記者コラム「清流」 全盛期の熱気 追いつけ
8月上旬、富士宮市内で祭りが続き、市民の威勢のよい声が中心市街地に響き渡った。日常ではあまり感じられなかった大きなエネルギーに、取材をしながら久しぶりに胸が躍った。
思い返せば、記者になった時はコロナ禍で3密回避のために人と距離を保つ現場が多かった。報道写真は「要素を凝縮した1枚で勝負」と教わった。角度や遠近感を工夫し情報の空白を埋めて撮るすべは身に付いてきたが、大勢が最高潮に達した一瞬の撮影に挑める機会は少なかった。
今年は多くの行事が通常開催をうたう中、参加者が少ないなど4年のブランクは大きく、全盛期の熱気は戻っていないと聞く。「来年はもっと激しくなるはず」という主催者らの意気込みに期待したい。祭りの真の姿を写せるだけの腕を磨いて備えねば。
(富士宮支局・国本啓志郎)