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テーマ : 焼津市

低山×ひとっ風呂 元気わく冬ハイク 静岡県中部編【しずおかアウトドアファン】


 寒さの厳しい冬でも比較的訪れやすい静岡県内の低山はハイカーでにぎわっている。下山後に登山口近くの温浴施設に立ち寄れば、体も温まって疲れも吹き飛ぶ。今回は、県中部にある標高千メートル以下の低山のトレッキングコースと周辺の入浴スポットを紹介する。
 (生活報道部・草茅出)

滝や巨木 見どころ点在
高根山(藤枝市)→瀬戸谷温泉ゆらく

 藤枝市北部の高根山(標高871メートル)は同市最高峰として知られる。所要4時間ほどで登頂、下山できるが、滝や県指定天然記念物の巨木など見どころが点在する。同山の登山道整備を担う藤枝山岳会の浅井徹会長(75)は「見どころが多いのに加え、初心者向きの歩きやすい道や登り応えのある坂道など多彩なルートを選べるのも魅力」と語る。豪快に水しぶきを上げて流れ落ちる宇嶺の滝を案内する浅井徹さん=1月中旬、藤枝市
 山のふもとにある蔵田観光駐車場から出発する。歩き始めて間もなく「鼻崎の大スギ」が姿を現す。樹高約27メートルの巨木だ。山腹の高根白山神社の手前には富士山のビューポイントがあり、境内には天に向かって樹高約47メートルのスギが立つ。神社を出てしばらく上れば山頂だ。島田方面の眺望を堪能できる。
 帰路は別ルートを通る。道中は所々狭い場所があるので注意したい。急坂を下っていくと「芋穴所[いもあなど]のマルカシ」に着く。樹高約21メートルのアカガシの巨木で大きく広がった枝ぶりが美しい。終盤には東海有数の名瀑[めいばく]とされる落差70メートルの「宇嶺[うとうげ]の滝」が、豪快な水しぶきを上げる様子を見られる。
 駐車場に戻ったら車で約15分の「瀬戸谷温泉ゆらく」(同市本郷)へ。併設の直売所は、地元産の新鮮な野菜などを扱う。広々とした露天風呂を備えた瀬戸谷温泉ゆらくの浴場=同
  photo01 高根山

美しい茶畑の景色堪能
杉尾山(静岡市清水区)→やませみの湯

 静岡市清水区の興津川上流域にそびえる杉尾山(標高563メートル)。山深い周辺は「市清水森林公園やすらぎの森」となっていて、春や秋を中心に多くのハイカーが訪れる。広々とした杉尾山の山頂広場を歩く加藤伸一郎さん(右)ら=2023年12月下旬、静岡市清水区
 同公園の駐車場に車を止め、近くの登山道の入り口に向かう。山頂までの道は舗装路が大半で、冬場も歩きやすい。道中はよく手入れをされた茶畑が次々と姿を現し、目を楽しませてくれる。山頂には芝生広場があり、持参した弁当を味わうハイカーも多い。
 同地区の活性化に取り組むNPO法人複合力の加藤伸一郎理事長(65)は「晴れていれば、富士山や三保半島、真富士山などが見える。運が良ければ早朝に雲海が現れることもある」と魅力を語る。秋には南方に向かうタカが山の上空を舞う姿が見られるという。
 下山後は登山口近くにある「やませみの湯」へ。ポンプ故障のため現在は井戸水の沸かし湯だが、神経痛や打ち身に効く天然温泉が売り。周辺には黒川キャンプ場や地場産品の直売所、ジェラート店など立ち寄りスポットも豊富だ。静かな山あいでゆったりとひとときを過ごせるやませみの湯=同
  photo01 杉尾山

山頂と港 それぞれの眺め
満観峰(静岡市駿河区・焼津市)→用宗みなと温泉

 静岡市と焼津市の境に位置する満観峰(標高470メートル)は両市の市街地や駿河湾に加え、遠くに富士山を望む眺望が人気。アクセスもよく、年間を通じてハイカーが絶えない。富士山や駿河湾、静岡市街地などの眺望が美しい満観峰の山頂=1月中旬
 満観峰へ向かうには複数の登山道がある。体力に合わせてルートを組み立てたい。今回は静岡市駿河区のJR用宗駅を発着点とし、同区の小坂地区から上って石部地区に下るルートを選んだ。
 駅をスタートし小坂川に沿って上流へ向かうと登山口に着く。舗装路から林間の登山道に変わり、急坂を登れば満観峰と丸子富士の間の稜線[りょうせん]に出る。しばらく歩けば頂上だ。芝生の広場があり、訪れた人からは「富士山をはじめ、周囲の展望が楽しめた」「登山道がよく整備され歩きやすい」との声が上がっていた。帰りは日本坂峠、花沢山を経由して用宗駅に戻る。
 駅到着後は、用宗港の「用宗みなと温泉」に向かう。露天風呂からは係留された漁船などが見え、港町らしい風情を感じられる。周辺は飲食店などが増えていて、散策にも好適だ。漁港ならではの風景が楽しめる用宗みなと温泉=静岡市駿河区
  photo01 満観峰

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