テーマ : 藤枝市

静岡人インタビュー「この人」 ハンドメードで登山用バッグを製作する 植田徹さん(川根本町)

 登山用バッグ(ザック)を製作する工房「ブルーパー・バックパックス」(川根本町水川)の店長を務める。客一人一人と対話を深め、それぞれの目的に見合ったザックをハンドメードで手がける。34歳。

植田徹さん
植田徹さん

 -自分でザックを作るようになったきっかけは。
 「大学生のころ、初めて南アルプスに登ったことがきっかけで登山に熱中し始めた。大学卒業後、地元の藤枝市で小学校教諭をしていたころも、休みがあれば南アルプスに足を運んだ。少ない休みでなるべく多くの山を回るため、ザックの軽量化をしたかった。しかし、高性能なザックは高価で手が届かない。そこで、自分で作ってみようと思った。ミシンをほとんど触ったことがなかったので最初は簡単なザックを製作し徐々に改良を加えた」
 -工房を持った理由は。
 「登山中に自分のザックを見た人から製作を頼まれることがあった。山岳ランナーのレジェンド望月将悟さんにも偶然出会い、本州を横断する山岳レース『トランスジャパンアルプスレース(TJAR)』で使うザックを作ってほしいと依頼された。その年のTJARは望月さんの4連覇がかかる大舞台。大会まで残り1カ月を切っていたため、寝る間を惜しんで製作に励んだ。当日はゴール地点の大浜海岸(静岡市駿河区)で望月さんを出迎えた。自分のザックを背負って見事4連覇を達成した望月さんが多くの人に祝福されている姿を見て、この仕事をなりわいにしたいと思った」
 -ザック製作の信条は。
 「お客さんに長く使ってもらえるザックを作ること。売り上げや効率化に走らず、ハンドメードで時間をかけて作ることで愛着をもってもらいたい」
 (島田支局・白鳥壱暉)

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