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テーマ : 焼津市

コラム窓辺 アナログワールド復活!【白井貴子/シンガー・ソングライター】

 1月もはや15日。このコラムを書いているのは、私が今月横浜で開催するライブのリハーサルの日です。「未来へ咲かそう! フラワーパワー」を合言葉に、再び集まってくれたバンドメンバー、スタッフと共に歩み出した新年。

白井貴子さん
白井貴子さん

 私は昨年、その皆でつくった「FLOWER POWER」というアルバムを、なんと38年ぶりにLPレコードで復刻リリースしました。音も最新の技術でピカピカに! 今、欧米ではLP盤が人気なんだそう。うそみたいな話。配信が主流となり「音楽の形はこの先どうなるの?!」と心配だった私にとっては、「音楽というアートが復活した!」と思える潮流に、思わずガッツポーズ。
 そこでレコードをプレスしている焼津市にあるソニーの工場を訪ねました。実は約20年前、ソニーの環境活動を伝える冊子の取材でその工場へ行ったことがあり、その時のショックが忘れられず、どうしても再び行ってみたかったのです。以前伺った時は、かつてアナログ盤やCDを大量生産していた場が、なんと「返品されたCDを粉砕し再利用する工場」に変わっていました。その時の悲しみ、大切な音楽が粉々になってゆく光景は、後の私の環境活動にさらに火をつけました。「大切なものは自分の手で守ろう!」と。
 あれから月日が流れ、工場では、日本はもちろん世界中のアーティストのLPが大忙しでプレスされていました! 人間にとって一番大切な手仕事「アナログの力」が、静岡の地から世界へと再び羽ばたいている風景は、あの時の涙も吹っ飛ぶほどに感動的でした。
 (白井貴子=しらいたかこ/シンガー・ソングライター)

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