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テーマ : 選挙しずおか

解散備え候補擁立進む 衆院任期折り返し 静岡県内各党 与党逆風警戒/野党は共闘不透明

 衆院議員は30日に任期の折り返しを迎える。岸田文雄首相が解散を打つタイミングを推し量る動きが活発化する中、各党は総選挙の候補者擁立作業を急ピッチで進め、静岡県内小選挙区の構図は固まりつつある。与党は岸田内閣の支持率低迷を懸念しつつ攻勢の機会を探り、野党は解散風をにらみながら共闘を巡り水面下の駆け引きを繰り広げる。
衆院県内選挙区の現職と立候補予定者
好転気配なし
 自民党は県内全8小選挙区に現職を擁立する。前回選から顔触れが変わったのは5区のみ。10月22日投開票の衆参2補欠選挙は自民の1勝1敗に終わり「解散は遠のいた」との見方が広がるが、10月に県内3カ所で政治資金パーティーを開き、粛々と準備を進める。

 発足以来、最低水準の内閣支持率に、旧統一教会問題の影響も尾を引く。党県連幹部は「解散を先延ばししても好転の気配はない。減税アピールも有権者に選挙対策と見透かされた」と、現状を逆風と捉える。
 自民が警戒するのは「野党共闘」よりむしろ、前回選で自民が惜敗した3、8区に新人を送り込む日本維新の会。「選挙になれば、票を食われるのは立憲民主よりも自民」(県連幹部)と保守票流出を懸念する。
 公明党は比例東海ブロックで元国土交通省官僚の新人擁立を決めた。東京都選挙区を巡る自民との不協和音も「県内に影響はなく、関係は良好」と党関係者は強調する。

組織力に課題
 維新は県都の1区に加え、立民と自民の現職の拮抗(きっこう)が予想される3、8区で新人候補者を決めた。残る5選挙区でも擁立を模索する。
 同党は「与党でも野党でもない第三極」(県総支部幹部)として、関西地方で躍進し存在感を高める。ただ、県内の組織力は既存政党に及ばず、1、4、6区に候補者を立てた前回選は全敗を喫した。その教訓から、市町での活動に注力し支持基盤の強化を図る。4月の統一地方選では三島、函南の市町議選で地方議員を誕生させた。党県総支部幹部は「テレビの中の政党との印象を身近な存在に変えられるかが鍵」と話す。

比例票思惑も
 党勢拡大に苦しむ野党勢力。立民は3、6、8区の現職3人に加え、現職不在の5選挙区のうち1、7区に元職、2区に新人の擁立を決めた。4区には国民民主現職がいる。
 共産党との距離を巡って中央では立民と国民との間にすきま風が吹くが、県内では支援団体の連合静岡と3者で連携を確認してきた。前回選は1区で立民と国民の候補が共倒れし、両党の不和の象徴となった。次期衆院選は候補者を一本化して臨む構えだが、比例票獲得の思惑も絡み、実現は見通せない。
 立民県連幹部は「国民との調整次第で、出馬を見送ることもある」と話す。一方、国民県連幹部は「連合静岡が応援できる人物の擁立を目指す」との構えで、微妙な違いが見える。
 共産党は1、7区で新人候補を発表した。党県委員会幹部は「全選挙区で共闘するのではなく、意欲ある人を積極的に立てる」と、さらなる擁立の可能性を示唆する。参政党は2、4区で新人の出馬を予定する。

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