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⚽藤枝MYFC 来場者倍増 売上高6億に伸び J1水準へ 支援の輪を【J2初陣回顧㊦】

 藤枝が清水を下して静岡三国決戦初白星を挙げた10月初めのホームゲームの舞台裏に、観客席の混乱を心配するクラブ幹部の姿があった。本拠地藤枝総合運動公園サッカー場はバックスタンドを改修中で現状の収容人数は6千人弱。しかし、清水戦には6288人が来場し、徳田航介社長は「100%を超えるなんて本来あり得ない。集客の読みを誤った」と頭をかいた。

最終節を終え、ホームのサポーターと記念写真に収まるJ2藤枝イレブン=12日、藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
最終節を終え、ホームのサポーターと記念写真に収まるJ2藤枝イレブン=12日、藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)

 スポンサーや招待者などを考慮して販売するチケット数を決めるが、終盤戦で相手は自動昇格を争う上位チーム。来場者が予想を超えた。開始直前まで係員が観客に荷物を隣席に置かないよう呼びかけ、ゴール裏芝生席の立ち見などを都合して大きなトラブルなく乗り切ったが、「『チケットを買ったのに観戦できない』という状況が起きかねなかった。冷や汗をかいた」と担当者は振り返る。
 今季はチームがJ1参入プレーオフ進出を目標に掲げる中、クラブとしてもJ1ライセンスを取得して環境を整えた。ただ、Jリーグから課題を指摘されているのはスタジアムのアクセス。最寄りの藤枝駅から車なら十数分だが、歩くと1時間以上掛かる。
 今季から駐車場を予約制にした上で、無料のシャトルバスを増便したが、試合終了後、バス乗り場に長蛇の列ができ、中には混雑を避けるため試合を最後まで見ずに帰る人もいた。バックスタンドの改修が終われば、来季は最大1万人が来場する。徳田社長は「今季の経験は大きいが、J1レベルで観客を満足させないといけない」と今から対策を練る。
 今季ホーム平均来場者は3145人で総来場者数はJ3だった昨季の2倍超。スポンサー料やグッズ売り上げなども大きく伸び、昨季約4億円だった総売上高は今季6億円を超える見込みだが、「J1を目指し、将来的にクラブを維持するには10億円の収入が必要」(徳田社長)。
 ホームタウン志太榛原4市2町の経済力を考えると大企業のスポンサー探しは難しく、スタジアムに看板を出すスポンサーを小口から地道に増やすしか道はない。特に藤枝市以外の市町に支援の輪を広げられるか、“地元”への浸透がクラブの成長の鍵を握る。
 (寺田拓馬)

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