焼津神社「郷魂祠」で例祭 南方に渡った先人しのぶ
戦前フィリピンやインドネシア・ボルネオでかつお節を生産していた「皇道産業焼津践団」に参加した水産関係者をまつる焼津神社(焼津市)の「郷魂祠」で26日、例祭の前夜祭が執り行われた。関係者らが集まり、南方へ渡った先人たちをしのんだ。
記録によると、焼津践団は1942年にかつお節加工業の従事者を中心に設立。フィリピンやボルネオに拠点を設けて、かつお節生産を担っていたが、戦局の激化で戦地にかり出され、渡った人の大半が亡くなった。焼津市内にほこらを設け、44年から例祭を行っている。
26日は主催する焼津鰹節水産加工業協同組合と郷魂祠奉賛会の関係者らが参加した。同組合の大石智之組合長は「先人たちの水産業維持にかける思い、気概を失わないように伝統を守っていきたい」と語った。27日は遺族らを招いて本祭が執り行われる。