あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 富士宮市

富士山噴火の研究共有 溶岩流避難、地形の特性が鍵 富士宮で報告

 静岡県立大グローバル地域センター主催の研究会「富士山の火山防災・環境研究の最前線」が29日、富士宮市の県富士山世界遺産センターで開かれ、専門家6人が研究内容を報告した。世界遺産センターの小林淳教授(火山地質学)は溶岩流からの避難経路について、地域ごとに地形の特性を整理することが重要と説明した。

富士山に関する研究内容を共有する参加者=富士宮市の県富士山世界遺産センター
富士山に関する研究内容を共有する参加者=富士宮市の県富士山世界遺産センター

 小林教授は過去5600年間の噴火実績に基づく火口範囲や溶岩流が流れ込む場所の想定を示した。溶岩流が河川に沿って流れる予測から、川を離れるような基本的な避難の考え方を説明した。噴火場所によって溶岩流の経路が大きく変わることを前提に、大沢崩れや潤井川沿いで噴火した場合、富士、富士宮両市の市街地に溶岩流が集中する可能性も指摘した。
 火山灰の降灰シミュレーションに取り組む神奈川県温泉地学研究所主任研究員の萬年一剛氏は、宝永噴火規模で復旧のために4・9億立方メートルの火山灰を処理しなければならない試算を紹介した。県立大同センターの鴨川仁特任教授はLPWA通信を使った山頂の通年カメラ監視実験の経過を報告。電力消費が少なく広範囲に届く通信手段が確立されれば「小規模グループでも高品質な計測ができるようになる」と期待を込めた。
 (富士宮支局・国本啓志郎)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

富士宮市の記事一覧

他の追っかけを読む