テーマ : 藤枝市

藤枝に残された長八の漆喰鏝絵(しっくいこてえ) 31日まで展示

 松崎町出身で左官の名工・入江長八(1815~89年)の漆喰鏝絵(しっくいこてえ)「湖上観月の図」の展示会が31日まで、藤枝市郷土博物館で開かれている。

入江長八が制作した漆喰鏝絵「湖上観月の図」=藤枝市郷土博物館
入江長八が制作した漆喰鏝絵「湖上観月の図」=藤枝市郷土博物館

 縦33・5センチ、横56・3センチの1875年に制作された作品。急峻(きゅうしゅん)な岩山や民家などの建物を描き、全体に鉛白を多用してかすみがかった様子と遠近を巧妙に表現している。湖上の船には船頭と客人らしき人物が確認でき、中秋の名月を鑑賞している場面とされる。
 入江長八は同市岡部町内谷の有力者・杉山家に滞在して藤枝で仕事を続けたことから、お礼として同家に鏝絵を贈ったと伝わる。その後、同家から柳沢稲荷神社(岡部町内谷)に奉納された。
 展示会の開催は10日に行われた同神社の祭典に合わせ、関係者が博物館に依頼したことで、岡部町と同市が合併して以来、初めて実現した。

いい茶0

藤枝市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞