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テーマ : 焼津市

添加物なしで素材の味 かまぼこ足平(焼津市)【静岡ものづくり最前線】

 江戸時代後期創業の練り製品製造販売「足平」が戦前から手がけてきたかまぼこ。松永大社長(41)の方針で2021年に食品添加物の調味料を使わない製法を取り入れ始めた。素材そのものを引き立たせた味わいに評価が高く、22年には商品の一つ「極上蒲鉾」が全国蒲鉾品評会で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。

足平のかまぼこ
足平のかまぼこ

 原料は東シナ海産のグチ。水揚げシーズンといわれる11月から3月に捕れた魚を元に、店頭に出す1年分の商品を生産する。すり身にする作業は松永社長一人が担う。塩と砂糖を加え、弾力があるか、なめらかさは出ているかを手の感触で確かめながら魚の身をすっていく。成形し、一定の温度で蒸すと完成。マイナス60度ほどで冷凍保管する。
 調味料を使わなくなった理由について松永社長は「使うとどこかで食べたような似たような味になってしまう。素材そのものの良さを知ってほしかった」と語る。うまみ、弾力、香りいずれも備えていて、くさみがないという魚の特性も方針決定の後押しになった。
 かまぼこ商品は「無澱粉蒲鉾」と「極上蒲鉾」の2種類。松永社長は「素材を引き立たせた味に仕上げたかまぼこを作ることができるのは足平だけ。多くの人に堪能してほしい」と強調する。

 企業情報 焼津市本町。1863(文久3)年創業。従業員11人。ラインナップにゴボウ巻き、レンコン巻き、黒はんぺんなど。

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