若年心臓病患者の就職は 守る会静岡県支部が意見交換会 「行動に移すことが大事」
全国心臓病の子どもを守る会県支部は26日、静岡市葵区の県立こども病院で、心臓病がある若年者の就職のあり方を考える「就活意見交換会」を開いた。患者や患者を採用している事業所、関係機関が「ふみだす準備」をテーマに意見を交わした。
同支部によると、県内では高校や大学を卒業しても社会に出られない患者が増えている。本人の仕事への不安や正社員としての採用の少なさなどさまざまな要因がある。
7人がパネル討論。患者で会社員の大石尭良さん(29)=同市葵区=は「働く上で自分なりの譲れない条件を考え、まずは行動に移してみることが大事」とアドバイスした。
知的、身体障害者を採用している製造業、富士セラミックス(富士宮市)の担当者は「企業訪問するなどして雰囲気や仕事内容が自分に合うかどうか確かめてほしい」と述べた。患者の中には、就職しても体調を悪化させ離職する人もいるという。静岡産業保健総合支援センターの担当者は「頑張りすぎず、体調維持に努めることが大切」と指摘した。
正社員としての採用の少なさについて、同支部の山下文子代表は「心臓病というだけで過度に反応する事業所もある。患者の中には十分働ける人がたくさんいることをもっと知ってほしい」と述べた。
(社会部・武田愛一郎)