足を踏み入れると、大胆な色使いが特徴的な絵画がフロアの壁にずらりと並んでいた。7月初旬から8月初旬まで1カ月間、動物などをモチーフに障害者が描いた作品18点が飾られた。作品と作者を紹介するパネルのそばには、同支店の従業員の推薦文が添えられた。窓口で順番を待つ
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アニメ美術監督の山本二三氏死去 「ラピュタ」「もののけ姫」
「天空の城ラピュタ」など多くのスタジオジブリ作品の背景画を手がけたアニメーション美術監督の山本二三(やまもと・にぞう)さんが19日午後1時28分、胃がんのため埼玉県飯能市の自宅で死去した。70歳。長崎県出身。葬儀・告別式は27日午前11時から飯能市飯能948の3、広域飯能斎場で。喪主は長男鷹生(たかお)氏。 テレビアニメ「未来少年コナン」を皮切りに、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」、高畑勲監督の「火垂るの墓」、細田守監督の「時をかける少女」など多くのアニメ映画で美術監督を務めた。2019年公開の新海誠監督の「天気の子」では劇中に登場する神社の天井画を描いた。 青空に高く上が
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原爆の惨禍「知って」 静岡県庁別館 25日まで写真や絵画展示
広島、長崎への原爆投下の歴史とその悲惨さを伝える「原爆と人間」展(静岡県原水爆被害者の会など主催)が21日、県庁別館展望ロビーで始まった。25日まで。 核兵器のない社会の実現を目指して毎年開催し、今回で20回目を迎えた。広島市立基町高の生徒が被爆者の証言を基に描いた絵画や、当時の人々が「生き地獄のようだった」と表現する原爆投下直後の凄惨(せいさん)な様子の写真、市民が描いた絵画などが展示され、訪れた小学生らは一つ一つを食い入るように見つめた。 同会の石原洋輔会長(78)は「きのこ雲の下で実際にこんなことが起きていたと知ってほしい」と呼びかけた。「来場をきっかけに核廃絶への思いを深めてもら
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古布で「人の不在」表現 浜松で美術家婦木さん個展 27日まで
浜松市中区の市鴨江アートセンターで、神戸市出身の美術家婦木加奈子さん(26)の個展「いなさ」が開かれている。同センターのアーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)事業の一環。役目を終えた古布を素材にした造形を組み合わせ、「人の死」や「不在」について考察するインスタレーションを提示した。展覧会は27日まで。 婦木さんは5月、浜松市に移住。直後に別の場所に住む親しい人の死に直面し、「死に向き合うこと」「死によって残るもの」を作品の主題に決めた。「不在の存在」を意味する造語「いなさ」という言葉をよりどころに創作を進めた。 現在は使用されていない衣類、布団、座布団などを活用し「かつて誰かが使って
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平和への思い絵画やキルトで表現 20日まで展示イベント 静岡・葵区
核兵器廃絶や世界平和を訴える「ピースフェスティバル」(静岡YWCA主催)が20日まで、静岡市葵区のアイセル21で開かれている。 原爆投下による広島市内の惨状を原爆被害者が描いた絵画30点や、平和への思いと憲法前文などをキルトで表現した「ピースタペストリー」が並ぶ。米国が太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で焼津市の漁船が被ばくした「第五福竜丸事件」を説明するパネルも展示している。 同YWCA運営委員の宮本真里さん(52)=同区=は「次世代が核被害に遭わないよう、作品を通して平和を考えるきっかけにしてほしい」と話した。 19日午後1時半からは、焼津高演劇部が、第五福竜丸元船長の久保山愛吉さ
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お笑いコンビ蛙亭の個性的な作品紹介 小山で27日まで
吉本興業所属のお笑いコンビ「蛙亭(かえるてい)」のデビュー10周年記念個展が27日まで、同社が指定管理に携わる小山町の町総合文化会館で開催されている。18日にメンバーの中野周平さん、イワクラさんによるトークショーが同館で開かれた。 絵が得意な中野さんによるイラスト13点と、カメラが趣味というイワクラさんが撮影した芸人らの日常風景写真など約100枚を展示している。中野さんは漢字や動物などから着想を得て、直近2年間にパソコンソフトで描いたオリジナルキャラクターのイラストを披露。イワクラさんは「だいすきなひとたち」と題して、芸人仲間たちの素の姿や笑顔を紹介している。 トークショーには同町や御殿
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浜松市民文化フェス 絵画や写真 日頃の成果200点 20日まで
浜松市の芸術文化の祭典「浜松市民文化フェスティバル」(市文化振興財団主催、静岡新聞社・静岡放送後援)の展示部門「絵・写・書・茶・花」展が18日、中区のクリエート浜松で始まった。20日まで。 初日の展示部門は絵画や写真、書などの作品約200点が並んだ。海外の街並みを描いた油彩画や四季折々の風景写真などが来場者の目を引く。19日からは生け花の展示や有料の呈茶コーナーなども開設する。 同フェスティバルは、文化芸術活動の活性化や技術向上を目的に2003年から開催し、多様なジャンルの文化団体が日頃の成果を発表する。
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廃木材に命吹き込む 浜松の書道家・大谷さん 北区で50点展示
浜松市北区引佐町の井伊谷宮で9月末ごろまで、県書道連盟顧問の書道家大谷青嵐さん(85)=同市中区=の作品展「廃木材に今一度“いのち”を書画展」が開かれている。 そのままでは捨てられてしまうマキやスギ、ヒノキなどの木の端材を加工し、墨と水彩絵の具を用いて制作した約50点が並ぶ。ことわざや漢文、日々の感謝の言葉をしたためたり、木目木肌、木の形を生かして植物や鳥、竜などを描いたりした。十二支の象形文字を書いた作品などもあり、参拝客の注目を集めている。 大谷さんは「書と絵の構図を決めるのが難しかった。自然を大切にして生命を育む神社で、再生、再利用をテーマに展示会が開けてう
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資生堂アートハウス 十四代今泉今右衛門 「色絵吹墨墨はじき雪文化粧具入揃」(2016年) 歴史背負い 新しい加飾【コレクションから⑪】
本作を作った十四代今泉今右衛門は、史上最年少で人間国宝に認定された陶芸家である。 今泉家は江戸時代を通じて佐賀藩に納める磁器の上絵付を一手に担った家柄だったが、明治になって藩の御用を離れた後は、製品完成までの全ての工程を自らの工房で手がけるようになった。 この作品は、貞明皇后や昭和天皇の妃のために宮内省から用命された化粧道具揃[そろ]えを、今の時代に復刻したものである。だがこれは、父祖の成果の写しにとどまるものでは決してない。オリジナルは白磁の上に龍や桃の実などの古典的な吉祥文を描き、いにしえの宮廷のたたずまいを彷彿[ほうふつ]させるものだったが、十四代は吹墨[ふきずみ]の技法による鮮や
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指先が生み出す藍の模様 染色家 水口よお子さん(裾野市)【表現者たち】
古くから日本人の暮らしに根を下ろし、愛され続けてきた藍色。染色家水口[みなくち]よお子さん(75)=裾野市=は、「ジャパン・ブルー」とも呼ばれるこの豊かな色相に、20年以上前から魅せられている。「身にまとっても爽やか。天然藍そのものが持つ力に支えられてきた」と実感する。 水や光、雲、植物の花。自然界の事象にイメージを重ね、独特の絞り模様を生み出す。連続する藍と白の対比は、万華鏡のように見る人を奥深くへ誘う。 小学校教員をしていた50歳のころ、沼津市内の展覧会で藍染めを気に入り、教室に通うようになった。「もともと手仕事が好きだった」。程なく教職を辞し、藍染めの創作活動に打ち込んだ。 名産
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絵本原画や油彩画250点 伊東の作家田島さん、藤枝で作品展
藤枝市文学館特別展「田島征三アートのぼうけん展」が9月24日まで、市郷土博物館・文学館で開かれている。伊東市の絵本作家田島さんの絵本原画や油彩画など250点以上が並ぶ。 代表作の「ちからたろう」「とべバッタ」など絵本原画を約40冊展示した。木の実と葉、枝、羽根、土を使った作品やリトグラフ、立体オブジェも来場者の注目を集めている。会場では田島さんの図録を2300円(税込み)で特別販売中。 市郷土博物館・文学館の担当者は「田島さんの創作の軌跡が分かる展示で、さまざまな作品を楽しめる」と話した。
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クレイアニメで架空の企業PR 静岡デザイン専門学校 授業成果展
静岡デザイン専門学校グラフィックデザイン科2年生の授業成果展「クレイアニメーション展」が17日、静岡市葵区の同校サテライトギャラリー「デザインファーム」で始まった。27日まで。 クレイアニメーションは粘土で作った人形などを用いて1コマずつ撮影した写真をつなげて映像にした作品。授業では架空の会社や商品のCMをテーマに制作した。 会場には動画の各場面を切り取ったボードを展示。企業をPRしたり社会的メッセージを届けたりする作品約60点が並ぶ。実際に使用した人形も持ち寄ったほか、制作したCM動画の一部も上映している。ギャラリーの公開時間は午前11時~午後6時。月、火曜日は休館。
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自然や旅行風景捉える 愛好家が写真展 静岡市葵区
静岡市在住の写真愛好家でつくる「龍然会」の作品展が31日まで、同市葵区古庄の写真店ズームアイのギャラリーで開かれている。 30~80代の会員9人が個性あふれる作品41点を出展した。高山植物や鳥など自然を題材にしたものや、旅行先で気に入った風景を切り取った写真などが並ぶ。昆虫や花を接写した作品は、肉眼では見られないクローズアップされた世界を捉えており来場者を楽しませている。 同会の安藤正治さん(88)は「テーマは自由で、それぞれ好きな写真を展示している。多様な作品を楽しんでほしい」と話した。
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現代書家 大杉弘子さん(袋井市)「書」を「書」で考えない【表現者たち】
9年ぶりの地元での個展を前に、気勢がみなぎる。現代書家大杉弘子さん(76)=袋井市=は、徳川家康を主題にした今回展の淵源に大河ドラマ「どうする家康」を挙げる。 「新しい史実、解釈。いいじゃない、私たちが習った歴史とは違っても。まさに『ポストモダン』」 国民的ドラマからの影響をあっけらかんと語るのは、大杉さんの真骨頂だ。「厭離穢土欣求浄土[おんりえどごんぐじょうど]」をはじめとした家康の言葉、三河から身を起こし天下を治めるに至った道程を念頭に、気をためて筆を揮[ふる]った。 1980年代から、同時代の文化芸術への興味関心をてこに「書」の世界を拡張すると同時に、文字の歴史を深く掘り下げると
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「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(葛飾北斎)「黄金比」構図、世界を魅了 「富士山」編④完【アートのほそ道】
西洋近代美術に、最も影響を与えた日本美術を挙げるとすれば、私は葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」だと思う。県内では静岡市東海道広重美術館(清水区)で開催中の企画展やMOA美術館(熱海市)で見ることができる。 浮世絵は、西欧でジャポニズム(日本趣味)が生まれるきっかけとなった。画家のモネ、ゴッホらへの影響とともに、作曲家のドビュッシーが「海」のスコア表紙に「神奈川沖浪裏」を使ったことでも知られている。 「神奈川沖浪裏」は、富士山を中央に据えた一点透視図法で描かれた単純な構図の作品ではなく、人間が美しいと感じる「黄金比率(1:1・618)」で構成されている。綿密な分析で生まれたものと説く
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86歳で夢実現、画廊オープン 半世紀余の店閉じ再始動 沼津の梅野さん
沼津市三枚橋町で半世紀余、時計・眼鏡販売店「水晶堂」を営んだ梅野郁夫さん(86)が11日、昨年末閉店した店をギャラリー「水晶堂画廊」として再オープンする。絵画が趣味の梅野さんや仲間が描いた作品を並べ、夢だった“第二の人生”の舞台が幕を開ける。 佐賀県出身の梅野さんは高校卒業後、兵庫県や三島市の時計店で修行後、1965年に28歳で沼津市内に水晶堂を開業。数年前から高齢もあって時計の修理など細かな手仕事の出来栄えに満足できなくなり、後継者もいないことから「もう潮時」と閉店を決断した。 「仕事はきちんとやってきた」と自負する梅野さんの息抜きだったのが、登山と絵画。画材
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地元食材を水彩画で 駿河区の鈴木さん個展 静岡市葵区
静岡市駿河区のイラストレーター鈴木千晶さんによる個展「ウオーターカラー・デイズ」が31日まで、同市葵区のしずおか焼津信用金庫本店のギャラリー「ゆめ空間」で開かれている。 同金庫が制作した今年のカレンダーの絵を鈴木さんが担当したことをきっかけに開催した。徳川家康が好んで食べたとされるワサビや折戸ナスといった地元の食材の原画など、カレンダーの掲載作を含む水彩画35点を展示。優しい色使いのやわらかな雰囲気の作品が来場者の目を引く。窓から見た夕暮れや雪景色を描いた作品も飾られている。 鈴木さんは「家康が好んだ素朴な食材や水彩画の世界に気軽に触れてもらいたい」と呼びかけた。
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袋井の魅力活写 優秀投稿写真ずらり 市役所に垂れ幕22点
袋井市役所本庁舎で31日まで、市主催の写真投稿オンラインイベント「夏のタカラサガシ」などで集まった優秀作品を展示している。交流サイト(SNS)に投稿される地域の魅力を写した作品を形にし、地域活性化や袋井ファンの獲得などにつなげる。 イベントは昨年7月から8月までインスタグラムをプラットフォームに開催し、市内で撮影した写真や動画を募集。そのほか、インスタグラムに「袋井の宝物」というハッシュタグ(検索目印)で投稿された写真も選考対象とし、多数の応募写真から優秀作品を22点選んだ。垂れ幕にして展示し、遠州三山の風鈴まつりや法多山尊永寺での傘の飾り付けを題材にした作品が来庁者を出迎えている。シティ
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命の記録 生き生きと 平間至さん写真展 20日まで静岡市で
タワーレコードの「NO MUSIC,NO LIFE.」キャンペーンのポスターをはじめ、音楽アーティストの躍動感あふれる写真で新スタイルを打ち出してきた写真家、平間至さん(60)。これまでの活動を回顧する「平間至写真展 写真は愛とタイミング!」が、静岡市駿河区のグランシップで開かれている。自身の娘の日常写真、写真館での家族写真などを含め230点が並び、「敷居は低く、写真表現の面白さ、奥深さを知ってもらえる」と手応えを語る。 平間さんは宮城県塩釜市で写真館の3代目として生まれた。両親はクラシック好き。幼少からバイオリンを習い、日常に写真と音楽があふれた環境で育った。中学ではパンクムーブメントに
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「パステル倶楽部」 水彩画など作品展 浜松市東区
浜松市浜北区の絵画教室「パステル倶楽部」の作品展が9月30日まで、東区有玉北町の喫茶店「珈楽庵」で開かれている。 講師の内山正己さんと会員計12人が出品した、水彩画やパステル画約20点が並ぶ。教室のスケッチ旅行で訪れた伊豆半島の思い出の風景や、色鮮やかな小さい花、釣りざおを扱う少年など、作者が自由に描いた作品が店内を彩っている。
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アーティスト10人 立体作品や抽象画 静岡でグループ展 静岡県内2ギャラリーが選出
静岡市葵区研屋町のギャラリー「ボタニカ・アートスペース」と富士宮市のRYUギャラリーが選出した県内アーティスト10人によるグループ展が5日、ボタニカで始まった。13日まで。 同展は、ボタニカの下山晶子代表が男性作家5人、RYUのオーナー山仲久美子さんが女性作家5人に依頼。福井揚さん(裾野市)が企画の代表を務めた。 抽象画やイラスト、怪獣の立体、流木のインスタレーションなどが並ぶ。福井さんと中安モモさん(静岡市駿河区)の怪獣、山下わかばさん(富士市)の動物の頭部を組み合わせた展示はユニークな連帯が見どころ。福井さんは「事前に打ち合わせを重ねたことで、それぞれの作品が個性を出しながら一体感が
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ダウン症少年画家 大村さん個展 個性豊かな力作並ぶ 5日まで 浜松市北区
静岡県立浜松みをつくし特別支援学校高等部1年で、ダウン症の大村剛輝さん(15)=浜松市北区三方原町=の個展「ごうきのミライエ展」が3日、同区根洗町のカフェ「しまうま倶楽部」で始まった。A4判のコピー用紙にサインペンで動物や人物などを密集させて描いた個性豊かな力作約60点が並ぶ。5日まで。 大村さんが個展を開くのは2022年9月に続き2回目。ゴルフ場をテーマにした「カキーン!コンコロコン!」、動物と人物を描いた「みなさんにおせわをしてるんだよなあ」など、独特な作品タイトルが目を引く。23年春以降は学校やデイサービスの友達を描くことが増えたといい、作風の変化も楽しめる。 会場の窓には、大村さ
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揺れ動く 一瞬の美しさ 日本画家 いのうえあいさん(静岡市清水区)【表現者たち】
目の前にあるものが、何であるかを知る前に触れる不思議さ。「草花をじっと見つめる、虫を捕まえようと手を伸ばすのに捕まえられない。幼子が『これは何? なぜ?』と抱く瞬間は尊い」。日本画家いのうえあいさん(35)=静岡市清水区=は、今月中旬に始まる個展の出品作「不思議」に、その思いを込める。 愛媛県に生まれ育ち、美術科の高校で初めて学んだ日本画が「しっくり来た」。白緑青、柳葉裏、岩緋[いわひ]-。「岩絵の具自体の美しさに加え、光を柔らかに吸収して反射する特性に引かれる」。筑波大大学院を経て24歳の時、常葉大短期大学部の保育科教員として静岡にやって来た。 写生、下絵、転写、着彩。段階を踏むごとに
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島田市博物館「早川殿朱印状」永禄11(1568)年 氏真の妻の権力象徴【コレクションから⑩】
北条家から今川家へ嫁いだ早川殿は、夫の今川氏真とともに波乱に満ちた戦国時代を生き抜いた女性である。早川殿が単なる氏真の妻でなく、確かに今川領国で権力を持っていたことが分かる資料が島田市に伝わっている。 早川殿が笹間(現島田市川根町)にかつて存在した峯叟[ほうそう]院という寺に対して金子[きんす]を寄付することが記された朱印状である。女戦国大名ともうたわれる寿桂尼(氏真の祖母)は、自身の菩提[ぼだい]寺と定めた龍雲寺(静岡市葵区)の末寺として峯叟院を再興させようと、永禄6(1563)年に初めて峯叟院に金子を寄付した。 早川殿の名で金子の寄付を再認する本文書が、寿桂尼没後の永禄11(1568
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「地球防衛軍」 昭和に引き戻されたよう【名画の歳時記⑤】
まだまだ油断はできませんが、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した今年の夏は、復活する、あるいは規模の拡大する夏祭りが県内でもいくつも開かれることでしょう。そんな今、60年以上前の昭和の夏祭りにタイムスリップするというのはいかが? 県内のいくつかの劇場でも開催中の「午前十時の映画祭13」で今月「地球防衛軍」(1957年)が4Kデジタルリマスター版で上映されるのです。 「午前十時の映画祭11」で、やはり4Kデジタルリマスター版の「モスラ」(61年)を観[み]た時は、画面に東宝のロゴが映し出された瞬間に衝撃を受けました。何度も観ている作品でしたが、ピカピカの鮮やかな画面だと、そしてスクリー
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高校総文祭 鹿児島で開幕
文化部のインターハイと呼ばれる、第47回全国高校総合文化祭「2023かごしま総文」が29日、鹿児島県で開幕した。全国約3千校から約1万7千人の生徒が参加し、8市町村を会場に演劇や吹奏楽、弁論など22部門で成果を発表する。8月4日まで。 鹿児島市での総合開会式では、鹿児島県内の高校生が合唱や劇などを披露。塩田康一知事は「芸術文化の交流を図る祭典が、より一層輝かしい未来の創造につながることを期待する」とあいさつした。秋篠宮さまは「皆さまの心にいつまでも残る素晴らしい夏のひとときになることを祈念します」と述べられた。 生徒実行委員会の委員長を務めた甲南3年三森芽依さん(18)は「互いの顔が見え
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小さな歯車 大きな力に 造形作家・水越亘将さん(富士宮市)【表現者たち】
全長約40センチのタイが載った木製のオブジェ。大小13個の歯車が収まる装置のハンドルを回すと、カタコトと鳴る木の音に合わせてタイの口や尻尾、ひれなどがゆったりと動く。 木で作った海の生き物を滑らかに動かすのは造形作家の水越亘将[のぶまさ]さん(66)=富士宮市=。日本や西洋のからくり人形で一般的に使われるモーターや金属部品を使わず、木だけで完成させる独自の造形を「ウッドメカニカル」と名付けた。「目指しているのは機能性とデザインが融合したサイエンスアート」。思わず笑みがこぼれるタイのとぼけた表情など、遊び心をしのばせる。 同市で生まれ育った。22歳から市の生涯学習指導員としてクラフト講座を
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雲上に浮かぶ 聖なる山 「富士山」編③【アートのほそ道】
写真家の石川直樹は1977年東京生まれで、祖父が芥川賞作家の石川淳だ。 20代の初めから今日まで、地球の北極点から南極点までの縦断人力踏破や、伝統的な航海術と手製カヌーを使ったポリネシア・トライアングル航行などを敢行した。未開の地に分け入って自分の足跡を記録に残そうと、標準レンズとフィルム用中判カメラにこだわりながら、写真とともに多くのエッセーを発表してきた。 石川は30回以上、富士山に登っている。その多くはエベレスト登山などでの高所順応を兼ねたものだった。彼の富士山写真は、雪で覆われた厳しい山肌とともに、富士山信仰の祭りなど、自然とともに人間の営みを記録として残したものも多い。 富士
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写真愛好家5人 花火など活写 浜松市西区で合同展
浜松市内の写真愛好家5人による合同展が30日まで、同市西区古人見町のギャラリー湖月堂で開かれている。 地元の風景や40年前に海外で撮影した路地など個性豊かな約30点が並ぶ。迫力のある弁天島花火や浜名湖からの優美な富士山の姿も来場者を楽しませている。 出品者の古橋恒夫さん(86)は「一瞬の美を楽しんでもらえれば」と話した。
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廃旅館 まちづくり実験の場に 掛川にオープン 30日まで写真展
掛川市連雀にある廃旅館の2階に共創型コミュニティーレジデンス「ポートカケガワ」が開設された。地元起業家などが中心となって12月まで、新しいまちづくりに挑戦しようと活動する。活動の一環として、30日までは美田をテーマにした写真展が開かれている。 学び・遊び・暮らしの三つをコンセプトに市民や行政、企業などさまざまな人が出会い、つながる場所を目指す。まちづくりの実験の場として半年間、広く開放し、まちを豊かにするアイデアを多くの人と考えていく。運営する長浜裕作さん(41)は「地域の方と交流しながら使い方を見つけていきたい」と話す。 写真展を開いたのは同市横須賀の土屋由美子さん。市内で無農薬・無肥
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絵本「ペネロペ」原画106点 磐田・香りの博物館
磐田市立野の香りの博物館で10月15日まで、青いコアラの女の子が主人公の絵本シリーズ「ペネロペ」の原画展(静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。 同シリーズは、ドイツ出身のゲオルグ・ハレンスレーベンさんとフランス出身のアン・グットマンさん夫妻が手がけている。油彩絵の具で描かれた原画106点が並び、作者の筆遣いを間近で見ることができる。 うっかり者で好奇心旺盛なペネロペが、買い物や海へのお出かけを楽しむ愛らしい姿などが素朴な筆致で描かれている。作者が実際に使った絵筆なども展示した。ペネロペの大好物のチョコレートや絵本に出てくるクッキー、蜂蜜などの香料も用意し、作品のかわいらしい世界観を
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言葉で、余白で、すくう感情 詩人ゆずりはすみれさん(静岡市葵区)【表現者たち】
雨上がりの公園、帰り道に見上げた空、赤ちゃんの掌[てのひら]-。詩人ゆずりはすみれさん(36)=静岡市葵区=が紡ぐ詩は、日々の生活や目にした景色から抱く感情、感覚を言葉ですくい上げる。 神戸市で生まれ育ち、中学生のころ、日々の思いをSNSに書きつづっていた。「日記のつもりが『詩ですね』と言われ、私が書くものが詩だと気付かされた」。2011年、職を得て静岡へやって来た。20年、詩の月刊誌「ユリイカ」で、「ユリイカの新人」に選ばれた。 いつか 手向けられた花にも ひとしれず いのちがあった そのいのちのあとに続くものを いま と呼ぶなら (詩集「かんむりをのせる」新装版の「緒の詩」から)
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北斎「冨嶽」と異なる魅力 静岡市東海道広重美術館/歌川広重「冨士三十六景 駿河薩タ之海上」(1858年) 【コレクションから⑨】
画面手前に大きくうねる波が立ち上がり、岸壁に打ち寄せている。東海道の由比宿と興津宿の間にそびえる難所、薩埵峠の沖から望む富士山を描いた歌川広重の浮世絵版画の作品である。 葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を彷彿[ほうふつ]とさせる大波が描かれているが、湾奥は穏やかで漁船や帆掛け船が航行し、さらにその奥に富士山が悠然と佇[たたず]む。波と富士山の中間にある景色を自然な遠近感で捉えており、まるで現地で実際に風景を目にしているかのような写生的な描写は、“広重めいしょ”と謳[うた]われた広重ならではと言えるだろう。 この作品は「冨士三十六景」と題された、各地から見え
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戦前生まれ、6人が写す「日本の祭り」 31日まで写真展 静岡・ズームアイ
静岡市在住で戦前生まれの写真愛好家6人による作品展「日本の祭りパート2」が31日まで、同市葵区古庄の写真店「ズームアイ」で開かれている。静岡県内を中心に全国の祭りで6人が撮影した個性あふれる作品42点を並べた。 大道芸ワールドカップin静岡(静岡市葵区)で矢を足で射る大道芸人やピエロの集合写真、松川タライ乗り競走(伊東市)でタライを笑顔でこぐ選手など、県内のイベントの特徴的な場面を捉えた作品が目を引く。青森ねぶた(青森市)、国府夏祭り(愛知県豊川市)など県外の伝統的な祭りの作品も展示した。 出品の一人、平井健司さん(82)=静岡市葵区=は「見る人によってさまざまな想像が膨らんだり、記憶が
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「情」排除 軽やかな静岡 地元で初個展 写真家・佐内正史さん(静岡出身)
静岡市出身の写真家佐内正史さん(55)の個展「静岡詩」が、静岡市葵区の市美術館で開かれている。地元での個展は初。県内の風物を撮影した約40点は全て新プリントで、約100点とエッセーを収録した同タイトルの書籍も発行した。何げない日常を切り取る作風で知られ「写真は写真の個性を撮るもので、私の個性を撮るものじゃない」と公言する佐内さんにとって、生まれ育った場所を題材にした展覧会には格別の難しさがあったという。 デビュー直後の1998年から断続的に撮影を続けた“静岡写真”に、今年4月以降の撮り下ろしを加えた。初夏の光を浴びる昼下がりの静岡市役所前、富士川河口の堤防、古びた
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浜松市美術館 来館300万人 地元芸術支え52年で到達
浜松市美術館(同市中区)の来館者が16日、300万人に達した。1971年7月1日の開館以来、52年での到達。中野祐介市長ら関係者が記念セレモニーを行い、節目を祝った。 節目の来館者となったのは、静岡市清水区の会社員岡田恵也さん(55)。妻の真紀さん(50)と娘の紗佳さん(15)=清水七中3年=、彩希さん(9)=清水有度二小3年=の家族4人で、「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」などスタジオジブリ作品のアニメーション映画で美術監督を務めた山本二三さんの特別展を観覧するために訪れた。 セレモニーでは、中野市長が「文化、芸術の力で浜松を元気にする核となるのが美術館。さまざまな展示を企画し、より多
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車や動物の頭蓋骨など題材 ポップアート作家小林さん(掛川)初個展 藤枝の画廊
掛川市在住のポップアート作家小林秀国さん(34)による初の個展が16日まで、藤枝市小石川町のアートカゲヤマ画廊で開かれている。1年間描きためた作品52点を展示販売している。 車や楽器、生き物などを題材に、ボールペンやマーカー、接着剤、アクリル絵の具を使った色彩豊かなポップアートが並ぶ。自信作は図鑑を見て衝撃を受けたという動物の頭蓋骨。0・3~0・5ミリのボールペンで緻密に描き上げた。マーブル模様に仕上げたガソリンのタンクやヘルメットも来場者の目を引く。 小林さんは「どの作品も心を込めて描いた。初めての個展で緊張していたが、来場者から『個性的で面白い』『見ていて楽しい』と言ってもらえて自信
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響き合う色彩と感性 アーティスト・松瀬千秋さん(静岡市清水区)【表現者たち】
富士山に降り注ぐ雨が、長い年月をかけて湧き水となり大地を潤す。自然界のさまざまな命の営みに恩恵を授けた水はやがて、駿河湾に流れ込む。壮大な物語をパステルカラーで表現するのはアーティスト松瀬千秋さん(65)=静岡市清水区=。水彩画「虹色の海」は、柔らかな光を放つ明るい色彩と、伸びやかな感性が響き合い、見る人を笑顔に導く。 波間に見え隠れするのは植物や海洋生物。「陸と海は多様な命を育む水でつながっている」。画家として活動を始めた20年以上前から「多様性は意識してきたテーマの一つ」と語る。 富士山の山肌に描いた小さなモザイクタイルの「緻密な集積」は、近年の作風を特徴づける重要なモチーフ。「どの
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「美」と「尊敬」から着想 「富士山」編②【アートのほそ道】
靉嘔[アイオー]は、1931年茨城県生まれで本名飯島孝雄。20世紀後半に米ニューヨークを拠点にした国際的芸術運動「フルクサス」の主要メンバーとして活躍し、「虹のアーティスト」とも呼ばれている。 靉嘔が初めて「虹色」のストライプ作品をニューヨークで発表したのは63年。近年LGBTQ+の象徴とされるレインボーフラッグは、78年にギルバート・ベイカーがデザインを考案したとされているが、それより15年も前である。 靉嘔はこれまで「美しいもの」「尊敬できるもの」からインスピレーションを得て、作品をつくってきた。ペンネームは哲学者サルトルの小説「嘔吐」から、一字を取っている。尊敬する葛飾北斎とア
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多彩な絵画や彫刻 45点の力作ずらり 16日まで 浜松市中区
絵画や彫刻など多彩な芸術作品が並ぶ作品展「CASビエンナーレ」が16日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 遠州地域で活躍する作家13人が手がけた力作約45点が並ぶ。春の暖かさを感じる桜を描いた日本画や太陽の光と水面に重なる虹を捉えた幻想的な写真などジャンルや伝統の枠を超え、自由に表現した作品が来場者を楽しませている。 出品者の阿隅松子さん(66)=同市北区=は「バラエティー豊かな作品を楽しんでほしい」と話した。
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【写真特集】川崎誠二のちいさな木彫り展
ペンギン 恐竜たち 海の動物たち バク 食べ物シリーズ おすし 煮干し サクランボ イヌとクマ トースト
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「ラピュタ」美術監督 山本さんの背景画紹介 浜松市美術館、9月10日まで
浜松市中区の浜松市美術館で8日から、「天空の城ラピュタ」などのアニメーション映画で美術監督を務めた山本二三さんの特別展「新・山本二三展」が始まる。9月10日まで。7日、関係者が同館に集まり、開会式を行った。 山本さんは長崎県出身。1978年に宮崎駿監督の「未来少年コナン」の美術監督に抜てきされて以来、日本のアニメーション文化を発展させてきた。「時をかける少女」や「天気の子」の制作にも携わった。 展示では、山本さんの手書きの背景画や、今回のために制作された新作「桜舞う浜松城」など約230点を紹介する。映画「もののけ姫」で登場した「シシ神の森」では、透明な水面や柔らかなコケ、木漏れ日を精緻に
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歌人・松浦彩美さん(掛川市) 日常の気付き、三十一文字に【表現者たち】
歌人松浦彩美[さいみ]さん(54)=掛川市=が第1歌集「タイムレター」を出版した。子育ての記録になればと始めた短歌。結社「国民文学」へ投稿を続けて27年になる。慌ただしい日常の一瞬、生まれ育った信州への望郷の念、老いを重ねる親の姿、そして子離れの心境―。松浦さんと家族が歩んだ道のりが522首に凝縮されている。 26歳で結婚し、夫の勤務地、神奈川県平塚市に暮らした。「妊娠で体調を崩し、仕事を辞めた」。自分自身を見失いかけた時、短歌の市民講座に参加した。「子どもの成長を残してみたい」。日記よりも、三十一文字[みそひともじ]の短詩型が自分には合う。程なく「国民文学」に入会した。 求められたのは
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フェルケール博物館 「寄木の手紙箱(レターボックス)」 江戸~明治時代の清水港 栄えた木材産業【コレクションから⑧】
この箱はケヤキや黒柿を使った乱寄木[らんよせぎ]の中に小さな寄木が象嵌[ぞうがん]され、合わせ口は金覆輪の印籠蓋[いんろうぶた]となっている。蓋の中心には縁起の良い扇と「福」の字が据えられ、表裏を朱と砥粉[とのこ]色に塗り分けられた落とし蓋も付いている。 現在、寄木細工は箱根の伝統産業として知られているが、その箱根では駿府の細工職人の娘が嫁に来て技術を伝えたのが始まりと説明されている。駿府には、明和元(1764)年に呉服町の土佐屋塗物店の小沢久七が漆器を携えて長崎に赴き、オランダ人に販売した記録が残る。また、彼らの注文を持ち帰り、日本にはなじみのない種類の漆器の制作も始めたという。この注文
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かわせみフォトクラブ 「会員作品展」【仲間と共に】
静岡市内の河口でシロチドリを撮影しました。シロチドリは卵からかえってすぐ、自分でえさをとりに動き出します。天敵に襲われないよう、親鳥はその様子を近くから見守っています。生後数日のひなが親鳥に独り立ちを宣言するかのような姿をカメラに収めました。 野鳥保護に携わって20年以上。コウノトリの飛来をきっかけに写真を撮り始めました。今では撮影に毎日のように通っています。鳥の成長はもちろん、角度によって色彩が変化する羽の美しさ、広げた時の微細な模様の違いなど、魅力は尽きません。 身近な鳥をいかに美しく表現するか。フィールドワークの課題です。(後藤俊一) 「かわせみフォトクラブ」作品展は12日まで
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橋幸夫さんが初の書画個展 6日まで、東京・有楽町マルイで
熱海市在住で5月に歌手活動を引退した橋幸夫さん(80)による初の書画個展「宙(そら)」が5日、東京都千代田区の有楽町マルイで始まった。昨年には京都芸術大通信教育部の書画コースに入学するなど、新たな道を進む橋さんが約30点を発表した。6日まで。 雄大な富士山の姿や窓辺から望む初島など、地元の自然をテーマにした大小の日本画や書が並ぶ。橋さんは「熱海の環境はとても性に合っている」と語り、今後の創作活動について「自然からヒントを得ている。殺伐とした世の中で、もっと自然と触れ合い、命を大切にしながら描いていきたい」と意欲を新たにした。 6日は午前11時から午後8時まで。
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「きみがぼくを見つけた日」 一緒に過ごせない二人【名画の歳時記➃】
明日は七夕です。七夕の由来の一つとなっているのはご存じの通り、織姫と彦星[ひこぼし]、1年に1度だけ会うことのできる恋人たちの伝説です。中国起源の七夕ですが、日本にも平安時代には伝わっていたとのことですから、織姫と彦星は千年以上もの間、年に1度だけの逢瀬[おうせ]をくり返していることになります。 めったに会えないのによく続くものだと感心しますが、めったに会えないからこそ続いているのかもしれないな、と思ったりもします。 というわけで今回は心から愛し合いながらも、いつも一緒にはいられないカップルを描いた「きみがぼくを見つけた日」(2009年)をご紹介。 ヘンリー(エリック・バナ、先月このコ
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「それぞれの富士山展」始まる 静岡県内作家の力作36点 フェルケール博物館
静岡市清水区のフェルケール博物館で1日、静岡県文化協会所属の作家が手がけた「それぞれの富士山展」(同博物館、県、県文化協会主催、静岡新聞社・静岡放送など後援)が始まった。仰ぎ見る霊峰富士からインスピレーションを受けた作品の数々を楽しむことができる。8月6日まで。 展示しているのは34人が制作した版画や油彩画、革工芸など36点で本展覧会のために制作した新作がほとんど。水彩画家太田昭さん(87)の「港街の錦富士」は形や大きさが微妙に異なる数十の富士山を描いた。太田さんは「それぞれの人の心にあるさまざまな富士山を描いた」と話した。 ほかにも、太古からの富士の成り立ちなどを油彩で表現した「イマジ
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長谷川義史さん原画展 絵本の世界ぎっしり220点 佐野美術館
大阪市の絵本作家長谷川義史さん(62)の企画展「とびだせ!長谷川義史展」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が1日、三島市の同美術館で開幕した。ダイナミックな筆遣いで描かれたユーモアたっぷりの作品約220点が展示されている。8月27日まで。 長谷川さんはグラフィックデザイナーを経て2000年に絵本デビュー。現在まで150冊以上を手がけ、かわいらしくおかしみもあるキャラクターが繰り広げる笑いあり涙ありの物語で多くのファンを引きつけている。 静岡県内初開催の長谷川さんの企画展は「家族」「絵本作家のよこがお」「幸せのあいことば」など5章で構成。原画だけでなく、立体作品や絵本の下絵なども
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「気配」追求、溶け込んだ形 ペインター・ながいいちほさん(伊豆市)【表現者たち】
油彩を中心に創作するペインターながいいちほさん(49)=伊豆市=の人物像には、羽や角を持つ人、たばこをくゆらす愛煙家が登場する。「目に見えない気配、たたずまいを追求してきた。動物の体の一部、たばことその煙から、その手がかりを探ることが多い」。喜怒哀楽といった感情とは異なる「日常から引っ張り出した非日常」に意識を向けるという。 フェルケール博物館(静岡市清水区)で展示中の作品「うわのそら」は、サーカスの演技を終えた天使役の女性が宙に横たわり、たばこを吸う。「彼女は気が抜けた真空状態」。背景の澄んだ白色が時間、空間の隙間へ誘う。 三島市出身。動物との関わりに影響を受けてきた。子どもの頃から犬
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「とびだせ!長谷川義史展」 原画など220点 三島で1日から
絵本作家長谷川義史さんの原画などを紹介する企画展「とびだせ!長谷川義史展」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が7月1日、三島市の同美術館で始まる。29日に搬入作業が行われ、ユーモアあふれる作品約220点が展示された。 長谷川さんの企画展開催は県内で初めて。長谷川さんの作品はダイナミックな筆遣いで描くユーモラスなキャラクターと、笑いあり涙ありの物語が特徴。会場には、奇想天外な客をおおらかに受け入れるおじいちゃんの人気シリーズ「いいからいいから」、父亡き後の家族を支えた自身の母を描いた「おかあちゃんがつくったる」などの原画をはじめ、イラストや立体作品も並んだ。 長谷川さんがスケッチ
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牙むく虎 関ケ原で威嚇 「田中藩本多家藩祖 本多正重ゆかりの虎の旗指物」慶長5(1600)年以前/藤枝市郷土博物館・文学館【コレクションから⑦】
牙をむく虎が描かれた旗は、戦国武将本多正重(1545~1617年)が関ケ原の戦いで用いたもの。寸法は縦192センチ、横156センチある。軍務に通じた正重はこの時、徳川家康から軍[いくさ]目付を命じられた。軍令を前線の諸隊へ伝達しつつ、家康に戦況を報告する任務を負い、戦場を馬で駆け巡った。 本多正重公伝に「背旗の大きなものは虎を描いてあり、関ケ原の合戦に用いた」とある。正重が猛獣・虎の旗を戦場にはためかせ、敵を威嚇し、蹴散らした情景が想像できる。正重の武運と徳川軍勝利の願いが込められたのであろう。 正重は勇猛な三河武士で、家康の参謀として活躍した本多正信の弟である。槍[やり]の名手としてそ
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静岡大学OBによる2023書展【仲間と共に】
静岡大工学部在学中、大字書に魅了されて書道部に入りました。それから55年間、多様な表現の創作書に取り組み続けています。 今回出す作品は、書の絵画的可能性を追求してみました。6年前から書き進めていたいろは歌の最後の文字「せ・す」を、わらぼうきを束ねて筆にして、緑茶を墨汁代わりに書き上げました。日用品を活用したいという遊び心が、私の書に対するテーマ。過去には洗剤や花、木の皮を材料に表現したこともあります。 書展では、毎年メンバーみんなが自由に書いた作品を展示しています。書は作者の思うままに表現できることを、特に若い人に知ってほしいです。 (小杉修史) 静岡大の卒業生によって2000年に
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和紙で朝焼けや草の質感表現 葵区でちぎり絵作品展 静岡市
静岡、浜松、沼津の3市でちぎり絵の教室を運営する「ハクビ和紙ちぎり絵学院」の作品展が7月2日まで、静岡市役所市民ギャラリーで開かれている。 受講生と講師の計約40人が作品約80点を展示した。薄く柔らかい典具帖(てんぐじょう)紙や細長い繊維が入った雲竜(うんりゅう)紙など多彩な和紙を重ね合わせ、朝焼けの絶妙な色合いを作り出したり、枯れ草の質感を巧みに表現したりしている。講師によるちぎり絵の実演や、ちぎり絵を体験できる絵はがきキットの配布も行っている。 作品展は今年で36回目。静岡と沼津の教室で講師を務める神戸康子さん(三島市)は「ちぎり絵を通じて、和紙の柔らかい雰囲気や色合いを楽しんでほし
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静大同窓生 最後の作品展 絵画や陶芸35点 静岡市
1964(昭和39)年度に静岡大教育学部美術科(当時)を卒業した有志でつくる「三九会」の最後の作品展が7月4日まで、静岡市葵区の県教育会館で開かれている。会員が全員80歳を超えたことから体調を考慮し、23回目の今回で作品展を終了する。 油彩画や水彩画、陶芸など会員13人が手がけた約35点の力作が並ぶ。明治時代の寺子屋で使われた八角形の古時計に現代の学校で使われているステンレス製の時計を重ね合わせて新旧の対比を表した造形作品や、ギリシャ神話に登場する女神アルテミスの木彫など思い思いの作品を展示した。 三九会は同市葵区の駒形小などで校長を務めた青山辰巳さん(81)=同区=が定年退職を機に同級
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絵画や彫刻270点 浜松美術協会作品展 クリエート浜松
静岡県西部の芸術家らでつくる浜松美術協会の第19回作品展(静岡新聞社・静岡放送後援)が27日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。7月9日まで。 会員による油彩や水彩、彫刻を中心とした多彩な作品に加え、一般公募の小品など約270点が並ぶ。都田川のほとりで魚釣りを楽しむ子どもたちの油彩や花びらを繊細に表現したハナショウブの水彩などが来場者を楽しませている。 7月2日は作家が来場者の似顔絵を描くコーナーや市にゆかりのある演奏家を招きジャズやクラシックを演奏するナイトコンサートを開く。同協会の根岸英会長(82)は「美術作品を眺めながら音楽を聴くという独特の雰囲気を気軽に楽しんで」と呼びかけた
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「とびだせ!長谷川義史展」 7月1日から佐野美術館 平和な世で「好き」を諦めず
絵本作家長谷川義史さんの原画など約220点を紹介する「とびだせ!長谷川義史展」が7月1日、三島市の佐野美術館で開幕する。大胆な筆致のユーモアあふれる絵と、“浪速っ子”ならではの笑いあり涙ありのストーリーは多くの人を引きつけている。大阪市のギャラリー兼アトリエ「空色画房」を訪ね、創作への思いを語ってもらった。 小さい頃から絵を描くのが好きで、小学1年生の時には漠然と将来絵を描く仕事ができたら楽しいだろうなと考えていました。アニメのキャラクターを描けば周りから「うまいなー」と言われて、何度か地域の絵画展で賞ももらって。「自分は絵がうまい子なんや」と認識していました。
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画家・田邊和正さん(富士市) 詩的な世界 作品と“対話”【表現者たち】
正面をじっと見つめる少女が描かれた映画のポスター。鎖を巻かれた人形、倒れたグラスが無造作に置かれた空間には、後ろ姿の女の子が座っている。水彩画家田邊和正さん(64)=富士市=が表現したのは、夢と現実のはざまのような場面。うっすらと浮かぶ能面と歯車が、不穏な影を落とす。 「雑貨店で購入した映画『青いパパイヤの香り』のポストカードが作品の端緒。日常の中で、これはと思う題材を見つけ出す“心の目”を大切にしている」 集めた題材を精緻な筆致で絵画として構築する。テレビに映るタレントの一瞬の表情、雑誌の人物写真の切り抜き―。一見無関係に見えるモチーフを集結させた世界は、鑑賞者
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民芸3巨匠の作品集う 静岡・葵区で展示販売
静岡市葵区双葉町のギャラリーフタバで22日、「民芸の三巨匠 芹沢銈介・河井寛次郎・浜田庄司展」が始まった。27日まで。 びょうぶや花瓶、茶器など暮らしの中に美を見いだした3人の作品計16点を展示販売。同市出身の芹沢が制作した「板絵草稿ちらし屏風(びょうぶ)」は、岩絵の具を使って明るい色づかいで鳥や魚などを描いている。 3人は思想家の柳宗悦らが提唱した民芸運動を実践した。芹沢、浜田はともに人間国宝。河井は1957年にイタリア・ミラノで行われたトリエンナーレ国際工芸展でグランプリを受賞するなど国内外で高い評価を得た。 同ギャラリーの大高夢晴代表は「芹沢氏を筆頭に、巨匠たちの作品を楽しんでも
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心動かす日常の風景 静岡・葵区で28日まで合同写真展
静岡県内の写真愛好家でつくる「写友三水会」と「写友二水会」の合同写真展が22日、静岡市葵区追手町のしずぎんギャラリー四季で始まった。28日まで。 自由テーマで、両会の会員計16人が計48点を出品した。近所の公園の木々や自宅で飼っている猫など、日常の風景をとらえた作品が並ぶ。雨の日の洞慶院(葵区羽鳥)で、急いで石段を降りる母親と3兄弟の様子を撮影した写友三水会の杉山美矢子さん(72)=同市駿河区=は「荘厳な寺とキュートな子どもたちの表情の対比に注目して」と語った。 両会の講師と会長を務める柴田秀夫さん(同市葵区)は「ユーモアとストーリー性がある作品をぜひ楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。
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「絹本著色富士曼荼羅図」麓からの構図の原点 「富士山」編①【アートのほそ道】
日本政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産条約に加入したのは1992年。富士山は当初「自然遺産」を目指したが、候補入りは見送られた。 改めて「文化遺産」登録を目指したのが2005年で、13年6月22日にようやく登録が決まった。文化遺産ではなく自然遺産の登録だったら、三保松原が構成資産として残ることはなかっただろう。 富士山から50キロ近く離れた三保松原や有度山(日本平)東麓からの風景は、古くから多くの文人や芸術家らを魅了してきた歴史がある。その風景を後世に伝えた作品の一つが、狩野元信印「絹本著色富士曼荼羅図」であり、元信の工房で制作されたと言われている。 また、雪舟伝「富士三
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藤枝写友会「第5回写真展」【仲間と共に】
「夏の風景」を探しに出かけた瀬戸川(藤枝市)で撮影しました。押し迫ってくるような雲の迫力に圧倒され、夢中でシャッターを切りました。わき上がる雲と青い空、涼しげな水が1枚に収まり、夏らしい「絵」が完成しました。 家族の記録を残そうとカメラを手にしましたが、本格的に撮影を始めたのは仕事が一段落してから。移りゆく自然の風景、生き物や植物など、写真を通じて生命の営みの奥深さを感じています。 講師からは「主役」を決めることと、被写体を生かす位置取りを大切にするよう教わっています。いつ見返しても飽きることのない作品にするという目標を立て、撮影しています。毎月1回の定例会で気心知れた仲間と活動できるこ
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路地、裏通りテーマ 油彩・水彩画90点 長泉で作品展
長泉町や沼津市などの絵画愛好家らでつくる長泉油彩画会による作品展が20日、同町のコミュニティながいずみで始まった。25日まで。 会員約15人が、油彩画や水彩画計90点を出品した。「路地・裏通り」をテーマにした課題作品と、旅行先で出会った風景や物を絵にする自由作品に取り組んだ。パリの風景をダイナミックに表現した半具象画などが目を引く。 宇津木正弘会長は「それぞれの個性が出ている。作品に付けたコメントも読んで楽しんでほしい」と話した。
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躍動するラグビー選手捉える 静岡市駿河区、イワモトさん写真展
国内ラグビーのトップリーグ「リーグワン」の公式フォトグラファー(写真家)を務めるイワモトアキトさん(39)=名古屋市=の写真展「The Moments.(ザ・モメンツ)」が18日、静岡市駿河区のグランシップで開かれた。 日本代表やリーグワン、高校生、女子、車いすなどさまざまなカテゴリーで躍動するラグビー選手を捉えた写真58枚を展示した。サイズはA0~A4。トライ間際のぎりぎりの攻防や泥水にまみれながらプレーする高校生など、力を振り絞って躍動する選手の姿を収めた写真が並ぶ。 イワモトさんは「体をぶつけ合い、一瞬のプレーに思いを込める姿がかっこいい」と魅力を語った。
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島田の窯で焼成 陶芸家道川さん都内で個展
島田市川根町の笹間地区で開かれる「ささま国際陶芸祭」のアートディレクターを務め、世界を舞台に活動する陶芸家道川省三さんの個展「たづたづし-伝統の先に見えるもの」が29日まで、東京都品川区のギャラリー「SOKYO ATSUMI」で開かれている。 愛知県瀬戸市や笹間地区を活動拠点とする道川さんの作品は、ろくろの遠心力を駆使して生み出したらせん状のフォルムが特徴。新作41点が並び、作品の躍動感や陰影を360度楽しむことのできる空間とした。自然がテーマの作品が中心で、故郷・北海道の活火山に着想を得た「ボルケーノ」など複数は笹間地区の窯で焼成した。 万葉集から取られた個展のタイトルは、おぼつかなく
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心の奥 立ちのぼる思い 詩人さとう三千魚さん(静岡市駿河区)【表現者たち】
「心の奥の深い場所から立ちのぼる、言葉にしづらい思いを表現するのが詩」。陽光にきらめく海を眺めながら詩人さとう三千魚[みちお]さん(65)=静岡市駿河区=が語る。主宰する現代詩のウェブサイト「浜風文庫」は今月、活動開始から11年目に入った。 書き手は音楽家、写真家、教員など多彩な顔ぶれ。「人間の真実を捉えた『詩の心』に魅了された」という30人余りがほぼ毎日、交代で新作を公開する。サイトの訪問者は月平均5万4千人を超える。 「魂の真ん中から紡がれる作品は、作者の生命[いのち]そのもの」。新作が載るトップ画面は、凪[な]いだ海のように平穏な日もあれば、感情のほとばしりが嵐の様相を呈する日も。
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上原美術館 アンリ・マティス「鏡の前に立つ白いガウンを着た裸婦」画家のまなざしと交錯【コレクションから⑥】
ここは南仏ニースにあるマティスのアトリエ。窓から差し込む光は人体の朱色の線であらわされ、穏やかな紫の影を落とす。ガウンの白には少しだけ緑が混ぜられることで、補色の赤と呼応して、光の振動さえ感じさせる。そのわずかな緑は後ろの鏡に広がり、不思議な奥行きを生む。大きな鏡の左側には、この絵を暗示する白いキャンバスが映り込む。われわれのまなざしは、いつしか本作を描くマティスのまなざしと重なり、見るものを鮮やかな空間へと引き込んでゆく。 本作はコレクター和田定夫氏が旧蔵した作品。銀行の駐在員として渡欧した和田氏は、本作が描かれた翌々年、画家・猪熊弦一郎夫妻とともにマティスのアトリエを訪れた。和田氏は間
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静商美術同好会 「第11回作品展」【仲間と共に】
8年前に近所の福祉センターで習い始めた陶芸に魅了されました。土の性質や釉薬[ゆうやく]によって出来上がりに違いが生じ、窯から作品を出した時はいつも、驚きと感動を覚えます。 湯飲みや花瓶など、日常生活で使えるものを作ります。今回出品する皿=写真手前=は、濃緑のワイン瓶を細かく砕き、表面にまぶしました。釉薬とガラスが溶け合った透明感が気に入っています。 個性的なメンバーばかりで、事務局として作品展をとりまとめるのは一苦労。でも会員の力作がずらりと並べば達成感があります。みんなが集まればあっという間に学生気分です。(築地維太郎) 静岡商高(静岡市葵区)の卒業生で構成。絵画、写真、拓本など制
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生涯教育センター昴学園生徒ら 絵画や書の力作ずらり 静岡市葵区
静岡市駿河区の生涯教育センター昴学園は18日まで、生徒と講師による作品展(静岡新聞社・静岡放送後援)を市役所市民ギャラリーで開いている。 油彩画、書道、ビーズアクセサリーなどの作品約120点を展示した。油彩画は桜と水田や、富士山といった身近に見られる景色などを題材にした作品が並ぶ。「人の一生は-」との徳川家康の遺訓をしたためた書道作品も来場者の目を引いている。 川森紀美代園長は「30年以上通っている生徒もいて素晴らしい作品ばかり。多くの人に見てほしい」と話した。
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二科会写真部支部が公募展 最高賞に石間さん(浜松) 静岡県立美術館
二科会写真部静岡支部の公募展(静岡新聞社・静岡放送後援)が18日まで、静岡市駿河区の県立美術館で開かれている。 支部員53人と一般の28人が応募した力作計465点のうち、入選・入賞の81点を展示している。最高賞の大賞・県知事賞に選ばれたのは石間進さん(浜松市)の「義憤の注視」。猿が暗闇からカメラを鋭い視線で見据えた瞬間を力強く切り取った。石間さんは2013年に続き2回目の最高賞受賞。 会場では、昨年都内で行われた全国二科会写真部展に出品された県内入賞・入選作品も展示している。 その他の主な受賞者は次の通り。 静岡支部50周年記念賞 大石薫(静岡市)▽角尾抽臣子賞 尾藤功次(浜松市)▽
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エッセイスト玉村さん 静岡で絵画展 夏の花々や果実繊細に
エッセイスト、画家として活躍する玉村豊男さん(長野県東御市)の新作絵画展が14日、静岡市葵区の静岡伊勢丹で始まった。玉村さんがオーナーを務めるワイナリー「ヴィラデストワイナリー」の開設20周年記念展。19日まで。 完熟していくブドウの房をはじめ、ワイナリー内の庭園や周辺の里山に咲く初夏の花々、果実を繊細に描いた水彩画と版画35点が並ぶ。ブドウの実は淡い緑色から赤、紫色に色づく様子がみずみずしく表現され、ラベンダーやクレマチスは爽やかな色彩が来場者の目を引く。 17日午後1~3時は、玉村さんが来場する。
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ブラジル人作家の作品紹介 18日まで、浜松市中区
浜松市中区の在浜松ブラジル総領事館が制作したカタログ「アルテ・ブラジル」で紹介しているブラジル人アーティストらの作品展が18日まで、同区のクリエート浜松で開かれている。同総領事館は開幕を控えた13日、アーティストや関係者が集うオープニングパーティーをクリエート浜松で開き、カタログ完成を報告した。 在日ブラジル人アーティストは生計を立てるために工場での勤務と芸術活動を両立する必要があり、活躍の場も少ないことから、同総領事館がカタログ制作を企画した。市内や愛知県のアーティスト29人の経歴や作品を掲載し、国内の美術館などに配布するという。 展示では風景や抽象画、工芸品など約100点を紹介してい
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柔らかなタッチの水彩画 静岡市民ギャラリー 愛好家ら作品展
静岡市の絵画愛好家らでつくる「高部水彩一葦(いちい)会」の作品展が18日まで、同市役所市民ギャラリーで開かれている。 会員32人と講師らの力作33点が並ぶ。月2回の教室の活動で訪れた県立美術館(駿河区)やあさはた緑地(葵区)を描いた風景画、果物や花を題材にした静物画が展示されている。同会は会員それぞれの個性を大切にしており、同じ題材でも違った作風を楽しめる。 同会の志村祥子さん=清水区=は「水彩画ならではの柔らかさを楽しんでもらえれば」と来場を呼びかけた。
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静岡聖光学院高校 写真甲子園本戦へ
北海道の雄大な自然を舞台に高校生が写真の腕を競う「写真甲子園」の実行委員会は11日、7月に東川町などで開催される本戦に出場する19校を発表した。静岡県から静岡聖光学院高校が初出場する。過去最多の全国584校が応募。初戦審査を通過した80校から18校を選考し、特別招聘(しょうへい)校の1校を加えた。 実行委によると、静岡聖光学院高校のほか、白樺学園高校(北海道)、城北埼玉高校(埼玉県)、トキワ松学園高校(東京都)の計4校が本戦初出場。このほか八代白百合学園高校(熊本県)が2年ぶり12回目の本戦出場を決めた。 本戦は7月25日に開幕し、東川町など大雪山国立公園周辺で同26~28日の3日間、3
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ラグビー写真家イワモトさん個展 18日、駿河区
国内ラグビーのトップリーグ「リーグワン」の公式フォトグラファーを務めるイワモトアキトさん(名古屋市)が18日、静岡市駿河区のグランシップでラグビーをテーマにした写真展「The Moments.」を開く。 ラグビー日本代表や2022年に開幕したリーグワンの熱戦をはじめ、高校生の試合や車いすラグビー、女子ラグビーなど、選手たちの躍動をピッチサイドで捉えた写真を約30点展示する。イワモトさんは「ラグビーの魅力、スポーツの力を感じてほしい」と話す。 開場時間は午前11時半から午後4時まで。入場無料。問い合わせは運営担当の岩本みゆきさんのEメール<iwamot.a@gmail.com>へ。
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4月死去、地元画家・積木節雄さん 名画模写の遺作並ぶ 浜松
4月に87歳で亡くなった浜松市中区の模写画家積木節雄さんの遺作を集めた展示会が18日まで、同区広沢のギャラリー&フォト広沢で開かれている。 積木さんは30代の頃から独学で油彩模写を学び、50年以上にわたって西洋名画を描いた。積木さんの展示会を企画するなど生前から交流のあったアートイベント会社「アートフォースM&K」(北区)の亀岡光則代表(72)が「もう一度作品を見てもらう機会を設けたい」と開催した。 フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」やフランス印象派の作品を模写した油彩画21点が並ぶ。細部まで再現された精巧な作品は長いもので1年ほどかけて制作されたという。 午前10時から午後6時まで
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個展の書販売収益 湖西市社協に寄付 浜松学芸高の大野さん
浜松学芸高芸術科書道コース3年の大野未鈴さん(17)=湖西市新居町=がこのほど、4~5月に地元の同市で開いた初の個展の際に、書作品をチャリティー販売して集めた5万5010円を市社会福祉協議会に寄付した。 市社協を訪ねた大野さんが吉原博明事務局長に寄付金を手渡した。大野さんは個展を4月29日~5月7日に開き、母の日や父の日に合わせ感謝のメッセージを書いた作品や、来場者の希望する文字を揮毫(きごう)した色紙などを500~3千円で販売した。 寄付金は地域のボランティア活動などに使われる。
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「センス・オブ・ワンダー」入場者1万人 愛知の出井さん 静岡県立美術館
静岡市駿河区の県立美術館で開催中の展覧会「センス・オブ・ワンダー 感覚で味わう美術」の入場者が9日、1万人に達した。同館でセレモニーが開かれ、節目の入場者に記念品が贈られた。 1万人目となったのは、静岡県内旅行中に来館した愛知県春日井市の出井全子さん(60)。「作品と建物の雰囲気、音響などいろいろな共存が楽しめた。触ることができる展示物もあり、初めての経験ができた」と話した。同展は作品を五感で鑑賞することをコンセプトに、草間弥生さんの「水上の蛍」をはじめとする同館の収蔵品約90点を展示している。7月9日まで。
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広重VS北斎 富士山画頂上決戦 静岡市清水区の美術館で企画展
富士山世界文化遺産登録10周年を記念し静岡市清水区由比の東海道広重美術館でこのほど、共に風景版画で名をはせた江戸期の浮世絵師歌川広重と葛飾北斎の富士山画を紹介する企画展「広重か北斎か 二人が描いた富士の景」が始まった。7月9日までのパート1と同月11日~8月13日までのパート2で作品を入れ替えながら展示する。 北斎の「冨嶽三十六景」と広重の「不二三十六景」「冨士三十六景」の3シリーズを中心に並べ、芸術的で大胆な画面構成が光る北斎と、各地固有の景観を季節感や気候を取り入れながら描き出す広重のそれぞれの特長が表れた展示内容に仕上げた。広重の描く富士山が、北斎の影響を思わせる山頂に向かって細まっ
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現代的な長屋住まい 「沼津アーケード名店街」編④完【アートのほそ道】
2000年代前半に新しいまちづくりの検討をはじめた「沼津アーケード名店街」(沼津市)。ことし3月、1953年完成の「第一地区」の再開発事業計画が県に認可された。「町方町・通横町第一地区市街地再開発組合」の水口隆太理事長(68)=水口園代表=は、名店街の過ぎし日々を「隣近所が助け合う、現代的な長屋住まいのようだった」と懐かしむ。 60年代に、2階建てが3階建てに増築された。間口がほぼ均一の13店舗が並んでいた。「店舗それぞれの上に家族と従業員が住んでいた。街全体で、現在の3~4倍の人がいただろう」 通りを挟んで向かい側の第6ブロックでは百貨店「松菱」が営業していた。街路全体の象徴だった。4
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静岡県立美術館・太田正樹さん顕彰 寄贈品展 現代美術コレクションに貢献
静岡県立美術館(静岡市駿河区)は7月9日まで、同館に2008年度から美術作品の寄贈を続け、22年7月19日に89歳で亡くなった太田正樹さん(旧清水市出身)を顕彰する「太田正樹コレクション展」を開いている。22年度の70点を含め、15年間で106点の寄贈を受けた同館の木下直之館長は「館のコレクションを一緒に作っていくという域にまで達していた」と感謝する。 航空経営学を専門分野として長年早稲田大で教えた太田さんは04年に帰郷。1970年代から作品を収集していたという。2006年の同館「我が愛しのコレクション展」に20作品を貸し出し。08年度以後はほぼ毎年、同館に寄贈を行った。 1960~2
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とっておき40点 ニコン愛好家が写真展 14日まで 静岡市葵区
静岡市内のニコン製カメラ愛好家でつくるニッコールクラブ静岡支部の写真展が8日、静岡市葵区のしずぎんギャラリー四季で始まった。会員10人の個性あふれる作品約40点が並ぶ。14日まで。 写真展は毎年開催され、15回目。旅先の風景や季節の風物詩などを自由に撮影した写真を会員らが出展した。ツバメの巣にスズメが住んでいる様子や祭りの盛り上がりを捉えた作品に来場者が見入った。 会員の大友活二さん(83)は「自分なりの表現で撮った、とっておきの1枚をたくさんの人に見てほしい」と来場を呼びかけた。
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葛西さん(浜松)最高賞 静岡で静岡県女流美術協会展 11日まで
第32回静岡県女流美術協会展(静岡新聞社・静岡放送後援)が7日、静岡市駿河区のグランシップで始まった。最高賞の県女流美術協会賞には葛西祐子さん(浜松市東区)の版画「Go find 4」が選ばれた。 平面、立体の2部門に会員と一般公募の計72点の応募があった。常葉大教授で常葉ギャラリー館長の堀切正人さんが審査した。球体と少女をモチーフにした葛西さんの受賞作は、版画と貼り込み技法が重なり合う不可思議な世界と高く評価された。全体的に、新しい表現を開拓しようとする意欲作が多かったという。 展覧会は11日まで。最高賞以外の主な入賞者は次の通り。 知事賞 桑嶋よしみ(水彩、吉田町)▽県教育長賞 池
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白糸で川の流れ表現 静大出身平川さん個展 18日まで
鹿児島県在住で静岡大出身の美術作家平川渚さん(43)の個展「流路の庭」が18日まで、静岡市葵区の東静岡アート&スポーツ/ヒロバで開かれている。 メインは、帯状に編んだ白糸を川の流れに見立て、芝生広場全体に広げたインスタレーション。その土地、場所の過去に思いをはせて糸による作品を発表してきた平川さんは、広場周辺にかつて安倍川の分流が流れていた説や、古代東海道の往来があった歴史から創作したという。「糸は場所に添い、雨も風も通す抵抗しない強さがある。現在の景色を借景に、見えないものを想像する『見立て』を楽しんでほしい」と話す。 10、11の両日午後1~4時、ワークショップを開く。同市内で採取し
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舞台と客席 “共振”の会話劇/劇作家・演出家 山田裕幸さん(藤枝市)【表現者たち】
「それでね、駅前の居酒屋に寄ったんですよ」。5月中旬、藤枝市の「白子ノ劇場」で上演された劇団「ユニークポイント」の「4fish」は、装飾が何もないせりふで始まった。テーブルを囲んで、高校教師が4人。それぞれが顧問を務める演劇部の作品について、生徒の感想を交えて議論する。 県大会の出場1校を決める話し合い。時間の経過に伴い変化する互いの同意、反目、共感、違和感がありありと浮かぶ。作・演出で同劇団を主宰する山田裕幸さん(51)=同市=の会話劇は、「揺れ動くその場の空気」を、正確に客席へ届ける。どう演出しているのか。 「会話のリズムが重要。テンポが悪いと思ったら、現場で一部のせりふをカットする
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吉野保五郎選、梅寿写 「吉原宿田子之浦絵図」(文政年間)/静岡県富士山世界遺産センター【コレクションから⑤】
富士山参詣 多くの楽しみ スマートフォンが広く普及した現在でも登山の必需品とされる紙の地図。その重要性は、江戸時代に富士山に参詣した人々にとっても同様で、彼らの便に供するために、麓から山頂までのルートや施設を描いた登山案内図が数多く作られている。 本図はその一つで、現在の富士・富士宮市域のほぼ全域を収めた肉筆のもの。当時の大宮・村山口登山道やその派生経路、東海道などの街道を朱線で示し、建造物などのアイコンとともに、集落名や施設名が記される。 また、「浮島沼のウナギ」「本(元)市場の白酒」「芝川の富士海苔[のり]」といった名物や、「東海道左富士」「狩宿の下馬桜」などの名所も記載され、富
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富士山から着想 多様な作品ずらり 静岡・葵区で展示会
静岡県内の芸術家21人がそれぞれ富士山から着想を得て表現した作品展「ふじイメージ展」が1日、静岡市葵区七間町のギャラリーえざきで始まった。 油絵や版画、彫刻、書などさまざまなジャンルの24点が並ぶ。二つの木の板を用いた作品「静動」は白と赤のペンキが塗られ、富士山の雪とマグマを表現。富士山の周囲の空間を表した彫刻や、富士桜を書でしたためた作品など多様な作風が楽しめる。 彫刻家の柴田靖夫さん(78)は「(来場者の)それぞれが持つ富士山のイメージを重ね合わせて楽しんでほしい」と呼びかけた。
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日常や自然風景捉える 静岡市葵区で写真展 SBS学苑講座
SBS学苑の写真講座で講師を務める塚原勝二さん(76)=静岡市駿河区=と受講生7人による作品展が1日、同市葵区追手町のしずぎんギャラリー四季で始まった。7日まで。 「感じたまま」をテーマに、題材や印刷のサイズを各自で自由に決めた37作品を展示した。薄紫色が安らぎを与える蓮華寺池公園(藤枝市)の藤の花や、菜の花に止まる寸前のミツバチなど日常や自然を捉えた。屋久島(鹿児島県)の風景を手すき和紙に印刷した塚原さんの作品も来場者の目を引いている。 塚原さんは「撮影者が何を感じてその場面を切り取ったのかを見てほしい」と話した。
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おじさん写真、人生いろいろ 新静岡セノバで作品展
“おじさん”を専門的に撮っている写真家鈴木亨さん(35)=静岡市駿河区=の個展「おじさんシリーズ」が父の日の18日まで、同市葵区の新静岡セノバで開かれている。初開催。撮りためた作品から厳選した写真11点が並ぶ。 奥さんに踏まれて苦しんでいるおじさん、海を背景に抱き合って笑うサーファーのおじさん-。家庭や仕事、趣味などのテーマで構図を設定した、個性あふれる作風が目を引く。鈴木さんは「おじさんは写真の苦手な人が多い。役に入り込んでもらい、その人に合った写真を撮っている」とこだわりを語った。 鈴木さんは9年前に母親を亡くした際、遺影写真がなかなか見つからず苦労したという
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映画「渇きと偽り」(2020年、日本公開22年) 乾いた大地に一つの救い【名画の歳時記】
5月末、平年よりかなり早く梅雨に入りました。夏の水不足を防ぐためにも、農作物の育成のためにも、必要なものだと頭では分かっていても、やはり雨が続くのと、何よりもジメジメとした湿気のことを思うとうんざりしてしまいます。 「雨の訪問者」(1970年)、「シェルブールの雨傘」(64年)などタイトルに「雨」と付く作品、「七人の侍」(54年)、「ショーシャンクの空に」(94年、日本公開95年)など、雨の場面が印象的な作品もありますが、今回はあえてカラッカラに乾燥した作品をご紹介します。映画で湿気に対抗してみるのもありでは? というわけで世界的ベストセラーとなったミステリー小説の映画化「渇きと偽り」(
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障害者アート一堂に 静岡県がポータルサイト開設 貸し出し利用後押し
静岡県は、静岡県内の障害者アート作家と作品をまとめたポータルサイト「Findart(ファインダー)」を開設した。障害者アート作品を有料で貸し出し、作家を支援する取り組み「まちじゅうアート」の利用促進につなげる。 これまで障害者アートの情報を個別に発信していた「障害者文化芸術活動支援センターみらーと」など三つのサイトを統合し、内容を充実させた。 静岡県内在住の作家100人以上の絵画作品約500点を掲載し、「富士山」や「風景」など作品のテーマ別に検索できるようにした。作家のインタビュー記事や制作風景の動画を多数載せたほか、作品を展示している県内の場所を地図上で示すサービスもあり、障害者アート
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絵画教室40年、講師服部さん最後の作品展 浜松・中区4日まで
浜松市中区元城町の服部譲司さん(88)が約40年間にわたって講師を努めた美術教室の最後の絵画作品展が29日、同区のクリエート浜松で始まった。6月4日まで。 教室は服部さんの体調面を理由に、今年4月で終えた。作品展では、市内を中心に20~80代の教室生と服部さんの油彩を中心とした36点が並ぶ。 「現地で感じたものをキャンパスに」との服部さんの教えを受け継いだ教室生が、彩り豊かな風景画などを出品。北区引佐町の夕焼けを題材にした油彩や、正月の伊吹山(滋賀県)を描いた水彩、段ボールと野菜を描いた静物画などを紹介している。長野県安曇野市の草原風景を優しい緑色で表現した服部さんの力作も来場者の目を引
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ガウディ 幻の建築の100分の1レプリカ 東京に展示 松崎町・伊豆の長八美術館
松崎町の伊豆の長八美術館が展示するスペインの建築家アントニ・ガウディが設計した「ニューヨーク大ホテル」のレプリカが、東京都内で開かれるガウディ関連の展覧会に出張展示される。幻に終わった建設計画案で、レプリカとして再現された作品は貴重という。同館は「ガウディの建築思想を読み解く一助になるのではないか」と期待している。 レプリカは、同館を設計した建築家の石山修武氏と日本左官業組合連合会(東京都)によって、1985年に都内で開催された「スペイン展」のために制作された。展示会の後、左官の名工・入江長八の出身地であるなど左官業と縁のある同町に寄贈された。 レプリカは、高さ約3メートルで、約100分
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書家 柿下木冠さん(静岡市駿河区) 極めた先の平和を希求【表現者たち】
現代書界の第一線で長年活躍する柿下木冠[ぼっかん]さん(83)=静岡市駿河区=。世界の今を問う造形書は鋭い。「80を超えてなお、心を揺さぶられたのがロシアのウクライナ侵攻。まさに戦争だ」と作意を語る。 平穏な日常を奪われた時の困難は計り知れない。その対極にある「自由」の2文字。墨の濃さ、筆線の勢いに思いを込めた。何度も見た映画「ひまわり」の「ウクライナの広い青空とひまわり畑は、自由の象徴だろう」。余白に、はるかなる情景も重ねる。 一方、独裁者の横暴さを「脅」の1文字で痛烈に批判する。「広場」には、街の中心に人々が集い、自由な言論やにぎやかな祝祭が戻ることを願う。師で昭和を代表する書家手島
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優美なデザインの防火建築帯 「沼津アーケード名店街」編③【アートのほそ道】
1953年12月に西側が、54年11月に東側が完成した「沼津アーケード名店街」(沼津市町方町)の、2階以上が歩道に突出する「有階アーケード」は、全国でも類のない建築方式だった。沼津市誌(61年)には「沼津の一名所となり、四季を通じて各地から視察に来る特異建築となった」と記されている。 設計は当時建設工学研究会に所属していた建築家の池辺陽(20~79年)、今泉善一(11~85年)だった。設計段階での沼津との縁は不明。池辺は以後、沼津での仕事を請け負っており沼津産業会館(53年)、沼津公会堂(55年)の設計者としても名を残す。後に東京大鹿児島宇宙空間観測所施設など大規模建築も手がける池辺だが、
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自然や動物の写真魅了 愛好家4人が40点展示 浜松・西区
浜松写真連絡協議会の有志4人による作品展「写友展」が25日、浜松市西区の遠州信用金庫入野支店で始まった。6月13日まで。 戸毛光男さん、白井槙雄さん、福嶋豊美さん、佐藤規夫さんが、それぞれのテーマで撮影した計40点を持ち込んだ。北海道で撮ったという大きな口を開け、鋭い視線を向けるキタキツネや、朝方に雲海の上に幻想的に浮かぶ富士山などの力作が見られる。戸毛さんは「一枚一枚にメッセージが込められている。個性豊かな作品を見て感動や喜びを感じてほしい」と話した。
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静岡県内外の風景撮影 デジカメ同好会が藤枝で写真展 28日まで
藤枝デジカメ同好会の第17回写真展が25日、藤枝市生涯学習センターで始まった。会員10人が静岡県内外で撮影した風景写真など40点以上を展示している。28日まで。 金谷茶まつりや金沢市の夕日、藤枝市の瀬戸川の桜並木など自由に撮影した作品が並ぶ。新企画として「水」をテーマにしたコーナーも設置。蓮華寺池公園の池の水面に映し出された茶文化発信施設「とんがりぼう」と森林や、穏やかに流れる瀬戸谷の川の様子などを捉えた。
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賀茂真淵からの国学の流れ紹介 浜松・中区で展示会
浜松市中区東伊場の賀茂真淵記念館は25日から、本年度の平常展(前期)「賀茂真淵と国学者の古典研究」を開く。開催を前に24日、展示品約40点の準備を終えた。9月24日まで。 現在の浜松市で生まれ育ち、江戸時代に国学の礎を築いた賀茂真淵と、その弟子や孫弟子ら約20人が手がけた古事記や万葉集の注釈書を写本などで展示し、一門の研究がどのように発展したかを紹介している。 真淵が69歳で仕上げた百人一首の注釈書「宇比麻奈備」をはじめ、直系の弟子の橘千蔭による「万葉集略解」、本居宣長の「古事記伝」などが並ぶ。作品や著者の解説も用意され、事前知識がなくても学ぶことができる。 学芸職員の杉森敏幸さん(6
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ヴァンジ美術館、ユニバーサルな活用は 三島で講演会、5月28日と6月4日
休館中のヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)は5月28日と6月4日、年齢や性別、障害の有無を問わず誰もが楽しめる「ユニバーサル・ミュージアム」としての活用可能性を考える講演会を三島市内で開く。 28日は「“ユニバーサル”な鑑賞体験の場としての可能性」と題し、国立民族学博物館教授で自身も全盲の広瀬浩二郎氏と、ノンフィクション作家の柳田邦男氏が市社会福祉会館で対談する。定員80人。 6月4日は「ミュージアム×ツーリズム ユニバーサルツーリズムの拠点としての可能性」と題し、市生涯学習センターで開催する。ユニバーサルツーリズム研究者の一井崇氏と久保田美穂子氏の講演
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キッズゲルニカ10枚集結! 6月6日まで富士宮で展示
富士宮、静岡両市の小中高校など10団体がそれぞれ平和を願って制作したキッズゲルニカが6月6日まで、富士宮市猪之頭の朝霧ジャンボリーゴルフクラブで掲示されている。 各団体の10作品は同ゴルフクラブ駐車場に向かう途中にある芝生斜面に並ぶ。富士山と満開の桜の下で元気に遊ぶ子どもの姿を描いた同市の大富士小・中の合作や、たくさんの人に囲まれて太陽に笑顔が浮かぶ静岡市葵区の賤機中小の絵などが、世界平和を訴える。 加賀谷秀樹副支配人は「青少年育成に注力するクラブとして、子どもたちの活動を応援したい」と話した。掲示期間中、28日~6月4日は大会開催のため入場は大会観覧者に限る。
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絵画大作や彫刻並ぶ 「二紀会」作品展、浜松・中区で28日まで
全国の芸術家でつくる「二紀会」による展示会(静岡新聞社・静岡放送後援)が23日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。28日まで。 昨年10月に東京の国立新美術館であった「二紀展」で受賞した作家や、県内の会員らの絵画と彫刻計81点を展示している。絵画は白寿の人がアニメのキャラクターが描かれたお面の前を歩く姿や、中世ヨーロッパの町並みなどを描いた200号ほどの大作が並ぶ。彫刻は美術家の技術が詰まった1メートル未満の作品が会場を彩っている。 同会静岡支部の福長昇支部長(72)は「作品を心ゆくまで堪能してほしい」と話した。
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シンプルな白い器並ぶ ギャラリー佐野で「陶」展 静岡市葵区
愛知県瀬戸市を拠点に活動する陶芸家の加藤巧さんの作品展「陶」が28日まで、静岡市葵区柚木町のギャラリー佐野で開かれている。期間中は無休。 食器を中心に計約70点が並ぶ。平皿、スープ皿、カフェオレボウルなど、幅広い料理と合わせて日常で使いやすい白釉(はくゆう)の作品が目を引く。一点物のオブジェのほか、植物が映えるつぼや植木鉢も展示している。 同ギャラリーの佐野泰之代表が加藤さんの作品に引かれたのがきっかけで、毎年同所で作品展を開いている。佐野さんは「シンプルなたたずまいを楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。
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音楽家・詩人 巻上公一さん(熱海市) まばたきごとに世界は変わる【表現者たち】
音楽家で詩人の巻上公一さん(67)=熱海市=が第2詩集「濃厚な虹を跨ぐ」を出した。1978年結成の5人組「ヒカシュー」の歌詞を中心にした72編。ロック、ジャズ、テクノ、現代音楽などジャンルの壁を越えたバンドの音楽性と響き合う言葉の数々が、時に面妖に、時に明快にこだまする。 第1回大岡信賞を得た第1詩集「至高の妄想」(2019年)で、現代詩の作り手としての評価を確固たるものにした。「最初からそういうつもりで(歌詞を)書いている。現代詩との親和性を意識していた」 「濃厚な―」に収録された初期作品を読むと、当時から言葉一つ音節一つでイメージを伸縮しようと試みていたことが理解できる。擬音語、擬態
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目の覚めるような花々 掛川市二の丸美術館 山村耕花「宋三彩劃花壺」(1921年)【コレクションから④】
中国、宋時代の大ぶりの壺[つぼ]に生けたグラジオラスを描いたこの作品は、今年開館25周年を迎える当館の最初期の収蔵品である。 作者の山村耕花[こうか]は、はじめ尾形月光に浮世絵を学んだ後、明治40(1907)年に東京美術学校(現東京芸術大)を卒業。明治から昭和にかけて活躍した日本画家であり、浮世絵や版画も手がけている。 耕花が36歳のとき、再興第9回日本美術院展覧会に出品された作品で、元は「壺三つ」と題した三幅ぞろいであった。三幅はいずれも、異なる壺とそれに合う花を生けた構図で、残念ながら他の二幅の所在は不明であるが、これはそのうちの1点ということになる。 作品名の「劃花壺[かくかつぼ
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静岡県内外の花や風景撮影 写真44点並ぶ 沼津で24日まで
静岡県東部の写真愛好家でつくる団体「写団夢風景」による作品展が18日、沼津市大手町のしずぎんギャラリー四季で始まった。24日まで。 会員9人が計44点を出品した。県内外の花木や自然風景などを撮影。桜と菜の花の色の鮮やかさを強調した写真などが目を引く。 鈴木行衛代表(76)は「春を表現した写真が多い。ぜひ作品を見て楽しんでほしい」と話した。
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旅先や人物 水彩で表現 静岡市葵区で鯨友会作品展
静岡市葵区の鯨ケ池老人福祉センターを中心に活動する「鯨友会」の作品展が、同区の県教育会館ギャラリーで25日まで開かれている。 会員と講師8人の水彩画28点を展示した。中尊寺金色堂や高千穂といった旅先を描いた風景画や留学生をモデルにした人物画、犬の明るい表情をとらえた作品などが並ぶ。 講師を務める五内川征司さん(83)は「同じ場所を描いていても構図や色使いが人によって違うのが面白さ」と魅力を語った。
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永谷さん(磐田)最高賞 静岡で県美術家連盟展 8部門137点
第59回県美術家連盟展(同連盟主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が17日、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで始まった。最高賞の同連盟大賞に永谷光隆さん(磐田市)の油彩画「命脈」が選ばれた。 油彩画や水彩画、版画など8部門に計137点の応募があった。永谷さんの作品は窓際に置かれて新芽を出すジャガイモの様子を題材にしたF100号の大作。光が当たって生命力を感じる様子が描かれ、写真と見間違えるほどの写実性が来場者を驚かせている。 展示は21日まで。同連盟の横井友子事務局長は「若手の出品が増えている。展示を通じて作家同士が切磋琢磨(せっさたくま)できれば」と期待した。 このほかの主な受賞者
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障害ある人の才能、アートで発信 浜松・東区で30点展示
浜松市内の障害者施設利用者らの絵画展が17日、東区のイオンモール浜松市野で始まった。市内などの企業、団体が2022年4月に発足させた「irodoriプロジェクト」が初めて企画した。21日まで、クレヨンや色鉛筆、ペンで描いた約30点を紹介する。 障害のある人のアート作品を多くの人に知ってもらい、新たな才能を浜松から発掘しようと始まったプロジェクト。発足から約1年の準備期間を経て開いた作品展で、100色以上の色鉛筆を使った「鬼」や紙を一枚一枚よって完成させた「ヒマワリ」などが来場者を楽しませている。 高校在学時から約20年にわたり、鬼をテーマに制作を続ける中区の清水優旭さん(35)は「鬼は人
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豊かな自然 染色で描く 島田の松井さん個展 静岡市葵区
島田市の染色画家松井妙子さんの作品展が17日、静岡市葵区の松坂屋静岡店で始まった。23日まで。 菜の花畑や大井川などふるさとの自然、旅先で目にした巨樹の森を題材に、木綿や麻の布に描いた額絵、タペストリー35点を展示した。フクロウやカワセミなど生き物が自然の豊かさ、尊さを象徴するモチーフとして登場し、温かな情景を表現している。 年1回個展を開き続け、今年で43回目という松井さんは「全てのものが森によって生かされていると実感する。その思いを伝えられたら」と期待する。
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パステル画など力作28点並ぶ 21日まで、浜松市中区
浜松市中区の南部協働センターを拠点に活動する絵画同好会「アートクラブ」の作品展が21日まで、同区のクリエート浜松で開かれている。 講師を務める宮地越子さんと会員7人が、人物を題材にしたパステル画を中心に28点を紹介している。読書をする女性や、物思いにふけるような子どもをやわらかな色合いで描いた作品などが並ぶ。山中英明代表(65)は「同じ題材をそれぞれの感性で個性を出しながら描いている」と魅力を説明した。
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風景や人物生き生きと 浜松・三ケ日絵画クラブが作品展
浜松市北区三ケ日町の三ケ日絵画クラブの作品展が31日まで、同町の三ケ日図書館で開かれている。生徒8人と講師の天羽凜さんが秋から春にかけて描いた風景画や人物画など、水彩画を中心に20点が並ぶ。 国内外の冬景色や干支(えと)のウサギ、モデルを招いたデッサン会の成果作品が来場者の目を引いている。天羽さんは「5月下旬には春らしい絵も追加する。水彩画に親しむ機会にしてほしい」と話した。 20日には同図書館で水彩画のワークショップが開かれる。参加者の作品も展示するという。
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レンズで捉えた天文現象 天体愛好家7人が写真展 浜松市北区
浜松市北区細江町のみをつくし文化センターで21日まで、遠州天体写真愛好会の写真展「星空浪漫(ろまん)」が開かれている。会員7人がカメラや望遠鏡で撮影した星空や惑星など64点を展示している。 アクトタワー(中区)や久留女木の棚田(北区)、二俣城跡(天竜区)などの風景とコラボした一枚や、月食や彗星(すいせい)などの天文現象を捉えた力作、銀河や星雲を鮮やかに表現した作品などが来場者の目を引く。撮影地や露出、絞りなどの撮影データも公開している。 開館時間は午前9時から午後9時半(最終日は午後5時)。
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個性あふれる写真210点 浜松市中区 静岡県西部の愛好家展
静岡県西部の写真愛好家らでつくる浜松写真連絡協議会の写真展が16日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。21日まで。 会員61人が風景や人物の写真約210点を持ち込んだ。動物や植物などの共通テーマを決めたコーナーでは、かわいらしい2匹のパンダが寝そべる姿や、鮮やかな赤いハナミズキを写した作品などが見られる。雄大な富士山を背景に、薄紫色の芝桜が咲く風景作品を出品した吉川達也さん(56)は「会員が個性あふれる自信作を出している。作品を見て、写真に興味を持ってほしい」と話した。
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戦争体験を絵画に 浜松出身の画家中村さん、都内で新作展
浜松市出身の画家中村宏さん(90)の新作展「戦争記憶絵図」が16日から、東京・銀座の「ギャラリー58」で始まる。6月3日まで。浜松市で終戦を迎えた中村さんが、自身の戦争体験を描いた10点を展示する。 開催に先立ち、中村さんが関係者に作品解説を行った。空襲を描いた作品では、爆撃機を建物よりも極端に大きく描き、威圧感や恐怖感を表現した。米軍艦隊による遠州灘からの艦砲射撃を題材にした作品もあり、「砲撃の音と、夜空に反射した火柱の明かりを覚えている」と語った。当時拾ったという機銃弾の薬きょうも展示している。 中村さんは沖縄戦などをモチーフにした作品を発表したことはあったが、自身の体験を描くのは初
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静岡県2人入選 第82回美術文化展・絵画の部
公募団体「美術文化協会」の第82回美術文化展(~18日、東京都美術館)絵画の部で野末明さん、小笠原よしみさん(ともに浜松市)が入選した。野末さんは岡田徹賞に選ばれ会員に推挙された。同展は京都市京セラ美術館(6月13~18日)、愛知県美術館ギャラリー(同21~25日)に巡回する。
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染色画家 松井妙子さん(島田市) 布に描く自然への敬愛【表現者たち】
ふっくらとした丸みが愛らしいフクロウ、どこまでも広がる菜の花畑。染色画家松井妙子さん(75)=島田市=が描く独自の世界は、風景と図案が一体化したよう。淡くも明瞭な描写が、布地の柔らかさと調和する。 高校時代、生物クラブで草花の色素を研究した。「研究者か、詩人になりたかった」。慶応大文学部を卒業後、会社勤めの傍らで始めたのが手描き更紗だった。 なぜ布か。「ツバキの絵が入ったつむぎの帯が欲しくて」。特別な師はいない。素材は木綿をはじめ、麻、くず布、しな布などさまざま。「真っすぐに描けないから、優しい線になる。鋭角ではなく鈍角ね」。防染のりも手作りする。個展は年1回と決め、静岡市内の百貨店で披
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平和願う地上絵、富士の麓に完成 巨大フレスコ画 世界的芸術家「手をつなぎ連帯して」【動画あり】
世界中の大地にフレスコ画を描くフランス人のランドスケープアーティストSAYPE(セイープ)さん(34)が富士市永田町の中央公園で制作を手がけていた巨大作品が10日、完成した。19日に広島で開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に、「手をつなぎ連帯し平和を実現したい」と訴えた。 作品テーマは、パリやドイツのベルリンなどでも制作してきたシリーズ「壁を乗り越えて」。4日から作業に取りかかり、人と人が手を取り合う様子をモチーフに、白黒で縦約25メートル、横約120メートルの大きさに仕上げた。 永遠の象徴と捉えた富士山を起点に構図を考え、片方の腕には新しさや若者を意味するタトゥーを入れ
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82歳望月さん 静岡市葵区で初個展 富士山など写真40点
静岡市清水区の写真愛好家望月正晴さん(82)の写真展が31日まで、同市葵区古庄の写真店「ズームアイ」のギャラリーで開かれている。 友人に勧められて開いた初の個展。四季折々の景色や祭り、富士山などを写した多様な写真40点を展示した。撮影場所は日本平や三保半島が多く、日本平で撮った「朝の茶園」は雲海に浮かぶ富士山を背景に朝日に照らされる茶園を捉えた。望月さんは「近場の魅力を感じてほしい」と話す。 写真に初めて触れたのは小学生の頃に遊んだ日光写真。以来、ジャンルにこだわらず、気になった被写体を撮ってきた。望月さんは「それぞれの感じ方で、自由に何かを受け取ってもらえれば」と来場を呼びかけた。
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主婦鈴木さん制作 ミニチュアハウス 浜松市中区で初個展
浜松市浜北区の主婦鈴木孝子さん(75)の趣味の人形の初個展「ねずみさん達が暮らすレトロな和風ミニチュアハウス作品展」が14日まで、同市中区のクリエート浜松で開かれている。 鈴木さんが、所属する「ヤマハOB会」主催の「趣味の作品展」に出展した16作品と新たに制作した1作品を並べた。鈴木さんの干支(えと)のネズミの人形がレトロな家や郵便局などで過ごす姿を表現したミニチュアは、「上棟式」や「夏の朝」など毎年テーマを変えてシリーズ化してきた。人形は正絹を手縫いし、家はひのきを使用。タンスやふすまは可動し、家具や食べ物など細部にもこだわっている。 作品を自宅に保管していたが、「作品展を開くのが長年
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ビュフェの特徴、変遷を知る 11月まで、長泉の美術館で企画展
フランスの画家、ベルナール・ビュフェ(1928~99年)の画風や特徴の変遷を見つめる企画展「ビュフェ・スタイルとは何か?」が11月7日まで、長泉町のベルナール・ビュフェ美術館で開かれている。 黒く鋭い線、灰色と栗色の暗い色使い、やせ細った人物、人がいない町など、ビュフェが弱冠20歳にして確立した特徴や作風、技法ごとに作品を分類した。ひっかいた傷のような線からくっきりとした輪郭線への変化など、初期から晩年までの130作品を通して変遷をたどりつつ、貫かれたビュフェの「スタイル」を紹介している。 学芸員の雨宮千嘉さんは「フランスで社会現象化するほどの人気を集めた一方で非難も浴びたのは、彼のスタ
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体験型アートなど プロアマ28人 富士で作品展
富士・富士宮両市にゆかりのあるプロ、アマチュア芸術家らによる作品展「モモクリテン」が7日まで、富士市のロゼシアターで開かれている。 年齢や肩書を問わずに、芸術に関心のある人から参加者を募集。小学生から50代までの28人が、絵画や衣装など多様な作品を寄せた。「体験型アート」をテーマに活動する造形作家あしざわまさひとさん(富士市石坂)は、「鳥獣戯画」をモチーフにした立体作品を制作。来場者はカエルのかぶり物を装着して、写真撮影を楽しめる。 同展事務局の担当者は「参加のハードルが低いからこそ充実の内容になっている」と来場を呼びかけた。
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平和の地上絵、富士で制作中 世界的芸術家がフレスコ画 9日お披露目へ
大地に巨大なフレスコ画を描くランドスケープアーティストとして、世界を舞台に活躍するフランス出身のSAYPE(セイープ)さん(34)が4日、富士市永田町の中央公園で作品制作を始めた。平和を願い、紛争や衝突を対話で解決することを目指す団体「UNITED VOICES PROJECT(ユナイテッド・ボイセズ・プロジェクト)」が主催した。 セイープさんは同団体と協力し、19日から広島で開催される先進7カ国首脳会議に合わせ、4月末から「日本ツアー」に挑戦している。沖縄と長崎で作品を制作した後、日本を象徴する富士山が見え、核兵器廃絶平和都市宣言を行っている富士市を3カ所目の作品制作の場に選んだ。 作
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スクラッチ画の空や海40点並ぶ 静岡市葵区、7日まで
袋井市のスクラッチ画家、彩音ちなさんの個展が7日まで、静岡市葵区のギャラリー十夢で開かれている。 青を基調に、空や海などをモチーフにした約40点が並ぶ。音楽活動をしていた亡き友人の楽曲をイメージして描いた淡水魚「ピラルクー」の作品や、手を取り合って歩む夫婦の様子を表現した絵画が注目を集めている。 スクラッチ画は、あらかじめ下塗りした色の上に異なる色を塗り重ねた後、表面を削り取ることで下の色を出して制作する。二層の色が重なり合い、「立体感のある作品に仕上がる」(彩音さん)という。
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芸術と向き合った原点 ベルナール・ビュフェ美術館/ベルナール・ビュフェ「ナンス」1951年【コレクションから③】
19歳の若さで批評家賞を受賞し、瞬く間に戦後のフランス具象絵画を代表する存在になったベルナール・ビュフェ。無口で人嫌いのビュフェは、有名になったことで生じたさまざまな煩わしさから逃れるようにパリを離れ、南フランスにたどり着く。彼が気に入ったのは、プロヴァンスの光あふれるのどかな農場でも瀟洒[しょうしゃ]なコテージでもなく、木も傾[かし]ぐような北風の吹きすさぶ大地にぽつんと立つ、羊の牧舎だった。 ビュフェはパートナーのピエール、そして犬、猫、アヒル、ニワトリなどの動物たちと一緒に、4年ほどこのナンスの小屋をアトリエにして暮らした。人里離れ、自然とともに寝起きする暮らしをすっかり気に入ったビ
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「秘密の森の、その向こう」 少女の不思議な出会い【名画の歳時記②】
読者の皆さん、大型連休をどのようにお過ごしでしょうか。どこかへ(映画館?)出かけられますか? それともお家で何かご覧になりますか? 今日は「みどりの日」そして明日は「こどもの日」。ということで今日は、緑の森の中で不思議な出会いをする子供たちを描いた「秘密の森の、その向こう」(2021年)をご紹介します。 8歳の少女ネリーは、森の中に建つ、おばあちゃんの家を訪ねます。おばあちゃんが亡くなってしまったため、両親が遺品の整理をする間、滞在するためです。ですが、少女時代をその家で過ごしていたママ、マリオンは思い出と悲しみに押しつぶされそうになり出ていってしまいます。パパと二人だけで家に残ったネリー
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川根本町・田野口駅 “大鉄愛”あふれる写真展示 「花の会」運休 駅に活気を
川根本町の無人駅大井川鉄道田野口駅で、同駅のファンでつくるグループの写真展が28日まで開かれている。県内のほか西日本などの遠方から集まり、駅の美化活動に励む約10人のメンバーがカメラに収めた“大鉄愛”あふれる写真を48枚展示している。 グループの名は「田野口駅花の会」。地元に住むメンバーは数人でこのほかに静岡、浜松両市、県外では名古屋、岐阜、大阪からファンが集まる。15年ほど前から月に1度、田野口駅で駅舎やトイレ掃除、草木の手入れに取り組んでいる。 昨年9月の台風15号被害により大井川本線家山―千頭間は現在も運休が続き、その区間にある田野口駅に電車が発着する光景
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ウサギモチーフ 沼津で作品展 富士宮の美術家
富士宮市の美術家十時孝好さんの作品展「兎(う)の目 画家の眼」が20日まで、沼津市庄司美術館(モンミュゼ沼津)で開かれている。1990年から富士宮市に移り住んだ十時さんは、ウサギを中心に動物を題材にした絵画や造形作品を創作している。 枯れた木の根を縄文時代の火焰(かえん)土器に見立ててウサギの木彫をしのばせた造形作品や、ウサギの長い耳を背もたれにした椅子など、大小さまざまな作品が並んでいる。 3日午後2時からは、十時さんによるギャラリートークが開かれる。問い合わせは同美術館<電055(952)8711>へ。
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食べられない「うなぎパイ」!? 浜松で木彫り作品展
菓子メーカー春華堂(浜松市中区)は5月3~7日、同市在住で木彫りアーティストのキボリノコンノさんらの作品展「いっちゃんとキボリノコンノ展」を同社拠点施設「スイーツバンク」(同区)で開く。 同社のキボリノコンノさん作品展は昨年12月に続き2度目。「うなぎパイ」などの食べ物や日用品を木彫りで表現した約50点を展示した初回は、3日間で約2000人が訪れた。今回は、まな弟子いつきさん(小学4年)の作品も展示する。 観覧料無料。各日午前10時から午後4時まで。
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岡崎さん(静岡市葵区)篆刻全国展で最高賞
兵庫県で31日から6月4日まで開催される「第39回日本篆刻(てんこく)展」(日本篆刻家協会主催)で、静岡市葵区の岡崎英雅さん(63)が最高賞の「梅舒適(ばいじょてき)賞」を受賞した。静岡県内の最高賞受賞は2019年(第35回)の名倉克彦さん(浜松市天竜区)以来。 同協会によると、全国から643点の応募があったという。岡崎さんの作品は、無心の境地を表した漢詩を、赤く細い字体が特徴の「円朱文」を使い仕上げた。岡崎さんは「受賞はまさか。大きな賞をいただき大変光栄」と喜んだ。指導する同市駿河区の黄教奇さん(72)は「長年真面目に研究してきた成果が花開き最高の栄誉に輝いた」と教え子の快挙をたたえた。
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失われた風景 今に 静岡市清水区でレトロ絵はがき展、7日まで
静岡市清水区の三保松原文化創造センターみほしるべで5月7日まで、明治期から昭和期までに発行された絵はがきを並べた企画展「レトロ絵葉書で見る三保松原と富士山」が開かれている。 名勝指定100周年企画展として実施し、昭和20年ごろまでに発行された三保松原と富士山の絵はがきを集めた。三保海岸から見た富士山の姿や清水灯台など往時の姿を伝える絵はがきを現在の風景写真と共に紹介した。かつて存在した木造の「羽衣橋」や二代目羽衣の松など、現在では見ることができない失われた風景も楽しめる。
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霊峰 土佐派と狩野派並ぶ 世界遺産センター登録10周年で記念企画展
富士宮市の県富士山世界遺産センターは29日から、富士山の世界文化遺産登録10周年記念企画展「美と祈りの霊峰(やま)富士山」を始める。7月3日までの前後期制で、前期は土佐派と狩野派の江戸時代の絵師二大流派による富士山の描き方などを見比べられる。 朝廷に仕えた土佐派からは、土佐光孚[みつざね]の「富士旭日図」を同センター初公開する。峰の横に赤色の丸い太陽を描いた構図は、現代人が思い浮かべる富士山の絵の源流に近いとされる。江戸幕府御用絵師の狩野派からは、狩野常信の「秋景富士三保清見寺図」を飾る。霊峰の広大な麓に三保松原と清見寺(静岡市清水区)が描かれ、紅葉や山頂の雪が秋の様子を表している。 山
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柱なし「片持ち梁」構造 「沼津アーケード名店街」編②【アートのほそ道】
「沼津アーケード名店街」(沼津市町方町)の「有階アーケード」を歩くと、歩道の上の居住スペースを支える柱が少ないことに気づく。 工期前半の1953年12月に完成した南西部分の「第1ブロック」は、特に分かりやすい。全長約70メートルに1872年創業の「水口園茶店」をはじめ13店舗分のスペースが連なるが、車道側には柱が一本もない。非常に大胆な建築デザインだ。 県ヘリテージセンター長で1級建築士の塩見寛さん(70)=同市=は「カンチレバーで造られている」と解説する。片持ち梁[ばり]と和訳される構造で、梁の一方が固定され、反対側は固定されない。開放的な歩道を造るために採用したとみられる。 有階ア
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画家・山田ケンジさん(静岡市葵区) 命吹き込む「生きた線」【表現者たち】
絵はがき大の水彩紙に塗り重ねた寒色の透明水彩が、馬上でうなだれる若武者の不安な心情を際立たせる。画家山田ケンジさん(69)=静岡市葵区=が胡粉[ごふん]を水で溶いた白い飛沫[ひまつ]を画面に落として雪を表現すると、凍[い]てつく空気感を伴った情景が浮かび上がった。 新聞や文芸誌の連載小説を彩る挿絵を画業の中心に据える。鉛筆書きの下絵をペンでなぞり彩色に進むのが一般的だが、「下絵をなぞった線はよそ行きでつまらない。ぶっつけ本番で仕上がり線を描く方が『生きた線』になる」。緊張感がもたらす震えや揺らぎは持ち味と捉える。 広島市出身。幼少期から絵が得意で、武蔵野美術大で油彩画を学んだ。都内でデザ
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中学生藤下さんの書力強く 30日まで、静岡・清水区で作品展
静岡市清水区の清水八中3年藤下憂翔さん(14)による書道作品の展示会が30日まで、同区の入江生涯学習交流館で開かれている。 幼稚園のころから字に興味を示していたという藤下さんは小学2年生から書道教室で習字を始め、現在は「学生競書段位」で優待生の腕前にまで成長した。会場には24点が並び、絵画用のキャンバスに書いたり背景色に合わせて金色の墨を使ったりと作品ごとに工夫も凝らした。得意とする流れのある行書作品が目を引き、来場者を楽しませている。
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沼津とカナダ 架け橋に バンクーバー拠点のイラストレーター 笠井さんが市長訪問
カナダ・バンクーバーを拠点にイラストレーター・絵本作家として活躍する沼津市出身の笠井香織さん(54)が25日、市役所を訪れ、頼重秀一市長に活動を報告した。 笠井さんは一時帰国中。現在は世界のビーチがテーマの絵本を制作中で、バンクーバーと沼津の海も登場させるという。地元の同級生の協力で、実家をミニギャラリーに改装していることも紹介した。「沼津の魅力はカナダの友人にも伝え続けてきた。沼津に招き、アートと音楽でつなげたい」と意欲を語った。 頼重市長は「カナダと沼津はフェンシングでの交流もある。文化の架け橋となってほしい」と期待した。 笠井さんは1994年にバンクーバーへ渡り、現地の大学在学中
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紙の立体作品 制作方法解説 富士で個展 作家 西村さんトークも
富士市の「ふじ・紙のアートミュージアム」で開催中の個展「西村優子展」のアーティストトークが23日、同所で開かれた。作家の西村さん(神奈川県川崎市)が、紙を折って作り上げる立体作品の制作方法などを説明した。 西村さんは、学生時代に学んでいた建築デザインの知識を生かし、板などを折り曲げることで強度を増やす「折板構造」を取り入れた紙の作品を発表してきた。企画展には、縦長5メートルの紙を円状に折った壁かけの作品やトンネル型の大型作品など3点を出品した。 トークでは、小型作品を見せながら制作の流れを紹介。「土佐和紙」や「局紙」など使用する紙のこだわりについても話した。「建造物を作るようなイメージで
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四季の歳時 絵手紙ずらり 静岡市で26日まで作品展
静岡市葵区の「絵手紙 桐の会」の作品展が26日まで、同区のしずぎんギャラリー四季で開かれている。 四季の歳時をテーマにした会員7人の作品約420点が並ぶ。桜やひな祭りなど季節の彩りを、書画用の紙や、卓上に飾る和傘形の置物などに自由に描いた。墨の濃淡とカラフルな色使いが来場者の目を楽しませている。 講師を務める田中栄子さん(79)=清水区=は「贈る人への思いを込め、直感を信じて描いた力作を見てほしい」と話した。
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富士山信仰 思いはせ 市文化財の木造彫刻3体 特別公開 裾野・茶畑浅間神社
裾野市茶畑の茶畑浅間神社は23日、市有形文化財に指定された木造彫刻3体を特別公開した。市の指定通知書授与式に合わせ、拝殿に展示した。 いずれも平安時代後期の作とみられる四面女神像1体(高さ23.0センチ)と、随身像2体(同52.2、54.2センチ)。氏子総代会によると、約10年前に外部識者が古文書の記録を基に現地調査に訪れ、社務所で見つけたという。特別公開には地域住民や郷土史家らが続々と神社を訪れて3体を鑑賞し、12世紀ごろの富士山信仰に思いをはせた。 氏子総代会は市とともに、今後の保存方法を検討している。伊東奉嘉会長(69)は「大切に保管しながら、毎年10月の神社のお祭りなどで公開でき
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豪で修行、野焼きの技法で制作した陶器 浜松市東区で個展
浜松市中区の陶芸家神谷美保子さんの作品展が23日、同市東区上新屋町の「ひでさんぎょうの美術室」で始まった。25日まで。 土におがくずを敷いて作品を置き、枝を乗せて800度の熱で焼き上げるオーストラリアの野焼きの技法で制作した陶器の花器や皿など約50点が並ぶ。低温で焼くため、釉薬(ゆうやく)の発色がやわらかくなる点が特徴だという。 神谷さんは1989年に同国で野焼きの技法を知り、15年間現地で修業した。神谷さんは「焼き上がるまでどんな色が出るか分からないのが魅力。自由に楽しんでほしい」と語った。
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三島のおすすめスポット 学生の「映え写真」で発信 インスタコンテスト
美容師を養成する三島市の県東部総合美容専門学校は21日、インスタコンテストを市内で開いた。学生が学んできたヘアメークやメークの技術を生かしてモデルとなり、三島のおすすめスポットを「映え写真」とともに世界へ発信した。 学生は13組に分かれて街に繰り出し、三嶋大社や楽寿園、お気に入りの飲食店を散策。学生目線で三島の魅力が詰まった写真を交流サイト(SNS)「インスタグラム」に投稿した。 2年生の武智日花さん(20)のグループは、地域交流拠点「みしま未来研究所」で春をテーマに撮影した。ピンク系の明るいメークを施し、白とピンクの色みの洋服を着て訪れた。青空に色とりどりの旗が映える空間で和気あいあい
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葛飾北斎と弟子の作品一堂 浜松市美術館で22日開幕 「冨嶽三十六景」など
江戸時代後期の人気浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)と弟子らの作品を集めた特別展「北斎展-師と弟子たち-」(浜松市主催、静岡新聞社・静岡放送共催)が22日、同市中区の市美術館で開幕する。21日に開会式と内覧会を同館で行った。 関係者ら約40人が出席し、山名裕副市長や飯室仁志館長らがテープカットに臨んだ。 同展は代表作の「冨嶽三十六景」といったシリーズをはじめ、貴重な肉筆画、洋風画などをそろえ、北斎芸術の全貌を紹介する。北斎の弟子たちが描いた肉筆画のほか、影響を強く受けたとされるフランス人画家アンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」も並ぶ。一部の作品は音声ガイドもある。 同
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非日常、試される感覚 静岡県立美術館/草間彌生「水上の蛍」2000年【コレクションから②】
美術館の展示室に突然現れたハコ。何の変哲もない、金属の小部屋に見える。扉のついた入り口まで、人ひとりが通れる、狭く緩やかなスロープの通路を進む。中に入ると、そこは別世界。天井からつり下げられた無数の色鮮やかな電飾が、周囲の鏡や足元の水面に反射する。その様子は、作品のタイトルどおり、水上を飛び交う蛍のようである。 作者の草間彌生は、世界各地で展開してきた長い活動歴、すぐにそれと分かる独自の作品テイストなどから、ほぼ伝説と化したアーティストである。静岡県立美術館は、15点の草間作品を所蔵する。綿や既製品などの柔らかい素材で作られた立体の「最後の晩餐」、大型のキャンヴァスを網目模様の描写で埋め尽
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歌うように 踊るように バイオリニスト/椙山久美さん(浜松市中区)【表現者たち】
バイオリニスト椙山[すぎやま]久美さん(59)=浜松市中区=が4月末、デュオリサイタルを静岡、浜松の両市で開く。ピアニストでパリ国立高等音楽院教授、上田晴子さんとの共演。当初は2020年春に予定していたが、新型コロナウイルス禍で延期が続き、3年越しとなる。フランクやラベルのバイオリンソナタをはじめ、フランス人作曲家を中心とした名曲プログラム。「歌うように、踊るように。色彩あふれる音色を届けたい」と臨む。 浜松市出身。5歳でバイオリンを始めた。東京芸大付属音楽高に進み、同大、同大大学院からウィーン国立音楽大に留学。帰国後はドイツ音楽を軸に国内外で演奏活動をしてきた。 上田さんとは02年、共
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ウサギや植物描いた30点 中区の画家安松さん個展 浜松・書絵堂ギャラリー
浜松市中区の画家安松美由紀さん(31)の個展「きみだったものたち」が20日、浜松市東区中田町の書絵堂ギャラリーで始まった。5月2日まで。 安松さんが以前に飼っていたウサギと実家の周りにある植物を組み合わせたアクリル画や日本画など約30点が並ぶ。小学生のころに大切にしていたウサギが死に、罪悪感を少しでも解消しようと、その思いを絵に表現し続けたという。安松さんは「自分の大切なものを振り返って、今をどう生きるかを考えるきっかけになれば」と話した。
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日本の美しい水族館 一堂に 写真家・銀鏡さん 松坂屋静岡店で個展
松坂屋静岡店(静岡市葵区)の都市型水族館「スマートアクアリウム静岡」で19日、開館1周年記念イベントとして水族館写真家の銀鏡(しろみ)つかささん(28)=東京都=による写真展「日本の美しい水族館」が始まった。6月18日まで。 全国の水族館約100カ所を巡った銀鏡さんが撮影した作品35点を展示した。このうちスマートアクアリウムで撮影した3点は、被写体の生き物と並べて設置。砂地から顔を出す姿で人気のチンアナゴが体を横に倒し、こちらを見つめる様子を撮影した作品は「睨(にら)めっこ」と名付けた。 派手な色彩が特徴的なニシキテグリのひれがなびく瞬間を収めた作品「極彩色」や、肉眼で認識しづらいブラッ
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33年間集大成 最後の写真展 「フォトM&M」 浜松市中区
1990年から33年間にわたって活動してきた浜松市内の写真愛好家でつくる「フォトM&M」の最後の写真展が23日まで、同市中区のクリエート浜松で開かれている。国内外で撮影したフィルムやデジタルの作品45点を持ち込んだ。 会員5人とOB6人の計11人が「美しさを求めて真実を写そう」と撮影した風景写真などが来場者の目を楽しませている。富士山をバックに空高く飛び立つ旅客機を捉えたデジタル写真や、北海道美瑛町の田園風景をやわらかく表現したフィルム写真などが並ぶ。 同会はコロナ禍で3年ほど活動を休止した。メンバーの高齢化などを理由に、今回を最後の写真展と決めた。最後まで、伝統の全紙サイズの出品にこだ
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静岡新聞夕刊小説「頼朝」挿絵も展示 画家山田ケンジ企画展 22日から静岡の駿府博物館
静岡市駿河区の駿府博物館で22日に開幕する企画展「挿絵画家 山田ケンジの世界」(同館主催、静岡新聞社・静岡放送後援)の展示作業が18日、行われた。 山田さんは静岡市葵区在住で本紙夕刊小説「頼朝 陰の如(ごと)く、雷霆(らいてい)の如し」(秋山香乃さん作)で挿絵を担当した。「頼朝」の挿絵のほか、直木賞作家の門井慶喜さん、西條奈加さんの小説用に描いた扉絵の原画、「愛・地球博」で手がけた公式会場俯瞰(ふかん)図など全132点を展示する。 山田さんは「『頼朝』の挿絵は誰もが知る歴史上のスターを自分なりの解釈で描く過程が楽しかった。原画ならではの力強さと味わいを間近で感じてほしい」と話した。 会
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現代書家 力作ずらり 静岡県立美術館で作品展
静岡県内の現代書家の近作を集めた「現代書作家展・しずおか」(同運営委など主催)が18日、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで始まった。23日まで。 「書の“今”を築く」をテーマに、46人が大字書や刻字、近代詩文書、前衛書などを出品。墨の濃淡を生かした迫力ある1文字や、漢字を抽象的に表現した独創的な作品が並ぶ。 榛葉寿鶴実行委員長は出品作について「新型コロナウイルス禍が収束しつつある中、はじけるような開放感がある」と話した。 「富士山学生書写書道展」も併催。小学生から大学生までの大賞受賞作が展示されている。
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芸術品五感で味わう 7月9日まで静岡県立美術館
視覚だけでなく聴覚や触覚も含めた五感で作品を鑑賞できる展覧会「センス・オブ・ワンダー 感覚で味わう美術」が18日、静岡市駿河区の県立美術館で始まった。7月9日まで。 同館に収容されているコレクションの中から彫刻や絵画など約90点を展示している。入り口近くに展示された草間弥生さんの「水上の蛍」は、扉を開けると壁面と天井が鏡張りの部屋になっている。暗闇の中で天井からつるされた赤、青、黄色の電球が部屋全体に反射し、幻想的な空間を全身で味わうことができる。 ロダンの「考える人」のレプリカや彫刻に使う素材も展示され、来場者が触って質感や形を感じることができる。作品をイメージした音楽が流れているブー
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衰えぬ情熱 深み増す技法 北斎展―師と弟子たち― 4月22日~6月11日 浜松市美術館
江戸時代後期に活躍した浮世絵の巨匠・葛飾北斎(1760~1849年)の作品を集めた展覧会「北斎展-師と弟子たち-」(浜松市主催、静岡新聞社・静岡放送共催)が22日、浜松市美術館(同市中区)で開幕する。「冨嶽[ふがく]三十六景」をはじめとする代表作や、貴重な肉筆画、洋風画を通じ、海外でも高い人気を誇る北斎芸術の全貌を紹介する。 葛飾北斎は、江戸時代後期、1760(宝暦10)年に江戸本所割下水(現在の東京都墨田区)で生まれた。6歳のころ作画に興味を持ったという。 20歳ごろから35歳ごろまでの15年間は習作の時代と言われる。「役者似顔絵」の開拓者の一人である勝川春章の弟子となり、画名を「春
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上層階 突き出し「屋根」に 「沼津アーケード名店街」編①【アートのほそ道】
JR沼津駅と沼津港の間に位置する「沼津アーケード名店街」。日本の建築史にその名を残す長さ約250メートルの商店街は2022年に再開発が決まり、24年には解体が始まる。 2階以上が突き出して1階部分の屋根の役目を果たす、全国でも珍しい「有階アーケード」、角に丸みを持たせた優美な壁面、水平のラインを強調したガラスサッシのファサード―。まもなく姿を消す昭和20年代の名建築を惜しみ、静岡県内外から建築愛好家らが訪れている。 1953(昭和28)年12月に商店街西側、翌54(昭和29)年11月に東側が完成。戦後復興の中で鉄筋コンクリートの「防火建築帯」としてつくられた。都市の不燃化運動の先駆けと
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旧工場 飛び交う新思考 アートスペース「DHARMA沼津」
旧印刷工場をアートスペースとして再生した沼津市市場町のDHARMA[ダルマ]沼津で、公募型作品展「市場町アートフェス2023」が開かれている。同所を拠点とするアーティスト集団「EN」のメンバーらが参加。自由な発想による約30点が、既成概念からの飛翔[ひしょう]を競う。 2階会場には井口貴夫さん(伊勢原市)の「水面[みなも]」シリーズ3点が並ぶ。赤や黄の鮮やかな、少しにじんだ背景と、黒やオレンジの舞うような曲線のコントラスト。絵の具をしたたらせるドリッピング技法に見えるが「ケチャップの容器に絵の具を入れてストロークした」という。小さな正方形に、ピントが定まらない世界と、輪郭がはっきりした線を
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「鬱憤晴らす」三方ケ原の戦い前の武田信玄の書展示 浜松市博物館
戦国時代に、徳川軍が武田軍に大敗した三方ケ原の戦い(1572年)に関する武田信玄の書状の展示が11日、浜松市中区の市博物館で始まった。同館の担当者は「当時の大名の勢力関係などを知る上で貴重な資料」としている。展示は5月28日まで。 9月まで開催中のテーマ展「家康伝承と浜松」の一環で公開した。同館によると、信玄の書状は宮城県の個人から借りていて、本県での公開は珍しいという。 三方ケ原の戦い直前の同年10月21日に信玄が国衆に宛てたとされる。遠江に進軍していた信玄が高天神城(掛川市)の城主を降伏させたことや、天竜川を越えて浜松に向かう旨が記されている。「3年間の鬱憤(うっぷん)を晴らす」とい
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美しい風景写真展示 SBS学苑受講生ら 5月1日まで島田
SBS学苑静岡校とイーラde沼津校で写真講座を開く後藤勤さん(81)=静岡市駿河区=と両講座の受講生による作品展が5月1日まで、島田市川根町の川根温泉ふれあいの泉で開かれている。 講座は両校とも月2回ずつ開き、座学と撮影会を実施している。前期の20日まで並ぶ写真のテーマは自然風景。夕暮れの浜岡海岸や伊豆の紅葉、山梨県側から撮影した富士山など、後藤さんと受講生が撮影した力作の写真が約25枚並ぶ。21日以降の後期は、花をメインに撮影した風景写真を主に展示するという。 後藤さんは「目で見た通りの光景を収めるためにピントの調節を大切にしている」と指導のポイントを語った。火曜休館。
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「画風の違い楽しんで」 16日まで静岡市葵区で絵画展
静岡県中部地区の絵画愛好家らでつくる「チャーチル会静岡」の春季絵画展が16日まで、静岡市役所市民ギャラリーで開かれている。 会員10人が26点の風景画や人物画を用意した。同市葵区七間町の通りを柔らかいタッチで描いた「街の夕暮れ」や昭和初期の海岸の風景をセピア調で再現した「用宗の浜」など個性あふれる力作が並ぶ。全国公募展で内閣総理大臣賞を受賞した影山善次郎さんの作品「赤富士」は赤く輝く富士山と山麓の緑を鮮やかに力強く表現した。 近藤渉幹事長は「メンバーそれぞれが持つ画風の違いを楽しんでほしい」と話した。
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旅先の光景 油絵や水彩画に 浜松市北区で画家根岸さん個展
浜松美術協会会長で画家の根岸英さん(81)=浜松市中区=の個展が30日まで、同市北区細江町のギャラリーカフェ寸座フランセで開かれている。国内外の風景を描いた油絵と水彩画約40点が並ぶ。 ベネチア(イタリア)の水路やリュブリャナ(スロベニア)の公園、長野県の乗鞍高原など、旅先で印象に残った光景を、油彩は力強く、水彩は柔らかく淡い色彩で描いている。 人間の生活感の表現にこだわりを持ち、建物や歩いている人物を意識的に描いたという。根岸さんは「人の営みを含んだ風景、光と影が織りなす雰囲気を楽しんでほしい」と話した。
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海の生命通じ平和訴え 熱海 水中写真家・水之さん個展
熱海市近海を中心に活動している水中写真家、水之京子さん(65)=伊豆市上白岩=の個展「海からのメッセージを受け取って」が同市昭和町の起雲閣で開かれている。世界の海で撮影された美しい生命の姿を通じて、平和を守ろうと訴えている。5月28日まで。 伊豆や南太平洋、大西洋などで撮影した33点を展示した。フィリピン沖で魚群とダイバーが戯れる幻想的な光景や、メキシコの海でカメラに向かって愛らしい表情を見せるアシカなどの写真と共に、海底に沈むゼロ戦の写真が並ぶ。 水之さんは、北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次ぐ中、「ミサイルが海に落ちることに胸を痛めている。海には多くの命がいることを忘れないでほしい。
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プロ、アマ写真展開催 優れたデザイン力感じて 静岡県立美術館
静岡県写真愛好者芸術展(同実行委員会主催)が11日、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで始まった。16日まで。 県内のプロやアマチュアの写真家70人が計133点を出展した。動物や富士山、日常の風景など多彩な力作が並ぶ。青森県の「ねぶた祭り」を題材にした作品は、表面に凹凸がある和紙にプリントしたことで立体的な迫力と優しい風合いが表現されている。 同実行委の沖田完治会長(77)は「最近はレタッチ(画像編集)した作品も多い。一風変わった優れたデザイン力も見てほしい」と話した。
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オードリー写真展が開幕 三島・佐野美術館、「ローマの休日」の一幕など135点
世界的スターのオードリー・ヘプバーン(1929~93年)の生涯を振り返る写真展「オードリー・スタイル 飾らない生き方」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が8日、三島市の同美術館で開幕した。俳優、母親、そして一人の女性としての人生を写し出した135点が展示されている。6月18日まで。 オードリーは生涯27本の映画に出演し、数々の大スターと共演。とびきりの笑顔で世界中をとりこにした。 写真展は、バレリーナを目指した幼少時代から始まり「プリンセス誕生」「スター街道と私生活」「時代をリードするヒロイン像」「信念の人」などの章立てで構成。可憐(かれん)で気品あふれる王女役を演じた初主演映
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磐田の有田さん水彩画展 浜松・書絵堂ギャラリー
磐田市福田の画家有田政主さん(75)の個展「菩子絵画展」が18日まで、浜松市東区中田町の書絵堂ギャラリーで開かれている=写真=。 油絵のようにも見える色使いが特徴的な水彩画22点を持ち込んだ。かわいらしい動物や神秘的な海外の城郭のほか、有田さんが好きな戦国時代や三国志の武将を題材にした作品などが会場を彩る。有田さんは「独特な水彩画だと自負している。親しみやすい絵を、ぜひ見てほしい」と話した。
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スイス絵本画家 3人の原画紹介 長泉・ビュフェ美術館
スイスを代表する3人の絵本画家の世界を紹介する「こわくて、たのしいスイスの絵本」展(静岡新聞社・静岡放送後援)が8日、長泉町のベルナール・ビュフェ美術館で開幕する。7月2日まで。 展示しているのは、アルプスの植物や虫、花を擬人化した「花のメルヘン」などで絵本画家の先駆けとなったエルンスト・クライドルフ(1863~1956年)、「ブレーメンのおんがくたい」など軽快なタッチで動物を描いたハンス・フィッシャー(1909~58年)、グリム童話をユーモラスな絵で表現したフェリックス・ホフマン(1911~75年)の作品。長野県の小さな絵本美術館による協力のもと、フィッシャーの原画やクライドルフの初版リ
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オードリーの素顔に迫る 写真展を前に展示作業 三島・佐野美術館
生涯で27本の映画に出演し、世界中をとりこにした俳優オードリー・ヘプバーン(1929~93年)の人生を振り返る写真展「オードリー・スタイル 飾らない生き方」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が8日、三島市の同美術館で始まる。搬入作業が6日行われ、132点が展示された。 初主演映画「ローマの休日」や「ティファニーで朝食を」など数々の代表作での一幕や撮影の合間に見せた素顔を紹介。私生活では国連児童基金(ユニセフ)の親善大使の活動に携わり、家族との時間も大切にしたスターを、世界の著名な写真家が捉えた。 華やかな経歴の一方、第2次世界大戦下のトラウマ(心的外傷)に生涯苦しみ内向的な一面
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「ジュラシック・パーク」 劇場の迫力 異次元の感動【名画の歳時記】
4月です。新年度、新学期が始まる月です。というわけでこの連載も今日から。よろしくお願いします。 新年度が始まると言えば、えりすぐりの名作映画を低料金で、デジタル・リマスターで、そしてスクリーンで鑑賞できる「午前十時の映画祭13」もいよいよ明日からスタート。もちろん県内でも東部、中部、西部の劇場が参加しますよ。 今期のスタートはなんと「ジュラシック・パーク」。第1作(1993年)から第3作(2001年)までを1週間ずつ連続上映です。テレビで何度も観[み]たよ、という方も多いかもしれません。ですが劇場で観ると全くの別物です。 先日「タイタニック」(1997年)が世界中で2週間限定上映され、
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風景や花など60点 水墨画で表現 日本酔墨会支部が作品展 浜松
水墨画の愛好家グループ「日本酔墨会浜松支部」の作品展(静岡新聞社・静岡放送後援)が4日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。9日まで。 会員7人が風景や花などを題材に自由にしたためた約60点を出品した。霧と雲の動きを柔らかく表現した富士山や、白と黒の水墨の世界観を表した中国の岩山などが見られる。中国出身で講師を務める水墨画家顧哲剛さんが仕上げた鳥の姿になった女性が空を舞う作品も楽しむことができる。 川合勝一支部長(72)=磐田市=は「作品ごとの印象や思いを感じ取ってもらえれば」と話した。
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写真展「オードリー・スタイル 飾らない生き方」 8日から、三島・佐野美術館
初主演映画「ローマの休日」の可憐[かれん]で気品あふれる王女役で、一躍スターの仲間入りを果たしたオードリー・ヘプバーン(1929~93年)。その人生を、著名な写真家らによる約130点の作品でご紹介します。 信念貫く強さとしなやかさ 生涯27本の映画に出演し、ゲーリー・クーパー、ショーン・コネリーなど数々の大スターと共演。とびきりの笑顔で世界中の人々をとりこにしました。その姿はファッションアイコンともなり、「麗しのサブリナ」で見せた、ショートカットにくるぶしが見える丈のパンツとフラットシューズ姿は、新たな美の基準を生みました。オードリーと言えば、パリ・モード。名曲「ムーン・リバー」の音色と
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芸術に触れる機会提供 美術館ない清水町の子に ワークショップで名画模写 29日まで展示
美術館がない清水町の子どもたちに芸術に触れる機会を-。町は小学生が制作し、作品を展示するワークショップ(WS)を今月下旬、初めて開いた。個性あふれる33点が完成し、29日まで町地域交流センターで展示。企画した町社会教育課の渡部碧唯[あおい]さん(25)は「美術を通して他者や違いを受け入れる寛容さを育めたら」と話す。 テーマは「美術館がないのなら自分たちでつくればいいじゃない」。小学生9人が3日間、サポーターの中高生14人とともに制作した。県内で活躍する名画を模写するユニット「アーブル美術館」や県立美術館学芸課の職員を講師に迎え、1・5メートル超四方の段ボールを台紙に、パステルやフェルトペン
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牧之原市史料館【美と快と-収蔵品物語(57)】
江戸時代に相良藩が置かれた牧之原市相良の地。幕府の中枢で活躍した田沼意次(1719~88年)は、相良藩主として城下町を整備した。江戸詰めの意次がこの地を踏んだのは80(安永9)年4月のわずか10日間ほどで、その後に失脚したが、地元に残した足跡は大きい。市史料館の収蔵品は、「郷土の偉人」に対する住民の敬愛の思いを物語る。 浮かぶ 意次の人物像 田沼意次と聞けば、その優れた政治手腕を認めながらも、同時に「賄賂政治」を連想する人が少なくない。しかし、実力者に毀誉褒貶[きよほうへん]は付きもの。「金権政治家」のイメージにとどまらない人物像が、書物から浮かび上がる。 「相良海老[えび]」は、江
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構成美が際立つ 古典絵画や写実 静岡・葵区で油絵展
藤枝市出身で主体美術協会会員の画家藤田俊哉さん(59)=東京都=の油絵展「コンスティチューション/構成」が28日まで、静岡市葵区の松坂屋静岡店で開かれている。 藤田さんの作品は鮮やかな色の背景に、古典絵画や写実的な花のモチーフ、長方形などを組み合わせた構成美が特徴。個展では新作19点を披露する。「自分だけの構成美を追究している。色と形の織りなす世界を楽しんでほしい」と語る。 会場の中央で目を引く大型の作品は、イタリアのルネサンス期の画家ポライウォーロによる「若い女性の肖像」と、同作品を基にした先輩画家、矢野利隆さんのコラージュ作品をモチーフに引用し、再構成した。「2人の画家から受けたひら
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黄金崎クリスタルパーク【美と快と-収蔵品物語(56)】
ガラス工芸の歴史において、工場で職人が工業的に製作する形態を離れ、作家個人が工房を設けて自由に制作する契機となったのは、1960年代に北米を中心に起こった「スタジオ・グラス」運動とされる。西伊豆町の「黄金崎クリスタルパーク」は、この時代を生き、現代ガラス作家を代表するチェコのスタニスラフ・リベンスキー(1921~2002年)とパートナーのヤロスラヴァ・ブリフトヴァ(1924~2020年)による共同作品を収蔵している。2人は彫刻から建築に関わる作品に至るまで、従来のガラス工芸の枠組みを超えた表現を追究した。 色と光の美を追究 「青い眼」 1993年 スタニスラフ・リベンス
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地元画家足立さん 後ろ姿繊細に描く 浜松市東区で個展
浜松市東区の書絵堂ギャラリーで16日、画家足立典正さん(67)=西区=の個展「ONE SCENE 後ろ姿のあなたへ」が始まった。パステル画やアクリル画など約30点が並ぶ。28日まで。 妻まゆみさん(65)と二人三脚で約3年半ぶりの個展を開いた。まゆみさんの後ろ姿を繊細に表現したパステル画や夕暮れに農作業をする人を描いたアクリル画などが見られる。 25年ほど前に交通事故で重傷を負った足立さん。2年間のリハビリ生活後、画家として筆を執った。人の後ろ姿から、隠れた気持ちや健康状態が分かり、後ろ姿を描くことに夢中になったという。 足立さんは「そばにいる相手の悪い部分を見つめるのではなく、後ろ姿
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手指の「動き」心情投影 木版画家・青木鐵夫さん(藤枝市)
「どこにでもいる人間の、どこでも見られる日常を描いてきた」と語る、藤枝市の木版画家青木鐵夫さん(82)。大胆にデフォルメした人物と味わいのある墨の濃淡で、人の営みがもたらす喜びやおかしみを軽妙洒脱[しゃだつ]に表現する。 「見る人が自由に想像できるように」と表情は彫り込まない。一方で「最も勝負をかけている部分」と明かす手や指の動きは「角度一つで印象が劇的に変わってしまう」と細心の注意を払う。隣人に届きそうで届かない指先の、その先にある少しの「間[ま]」に、心の動きを投影する。 松や菜種油を燃やした時にできるすすが原料の松煙墨[しょうえんぼく]や油煙墨を硯[すずり]で擦る。光の具合で赤や青
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ACしずおか初イベント 支援の30団体、活動成果発表 「ゴジラ伝説」熱海から“上陸”
静岡県民のアート活動を支援する県文化財団内の組織「アーツカウンシル(AC)しずおか」は12日、助成団体の活動を紹介する初の大規模イベント「おもしろい人に会いたい‼2023-しずおかアートプロジェクト見本市-」を静岡市駿河区のグランシップで開いた。約30団体が音楽、美術、舞台芸術などジャンルをまたいだ表現活動や地域活動の成果を発表した。 熱海市で毎秋開かれている「熱海怪獣映画祭」で好評を得た、音楽家井上誠さん(熱海市出身)、巻上公一さん(同市在住)らによるライブ「ゴジラ伝説」が行われた。総勢11人のメンバーが、ゴジラやモスラ、キングギドラなど「怪獣映画」の楽曲を次々披露。井上さんの作品解説、
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伊藤さん足跡たどる アフガンの写真40点 19日まで磐田・中央図書館
農業ボランティア活動をしていたアフガニスタンで2008年、武装勢力に殺害された掛川市出身の伊藤和也さん=当時(31)=の足跡をたどる写真展(静岡新聞社・静岡放送後援)が14日、磐田市見付の市立中央図書館で始まった。19日まで。 伊藤さんが撮影した写真や所属していた支援団体「ペシャワール会」から取り寄せた写真計40枚を展示した。現地の子どもたちが顔を寄せてほほえむ姿や過酷な環境の中、生き生きとした表情で農業再建に汗を流す伊藤さんの姿を紹介。農林環境専門職大・短期大学部や磐田北高の学生有志がアフガニスタンの現状などをまとめた資料も並べている。 主催した同写真展実行委の早川慶子代表は「伊藤さん
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崔如琢美術館【美と快と-収蔵品物語(55)】
2013年、中国を代表する現代水墨画家、崔如琢[さいじょたく]さん(79)=中国・北京市=の作品を展示する「崔如琢美術館」が、伊東市にオープンした。山水画は遠近法を駆使したダイナミックな構図、動植物の描写は緻密さを極める。墨の自在な濃淡が、東洋芸術の粋を印象付ける。 濃淡用いて花と葉対比 「蓮の花」 2011年 ハスは、崔さんが得意とする題材で、同館で人気のある作品の一つ。花弁などの細かい部分は筆で描いているが、大きな葉は紙を丸めたものに墨を含ませて押し当て、茎は指やヘチマの綿を使って表現した。 葉の部分は、水墨画ならではの濃淡とにじみを用いた大胆な配置。凜[りん]とした花の部分と
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文化活動担い手 つなぐ“見本市” 支援組織「ACしずおか」、静岡で12日に大規模イベント
静岡県民の文化活動を支援する県文化財団内の組織「アーツカウンシル(AC)しずおか」は12日、2年間の活動や助成対象団体、支援アーティストを紹介する、初の大規模主催イベントを開催する。会場は静岡市駿河区のグランシップ。「創造的な地域づくりへの貢献」を掲げた事業の成果を、エンターテインメントを交えて披露する。 コンセプトは「しずおかアートプロジェクト見本市」。ACしずおかによる、県内各地の団体への助成▽関係人口創出の取り組み「マイクロ・アート・ワーケーション(MAW)」▽企業とアートの連携プロジェクト-を通じてつながりが生まれた表現者が集う。 2021年度は助成団体を集めた「活動報告会」を実
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羽生結弦さんの強さと美しさ伝える 三島で報道写真展 31日まで
フィギュアスケートの2014年ソチ、18年平昌(ピョンチャン)冬季五輪王者で昨年プロに転向した羽生結弦さんの活躍を伝える報道写真展「羽生結弦 魅せる強さと美しさ」(静岡新聞社・静岡放送、共同通信社主催、河北新報社協力)が4日、三島市の日清プラザ3階フードコートで始まった。31日まで。 中学1年時からプロスケーター転向までを振り返る50枚を展示している。ソチ、平昌五輪での金メダルを獲得した演技や22年北京五輪での4回転アクセル挑戦など多くの偉業を遂げた羽生さんの名場面ばかり。競技中の鬼気迫る顔つきや華麗な滑りの姿のほか、リンク外で見せる笑顔も写し出され、来場者を楽しませている。
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近代の日本画 時系列で紹介 静岡県立美術館で26日まで
静岡県立美術館のコレクションを中核に近代日本画の潮流を時系列で紹介する企画展「近代の誘惑-日本画の実践」が、静岡市駿河区の同館で26日まで開かれている。 江戸幕府お抱えの絵師集団だった狩野派の幕末の作品に始まり、西洋絵画に対置する概念「日本画」が成立した明治期、展覧会制度が導入された大正期、モチーフが多様化した昭和期までの全58点を展示した。同館の代表的な収蔵品である横山大観「群青富士」をはじめ、小林清親、橋本雅邦、竹内栖鳳、鏑木清方、秋野不矩ら著名作家の優品が並ぶ。 19世紀後半にフランスで勃興した「印象派」の画家に影響を与えた渡辺省亭の「十二ケ月花鳥図」も出品。精緻で明瞭な描写が来館
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白い空間、時間を対比 美術家中村さん 静岡市葵区で個展
美術家中村昌司さん(69)=掛川市=の「白色浮游 中村昌司個展」が4日、静岡市葵区のアートスペース「ボタニカ」で始まった。展示室ほぼ全てを使ったインスタレーション(空間芸術)。自身の脳をかたどった白布で仕切った空間に過去作を置き、作者と観覧者それぞれの時の流れを対比させる。 過去作は約40年前の個展に出した1辺120センチの立方体と、2011年から取り組んでいるプロジェクトで東日本大震災の被災者らがつくった約2千個の赤いささ舟。別室には19年に大井川鉄道神尾駅の旧駅舎内に置いた空間作品「大井川の雫(しずく)」の写真も展示している。 中村さんは「一つの作品の中に三つの時間が流れているが、世
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自宅ギャラリー 喜びの再出発 知的障害の次女受賞きっかけ 清水区・細沢さん企画展
静岡市清水区長崎新田の細沢弥生さんが自宅の一部を開放する「Ouchi Gallery nana(オウチ・ギャラリー・ナナ)」で3日、次女奈奈さん(27)の作品を紹介する企画展が始まった。新型コロナウイルスの流行で休館していたが、奈奈さんの絵画コンテスト受賞をきっかけに3年ぶりに再開した。 奈奈さんは昨年、若手アーティストを発掘する「WATOWA ART AWARD(ワトワアートアワード)2022」で応募約300点の中から審査員賞に選ばれた。受賞したのは、さまざまな色を組み合わせた大型の抽象画。近作の20点とともに展示販売している。 4歳の時にかかったインフルエンザ脳症の後遺症で知的障害が
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地下道アートで明るく ギョーザやバイク描く 浜松市役所前 イラストレーター大石さん
イラストレーター「いきものだもの」として活動する大石晃裕さん(39)=浜松市出身=が3日、中区の市役所前地下道でアートペイントの制作を始めた。地下道の壁にギョーザやオートバイなど浜松ゆかりの題材を描いて明るく楽しい雰囲気を創り出し、地上の国道152号交差点横断歩道の混雑緩和を目指す試みに協力する。 初日は、地下道の壁にプロジェクターで投影したイラストに沿って、ペンで下書きした。描くキャラクターはギョーザ、バイク、天竜川など12点。17日までにペンキで彩色し、いずれも幅1・6メートル、長さ1メートルほどの作品に仕上げる。 アートペイント事業は市創造都市推進会議が「アートの力でまちを元気にし
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焼津市歴史民俗資料館【美と快と-収蔵品物語(54)】
1954年3月1日、米国が太平洋・ビキニ環礁で行った水爆実験で、焼津漁港所属の遠洋マグロ漁船が“死の灰”を浴びた第五福竜丸事件。焼津市の同市歴史民俗資料館は、40歳の若さで帰らぬ人となった同船無線長の久保山愛吉さんが闘病中、家族に宛てた手紙を展示している。事件から69年経過した今も核の脅威と隣り合わせの世界を生きる私たちに、核兵器のむごさを静かに訴えかける。 闘病中 家族思いつづる 「お手紙ありがとう。元気でお父ちやんもあんしんしました (中略)はまや川へあそびに行くようになると思ひますが ながれないように (中略)おとうちやんのかへりをまつて居なさい」 入院す
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絵画や陶芸など 障害者力作展示 浜松市中区、27日まで
天竜厚生会の障害者アート展示会「アールブリュット作品展」が23日、浜松市中区の遠鉄百貨店「ギャラリー・ロゼ」で始まった。グループ7施設の利用者と天竜特別支援学校の生徒が絵画、写真、陶芸など計54点を展示した。27日まで。 知的障害や手のまひがありながら、独特の感性で創作に取り組む利用者たちを、作品と説明パネルで紹介している。ねじった紙片を無数に並べた絵画や、細部まで書き込まれたコンピューターグラフィックなど、優れた集中力を感じさせる作品が並ぶ。 展示会は感染症の影響で過去2年間中止された。利用者たちは久々の発表の場を楽しみに、意気込んで作品を制作してきたという。
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目の錯覚利用した油彩画31点を展示 28日まで、浜松・書絵堂ギャラリー
浜松市浜北区の画家西川純代さん(31)の個展が28日まで、東区中田町の書絵堂ギャラリーで開かれている。 目の錯覚を利用して奥行きなどを感じさせる「オプ・アート」技法を活用した油彩画31点を出展。大きさ0・5~2センチほどの点の集合と背景色のバランスを図りながら花や風景を表現した作品が見られる。 西川さんは「見る人によって異なる印象や、変化を楽しんでほしい」と話した。
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島田市博物館分館 海野光弘版画記念館【美と快と-収蔵品物語(53)】
1939年、静岡市の染物屋に生まれた版画家、海野光弘(~79年)。日本各地を旅し、自然風景とそこに生きる人々の素朴な営みを独自の陰刻技法によって描き出した。国内外で評価を受けながらも39歳で早世。残された作品群は2000年、島田市博物館分館開館へと導いた。海野版画は郷愁にとどまらず、日本の豊かな風土を今に伝えている。 人の営み 自然と調和 「湖岸の民家」は春の代表作。信州・諏訪湖のほとり、民家脇に菜の花の道が続く。花茎の細部はなく、咲きそろう様を黄一色で圧倒する。漆黒の家屋との明瞭な対比について、「黄色は描き手にとって難しい色。大胆な構図は、染色の家に生まれたバランス感覚の良さ」と島田
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感情と身体感覚を紡ぐ 画家・菅沢薫さん 浜松市鴨江アートセンター、木下恵介記念館で個展 28日まで
浜松市鴨江アートセンター(中区)のアーティスト・イン・レジデンス(AIR)で昨年11月から滞在制作してきた画家菅沢薫さん(33)=同区=。旧警察署庁舎の一室がアトリエ、そして個展会場となった。 高い天井から、自らが染めたストッキングが無数に垂れる。カラフルな透け素材に「性のイメージ」を内包させる。 原点は学生時代に遭った下着泥棒という。「複雑な感情、そこから派生する身体感覚を象徴する表現素材」として描いてきた。束ねたり、引っかけたり。形状の自由度も大きい。画廊とは異なる表現を求め、今展覧会で初めてインスタレーションに登場させた。 埼玉県出身。美術教師を目指して地元の大学に進んだが、相次
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木彫で小動物表現 現代美術家の十時孝好さん 静岡市葵区で個展
富士宮市の現代美術家十時孝好さん(74)による個展「USAGI」が20日まで、静岡市葵区の亀山画廊で開かれている。 ウサギや猫、犬などの身近な小動物をアクリル画と木彫で表現した約50点が並ぶ。色鮮やかでかわいらしい小さな置物や、ウサギの耳を約2メートルの背もたれにして作った椅子など個性豊かな作品が目を引く。 十時さんは「作品の感じ方は人それぞれ。魂のようなものを感じとってほしい」と話した。
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「東海道の美」屏風や絵画で 日比野氏(掛川市二の丸美術館館長)が記念講演 静岡市美術館企画展
江戸時代の東海道を描いた屏風(びょうぶ)や名家に残された人気絵師の作品を集めた企画展「東海道の美 駿河への旅」(静岡新聞社・静岡放送など主催)が11日、静岡市葵区の市美術館で始まった。開幕を記念して掛川市二の丸美術館の日比野秀男館長が講演し、東海道の行き来を描いた作品群を見比べ、名所や宿場をはじめとしたモチーフの傾向を探った。 3月7日からの後期に展示する奈良県立美術館蔵「東海道往来図屏風」は「人々の生活と山水・風景が一緒に描かれている。人物が一人一人全部異なっているところに(技術の)難しさを感じる」と見どころを紹介した。静岡市蔵「東海道図屏風(マッケンジー本)」については朝鮮通信使の一行
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金谷地区住民の多彩な作品一堂 島田で「夢づくり展」
島田市金谷地区の住民が日頃の文化活動の成果を披露する「夢づくり展」が10日、同市の夢づくり会館で始まった。陶芸や書道、写真、絵画など多彩な作品が並ぶ。12日まで。 同館や金谷公民館を拠点に行われている講座の受講生や小中高校、幼稚園、吉田特別支援学校駿遠分教室など幅広い年代の住民が参加する作品展で、ことしで24回目。新たに金谷地区社会福祉協議会や金谷コミュニティ委員会も加わり、地元に密着した活動の様子を紹介した。 11、12の両日はプラモデル塾の展示、11日にはペーパーグライダー作りの体験教室も開かれる。展示は午前9時から午後5時(最終日は午後3時)まで。
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東海道の美 屏風やふすま絵一堂に 静岡市美術館で3月5日まで
江戸時代の東海道が育んだ美術や文化を紹介する企画展「東海道の美 駿河への旅」(静岡新聞社・静岡放送など主催)が11日、静岡市葵区の市美術館で始まる。開幕を翌日に控えた10日、展示作業が行われた。 参勤交代や物資輸送のために街道が整備され、庶民に旅ブームが到来した江戸時代に駿河へ持ち込まれた人気絵師の作品がそろった。東海道の風景や繁栄を主題にした屏風(びょうぶ)やふすま絵などを展示した。 宿場を往来する大名行列を描写した「駿府城下行列図屏風」には、清見寺や静岡浅間神社とみられる建物も描き込まれている。水面に映る月を捉えようと手を伸ばすサルを描いた狩野山雪作の「猿猴図(えんこうず)」は、沼津
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物体版画、沼津で実験 山口源「能役者」 モンミュゼ沼津【美と快と-収蔵品物語(52)】
約9カ月の休館を経て、新しい運営態勢で今年1月に再出発を果たしたモンミュゼ沼津(沼津市庄司美術館)は、世界的に評価の高い版画家山口源(1896~1976年)の作品約350点を収蔵する。現在の富士市で生を受け、40代後半から亡くなるまで沼津市江浦で創作に励んだ山口の「能役者」は、58年にスイスのルガノ国際版画ビエンナーレ展で日本人初となるグランプリに選ばれた。板や葉といった身近な素材をそのまま刷り出す「物体版画」の大きな成果として知られる。 「能役者」 1958年作 86.0センチ×46.5センチ(東部総局・山川侑哉) 多色刷りの画面にぽっかりと浮かぶ、木目が鮮やかな
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富士山世界遺産登録10年 掛け軸「富士飛鶴図」など都内で初公開
静岡県富士山世界遺産センター(富士宮市)は4、5日、富士山の世界文化遺産登録10周年を記念した企画展「富士山 芸術の源泉」として、富士山の文化や歴史を象徴する収蔵品を都内で初めて展示する。首都圏での同センターの認知度向上や、世界文化遺産としての価値を再認識する機会につなげる。 会場の東京美術倶楽部(東京都港区)では3日、職員が掛け軸や屏風(びょうぶ)13点を飾った。同センターでも一堂に会すことのない名品ばかりで、12点はセンター以外で初めて展示する。 江戸幕府14代将軍徳川家茂が米国大統領に向けて贈った掛け軸「富士飛鶴図」が目玉。初代将軍徳川家康とみられる人物が清見寺(静岡市清水区)を訪
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杉村さん、丸子さん 師弟で共同制作 藤枝で二人展
藤枝市小石川町のアートカゲヤマ画廊で5日まで、作家の杉村孝さん(85)=同市=と丸子遊子さん(52)=静岡市駿河区=による「石匠(いしく)の弟子と親方の二人展-イシ・カミ・ありがとう」が開かれている。 目を引くのは、2階の展示室全体を使って2人で共同制作したインスタレーション。丸子さんが色とりどりに着色した縦2メートル、幅6メートルほどの紙複数枚を天井からつり下げた。そこに杉村さんが創作中の思いを書き留めた和紙などを貼り付けて仕上げた。 1階には、石の作品25点と書43点を出品した。石の魅力を生かした造形品が並ぶ。 丸子さんによると、35年前に杉村さんの造形作品に感銘を受けたという。そ
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「東海道の美 駿河への旅」展 2月11日から静岡市美術館 魅力あふれる“家康の遺産”
旅ブームに沸いた江戸時代の東海道が育んだ美術や文化を紹介する展覧会「東海道の美 駿河への旅」が11日、静岡市葵区の静岡市美術館で開幕する。街道のにぎわいを今に伝える東海道図屏風[びょうぶ]、当時の人気絵師が駿河の人々のために描いたふすま絵など全85作品を展示する。 東海道を描いた絵画は17世紀初頭、宿場の整備による街道の繁栄を背景に登場した。東海道図屏風もその一つで、富士山など各地の景観のほか、旅人やにぎわう宿場など豊かな風俗描写も魅力である。 出版文化が花開いた江戸時代、街道を通じて全国のさまざまな情報が行き交うことで、より一層旅や風景への関心が高まりを見せた。特に江戸時代後期に刊行さ
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「どきっ」の瞬間を形に 美術家・山下わかばさん(富士市)
美術家山下わかばさん(37)=富士市=は、動物関連施設のSNS(交流サイト)担当として、さまざまな動物と向き合っている。ラクダ、キリン、クマ-。生き物をモチーフにした立体作品や絵は、そんな日々の経験や気づきから生まれている。「目が合って時が止まるような感覚は、私だけのものにしたくないなって」 30代になったばかりの頃、今の職に飛び込んだ。カメラを構えて、一瞬を狙う。「飼育員は担当する動物のことがメインで、お客さんは限られた時間だけ。私はいろんな姿をじっくり観察できて得していると思う」。何げなくレンズに向けられた瞳に、「それはもう、どきっとする」瞬間があった。創作意欲が生まれた。 裾野市出
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上栫さん(富士)2回目の最高賞 編物手芸新作コンクール 四角形刺しゅう連ね大作 ノルウェー伝統技法を活用
富士市の上栫[かみかこい]洋子さん(60)が、日本編物手芸協会が主催する本年度の「編物手芸新作コンクール」で、最高賞の文部科学大臣賞を受けた。受賞作はノルウェーの伝統技法「ハーダンガー刺しゅう」による80センチ四方の大作で、同賞は2019年度に続き2回目。20年近く刺しゅうに取り組み、「さまざまな技法を身に付けることで、自分にしか作れない作品ができるのが魅力」と奥深さを語る。 ハーダンガー刺しゅうは布目を数えながら針を刺し、織り糸を切ってかがり、透かし模様を作り上げていく技法。模様を組み合わせると繊細なレースのような作品ができる。 上栫さんは40代の時、夫の赴任先であるメキシコでハーダン
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「生」と「もろさ」ガラスで表現 静岡市美術館で松藤さん個展
ガラスを使って自然と人間の関係を描き出すアーティスト松藤孝一さん(富山市)の個展「世界は生きている」が、静岡市葵区の市美術館エントランスホールで開かれている。暗がりで鮮やかな蛍光緑の光を放つウランガラスのインスタレーション「世界の終わりの始まり」は、物質の「生」と命あるものの「もろさ」という相反する要素を強烈に視覚化した。 表現の素材としてガラスを選び取ったのは大学時代。溶鉱炉で溶け、形を変えるガラスの姿に魅せられた。生命が存在できない炎の世界から取り出されたガラスが、冷えるにつれて徐々に透明な光と美しい表情を獲得していく。「物質の生」を感じた瞬間だった。 「千度を超える熱で溶けたガラス
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家康ゆかりの屏風や出土品展示 掛川・二の丸美術館
掛川市掛川の市二の丸美術館で3月12日まで、展覧会「徳川家康と掛川三城 ゆかりの武将物語」が開かれている。 3章構成の展覧会。第1章の城造りでは桃山時代の築城図屏風(びょうぶ)を展示。城を造る様子だけでなく、人形浄瑠璃やうどん屋なども描かれ、当時の人の生活がわかる。第2章では家康やゆかりの人々に焦点を当てた。家康のおい松平定吉の画像や、家康の側室西郷局の人物像を紹介するパネルを並べた。第3章の展示は掛川城、高天神城、横須賀城の3城跡の出土品が中心。高天神城の模型も見応えがある。 築城図屏風など一部作品の展示は2月18日まで。11日からの毎週土曜は午後2時からギャラリートークが行われる。休
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風景や名所を表現 「磐田を描く・撮る・詠む」作品展 5日まで
磐田市文化協会は2月5日まで、磐田にちなんだ絵画や写真、俳句などを紹介する「磐田を描く・撮る・詠む」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同市弥藤太島の豊田福祉センターで開いている。会員74人が、市内の風景や名所を表現した約100点を地域ごとに分けて展示している。 旧赤松家の赤レンガ造りの門を描いた水彩画や天竜川に反射する夕日を捉えた写真など日常の風景が並ぶ。作品を見て感じたことを詠んだ短歌や俳句などもあり、来場者を楽しませている。 今年は新たに、磐田の土を使った焼き物も紹介した。2月5日は呈茶や出展者が作品に関する説明などを行うギャラリートークを開催する。
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修復終え住民に披露 観音堂の地獄絵図 掛川・貞永寺
掛川市東大坂地区の観音堂に所蔵されている「十王・地獄絵図」が28日、観音堂近くの貞永寺で展示された。冥界で死者の生前の行いを裁判する10人の王と地獄が表現されている。 観音堂の再建に合わせて地獄絵図の修復が行われた。区によると作者は不明で、江戸時代後期に制作されたとみられる。赤い顔をした閻魔(えんま)王の絵では左下に舌を抜かれる人の姿が描かれている。 節分祭も行われた貞永寺には子どもから大人まで多くの地域住民が集まり、10枚の絵を興味深そうに見ていた。区長の中田繁之さん(69)は「無言で道徳を示唆しているような伝える力の強い絵。地域の宝として大切にしたい」と話した。
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マジックアワー 息のむ写真紹介 熱海の秋山さん個展
熱海市上多賀の写真愛好家秋山精太郎さん(73)の作品展「黄昏(たそがれ)時、彼誰(かわたれ)時」が27日、同市の起雲閣で始まった。29日まで。 日没後や日の出前に見られる薄明の時間帯「マジックアワー」に撮影した風景写真や昨年11月の皆既月食などを捉えた写真40点が並んだ。 ピンク色や紫色の空を背景に浮かび上がる富士山のシルエットや夜景、朝日に照らされる熱海市の海岸などの美しい写真に来館者は見入った。 秋山さんは「イメージした色の写真が撮れるまで何度も同じ場所に通って撮影した」と振り返った。
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フジやサボテン、36点の水墨画に 藤枝・友の会作品展
藤枝市の「ふじえだ水墨友の会」の第24回作品展が27日、同市駅前の市文化センターで始まった。29日まで。 講師の中西勤さんと生徒17人が計36点を出品した。中西さんの見本を基に描いたフジの絵や山水画のほか、サボテンなど身の回りの植物を表現した作品などが並ぶ。
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浜松江之島高 卒業制作作品展 28日は演奏会
浜松市南区の浜松江之島高芸術科美術専攻の卒業制作・授業作品展が25日、中区のクリエート浜松で始まった。29日まで。 油絵、日本画、彫刻、染色、ビジュアルデザインなど各コースで学びを深めた3年生の作品を中心に約300点が並ぶ。オリジナルのキャラクターを色鮮やかに描いた絵画や大胆な色使いが魅力の抽象画などが来場者を楽しませている。 28日は音楽専攻の生徒による声楽や管楽器などの卒業・修了演奏会を開く。
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磐田の男女8人 なかよし作品展 市立中央図書館
磐田市の男女8人による「なかよし作品展」が25日、磐田市見付の市立中央図書館で始まった。色彩豊かな絵画や押し花、生け花など計57点を紹介している。29日まで。 喜寿を迎え、同展示会を集大成と位置づける高野桂一さん(77)は、長年描きためたアクリル画や書、版画を出品した。川で洗濯したりクリを拾ったりする姿など、平安時代の生活の一幕を収めた絵画「平安の雅」が来場者の目を引いている。 妹の岡田喜代子さん(74)は桜やバラなどを使った押し花作品を展示。講師の古山慶子さん(75)と生徒らによる生け花は、春の訪れを喜ぶ気持ちを紅白のツバキなどで表現した。 高野さんは「仲間の協力で、無事作品展を開催
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風景、生き物など写真愛好家作品展 29日まで静岡市葵区
静岡市内の写真愛好家でつくる龍然会の作品展が29日まで、同市葵区の西奈生涯学習センターで開かれている。 70~80代の会員7人がそれぞれ得意とするテーマを決めて撮影した計約40点を出品している。会員は月に1回、写真を持ち寄って技術を磨いている。会場には雪が降り積もった湖畔の冬景色、麻機遊水地(同区)で魚を捕まえる鳥の姿など、個性豊かな作品が並ぶ。 同会の早川和泉会長(81)は「さまざまなジャンルの写真を楽しんでほしい」と話した。
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沼津のジオサイト知って 市内4カ所で写真展
沼津市内の商業者を中心につくる元気ネット沼津(渡井篤紀代表)は29日まで、地域のジオサイトを紹介する「ジオパーク写真展 沼津」を沼津仲見世、新仲見世の両商店街など市内4カ所で開いている。 両商店街に加え、沼津みなと新鮮館、沼津ぐるめ街道にある「駿河の湯」で計約150点を展示している。同市の大瀬崎や淡島、長泉町の鮎壺の滝など、同団体のメンバーが撮影したり交流サイト(SNS)で募ったりしたジオサイトの美しい写真が通行人の目を引いている。伊豆半島の成り立ちや伊豆石の性質を解説するパネルもある。 同団体は29日に伊豆石の石蔵などを巡る「街中ジオツアー」を沼津市街地で開く。午前10時と午後1時の2
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書きぞめ力作2000点 浜松・中区で西部地区展
静岡県書きぞめ展の西部地区展(県書道連盟主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が24日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。29日まで。 県西部の幼児から一般まで、8544点の応募作品の中から、知事賞を受けた優秀作品など2千点余りを紹介している。小沢花游実行委員長は「レベルが年々上がっている。努力や個性が表れた見応えのある作品がそろった」と話した。 知事賞は次の通り。 植松瑞葵(浜松西小1)天野陽奈(浜松佐藤小2)尾上湖奈(浜松内野小3)小野寺美桜(同4)幸田埜愛(磐田竜洋西小5)近藤綾音(菊川堀之内小6)久野深琴(浜松東陽中1)朝倉綾音(磐田南部中2)溝口智咲(掛川城東中3)大野未鈴(浜
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歴史スポット インスタで写真コンテスト 静岡県、2月末まで募集
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や「どうする家康」などで注目を集める静岡県内の歴史・文化スポットの魅力を発信しようと、県は写真共有アプリ「インスタグラム」で「#SHARE_SHIZUOKA(シェア・シズオカ)フォトコンテスト」を開催している。2月28日まで。 県内の寺社や史跡などで撮影された投稿写真をインスタグラマーが審査する。応募方法は同アプリで公式アカウント「@share_shizuoka」をフォローし、県内のスポットで撮影した写真に市町名など指定のハッシュタグを付けて投稿する。 入賞者8人に宿泊券や県産品を贈る。公式アカウントで実施する県内の観光に関するアンケートの回答者から抽選で20
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「すみれの花咲く頃」歌碑拓本 浜松市白井鐵造記念館【美と快と-収蔵品物語(51)】
かつての周智郡犬居村(旧春野町、現浜松市天竜区春野町)に生まれ、昭和の宝塚歌劇団を演出家としてけん引した白井鐵造(1900~83年)。シャンソン曲「白いリラの花咲く頃」を白井が日本語詞にした「すみれの花咲く頃」(30年)は日本中で口ずさまれ、宝塚の代名詞になった。旧春野町の浜松市白井鐵造記念館には同曲の歌碑の拓本が掲げられ、「レビューの王様」と称賛された白井の偉業とともに、旧町民が彼に向けた敬愛を伝える。 レビュー王の直筆複写 「すみれの花咲く頃」歌碑拓本 1988年作 64センチ×96センチ 角が少ない、丸みを帯びたひらがな、漢字。歌碑に刻まれた白井の直筆は、筆者の篤
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画家の木津さん カレンダー原画展 浜松市中区で2月5日まで
浜松市出身の画家木津文哉さん(64)のカレンダー原画展が2月5日まで、中区元浜町のヒラノアートギャラリーで開かれている。12カ月それぞれに花鳥風月を取り入れている花札の絵柄を題材にした作品など29点が並ぶ。 花札の絵は、同ギャラリーを運営する丸八不動産グループが発行する今年のカレンダーに使われている。1月はツルと松の木、7月はイノシシなど実際の札の絵柄に沿って描いたほか、今年の干支(えと)にちなんで、ウサギを登場させるアレンジも一部加えた。アクリルや油彩など複数の絵の具を組み合わせるミクストメディア技法により、立体感のある作品に仕上げた。 入場無料。正午から午後5時まで。月、火、水曜は休
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まるごと文化フェス開幕 60団体が成果発表 浜北区、22日まで
地域で活動する団体が日頃の成果を発表する「はまきたまるごと文化フェス2023」(浜松市文化振興財団・なゆた浜北共同事業体主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が21日、浜北区の浜北文化センターと複合施設なゆた・浜北で始まった。約60団体が22日まで、ステージ発表や作品展示などを行う。 浜北文化センターでは初日、大ホールで踊りや楽器演奏が披露され、会議室などに絵手紙や水墨画といった作品が並んだ。正面入り口付近では野菜や茶、雑貨なども販売された。 同イベントは2022年、両施設の周年記念イベントとして行うはずだったが、新型コロナウイルスの影響で中止した。
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空きビルがギャラリーに 沼津の地下階レストラン「ボルカノ」跡 若手芸術家が作品展
かつて沼津市大手町のレストラン「ボルカノ」が営業していたビルの地下階が、期間限定でギャラリーに生まれ変わった。29日まで、20代のアーティスト2人による展示「TEMPERATURE」が開かれている。 JR沼津駅南口近くの空きビルを活用し地域活性化を目指すプロジェクト第2弾「丸天ビル for now」の一環。同スタッフで、ギャラリー「space戯曲」を主宰する古地由莉香さん(30)が、ボルカノの移転後10年以上使われていなかった地下階を生かそうと企画した。 展示は静岡市駿河区の古着店店主でイラストレーター「CODY」として活動する山梨滉大さん(28)と、写真家「SYUNTA」こと松浦駿太さ
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茶わんや水指130点 人間国宝の名陶も 沼津の陶芸美術館で展示
沼津市東椎路の静岡陶芸美術館で3月26日まで、企画展「100+αの名碗」が開かれている。 美濃焼や唐津焼の茶わんをはじめ、茶入や水指など計約130点が並ぶ。焼き物の中でも中心的な存在である茶わんの美しさや力強さを発信しようと企画した。人間国宝の故荒川豊蔵氏の瀬戸黒など美しい名陶が来館者の目を引いている。 展示品の一部を使って抹茶を楽しむこともできる。植松弘行館長は「手触りや飲み心地も茶わんの魅力の大きな要素。手に取って質感や重さを味わってほしい」と話した。
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書き初め力作486点 御殿場市民会館で22日まで
静岡県書きぞめ展御殿場地区展(県書道連盟主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が20日、御殿場市民会館で始まった。22日まで。 同市書道連盟加盟の教室の生徒を中心に、幼児から一般までの486人が出展した。止めやはらいなどに注意して仕上げた力強い筆致の作品が目を引く。 同地区からは県知事賞に中西恵麻さん(原里小2年)、県議会議長賞に勝又愛実さん(御殿場西高1年)、県教育長賞に磯辺愛梨さん(富士岡小4年)、県文化協会長賞に小池堅真さん(原里中2年)が選ばれた。
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アルファベットテーマ 石こう刷り版画40点 磐田市で22日まで
磐田市下大之郷、太田策司さん(73)の銅版画技法を使った石こう刷り版画展が22日まで、同市中泉の「フリースペース詞華(しか)」で開かれている。アルファベットをちりばめた抽象的な作品など計40点が並ぶ。 インクを詰めた版に水で溶かした石こうを流して固め、絵柄を写し取る手法で制作。A~Zをテーマにした一連の作品「アルファブロック」は、自由に描いた絵からアルファベット一文字連想し、針金や紙を貼り付けて立体的に表現した。 太田さんは「アルファベットの字体にもこだわり、楽しみなが制作した。見ている人にも楽しんでもらいたい」と述べ、来場を呼びかけた。
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北区の河内さん 富士山23点描く 浜松市東区で作品展
浜松市立北浜中(浜北区)で美術を教えている河内広治さん(63)=北区=の作品展が24日まで、東区中田町の「書繪堂」で開かれている。 富士山を題材に、心の中に浮かんだ風景などを描いたアクリル画23点が並ぶ。金色の背景に赤色の太陽と青色の富士山を美しいコントラストで描いた「1月1日」や、満開の桜の背後で雄大に富士山がそびえ立つ姿を表現した「春送る」など、色鮮やかで温かみのある作品がそろっている。 河内さんは「作品を見て、ほっとした気持ちや昔を懐かしむような思いになってもらえたら」と話した。 開館は午前9時~午後7時(最終日は午後4時まで)。
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キノコ尽くしの写真展 静岡県内に自生、毒性ある種も 地球環境史ミュージアム
静岡県内に自生するキノコの写真を集めた「ふじのくにキノコ写真展」(静岡木の子の会主催)が、静岡市駿河区大谷のふじのくに地球環境史ミュージアムで開かれている。種類が豊富で形や色もさまざまなキノコの魅力を、写真を通して伝える。 キノコに興味を持つ人や研究者などでつくる同会のメンバーが、昨年県内で撮影した写真約80点をパネルで展示した。 食用になるマツタケ、シイタケ、アラゲキクラゲ、ハタケシメジなどを自然のままの姿で紹介。一方、ベニテングタケなど毒性があるキノコも12点展示し、説明している。 直径50センチほどの白いボール状になるオニフスベの写真を出展した小倉辰彦会長(69)は「神出鬼没で見
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静岡県内外の「灯」撮影 愛好家写真ずらり 22日まで富士
富士市の写真愛好家グループ「フォトかりがね」の第20回新春写真展が22日まで、市立中央図書館で開かれている。会員14人がここ数年で撮りためた静岡県内外の風景56点が並ぶ。 「灯」がテーマの作品を会場の一画に集めた。暗闇を煌々(こうこう)と照らす市内の工場夜景や富士山を望む竹灯籠、降雪の中で暖を取る白川郷(岐阜県)の明かりなどを切り取った力作が展示されている。 清流のせせらぎや朝日に照らされた棚田など、会員がそれぞれ各地を巡って撮影した風景も来場者の目をひく。
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工場アトリエに大作 沼津に移住4年、画家の北見さん 絵画教室で地域交流も
沼津市の油絵画家北見美佳さん(36)が、地元住民の厚意で借りた市内の工場で、販売規格の最大サイズとなる縦3メートル超のキャンバスで制作に取り組んでいる。約1年半前に“オープン”した「工場アトリエ」では絵画教室も開かれるなど、今では住民が芸術に親しむ拠点に。「描くことは生きること」。北見さんは自身の表現を追究しながら、地域との交歓を重ねている。 北見さんは松崎町出身で、伊東市にアトリエを開いた野獣派(フォービズム)の画家山川茂さんの最後の内弟子。2018年、千葉県から沼津市に移住した。主に自宅で制作に励んできたが、広さが限られることで表現にも制限がかかっているのでは、
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富士山と四季の共演 29日まで 富士川楽座で写真展
静岡県中東部の富士山写真愛好家でつくる「芙蓉讃写真の会」による第23回写真展が29日まで、富士市の道の駅「富士川楽座」で開かれている。富士山を四季の情景と捉えた会員19人の力作43点が並ぶ。 新緑の茶畑や満開の桜、大輪のひまわりなど季節を表す植物と霊峰を共演させた写真のほか、山体の雪が鳳凰(ほうおう)の形に見える作品などが展示されている。 広中希敏さん(78)=静岡市清水区=の「黄金の朝」は、黄金色に広がる空を霊峰のシルエットが引き立て、来場者の目を引く。広中さんは「夢中で撮った偶然の1枚」と話した。
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紙と光 慰霊の空間演出 美術家・森妙子さん(静岡市葵区)
「Requiem―鎮魂歌―」 3月6日までグランシップ(静岡市駿河区) ショーウインドーの中の狭い空間。天井付近から床へとネットのようなものがつり下がる。表から差し込む日の光が、荒い網目模様を後方の壁に映し出す。「影がすごくきれいに出るでしょう」。美術家の森妙子さん(70)=静岡市葵区=が、「Light[ライト][・]and[アンド][・]Lines[ラインズ]」と題したインスタレーションを指し示す。素材はほとんどが紙だ。 白い紙ひもを編んだネットはしなやかに形を変える。その所々に、薄い紙で作ったチョウ。「死者に恨みがあると白いチョウに転生する」。そんな朝鮮半島の言い伝えが基になっている。
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関東大震災100年 被害状況収める 伊東市役所で写真展
伊東市は16日、発生から100年を迎える関東大震災での市内の被害を伝える写真展示を市役所1階ロビーで始めた。「防災とボランティア週間」(15~21日)に合わせた防災フェアの一環。20日まで。 1923年9月1日に起きた同震災で、伊東は津波で甚大な被害を受けた。倒壊した家屋や橋に乗り上げる漁船をはじめ当時の惨状を記録した写真がそろい、それぞれ解説を添えている。 被災後の状況を写真で報じる新聞の号外も並ぶ。県地震防災センターの協力で、地震への備えを促す解説パネルも展示している。 18日午後1時半から4時半、フェア関連の講演や地域ミーティングの催しを市役所で開く。市生涯学習課と危機対策課が災
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戦没者の遺骨収集 様子伝える写真展 富士市役所
富士市戦没者遺族会は16日、「いのちの写真パネル展」を市役所2階ロビーで始めた。太平洋戦争などで亡くなった人々の遺骨が収集される様子を収めた写真が展示されている。20日まで。 硫黄島やガダルカナル島など日本軍の戦場を中心に、慰霊式典や遺骨収集作業の写真が並ぶ。弾丸で穴が開いた頭蓋骨は闘いの壮絶さを示し、収集に協力する現地の住民の悲しげな表情からは、戦火に巻き込まれた一般市民を思う気持ちが伝わってくる。 パネルは、国の戦没者遺骨収集事業に参加した遺族から写真を集めた鈴木基之さん(85)から提供を受けた。鈴木さんは「戦争のせいで生きたくても生きられなかった命があることに思いを寄せてほしい」と
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元教員が描いた油彩画など30点 静岡市葵区で作品展
静岡市内の公立小中学校の元教員でつくる絵画同好クラブ「じさん会」の作品展が22日まで、同市葵区の県教育会館で開かれている。 60~80代の会員4人が、大小さまざまな油彩画など約30点を出品した。富士山崩壊を題材にした抽象画や、高校生の情熱的な創作ダンスを躍動感たっぷりに描いた作品などが来場者の目を引いている。 同会員で同市清水区の滝進さん(73)は「会員みんな楽しんで描いている。それぞれの絵の良さを楽しんでもらえれば」と話した。
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子犬や馬、紅葉… 児童の力作一堂 川根小の写真クラブが展覧会
島田市立川根小の写真クラブに所属する児童が撮影した写真展が2月6日まで、同市川根町笹間渡の川根温泉ふれあいの泉で開かれている。 同クラブは写真を撮影する楽しさを子どもたちに伝えようと、地元の写真愛好家小沢あつ子さんが学校側に提案して、2021年に発足した。現在は5、6年生11人が所属し、学校周辺で風景や動植物などを写真に収めている。会場には、各部員が1年の中で撮影したお気に入りの1枚を展示した。毛並みの美しい馬や、かわいらしい表情の子犬、色鮮やかな紅葉の写真などが並ぶ。 クラブで講師を務める写真家の柴田秀夫さん(82)は「感動を切り取る技術がみるみるうまくなっている」と児童の成長を喜んだ
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幾何学模様テーマ 女性を描いた16点 掛川で展示
石川県のデザイナー、キカガクガールさん(30)=本名非公開=の個展が2月5日まで、掛川市西大渕のカフェ&ギャラリー「THE DRAMA」で開かれている。幾何学模様をテーマに女性を描いた作品16点を展示した。 パソコンのデザインソフトで制作した。女性が音楽を聞く姿や飲み物を飲む様子などを水色と濃いピンクでポップに表現した。幾何学模様は単純な形の組み合わせで無限の模様が展開できるとし、誰もがありのままの姿でどんな形にもなれるという意味を込めた。 ギャラリーは水曜、金曜定休。
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深海生物の標本群 東海大海洋科学博物館【美と快と-収蔵品物語㊿】
駿河湾に面する三保半島の先端近くで、半世紀にわたって「三保の水族館」として愛され、本年度で通常の公開を終了する東海大海洋科学博物館(静岡市清水区)。展示の目玉の一つが、2010年7月に開館40周年記念として設置された「深海生物の標本群」だ。40年間に駿河湾を中心に採集された魚類や無脊椎動物を一堂に紹介している。 生物の多様性伝える 計157種のホルマリン液浸標本を展示している「深海生物の標本群」の全体像 魚類115種、無脊椎動物42種、計157種のホルマリン液浸標本を展示している。最小の約3センチ(テンガンムネエソ)から最大の約120センチ(ミツクリザメ)までサイズは多様。駿河湾の
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かつての七間町 写真をカラー化 静岡市葵区で展示会
静岡市葵区の七間町名店街を撮影した古写真をカラー化させて紹介する「あの日の七間町クロニクル写真展」が14日、同商店街の雑貨店「カーサ」跡地で始まった。29日まで。 住民から寄せられたモノクロ写真をAI技術で着色するサイトを利用してカラー化させた。明治末期から昭和30年代に撮影された約120枚が並ぶ。 1945年の静岡大空襲直後の街並みや、かつて営業していた飲食店の店員の生き生きとした表情を捉えた写真が年代順に展示され、来場者は商店街の歴史を楽しめる。 企画した同商店街振興組合の久保耕介理事長は「カラー化したことで、昔の写真が親近感をもって感じられるはず」と来場を呼びかける。
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森林公園の豊かな自然、油彩や水彩で 浜北で「描く会」絵画展
静岡県西部の絵画愛好家グループ「森林公園を描く会」の第8回作品展が14日、浜松市浜北区の県立森林公園バードピア浜北で始まった。園内の風景画を中心に36点を22日まで展示している。水曜休み。 アカマツの群生林や黄葉したイチョウの並木道を油彩や水彩で表現。バードピア浜北の建物とともに木々や散策者を描き、園内の穏やかな雰囲気を表した作品もある。 同グループを指導する鈴木正善さん(80)は「作品展も8回目になり、初期に比べると出品者のみなさんが個性を出して描けるようになった」と話す。
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ジュビロマラソン フォトコンテスト最高賞 笑顔部門に神田さん フリー部門川崎さん
NPO法人磐田市スポーツ協会はこのほど、昨秋に開催した「第25回ジュビロ磐田メモリアルマラソン」で撮影した写真を対象にしたフォトコンテストの表彰式を同市見付の市総合体育館で開いた。笑顔部門は神田厚さん、フリー部門は川崎雅敏さんがそれぞれ最高賞の市スポーツ協会会長賞に輝いた。 「笑顔部門」と「フリー部門」の2部門に計約50点が寄せられ、各部門で市スポーツ協会会長賞1点と入賞2点を選出した。受賞者6人は、市スポーツ協会の河島直明会長から表彰状などを受け取った。JA遠州中央から記念品として、地元特産の温室メロン「ライオンメロン」が贈られた。 入賞の受賞者は次の通り。 笑顔部門 瀬尾けい子、佐
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懐かしの旧車などイラスト30点並ぶ 浜松・細江町で作品展
愛知県豊橋市のイラストレーター岡本晴蔵さんの作品展「ハルゾーオカモト・カーイラスト展」が30日まで、浜松市北区細江町のギャラリーカフェ寸座フランセで開かれている。 旧車や外車、レーシングカーなどさまざまな種類の車のイラスト約30点が並ぶ。人工物と自然物の調和をイメージし、作品のフレームに国産ヒノキや天竜杉を使用した。木材にレーザー加工を施して描いた力作もある。 岡本さんが所属する愛好家グループ「大人たちのミニチュアカー展」のメンバーらが赤色をテーマに出品したミニカー、写真などのコレクションも展示している。
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住民の芸術作品一堂 20日まで掛川、絵手紙や色鉛筆画
掛川市千浜の千浜農村環境改善センターで14日、子どもから大人まで地元住民の作品を展示する公民館まつりが始まった。20日まで。 同センターで開かれる講座や同好会に参加する受講生や会員が出展した。絵手紙や色鉛筆画、日本刺しゅう、つるし雛、ちぎり絵などさまざまな作品が並ぶ。大浜中学校区域の生徒や園児の力作も展示した。 15日午前10時半から午後0時半には、干支(えと)の小物作り教室とボッチャの体験会が開かれる。
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元船舶設計者のイラストレーター野上さん 精巧な海洋画130点展示 静岡・フェルケール博物館
静岡市清水区のフェルケール博物館で企画展「威風堂々―野上隼夫が描く海洋画」が開かれている。実際に船舶の設計に関わってきたイラストレーター野上隼夫さん(91)による精巧な水彩画や油彩画計約130点を楽しめる。 展示されているのは中国・上海の伝統的な町並みと一緒に描かれた「上海における天洋丸」のほか、本の表紙のために描かれたタイタニック号や大型戦艦など。2021年に船の科学館(東京都)に一括寄贈された野上さんの作品群の展覧会は今回が初めて。 野上さんは日立造船造船設計部に勤務し、新造船の進水記念絵はがきの原画も手がけてきた。これまで2300点以上の作品がある。同博物館の関係者は「絵筆だけで表
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富岳会の芸術展 0~99歳の1079点 御殿場
御殿場市の社会福祉法人富岳会の芸術展「1000人展」が12日、同市民会館で始まった。14日まで。 同法人が運営する保育所の園児、高齢者施設と障害者支援施設の利用者が出展した。0歳から99歳までが制作した絵画、陶芸、工芸、書の計1079点が並ぶ。 夜になると動き出すロボットの家族を描いた3歳児の絵画をはじめ、作者の豊かな想像力や独特の世界観が表れた作品が来場者の目を引いている。
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花や日常の光景 愛好家が写真展 1月31日まで静岡
静岡市清水区の写真愛好家望月大介さん(77)と小長谷裕さん(74)の作品展「二人展」が31日まで、葵区古庄の写真店「ズームアイ」で開かれている。 仕事を通じ旧知の2人が共通の趣味である写真撮影で意気投合し、初めて企画した。望月さんは、日常の何げない光景や子どもの笑顔を写した17点にユーモアを交えた写真説明を添えて展示した。県内外の山野草をテーマにした25点を出品した小長谷さんは、それぞれに花言葉を添えひっそりと咲く美しさを表現した。 望月さんは「ふとした瞬間を撮った面白さを楽しんでほしい」と話し、小長谷さんは「愛らしい花が心の癒やしになれば」と来場を呼びかけた。
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静岡デザイン専門学校卒業生 絵画、写真作品展 22日まで葵区
静岡デザイン専門学校グラフィックデザイン科の卒業生6人による作品展が11日、静岡市葵区七間町の同校サテライトギャラリー「デザインファーム」で始まった。22日まで。 人、動物をアニメ風にパソコンで描いたデジタルイラストや水彩画などの絵画のほか、黒と赤の2色を基調とした花の写真、絵本などさまざまなジャンルの作品約60点を展示、販売している。 代表の小塚司さん(24)=同市清水区=は「学生時代から一人一人の技術が上がっている。作品を見て成長を感じてほしい」と話した。
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心動いた場面 洋画家が描く 静岡のギャラリー十夢で作品展
静岡市葵区の洋画家横井友子さん(66)の作品展が10日、同区のギャラリー十夢で始まった。15日まで。 人や花、動物などを色鮮やかに描いた油彩画や水彩画25点が並ぶ。女性とユリを描いた「開花」は縦約190センチ、横約160センチの大作。鑑賞した同市駿河区の小林志津子さん(72)は「背景のユリが透けている感じが好き。大きいのでインパクトがある」と声を弾ませた。 横井さんは「今までの自分の経験の中で、心が動いた場面を描いた。作品を見に足を運んでほしい」と話した。
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不思議な空間 油彩で表現 掛川の画家永田さん 静岡で個展
掛川市の画家永田ますみさん(74)の個展が27日まで、静岡市葵区のしずおか焼津信用金庫本店のギャラリー「ゆめ空間」で開かれている。 コンセント、ブラインドといった身近な物や動物、風景などを題材に、構図や色使い、マチエール(絵肌)にこだわって描いた油彩画21点が並ぶ。パイプ椅子が宙に浮かぶ不思議な空間を表現した作品などが来場者の目を引いている。 永田さんは「人と人のつながり、命の大切さ、平和への願いを感じ取ってもらえるとうれしい」と話した。
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掛川出身藤野さん 10代の心境、絵で表現 都内で個展
掛川市出身の画家藤野今日子さん(47)の個展「物語の行方は」が14日まで、東京・銀座のギャラリー「ANDLINKS81.bis」で開かれている。 中学1年の次男をモデルにした「揺らぐ時」など10代前半の少年少女の表情を題材にした15点を展示。和柄の模様をともに描き、多感な時期を過ごす子どもたちの複雑な心境を映し出した。新型コロナウイルスの影響で人との接触が減る中、癒やされた自然や生き物も作品に取り入れた。 コロナの影響で作品発表の機会が制限され、自身の人生も見つめ直した藤野さんは「作品を通し、コロナを受け入れて多感な時期を過ごす子どもたちの未来を想像してもらいたい」と話す。
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「東海道図屏風(マッケンジー本)」静岡市歴史博物館【美と快と-収蔵品物語㊾】
関ケ原の戦いで勝利を収めた徳川家康が、江戸と京都を結ぶ交通基盤として整備した東海道。江戸時代前期の様子を描写した「東海道図屏風[びょうぶ](マッケンジー本)」は、13日にグランドオープンする静岡市歴史博物館(静岡市葵区)の主要作品の一つ。太平の世を謳歌[おうか]する人々のいきいきとした姿を今に伝える。 多様な人物 綿密に描く 峠の茶屋で一休みする旅人、城下を進む大名行列、商人、琵琶法師、猿回し―。多くの人が行き交う街道にさまざまな階層や職種の人が描かれ、町の喧噪[けんそう]が聞こえてきそうだ。 画面全体にたなびく金雲の間から、眼下に広がる東海道を眺める構図。右隻に江戸から浜松、左隻に舞阪
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輞川図巻 鮮やか理想郷 中国・明代の絵巻 静岡県立美術館で全巻初公開
静岡県立美術館は9日まで、2018年に県民から寄贈を受け、3年間かけて静岡市内の工房で修理した中国・明(1368~1644年)代の絵巻「輞川(もうせん)図巻」を公開している。全巻公開は初。 「輞川図」は唐代の詩人で画家の王維が自らの別荘「輞川荘」を描いたという故事に基づく、長く中国や日本で愛されてきた画題。同館収蔵作品のように石の版から刷った墨1色の絵を基に着色した事例は珍しい。同館によると、米国のシアトル美術館の蔵本や長崎県の聖福寺の旧蔵本が知られているが、数は少ないという。 県立美術館の作品は、険しい山、整然と並んだ木々、それらに囲まれた居宅や庵(いおり)などが描かれる。緑や青
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色鉛筆画と水彩画 花や動物描き展示 川根本町で10日まで
川根本町の住民でつくる色鉛筆愛好会と水彩画デスケルクラブの生徒による合同作品展が10日まで、町役場本庁舎の町民ギャラリーで開かれている。 愛好会とデスケルクラブは月に1度、町内の山村開発センターで活動し、講師の神尾昌義さん(75)に教わりながら作品制作に励んでいる。会場には島田市の蓬莱橋やカトレア、バラなどの色鮮やかな花を描いた色鉛筆画12点、動物や町内の風景を題材にした水彩画12点が並ぶ。 神尾さんは「色の付け方など、生徒の高い技術で仕上がった力作を見に来てほしい」と話した。
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静岡県書道連盟役員の多様な作品並ぶ 沼津で東部支局展
静岡県書道連盟創立75周年記念第46回東部支局新春書作家展(静岡新聞社・静岡放送後援)が7日まで、沼津市大手町のキラメッセぬまづで開かれている。 役員82人が漢詩や近代詩など思い思いの題材の作品を1点ずつ出展した。行書や草書、隷書など持ち味を生かした多様な書体の作品が来場者を楽しませている。 宮本暉篁事務局長は「新春の意気込みが感じられる書を楽しんで」と話した。
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徳川家臣団を版画に 浜松・井伊谷宮 大河に合わせ紹介
浜松市北区引佐町の井伊谷宮は12月末まで、大河ドラマ「どうする家康」の放映に合わせて徳川家臣団などを紹介する版画展を同宮で開いている。同市東区の版画家熊谷光夫さん(85)が、シルクスクリーン版画約20点を寄せた。 酒井忠次、榊原康政、井伊直政、本多忠勝の徳川四天王や徳川家康、家康と敵対した武田信玄などを描いた作品が並び、それぞれの武将の説明文が添えられている。 三方ケ原合戦の緊迫した一幕を再現した作品もある。待ち構えている武田軍の存在を服部半蔵が家康に知らせる様子が描かれ、歴史ファンや参拝者らの注目を浴びている。 大河ドラマの展開に合わせ、展示の増設なども考えているという。熊谷さんは「
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霊峰写真 縁起良く 富士で愛好家展
静岡県内外の富士山写真愛好家10人でつくる富士写真作家協会による新春恒例の「第39回富士秀景写真展」(静岡新聞社・静岡放送後援)が2日、富士市の道の駅「富士川楽座」で始まった。四季折々の富士山を写した46点が並ぶ。9日まで。 雪原から望むダイヤモンド富士や、桜やツツジをはじめ季節の花との共演など、縁起の良い霊峰の姿を捉えた力作がそろう。年始の移動で道の駅を利用する県内外の家族連れが足を止め、実物の富士山とは違った表情を収めた作品に見入っている。白井宏征会長(80)は「富士山は、どんな時間、角度から見ても美しい」と話した。
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毎月楽しむウサギの切り絵 自閉症の安田さん(湖西) 2023年カレンダー製作
湖西市南台に住む自閉症の安田幸大さん(24)が、得意の切り絵の作品を収録した2023年カレンダーを完成させた。今回は日本の昔話がテーマ。干支(えと)のウサギが作中に隠れているなど、ページを開けばユーモアのあふれる切り絵の世界が広がっている。 表紙の切り絵は、磐田市の神社で実際に見たウサギの石像を表現。餅つきをするウサギの影が浮かんだ月を、石像が見つめる幻想的な姿を描いた。安田さんが「きれいな月だなぁ」とタイトルを付けた自信作だ。 月ごとに題材にする昔話を登場人物や舞台を考えて選んだ。2月は桃太郎、4月は花咲かじいさん、11月はさるかに合戦。8月の浦島太郎は2カ月かけて仕上げた大作で、12
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宮下さん(浜松)最優秀賞 「家族の日」写真コンクール
内閣府はこのほど、子育てを支える家族や地域の大切さに関する写真を募集した「『家族の日』作品コンクール」の表彰式を開いた。「地域の絆」部門で、浜松市東区の会社員宮下昌格さん(41)の「右、左、前、後ろヨシっ!!」が最優秀賞に輝いた。 カメラ撮影が趣味の宮下さんは、交差点で旗振りをする妻安代さん(40)に先導され、幼稚園から帰宅する園児たちが手を挙げて道路を渡る場面を捉えた。子どもたちのかわいらしさや、安代さんの優しいまなざしが表現されている点が高い評価を得たという。 式典には安代さんと長男、長女の家族4人で出席。小倉将信少子化対策担当相から表彰状を受け取った宮下さんは「良い思い出になった」
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日本画家大谷さん 1月1日から羽子板展 熱海で作品搬入
熱海市泉の日本画家大谷まやさんが2023年1月1日から同市の熱海芸妓(げいぎ)見番で恒例の新春羽子板展「新春の饗(きょう)宴」を開く。 芸妓見番で1日から始まる「湯めまちをどり華の舞」に合わせた展示。干支(えと)の卯(う)を江戸時代の火消しや着物姿の女性などに擬人化した作品や、芸妓が福笑いに興じる姿などを描いた作品などを並べ、正月ムードを盛り上げる。 26日に作品を搬入した大谷さんは「新型コロナウイルス禍で生活が大きく変化したが、ひとときでも晴れやかに正月らしさを味わってほしい」と話した。 芸妓衆が美しい踊りを披露する「華の舞」は1月1、2の両日と毎週土、日曜に開催する。
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左官歴65年の技 漆喰鏝絵 松崎の中村さんが作品展
松崎町の左官職人中村一夫さん(81)の漆喰鏝絵(しっくいこてえ)の作品展が2023年1月31日まで、同町松崎の伊豆の長八美術館で開かれている。職人歴65年の技術を生かして制作した14点を紹介する。 中学卒業後、職人の道に進んだ中村さんは、左官業の傍ら、町内のなまこ壁文化継承に取り組んでいる。00年から町などが開催するコンクールをきっかけに作品づくりを始め、これまでに約100点を手がけた。 漆喰鏝絵は、同町出身の左官の名工・入江長八がなまこ壁の技術と日本画の手法を組み合わせて築いた芸術分野。こてを使ってしっくいをもりあげ、立体的な絵を描く。 細部まで緻密に表現したなまこ壁の建物と、紅葉の
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白や透明、赤のガラス作品紹介 西伊豆
国内外のガラス作家が制作した作品を紹介する「白・無色/赤のガラス-対比と対話」展が2023年6月21日まで、西伊豆町宇久須の黄金崎クリスタルパークで開かれている。白や透明、赤色をテーマにした収蔵品28点を紹介する。 オブジェや器など大小さまざまな立体作品が並ぶ。赤色を基調にした円形の作品は、板ガラスを何重にも接着させて作られていて奥行きが楽しめる。白色の小さな突起状のガラスが組み合わさった作品も目を引く。
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時論(12月23日)美術館「ユニバーサル」の実績
生まれて初めて、目を閉じて映画を観賞した。ヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)が開いた、視覚障害者の美術鑑賞が主題のドキュメンタリー「手でふれてみる世界」の上映会で、音声ガイドを利用した。「チューブに入った女の彫刻。見えるのは顔と足の裏」-。イヤホンから流れる声が、スクリーンの出来事をつぶさに伝える。 大手映画会社などでつくるNPO法人メディア・アクセス・サポートセンター(MASC[マスク])によると、2021年公開の邦画490本のうち、80本には音声ガイドが用意されていた。統計を開始した12年は554本中の6本だったというから、大幅な伸長である。 MASCは「すべての人が映像作品に何不自由
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障害者のアート 25日まで展示会 浜松市中区
知的や身体、精神の障害がある人の芸術作品を紹介する「障がい者アート展示会」が21日、浜松市中区の市福祉交流センターで始まった。25日まで。 浜松、湖西両市の特別支援学校や施設から絵画や書、立体作品など74点が集まった。彩り豊かなパプリカを表現した和紙の貼り絵や力強い文字で「幸」と書き記した書作品などが並ぶ。同センターの担当者は「障害のある人が一生懸命に作った。作品を見ていると癒やされる」と話す。 25日午前10時からは視覚障害者のハンドベル演奏などを披露するクリスマス会を開く。
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日々「今一押し」信条に 染色家・山内武志さん(浜松市東区)
伸子[しんこ]と呼ばれる竹ひごでピンとさせた長い布が青空の下、風に揺れる。染色家山内武志さん(84)=浜松市東区=が型染めされた生地に手際よくはけで染料を塗り重ねる。「最近はあまり使う人がいない松煙[しょうえん]染めという技法。松の煤[すす]を溶いた薄墨を塗り重ねると全体に深みが出て調和が取れる」 長さ6メートルの布には菊の花びらを細密に描いた伝統柄の貉菊[むじなぎく]と、格子にも切り餅にも見える幾何文。自分で彫った型紙を布に載せ、防染のりを塗布する。乾いたら染料で色を付け、水でのりを洗い落とし屋外に干す。天気を見つつ一連の作業を一人でこなすのが日課だ。 江戸時代創業の紺屋に生まれ、浜松
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絵画サークル「春秋会」 100回目の作品展 静岡
静岡市清水区で54年の歴史を持つ絵画サークル「春秋会」の100回目となる作品展が26日まで、同区の興津生涯学習交流館で開かれている。 同会は1968年10月に旧清水市中央公民館の初心者油絵教室修了生が集まり創立した。現在は途中参加を含む男女14人が活動し、年2回の作品展示を重ねて100回の大台に到達した。 今回の作品展には会員13人が油絵や水彩画など26点を出展した。欧州の街並みや田舎の風景、花や果物の静物画など会員それぞれの表現方法が感じられる作品がそろった。第100回春秋会展を記念し、歴代の作品展の案内状も並べた。
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鉄砲玉(戦国末期) 三島市郷土資料館【美と快と-収蔵品物語㊽】
箱根山西麓の尾根上にある国指定史跡「山中城跡」(三島市)は戦国時代末期、小田原城を本拠としていた北条氏によって、西方防衛の要所として築かれた山城跡。天正18(1590)年3月29日、小田原城を目指す豊臣軍の総攻撃を受け、わずか半日で落城したとされる。山中城に関連する史料は少なく、構造の詳細は明らかではないが、同市郷土資料館に収蔵されている「鉄砲玉」をはじめとする発掘調査による出土品は戦の激しさを物語っている。 山中城 合戦の痕跡 天正15(1587)年11月の北条家朱印状が城の存在を確認できる初例という。敷地は東西500メートル、南北千メートルに及び、北条氏の城に共通する、堀の中に土手状
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森町の風景、水彩で 絵画講座の作品展 袋井、25日まで
森町の絵画講座「遠州の写生めぐり」の作品展が25日まで、袋井市川井のギャラリー喫茶いこいで開かれている。講師を務める大須賀義明さん(77)と受講生16人が全12回の講座で手がけた写生画など21点を出展した。 舞楽「蟷螂(とうろう)」で知られる山名神社にあるカマキリの水口や、紅葉鮮やかな大洞院といった町内の風景などを水彩で描いた。繊細なタッチで表現した美しい景色を、訪れた人々が興味深そうに眺めている。 同ギャラリーの営業日は毎週木曜日から日曜日(第3木曜は除く)。
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緻密なアクリル画 現代美術家作品展 御前崎、26日まで
焼津市越後島の現代美術家甲賀保さん(72)のアクリル画展が26日まで、御前崎市門屋の「ひと休処(どころ)つくし」で開かれている。 近作を中心に16点を展示している。マスク姿の女性、水滴がしたたるスイカなど題材はさまざま。くしゃくしゃに丸めた新聞紙を描いた作品は立体性だけでなく、紙面の文字も細かく描写している。スクランブル交差点を行き交う人々とみずみずしいトマトを組み合わせて描いた作品もあり、独特の世界観が表現されている。火、水曜は休業。
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無人駅の芸術祭 創作拠点を一新 島田「ヌクリハウス」お披露目
大井川鉄道の駅を活用した広域アートイベント「UNMANNED(アンマンド)無人駅の芸術祭/大井川」を主催するNPO法人クロスメディアしまだ(島田市)は17日、芸術祭の参加アーティストの制作拠点を一新した同市川根町抜里の「アトリエ&ゲストハウス ヌクリハウス」のお披露目イベントを開いた。 開設を祝して近隣住民や県内外のアート関係者が集まった。イベントでは「マンガライブペインター」の内田慎之介さん(島田市出身)によるふすまを使った公開漫画制作や、新潟県で開かれる国際アートイベント「大地の芸術祭」の運営に携わった関口正洋さんらのトークを実施した。 地元住民の住まいをリノベーションした同施設は1
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あなたの推しスイーツは? 伊豆・修善寺で総選挙&フォトコン
伊豆市観光協会修善寺支部は2023年1月15日まで、地域周遊イベント「修善寺とスイーツ 総選挙&フォトコンテスト」を同市の修善寺温泉街を中心に実施している。 会員の16店舗が参加した。店舗でスイーツを味わった後、特設サイトから好みのスイーツへの投票や写真の投稿を行う。参加者の中から抽選で同温泉の宿泊補助券が当たる。 PR看板を温泉街など6カ所に設置した。イベントに合わせて新メニューを用意した店舗もあるという。担当者は「修善寺といえばスイーツと思われるように盛り上げたい」と話した。
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市民の力作や新収蔵品並ぶ 掛川でアートフェスタ
掛川市文化財団などによる「掛川市民アートフェスタ」(静岡新聞社・静岡放送後援)がこのほど、同市の二の丸美術館で始まった。市民芸術祭の優秀作品39点、新たに美術館に寄贈された美術品11点、市民のスケッチ画283点を展示した。 市民芸術祭は絵画、彫刻・手工芸、書道、写真、デジタルの5部門に計95点の応募があり、入賞作品を選んだ。新収蔵品は百人一首を書いた100枚の色紙を貼ったびょうぶ、掛川藩最後の家老太田竹城の書、掛川出身の洋画家川合改次郎の作品など。スケッチ画は動物や花などをテーマにした力作が並ぶ。 来年1月22日まで。入館無料。休館日は26日、30日~1月1日、10日。
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横尾忠則の世界観 アートポスター展 浜松・ギャラリー&フォト広沢
美術家横尾忠則のアートポスター展が17日から21日まで、浜松市中区広沢のギャラリー&フォト広沢で開かれる。 1970年代後半から90年代後半に、招福をテーマに制作したアートポスター作品20点を紹介する。瀬戸内寂聴さんの生涯を表現した「寂庵」や97年箱根駅伝のポスターなど、独特の世界観で表現した色鮮やかなコラージュ作品が並ぶ。一部は購入可能という。
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静岡県障害者芸術祭とふじのくに写真展 県立美術館で同時開催
静岡県などが主催する「ふじのくに芸術祭美術部門写真展」(静岡新聞社・静岡放送後援)と県障害者芸術祭(中部会場)が18日まで、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで同時開催されている。 写真展は222点の応募作品の中から入賞・入選した55点を紹介。最高賞の県芸術祭賞の受賞作品は、ミャンマーのインレー湖で魚を捕まえる男性を被写体にした。水面を照らす光の具合などを計算した緻密な撮影手法が評価された。 一方、同芸術祭は、県内の特別支援学校の生徒らが手がけた似顔絵や陶芸、織物類など約80点が並ぶ。常葉大造形学部(静岡市葵区)の1年生が障害者の描いた絵から着想を得て制作した漫画やイラストも展示。障
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知的障害者の芸術作品並ぶ 静岡・グランシップ
知的障害者の芸術作品を集めた「愛護ギャラリー展」が15日、静岡市駿河区のグランシップで始まった。静岡県知的障害者福祉協会の主催で、初日は優秀作品の表彰を行った。19日まで。 絵画や陶芸、立体作品など約350点が並ぶ。陶芸部門で静岡市長賞に輝いた鷲尾祐一さん(83)は、タコやエビなど複数の立体作品を配置し、海の中の光景を表現した。このほかの主な受賞者は次の通り。(工芸部門は共同作品のため施設名) 【絵画】県知事賞 松本五十美(菊川寮)▽静岡市長賞 森渉(県知的障害児者生活サポート協会)▽県福祉協会会長賞 大木知子(菊川寮) 【陶芸】県知事賞 西岡厚子(富岳の郷)▽県福祉協会会長賞 飯塚栄
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コラージュにのぞく別世界 静岡・清水区で個展
静岡市清水区の画家松井正之さん(76)が、自身のコラージュ作品を集めた個展を同区草薙のアート本専門店「りぶらりお」で開いている。 油彩画中心で創作を続ける松井さんが開く、初のコラージュ展。筆やローラーを使って思いつくままに着色した紙を動物や鳥などの形に切り抜き、台紙に貼り付けた。約60点の作品一つ一つは生き物のシルエットに見えるが、色に目を凝らせば白い紙に開いた穴から別世界をのぞく感覚にも浸れる。 2016年以降のコラージュ作品集全4巻も展示。松井さんは「新しい挑戦。こうした作品を抽象画に発展させたい」と今後の創作への意欲を語った。 19日まで。りぶらりおは火・水曜定休。
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高校教諭と卒業生6人のグループ展 18日まで浜松市中区
浜松市中区元浜町のヒラノアートギャラリーで18日まで、市内外の作家6人によるグループ展「始点と視点 種を蒔く」が開かれている。 南区の浜松江之島高教諭で作家の川辺耕一さんが同校を卒業した作家5人に呼びかけ企画した。会場には、鮮やかな紫や青色の背景に、ひらがなを変形させた線を描いた独特の世界観の抽象画や、猿や犬が写実的に表現された日本画など多彩な31点が並んでいる。
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狩野さん高杉さん 最優秀賞に輝く 「磐田自慢」写真コンテスト
磐田市はこのほど、名所や自然、生活風景などの写真を募った「磐田っていいな♪フォトコンテスト2022」の表彰式を市役所で開いた。プリント写真部門は同市城之崎の狩野麻友さん、インスタグラム部門は浜松市西区の高杉俊樹さんがそれぞれ最優秀賞に輝いた。 テーマは「私が思う磐田自慢」。472点の応募があり、最優秀賞2点と優秀賞10点を選んだ。表彰式では記念品として、草地博昭磐田市長が地元特産品、市と包括協定を結んでいる磐田ポッカ食品の安田裕一社長がインスタントスープ詰め合わせを入賞者に贈った。 狩野さんは今之浦公園で水遊びし笑顔を見せる息子2人を撮影。「子どもにとっても楽しい夏の思い出になった」と話
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記憶のエネルギー 御殿場で作品展示 函南町出身杉山さん
函南町出身の東京芸術大学院生、すぎやまあるく(本名・杉山あるく)さんは12日まで、幼少期の記憶が持つエネルギーを具現した芸術作品「TRAUMA(トラウマ)」を御殿場市で展示した。 動物や人間の体の形や長さなどを誇張し、全身が赤い怪物にした作品。大人になると違和感を抱き、不気味に思うようになる幼少期の記憶の「圧倒的なエネルギー」を表現した。東京芸術大の卒業制作として手がけた。 御殿場市川島田の設計事務所・カフェ「ハプティックハウス」恒例の「冬支度展」で展示した。経営する長尾隆行さん(48)の長男隆之介君(13)と長女このはさん(10)が作品のモデルを務めたことが縁で招待された。 すぎやま
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税に関する作品 19日まで展示 清水町
清水町納税推進委員会は19日まで、町内の小中学生から寄せられた本年度の税に関する習字、ポスター、作文の優秀作品を同町堂庭の町地域交流センターで展示している。 3部門に計650作品が寄せられ、同委員会表彰の優秀賞17作品を展示した。公共サービスと税の関わりを訴える作品が並ぶ。 各部門の優秀賞の受賞者は次の通り。 習字 古沢優夏(清水小6)石田桃々佳(同)芹沢江梨花(西小6)遠嶋菜桜(南小6)平井奏夢(清水小6)小林斗翔(南小6)古本胡桃(西小6)▽ポスター 山川有希(南小6)正木那奈(清水小6)古沢優夏(同)鈴木奏音(南小6)池谷琴美(清水小6)菊田姫海(西小6)東杏恋(南小6)▽作文
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浜松とスイスの児童絵画交流展 18日までクリエート浜松
浜松市とスイスの首都ベルン市の小学生を対象した「第12回子ども絵画交流展」(同展実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が13日、中区のクリエート浜松で始まった。18日まで。 両国の市民団体によるスポーツ交流をきっかけに始まった展示会で、世界へ目を向けてもらうのが目的。会場では、最優秀の浜松市長賞に選ばれた内野小3年石川よつはさんの作品「しあわせの食」など、「食と環境」をテーマにした計271点を紹介している。17日に表彰式を行う。 主な入賞者は次の通り。 浜松市教育長賞 外山千隼(気賀2)▽市美術館長賞 鶴見琥珀(同5)▽市文化振興財団賞 石田咲之佑(上島2)▽平野美術館長賞 三枝律人(
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故郷・気仙沼の風景画など並ぶ 浜松市中区で伊東さん個展
浜松市中区の絵画愛好家伊東斉さん(69)の個展が13日、同区のクリエート浜松で始まった。18日まで。 伊東さんは絵画教室「アトリエ・オリーブの木」(同区)の教室生として絵画の腕を磨く。自身の肖像画や故郷の宮城県気仙沼市の風景、東北地方の祭りの様子などを題材にした油彩やアクリル画約30点が並ぶ。 伊東さんは「東日本大震災から復興しようとする気仙沼の力強さなどを感じてほしい」と話す。
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ヴァンジ美術館「触察」実践例を映画化 視覚障害者ら手で触れて彫刻鑑賞 岡野副館長が監督
ヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)の岡野晃子副館長がこのほど、視覚障害者らが手で触れて彫刻を鑑賞する「触察(しょくさつ)」を主題にしたドキュメンタリー映画を完成させた。全国の博物館関係者から、実践例を映像化した作品として注目を集める。 映画「手でふれてみる世界」は、イタリア中部のアンコーナ市にある国立オメロ触覚美術館の活動を追う約60分の作品。同館は1993年に「視覚障害者の文化的融合と成長を助けること」などを目的に全盲の夫妻アルド・グラッシーニ氏、ダニエラ・ボッテゴニ氏が開館し、99年に国立館となった。西洋美術史に重要な位置を占める作品の樹脂や石こうによるレプリカなど、所蔵する300点以上
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「無冠の仏像」22点 無指定文化財紹介 下田・上原美術館
国宝や重要文化財として指定を受けていない名品に着目した展示会「無冠の仏像 伊豆・静岡東部の無指定文化財」が2023年1月9日まで、下田市宇土金の上原美術館で開かれている。所有する施設外では初めて公開された作品を含めた計22点が並ぶ。 三島市の長福寺に伝わる平安時代の十一面観音像と如来像は寺外初公開となる。頭部の形などに特異な点があり、由来も不明の神秘的な作品。裾野市の茶畑浅間神社の「四面神像」は四つの頭部がある国内唯一の女神像ともされ、平安時代の富士山信仰の影響が推察される。 来館者からひときわ注目を集めているのが国清寺(伊豆の国市)の彫像断片約130点だ。南北朝から室町時代の木造で、足
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花描いた油絵力作 画家平賀さん個展 浜松市天竜区で29日まで
浜松市天竜区佐久間町浦川の画家平賀卓也さん(60)の個展が29日まで、同町の浜松いわた信用金庫佐久間支店で開かれている。花をテーマに描いた油絵4点を展示しており、花の色鮮やかさや繊細さを楽しめる。 平賀さんは約30年にわたり市内の中学校で美術の教師を勤め、昨年画家に転身した。現在は生まれ育った浦川を拠点に表現活動に力を注いでいる。 今回の作品は、いずれも沿道や道端で咲いていたヒャクニチソウやノウゼンカズラなどが題材。枯れている部分や花びらが散っている様子などを綿密に描き、花の生命力や時間の経過を伝えている。平賀さんは「生活にある優しさや安らぎを花で表現した」と話す。
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レトロ喫茶×動物 豊かな表情で描く 浜松・細江町のギャラリー
浜松市中区のイラストレーターまみーこ(本名・若林真実子)さん(56)の個展「まみーこのワンダーランド展」が26日まで、同市北区細江町のギャラリーカフェ寸座フランセで開かれている。 動物を明るい色彩で描いたアクリル画など約30点が並ぶ。「レトロ喫茶」をイメージし、クリームソーダの中を泳ぐアザラシ、喫茶店でプリンを眺めるパンダなどを描いた。 地球儀の回転で目が回ったシロクマなど、生き物の豊かな表情が来場者の注目を集めている。まみーこさんは「ほのぼのした動物たちを見て楽しんでほしい」と話した。
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名画の模写、ガチャに 親子ユニット「アーブル美術館」大贋作展 18日まで静岡市葵区
世界の名画を模写する親子ユニット「アーブル美術館」(静岡市葵区)の「ガチャガチャ! 大贋作(がんさく)展」が18日まで、同区鷹匠の書店「ひばりブックス」で開かれている。 美術鑑賞が好きな母親の藤原晶子さん(46)と長男Tenmaさん、長女Kokomiさんが2012年から模写に親しみ、県内外で発表してきた。「ミュージアムショップには名画のガチャガチャがある。アーブル版を作るのが当初からの夢だった」という藤原さん。昨年、同市内の模型メーカーとの共作が実現した。 Tenmaさんが描いたドラクロワ「民衆を導く自由の女神」の模写をはじめ、ガチャガチャになった原画10点を中心に展示している。藤原さん
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三島の松浦さん 最優秀会員賞 静岡で県工芸美術展
第48回静岡県工芸美術展(県工芸家協会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が7日、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで始まった。11日まで。美術部門、実用部門に、会員、準会員、一般の陶芸、染織、木工、漆などの応募作品と、招待作品の計152点を展示している。 最優秀会員賞は、松浦峰里さん(三島市)の金工「fragment」。小ぶりながら、1枚の金属板から表現した精度の高い造形が評価された。準会員と一般の最高賞となる県知事賞には鷲巣恭一郎さん(静岡市葵区)の染織「茶園俯瞰(ふかん)図壁掛け(三種)」が選ばれた。 その他の受賞者は次の通り。 【美術部門】会員賞 藁科剛一(静岡新聞社賞、焼津市
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色彩豊かな油絵 90歳谷朗さん個展 12月11日まで 浜松
絵画制作に打ち込む浜松市西区の谷朗さん(90)の個展が11日まで、中区元城町の画廊「キューブブルー」で開かれている。 色彩豊かに描かれた油絵約25点が並ぶ。赤や青、黄色などさまざまな色を使い、うねるようなタッチで描かれているのが特徴。風景や人を題材にして感じ取った生命力などを自由に表現した抽象画や、家族を描いた人物画が見られる。谷さんは「率直に感じるまま、作品を楽しんでもらいたい」と話した。
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SBS学苑浜松 受講生の個性豊かな力作展示 11日まで中区
SBS学苑浜松校で水彩画やデッサン、版画の教室を受講する生徒の作品展が7日、浜松市中区のしずぎんギャラリー四季で始まった。3年ぶりの開催で11日まで。 講師の伊東槃特(はんどく)さんから指導を受ける9人が力作30点を出品した。人形を題材に緻密に表現した銅版画や、ショパンなどの楽曲を聞いてイメージした世界観を描いたアクリル画など、個性豊かな作品が見られる。
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最高賞に佐藤さん(佐鳴台1) 浜松市中学校・秋の写生大会
浜松市中学校文化連盟は11日まで、「秋の写生大会」優秀作品展を中区のクリエート浜松で開いている。最高賞の教育長賞に選ばれた佐鳴台中1年佐藤千都さんの作品「夕暮れと電線」など、特選以上の12点が並ぶ。 市内45校の美術部から身近な風景などを題材にした約700点の応募があった。佐藤さんの作品は夕暮れに包まれた家々と張り巡らされた電線の陰影を丁寧に表現した。 教育長賞以外の主な結果は次の通り。 市中学校文化連盟会長賞 石川夏妃(三方原2)▽特選 外波山莉夕(南部2)葛谷美帆(笠井2)田中凜奈(同1)伊藤璃音(同1)高橋彩月(入野2)松山なな(富塚2)小柳瑠菜(浜名2)古橋里桜(湖東1)宮津初
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色と形 偶発に身を委ね 松井正之さん(静岡市清水区)
画家松井正之さん(76)=静岡市清水区=といえば、抑えた色調で動物や魚の側面を描いた油彩画が知られているが、近年はコラージュの可能性を追究している。 「油彩画での自分の殻を軽々と打ち破ってくれる」。筆やローラーを使って水彩絵の具で気ままに彩色した画用紙に、鳥や動物、魚などをかたどって穴を開けた別の紙を当てる。“窓”から見えた部分を切り抜き、台紙に貼る。筆のかすれ、重ねた色彩の妙が、目も鼻も口もない生き物に表情を与える。 「遊びのつもりで始めたら夢中になった。油彩画ではやりたくてもできないことができる」。絵の具を塗り、「形」を切り出す。切り離された二つの作業に、二つ
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「田下駄」弥生時代後期 静岡市立登呂博物館【美と快と-収蔵品物語㊼】
1943年に発見された静岡市駿河区の登呂遺跡は、弥生時代後期の集落跡。47~50年の第2~5次発掘調査に加え、99~2003年には再発掘調査を実施し、大量の土器や木製品が出土した。市立登呂博物館が収蔵する出土品からは、今から約2000年前にこの地で生きた人々の生活が垣間見える。戦後間もない頃に日本中の注目を集めた発掘調査の様子を伝える資料も豊富だ。 水田跡で出土 用途不明 河川からの豊富な水に恵まれた静岡平野。今から約2千年前の弥生時代後期、この地で行われていた米作りの様子は、戦後すぐの登呂遺跡の発掘調査で出土した木製品などから明らかになってきた。木製の田下駄[たげた]は調査区域の水田
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5団体30人の色鉛筆画並ぶ 浜松市北区
静岡県西部で色鉛筆画に取り組む絵画教室や絵画愛好団体による合同作品展「色鉛筆を楽しむ会」が9日まで、浜松市北区三方原町の浜松いわた信用金庫三方原支店・葵西支店併設のギャラリーポテトで開かれている。 同市中区、浜北区と磐田市で活動する5団体の計30人が約100点を出品した。料理や野菜、ぬいぐるみなどの静物画や富士山の風景画、人物画などを優しい色合いで丁寧に描いている。花々や果物の塗り絵も並ぶ。 開館時間は午前9時から午後3時。土、日曜は休館。
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風景画33点 菊川の画家岡本さん 浜松・東区で個展
菊川市の画家岡本透さん(81)の個展が13日まで、東区中田町の書絵堂ギャラリーで開かれている。水彩と油彩を使った色鮮やかな風景画33点を展示した。薩埵峠や山梨県の河口湖などさまざまな角度から眺めた富士山を表現した作品のほか、浜松城や御前埼灯台を題材にした作品も見られる。午前9時~午後8時、水曜は定休日。
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そば店外壁に巨大絵画 まちなか“美術館”で活性化 沼津市民グループが取り組み
沼津市中心部のそば店の壁に1日、沼津の特産物などを描いた大きな壁画が完成した。同市の建築家らでつくるグループが、中心街の衰退で店舗が解体され、駐車場や空き地になったことでむき出しになった無機質な壁をキャンバスに見立て、街全体を“美術館”にしようと取り組んでいる。 同市本町の老舗そば店「安田屋」の駐車場に面した壁に同日、富士山や千本松原の風景、ミカンと茶畑、干物などを描いた高さ8メートル、幅10メートルの壁画がお目見えした。原画を描いたのは、同市北高島町の戸塚未帆さん(32)。「絵の子どもたちは、家族がモチーフ。当たり前の日常の中にある沼津の良さを詰め込んだ」と作品の
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空間全体を芸術作品に アート企画「龍山、ぽちゃん」開幕 浜松市天竜区
浜松市天竜区龍山町で2日、アート企画「龍山、ぽちゃん-龍山の昔、今ここから-」(静岡新聞社・静岡放送後援)が始まった。空間全体を芸術作品として表現する「インスタレーション」を活用した企画で、旧龍山北小の校舎を拠点にアート作品の展示やワークショップなどが楽しめる。4日まで。 同町の若手でつくる任意団体「龍山未来創造プロジェクト」が主催し、常葉大学造形学部(静岡市)の蜂谷充志教授や学生が協力した。 蜂谷教授は、同町の天竜杉14本を輪に並べた展示物を制作した。廃校前に巣立った児童の人数と木の本数を合わせており、生命力を感じさせる。同大の4年松島彩乃さん(22)は同町瀬尻地区の伝統「ぶか凧」を作
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山野草写真37点 フォトクラブ花詩、浜北区で作品展
静岡県西部の写真愛好家らでつくる「フォトクラブ花詩(はなうた)」は1日、第20回作品展を浜松市浜北区の県立森林公園バードピア浜北で始めた。県内外で撮影した山野草の写真37点を9日まで並べている。水曜休み。 青色が岩肌に映えるチャボリンドウ、雪の下から黄色い姿をのぞかせたフクジュソウなど色鮮やかな花のほか、夜間のみ開花するカラスウリといった撮影機会の少ない植物も捉えた。 白柳博康会長(69)は「小さくて見過ごしがちだけど美しい山野草の世界を味わってほしい」と話している。
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故柳原さんが描く海洋画など展示 静岡・みほしるべ、11日まで
ウイスキーのキャラクター「アンクルトリス」の作者として知られる故柳原良平さん(1931~2015年)の海洋画などを集めた企画展「柳原良平が描くみなとまち清水」が11日まで、静岡市清水区の三保松原文化創造センターみほしるべで開かれている。 同区庵原町の貯水タンク用にサッカーと富士山、大型客船など清水の風物を盛り込んで描いた切り絵イラストの原画や、清水銀行、三保造船所など地元企業の依頼を受けて制作した預金通帳やポスターのデザインなど、柳原さんと清水のつながりを感じさせる作品が並んだ。 会場には柳原さんの生涯や業績に関する解説パネルを設置し、船好きとして知られた柳原さんが関心を寄せた清水港の造
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女性会員12人、中区でグループ展 浜松写真連絡協議会
浜松写真連絡協議会の女性メンバー12人によるグループ展が12月4日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 国内外の風景や身近な場面を切り取った個性豊かな88点が並ぶ。出品者の瀧本としえさんは、ネパールやペルー、エチオピアなど海外の風景で「コカ・コーラ」が写っている作品を集め、各国の情景を独創的に表現した。メンバーが「音」を共通のテーマに出品したコーナーでは、花火や滝を迫力満点に捉えた作品が並ぶ。 瀧本さんは「写真は元気の源。来場者とのつながりが生まれるおもしろさもある」と魅力を語った。
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市内10校の中学生 夢や希望、アートに 富士で作品展
富士市の中学生が夢や希望を形にしたアート作品展「見て!見て!富士山 私たちの夢」が2月5日まで、同市の富士山かぐや姫ミュージアムで開かれている。市内10校の美術部など有志が制作した11点が並ぶ。 岩松中の半立体作品「Dream Fuji City」は、富士山を縦長に引き延ばしたような富士山タワーや、ご当地給食サイダーかんがモチーフの観覧車などが街中に立ち並び、富士市が発展した未来を想像させる。 吉原北中の画用紙アート「夢のせかいへin富士山」は、眠っている霊峰の山頂に虹色の雲を描き、楽しそうな夢を見ているところを表現した。 月曜、年末年始、1月10日は休館。
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「草に憩う女」大正初期/竹久夢二作 静岡市美術館【美と快と-収蔵品物語㊻】
明治時代末期から大正時代にかけて、新感覚の女性像を描き続けた画家竹久夢二(1884~1934年)。旧蒲原町(現静岡市清水区)で生まれ育った郷土史家志田喜代江さん(1924~2017年)は叙情的な夢二の作品を熱烈に愛し、肉筆画をはじめ約300点を集めた。全国でも珍しい女性コレクターによる夢二の作品群は今、静岡市美術館が収蔵する。小さな町でこつこつと築かれたコレクションは、彼の画業のありようを明解に伝えている。 「夢二式」女性像凝縮 赤の着物に身を包んだ女性が穏やかにほほ笑む。草地の斜面に腰かけているのだろうか。黒い瞳と長いまつげが愛らしさを振りまく。純白の顔に比して手足は幾分大きいよう
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絵画や版画22点並ぶ SBS学苑講師、伊東槃特さん 藤枝で個展
SBS学苑パルシェ校と浜松校で水彩画や版画などの講師を務める美術家伊東槃特さん(74)=千葉県柏市、静岡市出身=の個展が27日まで、藤枝市小石川町のアートカゲヤマ画廊で開かれている。 アクリルや油彩、木炭などで仕上げた絵画や版画など22点を出品した。フランスの詩人ポール・ヴァレリーの書籍を組み合わせたコラージュも並ぶ。 伊東さんは「観念的な部分と具体的な表現を混然一体にして仕上げている」と話す。
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紙バンド人形でおとぎの世界 富士市のラミーさん個展
富士市の紙バンド作家ラミー(羽田淑子)さんの個展が29日まで、富士市の中央図書館分館市民ギャラリーで開かれている。入場無料。 帯状の紙バンドを割いて編み直す手法で作った人形など約400点。動物やキャラクター、草花などを組み合わせておとぎ話のような世界を作り上げている。 ウサギとクマのシリーズは、海水浴やハロウィーン、雪遊びなど季節の情景を再現。壁かけや花かご、バッグなどもある。ラミーさんは「軽くてカラフルな紙バンドは造形の可能性が豊か。優しい表情や楽しそうな情景を表現するのが面白い」と話す。 午前9時~午後5時。28日は休館。29日は正午まで。
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日常の風景描く 三島市の日本画家大場さん、伊豆の国市で作品展
三島市の日本画家大場茂之さん(67)の作品展が30日まで、伊豆の国市奈古谷のアトリエ(旧奈古谷公民館)で開かれている。 日常の何げない風景を描いた大小さまざまな作品約80点を展示した。地元の国清寺の石段や韮山城跡、ネパールの景色などを題材に自然豊かな様子を実景に近い形で描いている。大場さんは「自然を取り入れるのが日本画。個展をきっかけに旧友と再会できるのがうれしい」と話した。 会場は韮山生涯学習センターの向かい。
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市民の力作一堂に 浜松・天竜芸術祭、26日まで
浜松市天竜区を拠点に活動する市民の芸術作品が一堂に会する「第18回天竜芸術祭美術展」(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が26日まで、同区二俣町の二俣協働センターで開かれている。 コロナ禍による中止が続き、3年ぶりの開催となった同展。日本画や水彩画、彫刻、書道、工芸などの10分野から約200作品が出展された。 作品はジャンルごとに集められ、多彩な表現の違いを楽しめる。各賞の受賞作の講評も掲出されている。 入場無料。午前9時~午後5時。
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「救済」テーマ 刺しゅうで表現 静岡・葵区、満井さん個展
静岡市の現代美術家、満井亜里紗さん(41)の個展「土は土に、灰は灰に、塵(ちり)は塵に」が26日まで、同市葵区研屋町のボタニカ・アートスペースで開かれている。 細かな刺しゅうを施したキャンバスや、墓石の粉で濃淡を付けた作品などが並ぶ。自身の誕生日に、ラジオから流れてきたビバルディの「グローリア」に「神聖な救いを感じた」という満井さん。個展テーマを「救済」とし、人間や自然に対する安息を柔らかく表現した。 満井さんは「肩の力が抜けるような、心地よいひとときになれば」と話した。
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読書感想画681点 入賞作品ずらり 静岡県立美術館
第40回静岡県夏の読書感想画コンクール(静岡新聞社・静岡放送主催)の入賞作品展が22日、静岡市駿河区の県立美術館県民ギャラリーで始まった。特別賞や金賞、銀賞に輝いた681点を展示した。27日まで。 県内の小学生が、指定された図書を読んだ感想を個性豊かな絵画で表現した。「いちばんたいせつなもの」を読んで県知事賞を受賞した石川陽彩さん(焼津大井川東小6)の作品は、登場人物の心情を色鮮やかに大胆な構図でとらえている。 コンクールには1万337点の応募があった。26日に同美術館で特別賞の表彰式が行われる。
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慈善活動仲間の3人が絵手紙展 2千枚並ぶ 浜松・浜北区
浜松市内で子どもやお年寄りの絵手紙作製を手伝っている女性3人が29日まで、自分たちの絵手紙2千枚以上を浜北区の市民ミュージアム浜北に展示している。月曜休館。 3人は同区の絵手紙講師石上峰子さん(65)、愛好家の小杉節子さん(81)=同区=と鈴木よう子さん(66)=天竜区=。野菜や果物、動物などの絵に「風邪をひかないで」「明るく元気で」といった言葉を添えた。 3人は10年以上、小学校や高齢者施設を訪問してボランティア活動を続けている。石上さんは「絵手紙の楽しさを多くの人に伝えたい」と話す。
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文化協会掛川支部 5団体が作品出展 23日まで
掛川市文化協会掛川支部の文化祭が22日、市生涯学習センターで始まった。絵画や写真など同協会に所属する5団体が作品を出展した。23日まで。 絵画は風景や人物などを題材にした油彩や水彩、アクリル画を展示。写真は昆虫や花を撮影した作品を選んだ。このほか、盆栽や生け花、木工ろくろの力作が並ぶ。 23日は午後1時から大ホールで舞台芸術祭を開く。民謡や舞踊、合奏、詩吟など12団体が出演する。
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動物と人共存 島田で絵画展 藤枝出身平井さん
カナダ在住で動物画の創作を続ける平井睦さん(69)=藤枝市出身=の個展「動物と人との共生交差点を描く」が27日まで、島田市の文具・事務機のオカダ2階で開かれている。 ホッキョクグマの親子やオオカミ、ハクトウワシなど厳しい自然の中を生きる動物の姿に加え、子どもがキツネや野ウサギと触れ合う場面を描いた作品など、さまざまな動物をテーマにした25点が並ぶ。 40年以上カナダで生活する平井さんは「カナダでは自然や動物との距離感が近く、人間が生かされていると感じる。作品を通じて動物との共存について考えるきっかけになればうれしい」と話した。 午前10時から午後6時(最終日は午後3時)まで。
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浜松、磐田の写真愛好家の作品並ぶ 中区
浜松、磐田両市の写真愛好家らでつくる「ACT写心クラブ」の本年度作品展が27日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 50~90代の会員14人の力作53点が並ぶ。県西部や愛知県の風景を中心に四季折々の題材が並ぶ。出品者の石田達夫さん(83)は「作者の感性が輝く作品が多い。ぜひ会場で見てほしい」と話した。
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ダビンチ「理想都市」紹介 静岡文化芸術大 3層構造、模型で表現
浜松市中区の静岡文化芸術大で12月11日まで、レオナルド・ダビンチによる複数のスケッチを基に制作された「理想都市模型」を紹介する展示会(同大主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。入場無料。 3メートル×1・7メートルの木製模型。15世紀に流行したペストから人々を守るため、ダビンチが公衆衛生の観点で考えた都市のスケッチを踏まえ、イタリア・ミラノのレオナルド・ダビンチ記念国立科学技術博物館が制作した。1980年代に日本に持ち込まれ、武蔵野美術大の長尾重武元学長が保管していたが、昨年静岡文化芸術大に寄贈された。 最大の特徴は、街が生活用、労働者用の通路と、廃棄物などを運ぶ
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元亀三年十二月味方ケ原戦争之図 明治時代 浜松市博物館【美と快と-収蔵品物語㊺】
後に征夷大将軍となる徳川家康が29歳から45歳まで本拠地とした浜松。家康が甲斐から侵攻した武田信玄に敗れた元亀3(1572)年12月22日の三方ケ原の戦いは、この地域が舞台になった。浜松市博物館は地元で試練の時期を過ごした家康にまつわる資料を収蔵している。 伝承された合戦 錦絵に 武者の雄たけびが聞こえてきそうな錦絵「元亀三年十二月味方ヶ原戦争之図」。よろいかぶとに身を包んだ男たちが躍動する姿が、合戦の激しさを示している。 図の右側に武田軍、左側に徳川軍の武将らを配した構図。軍配で指揮する武田信玄の前で、やりを振りかざして馬で突進するのは山県昌景。対する徳川家康は馬上で太刀を構えて応じ
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鴻池さん作品 目閉じ楽しむ 静岡県立美術館でイベント
静岡市駿河区の県立美術館で開催中の「みる誕生 鴻池朋子展」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催)に合わせたイベント「みる誕生会」が20日、同館で開かれた。視覚障害者ら5人が参加し、現代美術家の鴻池さんと一緒に、視覚以外の感覚を使って作品を鑑賞した。 視覚障害者以外の人も目を閉じ、2人一組で、会場に張り巡らされたひもを伝って歩いた。多用されている動物の毛皮や市井の人々の物語を手芸で表現した「物語るテーブルランナー」、彫刻作品などに触れるだけでなく、音や機械で動いている作品の風も感じながら展示を楽しんだ。 鴻池さんは「触れてみると、作品も美術館の壁も、そして自宅まで、全てがつながっていることが分
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静岡県立美術館の収蔵品を紹介 富士ロゼシアターで移動展
静岡県立美術館の収蔵品を紹介する「移動美術展 富士から世界へ、風景を巡る」が27日まで、富士市のロゼシアター展示室で開かれている。入場無料。 富士山をはじめとする国内外の風景画など45点。富士ゆかりの画家は野田好子の幻想的なスケッチや山口源の抽象版画が並ぶ。伊藤若冲「樹花鳥獣図屏風」(複製)やロダン「考える人」(小型)など同館コレクションを代表する作品もある。 23日午前11時と午後2時、26日午後1時と3時からは学芸員によるフロアレクチャーがある。希望者は直接会場へ。
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えほん文庫15周年 浜松市西区で記念展示会 20日まで
浜松市北区三方原町の「えほん文庫」(大村由実さん主宰)の開館15周年を記念した展示会「みんなの展覧会」(静岡新聞社・静岡放送後援)が19日、西区入野町のツインギャラリー蔵で始まった。20日まで。 大村さんの次男で、ダウン症の剛輝さん(15)の絵画作品を中心に100点以上を出品した。動物を紙いっぱいに描いた作品や海に沈む夕日を写した絵が並ぶ。長女真由帆さん(23)が仕上げた家族の似顔絵や創作キャラクターのイラストも展示している。 えほん文庫は、障害の有無にかかわらない開かれた場として大村さんが自宅を開放し、絵本の読み聞かせや母親の交流会などを行っている。大村さんは「15年間の感謝を伝えるこ
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細江・宝林寺で寺宝公開 永谷さん油彩画も 12月18日まで
浜松市北区細江町の初山宝林寺で12月18日まで、秋の特別展(静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。国指定重要文化財の方丈で、普段は公開していない寺宝と、油彩画家永谷光隆さん(72)=磐田市=の作品を展示している。 ともに県指定文化財で、同寺を開創した独湛(どくたん)禅師と独湛禅師を招いた近藤貞用夫婦の肖像画を紹介している。釈迦(しゃか)が亡くなる場面を描いた涅槃図(ねはんず)も公開した。 永谷さんは、自然の中での「時間の流れ」をテーマに、芽が伸びるジャガイモ、砂浜で自転車がさびていく光景、風化するコンクリートなどを描いた約30点を並べた。アクリル画の展示即売も行っている。
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詩とアクリル画 「いのち」テーマ 浜松市北区で個展
浜松市南区のイラストレーターえだむらかつみさん(39)の個展「いのちの光展」が30日まで、同市北区細江町のギャラリーカフェ寸座フランセで開かれている。 「いのち」をテーマに自作した詩をもとに、優しい表情の女性や女神、天使を淡い色彩で描いたアクリル画など約25点が並ぶ。「他の誰でもないあなたの道を歩む」「寄り道、道草、回り道 いいじゃないの」など、心温まるメッセージを添えた水彩画もある。 開場時間は午前9時半から午後6時。火曜定休。
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静岡県指定文化財に徳川慶喜の油絵2点 富士・伝法の古墳群で出土の遺物も 保護審議会が答申
静岡県文化財保護審議会は18日、久能山東照宮(静岡市駿河区)が所有する江戸幕府15代将軍徳川慶喜が描いた油絵2点を含む計3点を県指定文化財に指定するよう川勝平太知事に答申した。今月中に登録される予定。県文化財課によると、慶喜の制作した絵画が県指定文化財に登録されるのは初めて。 答申されたのは「日本風景<徳川慶喜筆/油絵 絹>」と「西洋風景<徳川慶喜筆/油絵 麻布>」。「日本風景」は江戸幕府が滅び、慶喜が静岡で生活を始めた直後の1870年頃の制作とみられる。縦40センチ、横60センチで、題材の場所は特定できないとした。「西洋風景」は縦51・5センチ、横36センチ。慶喜が静岡で暮らした後半の1
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良いものに「ばったり」出会う経験を 静岡県立美術館「みる誕生 鴻池朋子展」 館内外に作品300点
静岡市駿河区の県立美術館で開かれている「みる誕生 鴻池朋子展」は、300点に及ぶ作品を館内外に配置している。展示室にはオオカミの毛皮がぶら下がり、美術館の収蔵品と共にハンセン病患者が描いた絵や市井の人々の語りを基に作られた手芸品が並ぶほか、動物のふんの模型がそこかしこに―。現代美術家の鴻池朋子さんは、美術館に“抜け道”を設け、さまざまな存在を招き入れた。視覚以外の感覚を用いて鑑賞できる仕掛けが随所にある。「良いものにばったり出会う経験をしてほしい」。鴻池さんは思いを込める。 香川県の高松市美術館を皮切りに、静岡県立美術館、青森県立美術館へとバトンを渡していくリレー
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アクリルや水彩画 奥野さんが初個展 浜松市浜北区
浜松市浜北区小松の自宅敷地で「おくの画廊」を主宰する奥野義広さん(75)が19~23日、初の個展を同画廊で開く。アクリルや水彩で描いた約20点を並べる。自宅付近の風景や「幻想」と題した抽象画、漫画風のカラスなどを表現した。市内の老舗時計店の外観と時計を描いた絵は最新作で、温かみのあるタッチで仕上げた。 奥野さんは県警の元警察官。現職時から30年以上、絵画に取り組む。「毎日こつこつ楽しんできたことが作品になった」と話している。問い合わせは奥野さん<電053(585)5588>へ。
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天女、鳳凰 装飾彫刻を間近に 浜松・秋葉神社上社 神門の保存修理で200年前の姿復元
浜松市天竜区春野町の秋葉山本宮秋葉神社上社でこのほど、神門の装飾彫刻の展示会が始まった。神門の保存修理に伴って修復された彫刻を、取り付け前に公開している。27日まで。 展示作品は、上半身が天女、下半身は鳳凰(ほうおう)の迦陵頻伽(かりょうびんが)や獅子など11点。いずれも静岡浅間神社の彫刻を手がけた諏訪立川流2代目・富昌の作。欠損箇所や虫食い穴などを補修し、製作時の姿に復元された。 市指定文化財の神門は1831年に造営され、彫刻も当時のものとされる。4年前の台風による倒木での損傷、構造部のゆがみなどを補修するため、本年度末まで保存修理する予定。 公開初日から、大勢の参拝者が見学に訪れた
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花や動物の写実画 蓬会が日本画展 藤枝市の画廊
藤枝市が拠点の絵画教室「蓬(よもぎ)会」の第39回日本画展が20日まで、同市小石川町のアートカゲヤマ画廊で開かれている。藤枝や掛川、浜松市などの生徒ら11人が計47点を出品した。 アジサイやユリ、チューリップといった花を、繊細なタッチで写実的に表現した絵が中心。人物や動物を描いた作品のほか、スケッチなども並ぶ。 生徒たちは日本美術院同人の松本高明さんを講師に、月1回の教室で腕を磨いている。
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水墨の風景画など40点並ぶ 浜松・中区 24日まで
水墨画愛好家団体「墨青会」の作品展が24日まで、浜松市中区の浜松いわた信用金庫蜆塚支店内のギャラリーで開かれている=写真=。会員23人の力作約40点を展示。墨の濃淡と余白で奥行きや明暗を丁寧に表現した植物や風景、人物画のほか、顔彩を使った作品も見られる。主宰する大杉豊伸さん(78)=西区=は「地元の風景など親しみやすい作品もある。水墨画の魅力に触れてほしい」と話した。土日祝日は休み。
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世界的名画「まなざし」に着目 下田・上原美術館で企画展
モデルの人物の視線や画家自身の視点に着眼した上原美術館(下田市宇土金)の企画展「まなざしをみる」が2023年1月9日まで開かれている。ピカソらの世界的名画など27点が並ぶ。 「貧しき食事」(1904年)は、ピカソが初めて制作したという銅版画。食卓を前に男性は横を向く一方、女性は凛(りん)としたまなざしを投げかける。正面から描いているにもかかわらず、立体感があるのはセザンヌの「ウルビノ壺のある静物」(1872~73年)。セザンヌは同時期に実験的な作品を多く残した。 当時89歳のシャガールが20代の自身を表現した「ラ・リューシュの思い出」や、影の中から女性が見つめてくるドランの「婦人像」など
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世界のアート事情 評論家が公開講座 静岡文化芸術大
浜松市中区の静岡文化芸術大文化・芸術研究センターはこのほど、連続公開講座「視覚芸術と空間 美術と美術館」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同大で始めた。初回は美術評論家の南條史生さんが世界のアート事情を解説した。 自宅の庭に専用の美術館を作ったインドネシアの富裕層や、シンガポールのナショナルギャラリーの事例を紹介した。同ギャラリーでは、評価が低かった東南アジアの近代絵画の展示に注力していることを説明した。その上で、「日本の美術館はパフォーマンスが足りない。見せ方で芸術作品の価値が創出される」と強調した。 第2回は25日午後6時半から開き、美術照明家の藤原工さんが講師を務める。12月16日の第
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多彩な渦巻き見て 画家坪井さん個展 湖西
磐田市の画家坪井保男さん(68)の個展が30日まで、湖西市の浜名湖カントリークラブで開かれている。渦巻きを描いた水彩や水墨の抽象画など約20点を展示している。 坪井さんは、フランスのルーブル美術館の世界遺産登録30年記念で「アルチスト ブリリアント(光り輝く偉大な芸術家)」の一人に認定されたという。屋外広告業の傍ら、約40年前から創作を続けている。 今回は多数の渦を描いた個性的な絵画を複数出品。渦の右巻きと左巻きを描き分けた坪井さんは「見た時の印象が異なる。一気に描き上げる渦には動き、スピード感があるので見てほしい」と来場を呼びかけた。一部作品は販売もしている。
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絵本「からまつ」の魅力 福井利佐さん語る 静岡・駿府博物館
静岡市出身の切り絵アーティスト福井利佐さんの絵本原画展「福井利佐 生命の力を描く切り絵の世界」(駿府博物館、静岡新聞社・静岡放送主催)を開催中の同館(同市駿河区)で12日、ギャラリートークが開かれた。 福井さんは、富士山の森林限界に自生するカラマツをテーマにした絵本「からまつ」(福音館書店)の絵を担当。本文を執筆した富士山自然誌研究会の菅原久夫会長(長泉町)とともに、富士山での取材エピソードや絵本への思いを披露した。 富士山の植生を長年研究してきた菅原さんは、構想から5年かけてできた絵本とし、「強風や雪崩など過酷な環境の富士山に、最初に森をつくるのがカラマツ。壮大な自然のサイクルを子ども
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布の3Dアート 中区で力作展示 ホテルコンコルド浜松
ハンカチや布地を立体的に貼り合わせた3Dアートの展示会(静岡新聞社・静岡放送後援)が20日まで、浜松市中区のホテルコンコルド浜松で開かれている。 3Dアートはハンカチや着物に描かれた柄を切り抜いて重ね、立体的に表現している。市内や磐田市で布アートの教室を開く高木君代さんと生徒が23点を出品した。 美しい花々を題材にした作品や、青森県のねぶた祭を迫力満点に表現した作品が並ぶ。高木さんは「美しい絵柄を探すところから大変で、根気が必要。個性ある作品を近くで見てほしい」と話した。
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縄題材に多彩な表現 美術作家藤田和子さんが油彩画展 浜松
浜松市天竜区の美術作家・藤田和子さんの作品展「縄の向こうに 2014~2022」が12日、同市中区元城町の画廊「キューブ ブルー」で始まった。20日まで。 藤田さんはかつて空間芸術の素材として取り入れたのをきっかけに、縄を題材とした作品を多く手がけるようになった。会場には円形や結び目、陰影、大小などの変化で縄の持つさまざまな表情を描き分けた油彩画24点が並び、来場者の注目を集めている。 藤田さんは「作品を含め、会場全体が持つ空気感を感じ取ってもらえればうれしい」と話している。
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中央美術協会賞 掛川の永田さん 東京都美術館で16日まで展示会
中央美術協会の第74回中美展が16日まで、東京都美術館で開かれている。最高賞の協会賞に輝いた永田ますみさん(掛川市)ら、県内の9人を含む入賞入選者や会員の絵画作品が並んでいる。 協会静岡支部長を務める永田さんは「ありえない」と題した油絵を出展。重なっていたパイプ椅子がばらばらになって浮く様子を描いた。協会の担当者は「ウクライナなど世界情勢のようなものも暗示していると読み取れる」と評価する。 最高賞に次ぐ文部科学大臣賞を受賞した鈴木惇介さん(菊川市)はCGの戦争画を出品した。 そのほかの県内の受賞者は次の通り。 準会員賞 鈴木道夫(沼津市)▽入選 飯田文恵(菊川市)粥川美乃(沼津市)久
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墨の現代アート多彩 伊豆の国、知半庵で作品展
伊豆の国市吉田の国登録有形文化財「知半庵(旧菅沼家住宅)」で12月4日まで、第10回知半アートプロジェクト「墨のこえ」(同プロジェクト委員会+チーム知半主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。国内外の現代作家3人による墨のアートを展示している。 沼津市の現代美術家青木一香さんは今回のために最新作として球体の作品を制作。土間の梁(はり)には数々の球体をつるし、宇宙のような空間を表現した。前座敷には一畳ほどの和紙に墨絵を描き、「踏むアート」として設置している。 米国の詩人で墨絵画家のアラン・ラオさんの墨絵や神奈川県在住のフランス人書家・現代美術家のドミニク・エザールさんの書も展示した
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絵画や写真40点 静高卒業生作品展 静岡市役所市民ギャラリー
静岡高卒業生でつくる「静高美術同好会」(野々村勅夫会長)の作品展が13日まで、静岡市葵区の市役所市民ギャラリーで開かれている。 会員23人が約40点を出品した。絵画や木版画、写真に加え、本の見返し部分に貼り持ち主であることを示す紙片「書票」など、ジャンルを問わない多彩な作品が並ぶ。ドイツの路上で演奏するバンドを撮影した大石安任さん(84)の写真は、人々の楽しげな表情から街の雰囲気が伝わる。 同会広報担当の大石さんは「異なるジャンルの作品が並んでいるので好みの作品を見つけられるはず」と話した。
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満開の桜の木や猫 4絵画教室合同展 クリエート浜松、13日まで
浜松市中区の画家根岸英さんが講師を務める4絵画教室の合同展「英彩会絵画展」が13日まで、同区のクリエート浜松で開かれている。 30~80代の教室生ら約40人が油彩など約120点を発表した。満開の桜の木を描いた風景画や、お気に入りの猫など作者が思い思いに表現した。出品者の吉田健一さんは「地元を題材にした作品もあり、親しみを持って見てほしい」と話した。
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パステル画同好会 初の作品展、20点を紹介 浜松市北区
浜松市のパステル画同好会「瑠璃パステルクラブ」の第1回作品展が8日、同市北区三方原町の浜松いわた信用金庫三方原支店・葵西支店併設のギャラリーポテトで始まった。11日まで。 同クラブは同区と西区を拠点に、2020年から活動している。50~70代の会員8人と講師の出田英子さんが、風景画を中心に20点を出品した。オランダ、フランスの街並みや岐阜県の岩村城など、過去に旅行などで訪れた国内外の土地の思い出を振り返りながら描いた力作が並ぶ。出田さんは「いろいろな風景を見て楽しんでほしい」と話した。開館時間は午前9時~午後3時。
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書道教室生が臨書や和歌 クリエート浜松で作品展、13日まで
書道愛好家でつくる「墨友会」の作品展が13日まで、浜松市中区のクリエート浜松で開かれている。 磐田市で書道教室を主宰する書家川嶋渓舟さん(83)と、教室生の計17人が31点を出品した。中国や日本の古典を手本にした臨書や和歌などが並ぶ。川嶋さんは「作品には作者の個性が表れる。ぜひ見てほしい」と話す。
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粘土で作る人形100点 クリエート浜松、13日まで
浜松市西区の創作人形教室「アトリエ・ハウス・オブ・クレイ」の生徒らの作品を集めた「クレイメイト展」が13日まで、中区のクリエート浜松で開かれている。 教室の講師を務める瀬川明子さんと生徒8人の力作約100点が並ぶ。石粉粘土を使って成形し、着物や麻、シルクなどの布を貼り付けた人形が来場者を楽しませている。富士山と祭神「木花咲耶姫」をはじめ、竜やカッパ、ウサギなど多様な作品がそろう。瀬川さんは「心を穏やかにしたり、気持ちを安らげたり、見た人が思い思いの感性で楽しんでくれれば」と話した。
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絵画や書など320点 清水町民の力作展示 13日は発表の部
第52回清水町芸術祭(町、町教委主催)が30日まで町地域交流センターで開かれ、町民が芸術文化活動の成果を披露している。 展示の部では園児から90代までの町民が約320点の絵画や陶芸作品を寄せた。書道や工芸など部門ごと、3回に分けて展示する。前期が9日まで、中期は11~19日、後期は22~30日まで。生け花などの展示は11~13日に行う。特別展示として、町内5作家の作品を1カ月間並べる。 発表の部は13日に行い、町内29団体が日本舞踊、フラダンスなどを披露する。一部は映像で出演する。
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スズキ「鈴画会」 油彩など力作展示 クリエート浜松、13日まで
スズキの社員でつくる絵画クラブ「鈴画(れいが)会」の作品展が7日、浜松市中区のクリエート浜松で始まった。社員と同会OB、OG合わせて14人が油彩や水彩、パステル画など40点を出品した。13日まで。深い青色が印象的な海や海外の街角といった風景画、女性の表情に焦点を当てた人物画、色鮮やかなカサブランカ、ガーベラなど静物をテーマにした作品を展示している。ブドウ、カボチャなどの果物や野菜を色鉛筆や水彩でみずみずしく描いた絵画も目を引く。 山本隆会長は「写生会などの活動はできない状況だが、日頃の成果発表の場として、多様なジャンルの作品を鑑賞してほしい」と話した。
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絵画や書、感慨の三人展 「昭和二十年生」の美術家 森町
森町出身で森小、森中のクラスメートの美術家3人による作品展「昭和二十年生 同級生の三人展」が10日まで、町文化会館で開かれている。 出展者は高木正衛さん(77)=神奈川県鎌倉市=、大須賀義明さん(77)=同町=、山中貞夫さん=享年(41)=。3人は幼なじみで高木さんは日本画家、大須賀さんは洋画家として活躍中。山中さんも書道家として高い評価を受けていた。 同展では日本画院展で入選した高木さんの「太湖悠久」や、大須賀さんが60年前まで袋井市-森町間を走っていた秋葉線電車を描いた連作などを展示。親族から借り受けた山中さんの書作品6点も並ぶ。 今年3月に開かれた森中の同級会で作品展の開催の話が
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秋バラ咲く庭園でマルシェや演奏会 長泉・ヴァンジ美術館
長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館はこのほど、恒例のオータムフェスティバルを同館で開いた。秋バラの咲く庭園で、マルシェやワークショップ、コンサートを繰り広げた。 マルシェには焼き菓子やコーヒーなど7店舗が出店。写真家大社優子さんのポートレート撮影会や、沼津市の生花店「MIDORIYA」が庭園に咲くバラや季節の花、植物を使って花かんむりを作るワークショップも展開した。 作曲家阿部海太郎さんのコンサートも開かれた。秋風がそよぐ中、阿部さんが演奏するピアノ、弦楽四重奏、木管五重奏のアンサンブルが出演。クレマチスの丘10周年を記念して各施設をイメージして作ったという楽曲などを披露し、観客を魅了した。
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若手芸術家、熱海に集結 27日まで「アートグラント」 旧ホテルニューアカオも会場に
熱海市内を回遊しながら国内外の若手芸術家の作品が楽しめる「アタミアートグラント2022」のオープニングセレモニーが4日、同市熱海のアカオ・スパ&リゾートで開かれた。50組の参加芸術家や関係者が集まり、アートの力で地域を盛り上げるイベントのスタートを祝った。 新進気鋭の芸術家が手がけた絵画、写真、映像、立体、照明などの作品を27日まで市内21カ所で展示している。昨年惜しまれながら営業を終了した旧ホテルニューアカオも会場の一つ。昭和の雰囲気が漂うロビーやダンスホール、客室などにユニークな作品が並ぶ。熱海魚市場や姫の沢公園、来宮神社なども会場になっている。 セレモニーで、イベント発起人の中野善
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藤枝静男愛用の硯箱と眼鏡(製造年不明) 浜松文芸館【美と快と-収蔵品物語㊹】
1908年、現在の藤枝市の薬局に生まれた作家藤枝静男(本名・勝見次郎、~93年)。眼科医の傍ら、39歳の時に文学の道を歩み始めた。妻の実家がある浜松市で医院を開業後も、「空気[くうき]頭[あたま]」「田紳有楽[でんしんゆうらく]」など、空想奇想をはらむ独自の私小説の作風を作り上げた。浜松で生まれた作品が、浜松文芸館(同市中区)創設の端緒となった。近年、愛用の硯[すずり]箱が加わり、藤枝関連の原稿や書簡など収蔵品は6900点に及ぶ。 ■街の文化に続く道筋 硯箱のふたには、柳の木の下で文人が弟子に巻き紙を広げさせ、書き記す様子が彫られている。藤枝の長女で、医院を継ぐ安達章子さん(83)=浜
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ろうけつ染め技法 御前崎で作品展 11月27日まで
染色家の鈴木緑さん(52)=静岡市葵区追手町=の個展が27日まで、御前崎市門屋の静岡カントリー浜岡コース&ホテル・カルチャーフロアで開かれている。 江戸時代末期に創業した「紺友染色工房」の5代目。植物染料を使い、溶かしたろうを筆で描いて防染するろうけつ染めの技法を駆使する。 出展した約50点は立体的に球体をちりばめたり、線を描いたりした抽象的な作品が多い。重厚な黒や茶、淡い青や黄など色を多彩に使い分け、濃淡も加えて自身の心象風景を表現している。 鈴木さんは「染め物は藍染めや型染めのイメージがあるかもしれないが、ろうけつ染めの表現を少しでも知ってもらえれば」と話す。月、火曜は休館。
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芸術問い直す大作 静岡県立美術館 鴻池朋子展が開幕
静岡市駿河区の県立美術館で3日、企画展「みる誕生 鴻池朋子展」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催)が開幕した。来年1月9日まで。 鴻池朋子さんは、絵画や彫刻、インスタレーションなどさまざまな領域で、芸術の根源的な問い直しを続けている現代美術家。今回は、館内のあちこちに作品を配置しただけでなく、裏山にある散策路にも牛革にトンビを描いた大作を設置し、美術館という硬直した建物と自然界をつないだ。300点に及ぶ展示品の一部には触れることができるほか、会場に張り巡らされた1本のひもを伝って、全身で鑑賞できる仕組みになっている。 6、20日には鴻池さんによるトークイベントがある。問い合わせは県立美術館
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熱海の日本画家 坂本さんが個展 三島で新作36点
熱海市の日本画家で三島市でも絵画教室を開いている坂本武典さん(46)の個展「心にとまったものたち」が3日、同市のみしまプラザホテルギャラリーで始まった。8日まで。 夜明けの伊豆高原で馬が草を食べる様子や近寄ってくるコイの輝きなど、坂本さんの心に残った一瞬を描いた新作36点を展示した。豚舎で見た養豚に生きる意味を考えさせられ「急に切なく、愛らしくなった」という作品「幸せな夜に」は、穏やかな夜空にたたずむかわいらしい豚がモチーフ。岩絵の具で彩る日本画は鉱物が持つ自然な色合いが特徴的で、きらきらとした輝きをちりばめた美しい作品が来場者の注目を集めている。
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熱海MOA美術館で展覧会 「人間国宝」工芸品、間近で
熱海市桃山町のMOA美術館で12月11日まで、日本の伝統工芸を手がける12人の重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品を集めた「ホモ・ファーベル展 12ストーン ガーデン」(同美術館、ミケランジェロ財団、日本工芸会主催)が開かれている。 工芸技術の振興と次世代への継承をテーマに、4月にイタリアのベネチア・ビエンナーレに合わせて開催された展覧会の帰国展。日本民芸館の深沢直人館長とMOA美術館の内田篤呉館長が企画した。世界から注目を集めた日本の名工の技が光る焼き物、蒔絵(まきえ)、漆器、織物などを間近で堪能できる。 展覧会の開幕に合わせて開かれた記者会見で、ミケランジェロ財団のアルベルト・カヴ
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熱海成田山に「宝相華」奉納、お披露目 絵付師宮本さん
熱海市水口町の寺院・熱海成田山で1日、開創88周年例大祭特別大護摩供が執り行われ、同市春日町の絵付師宮本美夏さん(63)が描いた宝相華(ほうそうげ)がお披露目された。 宝相華は仏を供養するための花の模様。朱色や緑などの極彩色に塗られた本尊の柱に、かれんな牡丹(ぼたん)の花が描かれている。3年前に同市の日本画家坂本武典さんが奉納した天井画「月輪花銀河」と調和し、荘厳さを増した。 欧州の建築物の室内装飾を手がける傍ら、仏教美術を学んできたという宮本さんは「自分の作品を奉納できる機会を与えてくれて感謝している。地元の人を優しく包み込む場所になれば」と期待した。 特別大護摩供では住民らが家内安
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藍染め手法のアート作品並ぶ 静岡・清水区
静岡市清水区のフェルケール博物館で同区出身の福本潮子さんが制作した、藍染めアート作品の特別展示が行われている。藍染めの手法を生かした独創的な作品群は国内外で評価が高い。12月11日まで行われている。 「JAPAN BLUE―福本潮子 藍色の世界」と題した展示では、大小24の作品を鑑賞できる。「対馬」と名付けられた作品は現地住民の着物を使って、一部を藍染めするなどして仕上げた。「霞の茶室」と題する作品では実際に中で茶会を行える。 福本さんは清水で生まれ、大阪で育った。特別展では福本さんが高校時代に描いた清水港のスケッチも展示していて、港の風景の移り変わりも知ることができる。
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満開の桜や景観、絵画に 浜松工業高卒業生 中区で展示
浜松工業高(浜松市北区)の卒業生でつくる絵画愛好団体「七彩会」の作品展が11日まで、中区の浜松いわた信用金庫蜆塚支店オープンスクエアで開かれている。 県西部の会員6人が油彩、アクリル画など約30点を出展した。満開の桜を色鮮やかに表現した作品や、陶芸の町として知られる愛知県常滑市の景観を描いた力作などが来場者を楽しませている。 会員の鈴木栄重さん(83)は「まっすぐ素直に絵と向き合う会員たちの作品を見てほしい」と話した。
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浜松・佐久間芸術祭 3年ぶり開催 3日まで
浜松市天竜区佐久間町の地域住民が文化活動の成果を披露する「佐久間芸術祭」が1日、同町の「佐久間歴史と民話の郷会館」で始まった。 新型コロナウイルスの影響で中止が続き3年ぶりの開催。佐久間文化協会の主催で、作品展を開催する文化部門と、舞踊などを披露する芸能部門に分かれている。 会場では、工芸品、絵画、写真などを展示する文化部門の発表を3日まで実施している。各月をイメージした刺しゅうが印象的なタペストリーから、同町在住のアーティストが手がけたオブジェまで幅広い力作を紹介している。 特別展示として、佐久間小の児童や浜松湖北高佐久間分校の生徒が描いた絵画なども公開している。 芸能部門の発表は
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絵画や陶器など競売品展示 幅広い作品110点 浜松・中区
絵画や陶器などのアート・オークション展(丸八エンターテインメント主催)が6日まで、浜松市中区元浜町の平野美術館1階ヒラノアートギャラリーで開かれている。 作品ごとに設定されている最低金額以上で入札し、落札者が希望作品を購入できる形式の展示会。芸術家の版画や油絵をはじめ、織部焼などの陶器、ヴィンテージ家具、ガラス作品など幅広い作品約110点が並ぶ=写真=。昭和レトロの雑貨や北欧食器、インド製家具、アート書籍など定額販売品もある。 開館は正午~午後5時。
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絵画愛好家の会が作品展 6日まで 湖西
湖西、浜松市の絵画愛好家でつくる「円の会」(山本美穂子代表)の作品展「第42回円展」が1日、湖西市鷲津の晴春堂画廊で始まった。6日まで。 60~80代の女性メンバー5人が自由なテーマで32点を出品。動植物など身近な題材を描いた油彩画や水彩画が並ぶ=写真=。 「精いっぱい生きた」と題した作品は、枯れたヒマワリを力強いタッチで表現。30号サイズの「おはよう‼」は、魚やクラゲと一緒に人間が海中で気持ち良さそうに泳ぐ様子をカラフルに描き、来場者を楽しませている。 開場は午前10時~午後5時。
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優しい雰囲気の原画並ぶ 三島の絵本作家えがしらさん 清水町
三島市在住の絵本作家えがしらみちこさんの作品「あきぞらさんぽ」の原画展が29日、清水町立図書館で始まった。11月29日まで。 10月27日からの読書週間に合わせ、地元の作家に親しんでもらおうと企画された。同作品はえがしらさんの「おさんぽシリーズ」(全5種)の一つで、主人公の女の子が秋の自然の中を散歩するストーリー。柔らかく優しい雰囲気の原画17枚が並ぶ。 同図書館は開館3年目で、原画展の開催は初めて。企画した司書の秋田桂輔さん(37)は「本物の原画を見るという体験を通して絵本を好きになるきっかけにしたい。今後も地元の作家さんとの企画をしていけたら」と話す。
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風、花、自由 写真で表現 SBS学苑生、沼津で展示会
SBS学苑イーラde沼津校の「花と風景の写真講座」の受講生らでつくる光彩会沼津の写真展(静岡新聞社・静岡放送後援)が11月2日まで、沼津市大手町のしずぎんギャラリー四季で開かれている。 風、花、自由の3テーマで受講生と講師の計10人が40点を出品した。風を主題とした作品には、東伊豆町稲取で撮影した風力発電機とススキの様子や、風に吹かれるこいのぼりを写した写真など多様な題材の力作が並ぶ。 講師の後藤勤さん(80)は「目で見える風と作者の頭の中でイメージした風が表現されている作品を選んだ」と話した。
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浜松市中区中心街、アートで彩り 店舗に絵画など 6日まで
浜松市中区の中心街の個店を美術作品で彩るイベント「浜松オープンアート」(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が29日、始まった。ゆりの木通り商店街を中心とした37店舗などに絵画や造形、書など多彩な作品を展示している。11月6日まで。 市にゆかりのある約40人が出展し、各店のショーウインドーなどを飾った。イベント本部を置く江間ふとん店には地蔵の彫刻、水彩で描いた人物や風景の絵画が並んだ。肴町商店街の複数の空き店舗には創作人形やポップアート、現代造形を展示してそれぞれの世界観を演出し、買い物客らを楽しませている。 期間中にワークショップやシンポジウムを開くほか、30日には松菱跡地で開催中の
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住民の力作320点 文化祭で紹介 浜松・細江
浜松市北区細江町の一区自治会の住民が多彩な芸術作品を披露する「第20回一区文化祭」が29、30の両日、同町の一区地区コミュニティ防災センターで開かれる。 住民196人が手掛けた手芸品や生け花、写真、凧(たこ)など約320点を並べる。中川幼稚園の園児が描いた絵画や、中川小の児童のちぎり絵、書作品など、地元の子どもの力作も展示した。 ダーツや折り紙などの体験コーナーと無料の喫茶室を設け、30日には朝市も行う。29日は午前9時から午後5時。30日は午前9時から午後3時。
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大道芸W杯の魅力、ポスターに 学生が作品展、6日まで 静岡
静岡デザイン専門学校のグラフィック科3年生が手がけた大道芸ワールドカップ(W杯)のポスター展が11月6日まで、静岡市葵区のギャラリー「デザインファーム」で開かれている。 学生が大道芸W杯の魅力を発信しようと制作した約30枚が並ぶ。公式ポスターに採用された長田萌花さんの作品は、超人的な芸をこなすパフォーマーを忍者に見立てた。黒と赤を基調にしたメリハリのきいたデザインで大道芸の緊張感を表現。来場者を楽しませている。 同ギャラリーでは同科の学生による紅茶のパッケージをデザインした授業成果展も同時開催されている。
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3日開幕「みる誕生 鴻池朋子展」 静岡県立美術館で展示準備
静岡市駿河区の県立美術館で11月3日に開幕する「みる誕生 鴻池朋子展」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催)の展示準備が27日、同館で行われた。 鴻池さんはアニメーションや絵画、絵本、彫刻など、幅広い領域で作品を発表してきた現代アーティスト。美術館の裏山にある散策路には4点を設置した。牛革にトンビを描いた縦6メートル横12メートルの大作は、雑木に囲まれ、日の光や木々の紅葉によって見え方が変わっていくという。 鴻池さんは「緩やかに上っていく美術館の立地、背後にある森の深さが展覧会のコンセプトの一部になっていった。鑑賞者と作品がやりとりを重ねる中で、新たな視点が生まれることを期待している」と話し
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書家土井さん主宰「福南会」が作品展 浜松市中区のギャラリー
磐田市の書家土井汀花さん(73)が主宰する福南会の作品展「第31回福南会書展」が27日、浜松市中区のしずぎんギャラリー四季で始まった。30日まで。 「自分の道を自分らしく表現する書」をテーマに、4~85歳の門下生らが書いた164点を展示している。「忘己利他」「脚下照顧」といった四字熟語、谷川俊太郎の詩や「世界に一つだけの花」の歌詞など自由な題材を、楷書、行書、草書とさまざまな書体でしたためた。土井さんがふすまほどの大きさの和紙に象形文字で一字ずつ表現した「森羅万象」も来場者の目を引く。 土井さんは「デジタルが発展しているが、若い人たちにも自分の手で文字を表現する楽しさを味わってほしい」と
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夫婦で手作り 魔女人形120点 御前崎で作品展
人形作家の細田常久さん(71)、純子さん(68)夫妻=島田市=の作品展「ユニークな魔女たち」が11月6日まで、御前崎市門屋の静岡カントリー浜岡コース&ホテル・カルチャーフロアで開かれている。 魔女の人形を中心に約120点を出展した。制作は顔の部分や手指などを常久さん、洋服を純子さんが担当。柔和な表情でほうきにまたがるさまざまな魔女たちが会場を彩っている。 約30年前、純子さんが仕事で訪れたチェコで魔女に魅力を感じ、収集するうちに2人で協力して手作りするようになったという。純子さんは「欧州では幸運をもたらす存在ともいわれている。怖がらずに観賞してもらえれば」と話している。月、火曜は休館。
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浜松北高美術部 OBら作品多彩 遠鉄百貨店で31日まで
浜松北高の美術部OB、OGらでつくる「カッパ会」の第17回美術展が26日、浜松市中区の遠鉄百貨店6階ギャラリー・ロゼで始まった。31日まで。 会員15人が絵画や木彫の力作約30点を出品した。雨が降る舘山寺(西区)をテーマにした抽象画や雪化粧の富士山を題材にした油彩画、浜松市動物園(同区)のトラを描いたパステル画などが並ぶ。 磐田市の田んぼで見つけたトラクターを水彩絵の具で表現した机昭治さん(80)は「旧交のつながりを大切にしながら、それぞれが絵と向き合っている。作者の思いが伝われば」と話した。
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事任八幡宮の宝物を初公開 掛川・二の丸美術館、12月4日まで
掛川市掛川の市二の丸美術館で12月4日まで、事任(ことのまま)八幡宮(同市八坂)の歴史と文化を紹介する特別展「事任八幡宮と日坂宿」(静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。同神社所蔵の宝物や古文書を初公開した。 同神社に伝わる資料約2千点のうち、近世以降の約40点を展示している。目玉は御朱印帳の表紙デザインにも使われている羅陵王之絵(らりょうおうのえ)。木製の神馬「風難除祈祷神馬(ふうなんよけきとうしんめ)」や朱印箱なども並ぶ。同美術館所蔵の浮世絵や旅道具などを合わせて展示した。 同神社は、言葉のままに願いがかなうパワースポットとして人気を集めている。同美術館は「初公開の資料から、神社
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旧龍山北小校舎などでアート企画 12月2日から3日間 浜松
浜松市天竜区龍山町の若手でつくる任意団体「龍山未来創造プロジェクト」は12月2~4日の3日間、空間全体で芸術を表現する企画「龍山、ぽちゃん-龍山の昔、今ここから-」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同町の旧龍山北小校舎などで開く。作品展やワークショップを展開し、アートの力で地域交流の場をつくる。 人口が500人を切った龍山町で、帰省客や地域住民らが交流するイベントをつくろうと、常葉大造形学部(静岡市葵区)の蜂谷充志教授の研究室と協力して企画した。 校舎では、空間を一つの芸術作品にする手法「インスタレーション」を実践する。映像、作品展、ワークショップ、ステージパフォーマンスを教室や多目的室で開
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沼津市の山口源新人賞 五日市さん(相模原)を選出
沼津市ゆかりの版画家山口源(1896~1976年)を顕彰し、将来有望な版画家を表彰する「第39回沼津市山口源新人賞」にこのほど、相模原市の大学院生五日市諒子さん(23)=顔写真=が選ばれた。 受賞作の「Chaos in Shibuya(カオス・イン・シブヤ)」は縦127センチ、横91センチのリトグラフで、東京・渋谷の街に密集する人々の混沌(こんとん)をモノトーンで表現した。 同賞は83年に始まり、日本版画協会主催の版画展に出品された作品から、将来性が認められる作品に贈っている。富士市生まれの山口源は戦時中、沼津市江浦に疎開し、以後亡くなるまで過ごした。
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大賞に市川さん 日常の風景描く 静岡市美術家協会展
第18回静岡市芸術祭の市美術家協会展(静岡新聞社・静岡放送後援)が26日、同市葵区の市民文化会館で始まった。30日まで。 同会の会員が油彩画や日本画、版画、彫刻、工芸作品など79点を出展。最高賞の大賞は、同区の市川貞夫さんの作品「朝の店内」が選ばれた。日常風景の一部として、道具や物であふれた倉庫で談笑する孫の様子を描いた。 会場には色彩豊かで個性あふれる作品が並び、来場者を楽しませている。 そのほかの受賞者は次の通り。 協会賞 大沢弘叔(清水区)浦田明宏(葵区)瀧貴美枝(清水区)安本良雄(葵区)▽市長賞 志村祥子(清水区)▽静岡新聞社賞 乾武綱(清水区)▽静岡放送賞 坂本雅子(葵区)
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絵画教室の講師と生徒 水彩画24点披露 浜松市北区
浜松市北区三方原町の三方原協働センターを拠点に活動する絵画教室「彩紀アート画室」の水彩画作品展が31日まで、同町の浜松いわた信用金庫三方原支店・葵西支店併設のギャラリーポテトで開かれている。 60~80代の生徒8人と講師の斎藤雅紀さん(72)が出品した24点が並ぶ。佐鳴湖や浜名湖の風景画や、バラ、リンドウなどの花々を色鮮やかに描いた力作が来場者の目を引く。斎藤さんは「生徒一人一人の個性と、一生懸命頑張った成果を見てほしい」と話した。 開館時間は午前9時~午後3時(31日は午前10時まで)。土、日曜休館。
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写真愛好家クラブ 50周年で作品展 静岡市葵区
静岡県中部地区の写真愛好家でつくる「キヤノンフォトクラブ静岡」の設立50周年記念の作品展が24日、静岡市役所市民ギャラリーで始まった。会員18人のお気に入り写真など約110枚が並ぶ。30日まで。 カラーやモノクロ、フィルム写真など多彩なジャンルの作品が一堂に集まった。植物や動物、人などをテーマに会員が1人5枚ずつ作品を出展した。 松浦昭宏代表(69)が全国展フォトコンテストで内閣総理大臣賞を受賞した作品の特別展示も行われている。松浦代表は「会員が好きなものを自由に撮った。お気に入りの1枚がきっと見つかるはず」と笑顔を見せた。
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絵画愛好グループ 独学作品25点並ぶ 30日まで静岡市役所
静岡県中部地区在住の絵画愛好家グループ「チャーチル会」の秋季絵画展が24日、静岡市役所市民ギャラリーで始まった。人や植物を描いた油彩画や水彩画など25点が並ぶ。30日まで。 会員の多くが絵画教室に通っておらず、独学で作品を制作した。会員の飯塚章浩さん(83)は西洋風の宮殿へ続く情景を荒々しいタッチで描いた作品を出展。宮殿裏の坂道は、道の両側の建物の描き方を工夫し、遠近感を表現した。 飯塚さんは「展示会は個性豊かな作品ばかり。ぜひ足を運んでほしい」と目を細めた。
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陶芸家前田さん個展 「蜘蛛の糸」から着想作品も 駿河区・匠宿
静岡市駿河区の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」で11月27日まで、陶芸家前田直紀さん(45)=同市葵区=の個展「OPEN SHUT THEM(結んで開いて)」が開かれている。 前田さんは藤枝市出身。2001年の米国同時多発テロをきっかけに、大学時代に学んだ陶芸に力を入れるようになった。現在、国内外で作家活動をしながら静岡市葵区で陶芸教室を開き、匠宿では工房「火と土」の工房長を務める。 芥川龍之介の児童文学「蜘蛛(くも)の糸」から着想を得たオブジェは、焼き物に漆を塗り一度地中に埋めることで「その土地の人の呼吸をまとわせている」(前田さん)。さまざまな技法を用いた食器や花器も並ぶ。 前
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動物や風景など色鉛筆で細かに 浜北区で作品展
浜松市内で色鉛筆画教室を主宰する落合誠さん(69)と生徒による恒例の作品展が31日まで、浜北区の県立森林公園バードピア浜北で開かれている。動物や風景を描いた45点が並ぶ。水曜休み。 ふさふさした毛並みの犬、紅葉した木々の間を流れる川、果物が乗ったケーキなどを描写。ハロウィーンを題材にしたカラフルな作品もある。落合さんは「生徒には細かな表現ができるよう細い線で描くように助言している」と話す。
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障害者のアート展 学生と共同制作も 静岡文化芸術大
浜松市中区の静岡文化芸術大で28日まで、障害者のアート作品展「風を創るひとたち展 碧い翔け橋2022」(同大文化・芸術研究センター、県障害者文化芸術活動支援センターみらーと主催)が開かれている。 県西部地域の知的障害や脳性まひがある人、福祉事業所が、絵画や陶芸など多彩な作品約50点を出品した。展示会に向けて同大でワークショップを開き、学生と障害者が共同で風鈴を作った。絵の具や油性ペンで花などが描かれた風鈴18点も、会場を彩っている。 展示会の準備を進めた学生メンバーの文化政策学部3年中安彩乃さんは「ワークショップはとてもいい交流の場になったので継続していきたい。多くの人に作品を見て感動し
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造形作品で技術アピール 沼津の看板店2代目社長、端材で生物を緻密に表現 31日まで個展
沼津市大諏訪の看板製作会社「微助人(びすけっと)」の2代目社長野口大さん(44)が、仕事で出る鉄板などの端材を使い、動物などの造形作品を制作している。31日まで市内で個展を開催中で「技術やデザイン力をアピールし、看板の可能性を広げたい」と思い描く。 高校卒業後、看板職人となった野口さんは2018年、父の繁明さん(69)から社長職を譲られた。経営を引き継ぐと、「新しいアイデアを思いついても、すぐ模倣されてしまう」と競争の厳しさを痛感した。設備投資も必要なく、まねされない技術は何か―。たどり着いたのが、技術力を生かした造形作品の制作だった。 作業場には、看板の骨組みに使う鉄板の端材や、「番線
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平野美術館(浜松市) 黒岩涙香翻案「幽霊塔」続編口絵【美と快と-収蔵品物語㊸】
表紙をめくる指先にやわらかく触れる色鮮やかな木版口絵は、平野美術館(浜松市中区)の主要なコレクションの一つ。絵師富岡永洗(1864~1905年)が明治34(1901)年に制作した「幽霊塔」は、同時代の小説家黒岩涙香が翻案した探偵小説の一場面を描いた。絵師、彫師、摺師[すりし]が連携し、文学の世界へいざなう。 木版特有の温かみ 東洋的な顔立ちで洋装の男女が、ろうそくの明かりを手に、何やら部屋を物色する―。英国出身作家による原書の粗筋は変えず、登場人物を日本人に置き換えた翻案小説「幽霊塔」の1シーン。西洋文化が珍しかった明治期に、富岡は物語を何度も読み込み、訪れた
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幻の長八作品「繊細な描写」 150年間所在不明も2年前発見 漆喰鏝絵「遊女普賢菩薩」 松崎で公開
松崎町松崎の伊豆の長八美術館は22日、漆喰鏝絵(しっくいこてえ)を新たな芸術分野として確立した同町出身の左官職人・入江長八(1815~89年)の幻の作品「遊女普賢菩薩(ふげんぼさつ)」の展示を始めた。制作された明治初期からおよそ150年間所在が不明だった。 関東在住の所有者から2020年7月、同町の伊豆長八作品保存会に連絡があり、発見された。21年6月に同館に寄託され、保管していた。22年5月、作業中に一部が破損し、6月に静岡市の静岡文化財研究所に修復を依頼。10月中旬に作業を終え、公開された。 漆喰鏝絵は、なまこ壁をつくる左官の技術と日本画の手法を組み合わせた作品。遊女普賢菩薩は縦42
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名所で女性撮影 光の当て方に工夫 静岡市葵区で写真展
静岡市駿河区西脇の写真家朝比奈郁身さん(85)による「ルンルンレディース写真展」が31日まで、同市葵区古庄の写真店「ズームアイ」のギャラリーで開かれている。 江の島(神奈川県藤沢市)や知恩院(京都市)といった観光名所で女性を撮影した作品を中心に約40枚を展示する。被写体を引き立たせるため光の当て方などを工夫。外国人のモデルや舞妓(まいこ)の生き生きとした表情を捉えている。 朝比奈さんは「一人一人違った表情のモデルを見て元気をもらってほしい」と話した。
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画家中村さんの絵画や書、一堂に 浜松市南区で個展
浜松市南区の画家中村田鶴さん(93)の個展「回顧展」が30日まで、同区のギャラリー紫苑で開かれている。絵画や書など約110点を紹介する。 竜ケ岩洞に響く水の落ちる音などから着想を得て、洞窟の情景を色鮮やかに表現した抽象画や、四国を巡礼した際に歩いた自然豊かな道中を題材にした油彩など、見応えある作品が並ぶ。子どものころから詩や俳句が好きだったという中村さんが石川啄木や種田山頭火の詩を記した書作品のほか、生けた花なども会場を彩る。 中村さんは「長い人生の中で、芸術活動を続けられて本当に幸せ」と話した。
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田雑さん原画個展 小説挿絵など40点 30日まで静岡市葵区
イラストレーターで、小説の装画や挿絵を多数手がける田雑芳一さん(42)=静岡市清水区=の原画展「『物語』が、できるまで」が30日まで、同市葵区鷹匠の書店、ひばりブックスで開かれている。 朝倉かすみさんの山本周五郎賞受賞作「平場の月」、週刊誌連載から単行本化された林真理子さんの「小説8050」、柴崎友香さんとの共著「いつか、僕らの途中で」の表紙原画など約40点を展示している。田雑さん初の個展という。 窓際にたたずむ女性、街角に立つ男女など、鉛筆ドローイングによる情景描写は、モノトーンの中に光を感じさせる。田雑さんは「映像を学んでいた学生時代、フィルムの代用品としてイラストを描いたのが出発点
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教職退職者ら50人 絵画や書、写真展示 下田で文化作品展
賀茂地区の教職退職者らによる第12回文化作品展(県教職員互助組合賀茂支部主催)が21日、下田市の道の駅開国下田みなとで始まった。23日まで。 現職の組合員を含む1市5町の約50人が、絵画や書作品、写真など約100点を出品した。京都の桂離宮の庭園を丹念に表現した水彩画や、燃える夕焼けに染まる西伊豆町の港を捉えた写真などが並ぶ。 同支部事務局長の竹内定さん(60)は「コロナ禍で3年ぶりの開催。それぞれ作品制作が生きがいなので、例年になく力が入っている」と来場を呼びかけている。
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21カ所に妖精「ゴブリン」出現 小山町成美地区で芸術イベント
小山町成美地区の中心部のあちこちに芸術作品を展示し、回遊してもらうイベント「アートウオークおやま」が22日始まる。21日までに作品の展示作業がほぼ終わった。主催する官民組織、町まちなか空間活性化協議会は「魅力的な店、地域を盛り上げようとする人の姿を見てほしい」と呼びかけている。 落合、音渕、駅前通りの各商店街と周辺の屋内外21カ所に、具現化された妖精「ゴブリン」が“出現”する。決まった姿形はなく、アーティスト小中大地さんが町の雰囲気などから着想を得てデザインした。外壁に目や口を付けて建物全体が顔に見えるゴブリン、商店の看板商品と同じ姿をしたゴブリンに出合える。 豊
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横須賀街道が「美術館」に 掛川、古民家や商店にアート作品
掛川市景観形成重点地区の風情あふれる街並みを舞台にした「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」(遠州横須賀倶楽部、掛川観光協会大須賀支部主催)が21日、同市横須賀地区で開幕した。街道沿いの古民家や商店など51会場に県内外の作家72人が出品した。23日まで。 1999年に始まり、22回目を迎えた秋の風物詩。街道沿いの住民や商店主らが軒先や土間などを開放し、約2キロの仮想美術館を実現した。ジャンルは絵画や造形、インスタレーションなどさまざま。来場者はゆっくりと街道を散策しながら、作品鑑賞や作家との交流を楽しんでいる。 「HITOMI」のアーティスト名で活動する画家御手洗仁美さん(浜松市南区)は初参
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沼津・あしたか芸術村 陶芸や手芸品展示 22、23日
NPOあしたか芸術村は22、23の両日、「秋の陶芸祭」を沼津市足高の同村で開く。午前10時~午後4時(23日は午後3時まで)。 会員16人が陶芸作品や手芸品など、5千点余りを展示即売する。両日共先着20人で陶芸体験会(当日受け付け、参加費千円)も行う。 問い合わせは同村の手島さん<電090(7303)4280>へ。
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作家13人と1団体「アート・エキスポ」 熱海・起雲閣で作品展
熱海市内で開催中のイベント「アタミ・アート・エキスポ2022」は21日、主会場になっている同市昭和町の起雲閣で出展作家、団体の作品展示を開始した。23日まで。 熱海にゆかりのある13人の芸術家と1団体が、写真や刺しゅう、鍛金、立体作品などを音楽サロンや展示室など施設内の5室に展示した。来場者は、出展作家との交流を楽しみながら作品を鑑賞した。 同イベントは、地元の芸術家が作品を発表できる場をつくろうと12年前から始まった。起雲閣のほか、市内ギャラリーやJR熱海駅ビル「ラスカ熱海」などで11月末まで作品展示や物販、制作体験などを繰り広げている。運営事務局の担当者は「熱海を散策しながら芸術の秋
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静岡の夜景写真 市が作品募集 12月9日まで
静岡市は静岡の夜景をテーマにしたフォトコンテストの作品を募集している。2021年12月から22年12月までに市内で撮影した夜景の写真をインスタグラムに投稿する。12月9日まで。 パノラマ夜景部門、灯り・イルミネーション部門、映える夜部門の3テーマで募集する。市の公式インスタグラムをフォローし、ハッシュタグ「#picshiz」「#静岡夜景フォトコン」「#(応募テーマ名)」を付けて投稿する。 全テーマから最優秀賞を1点、審査員特別賞を4点選ぶほか、テーマごとに優秀賞を2、3点選出する。23年1月にも結果を発表し、入賞作品は市の観光PR素材としてポスターやホームページに活用する。 問い合わせ
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母校で念願の絵画個展 静岡・葵区の専門学校 山本さん力作20点
静岡デザイン専門学校グラフィックデザイン科の卒業生である山本洸太さん(36)の絵画展が23日まで、静岡市葵区七間町の同校サテライトギャラリー「デザインファーム」で開かれている。 山本さんは2007年に卒業後、グラフィックデザイナーなどを経て、18年にデザイン事務所を設立。社業の傍ら、絵画制作を続け国内外の絵画展に出展している。 母校で初の個展となる今回は、死生観を意識し、イベントで即興的に作成した作品などを展示。アクリル絵の具や鉛筆で、シカなどの動物や、悲しみをたたえた目が特徴的な人物などを描いた力作約20点が並ぶ。 山本さんは「個展は長年の夢だった。命をつなぐ生と死の対比を見てほしい
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静大名誉教授夫妻 静岡・葵区で作品展 26日まで
静岡大名誉教授(美術教育学)の寺沢節雄さん(81)、陽子さん(78)夫妻=静岡市葵区=によるオイルパステル画の作品展が20日、同区の県教育会館で始まった。26日まで。 夫婦での作品展は初めて。陽子さんは新型コロナウイルス禍を受けて自宅で過ごす時間が増え、「家の中の思い出を残したくなった」と絵を描き始めたという。節雄さんが自宅周辺の景色を、陽子さんが人形や日常の何げないシーンを描いた作品計約30点が並ぶ。 節雄さんは「年を重ねても日々を充実させ、創造的に生きたい。見る方にとって、人生を楽しむヒントになれば」と話した。
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「優しさ」テーマ 平賀さん個展、油彩画34点並ぶ 浜松・東区
浜松市天竜区佐久間町の画家平賀卓也さんの個展が20日、東区の「書繪堂」で始まった。11月1日まで。 日常で感じる「優しさ」をテーマに、油彩画34点を出展した。自宅周辺の風景や身近な花々を、温かいタッチで描いた作品が並ぶ。島田市のバラ園で見たという赤や黄色のバラの大作には、生き生きとした迫力が感じられる。平賀さんは「日常ですてきだと感じた物を描いた」と語る。
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「私が思う磐田自慢」写真に 磐田市 31日まで作品募集
磐田市は31日まで、市内の魅力を発信する「磐田っていいな♪フォトコンテスト」の作品を募集している。テーマは「私が思う磐田自慢」。2021年11月1日以降、市内で撮影した写真が対象。 インスタグラムとプリント写真の2部門を設けた。応募方法は、市の公式インスタグラムをフォローし、ハッシュタグ(検索目印)「#磐田っていいな2022」を付けた上で投稿するか、写真を市役所に郵送もしくは持ち込む。1人につき各部門3点まで応募可能。 応募者の中から入賞者を決定し、結果は11月下旬ごろ、市ホームページで発表する。入賞者には記念品を贈呈する。企画部広報広聴・シティプロモーション課の担当者は「市民が選ぶ磐田
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島田の美術家・伊藤育子さん個展 静岡伊勢丹ザ・ギャラリー
島田市の美術家伊藤育子さんの絵画展「消えゆく時の記憶」が19日、静岡市葵区の静岡伊勢丹ザ・ギャラリーで始まった。繊細かつ独創性あふれる作品約40点が並ぶ。24日まで。 人の心情や植物が醸し出す雰囲気を絵画で表現した。「妊婦」と題した作品は、厳しい世の中を一人で生きていく女性の孤独感と、芯(しん)の強さを描いた。 発展途上国の路上に座り込む貧しい子どもの絵は、成功を夢見る希望の大切さを訴えている。色鮮やかに描いた草花の作品は植物の生命力を感じさせる。油彩やアクリル絵の具を使った絵画技法も見どころという。 伊藤さんは「絵の雰囲気や空間を自分の人生に重ね合わせながら鑑賞してほしい」と述べた。
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漆喰鏝絵審査 入賞作を紹介 松崎・長八美術館
松崎町と町振興公社は11月6日まで、第22回全国漆喰鏝絵(しっくいこてえ)コンクール作品展を同町松崎の伊豆の長八美術館で開いている。全国から寄せられた54点のうち、9月の審査会で選ばれた入賞作品15点を紹介する。 漆喰鏝絵は、なまこ壁の建築材のしっくいを使ってこてで立体的に描く。同町出身の左官職員・入江長八が新たな芸術分野として確立した。コンクールは2000年から、芸術文化継承を目指して開催している。 ハクチョウの群れや犬と緑豊かな風景、惑星など技巧を凝らした絵が飾られている。