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災害対策 アプリに集約 建設システム/重森渉社長(富士市)【キーパーソン】

 建設業界をIT技術で支えてきた知見を生かし、自然災害などのリスク対策を集約した防災アプリ「クロスゼロ」を開発した。企業向けから提供を始め、3月には家庭用の運用を見込む。

重森渉社長
重森渉社長

 -どのようなシステムか。
 「自動配信の安否確認をはじめ、SNSからAIが収集する発災情報、ユーザーの投稿を表示するリスク共有、掲示板などを一体的に利用できる。建設や土木など取引会社に無料プランから案内している。有事だけでなく、平時にも利用できる仕組みが特徴。日頃から機能に親しんでほしい」
 -開発の経緯は。
 「社員が増え始めた頃からBCP(事業継続計画)を強く意識し、有効なアプリを検討してきた。東日本大震災を体験した社員の声を聞き、昨年の台風15号では静岡市清水区の社員が掲示板を立てて社員が情報を共有した。アプリの開発に初めて関わるメンバーを中心に、新機軸の発想とスピード感を持って準備を進めてきた」
 -顧客層の広がりをどう捉えるか。
 「家庭用はチャットのほか、遊び感覚で防災教育ができる検定機能を盛り込み、防災リテラシーを高めてもらう。家族で機能設定を考えるなど、話し合う機会が生まれたらうれしい。企業向けには防災分野での認知度向上によるビジネスに期待している。建設業界に限らず、幅広い企業や団体にネットワークを広げていきたい。リスクゼロ社会の実現には皆で助け合う環境が不可欠だ」

 しげもり・わたる 1996年入社。新規事業部長、専務を経て2019年から現職。富士市出身。55歳。

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