ビキニ事件の全容解明目指す 被災70年、静岡でシンポジウム
米国による太平洋ビキニ環礁の水爆実験で焼津港所属の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくした「ビキニ事件」から3月1日で70年を迎えるのを前に、原水爆禁止世界大会実行委員会は28日、事件に関する研究や活動を学び被害の全容解明や被害者の救済を目指そうと、被災70年シンポジウムを静岡市駿河区のグランシップで開いた。オンラインを含め県内外から300人以上が参加した。
世界のヒバクシャ問題を研究する奈良大の高橋博子教授や、ビキニ労災訴訟を支援する会(高知県)の橋元陽一さんらが登壇。日米両政府の対応を当時の記録文書などを用いて振り返り、命に関わる重要なデータを隠し続けている点を非人道的だと指摘した。高橋教授は「核兵器のない世界の実現のために誠実な対応を望む」と強調した。
29日はグランシップで原水爆禁止日本協議会主催の全国集会、1日は焼津市や静岡市民文化会館で県実行委員会などが主催する墓参行進や集会が実施される。