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テーマ : 選挙しずおか

静岡県議選、女性候補者25選挙区でゼロ 9選挙区15人のみ、男女均等ほど遠く

 9日投開票の県議選(定数68)に立候補した92人のうち女性は15人(16%)にとどまった。前回2019年の12人(12%)、前々回15年の9人(9%)より増えたが、18年施行の政治分野の男女共同参画推進法が目指す「候補者数の男女均等」の実現はいまだ遠い。

 全34選挙区を見ると、女性が立候補したのは9選挙区(26%)。25選挙区(74%)でゼロだった。女性候補者は定数の多い選挙区に集中する傾向があり、15人のうち12人は定数3~5の選挙区に立候補した。3~5人区の計8選挙区中、女性がいないのは沼津市と静岡市駿河区の2選挙区だけ。一方、定数1または2の26選挙区は、伊東市、函南町、袋井市・森町を除く23選挙区で女性の出馬はなかった。前回、前々回と比べると、女性が3~5人区で立候補する割合は高まっている。
 前回統一地方選で本県を含む41道府県議選を対象にした総務省調査は、定数1、2人区は3人以上の選挙区に比べて女性候補者の割合が低いだけでなく、無投票になる割合が高いことも示した。今回の本県の県議選も同様の傾向を示し、女性候補者がゼロの1、2人区23選挙区のうち、半数以上の13選挙区で無投票となった。
 県議選と同日投開票の浜松市議選(定数46)は、女性が19人出馬し、全候補者62人に占める割合は31%に上った。前回19年の21%(61人中、女性13人)をさらに上回った。無投票の天竜区を除く6選挙区で女性が立ち、選挙戦に突入した。 無投票選挙区 人材活用できていない地域
 県内政治に詳しい井柳美紀静岡大教授(政治学)の話 県議選の定数1、2人区は女性候補者が少なく、無投票の割合が高い傾向がある。特に1人区の当選者の大半は自民党系の候補者。2人区も自民系で議席を独占するか、自民と非自民で分け合うケースが多い。いずれも地盤や知名度のない新人は出馬しにくい。
 一方、3~5人区の候補者は男女比だけでなく、党派などの属性が多様だ。例えば1人区を解消するため選挙区を広げて定数を増やせば、議員が地域の声を細やかに拾うのは難しくなるが、女性が立候補しやすくなることは確か。そうした制度改革を含む議論が必要だ。
 無投票選挙区は、市町議員のなり手不足が顕在化している地域とほぼ重なる。女性や若手の議員は少なく、人材を活用できていない地域といえる。県議選は市町議員を経て出馬するケースが多く、市町議会の活力低下は県議選の競争率低下に直結する。町内会単位から女性の登用を進めることが待ったなしだ。

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