あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 選挙しずおか

【自民裏金事件】静岡県内“無派閥”8氏模索 当面は議連、勉強会が足場に 古巣の人脈、維持する思いも 安倍派は風当たり厳しく

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に端を発した岸田、二階、安倍、森山の4派閥の解散により、県内の同党国会議員は10人のうち8人が“無派閥”となった。「政治とカネ」への厳しい世論を踏まえ、いずれも「仕方ない」「最低限の対応」と淡々と受け止める。当面は議員連盟や任意の勉強会を足場に地元課題の解決、政策実現を図る見通しで、古巣で培った人脈を維持したいとの声も。事件の中心となった安倍派に所属し、収支報告書への還流金不記載が発覚した議員への風当たりは厳しい。
静岡県内自民党国会議員の所属派閥(敬称略、※は解散決定済み)
 1月22日、党の有志議員が新たに立ち上げた議連「政治(まつりごと)変革会議」の初会合。二階派に所属した若林洋平氏の姿があった。事件を重く見て「どうしたら国民が納得する政治ができるか。政治資金や政策集団のあり方を議論していく」と意気込む。
 岸田派だった深沢陽一氏は「物事を進めていくためには最終的に多数の理解、コンセンサス(合意形成)を得ていかなければならない」と強調し、政策テーマごとの議員同士のつながりを重視する考えを示す。
 二階派だった勝俣孝明氏は「選挙区の課題である観光や国土強靱化(きょうじんか)は議連で取り組んでいけばいい」としつつ、派を率いた二階俊博氏から学んだことも多かったと振り返り「これからも指導してもらえればと思う」。森山派に所属した城内実氏も領袖(りょうしゅう)だった森山裕党総務会長との「個人的な縁がある」として、「地元の振興につながるのであれば、いろいろ連携していきたい」と見据える。
 一方、安倍派座長を務めた塩谷立氏。議員辞職や離党を否定するものの、トップの立場で責任論はくすぶり、求心力低下は避けられない。安倍派の還流の存在をいち早く明らかにした宮沢博行氏は、今後の活動は「全くの白紙」。党内には暴露への評価の反面、「パフォーマンスに過ぎない」との反発も根強い。ある自民議員は、1月の党政治刷新本部会合で宮沢氏が発言した際の「しらけた空気」が、冷ややかな雰囲気を象徴していると指摘する。
 (東京支社・関本豪、山下奈津美)

 麻生派と茂木派2氏は議論注視
 党政治刷新本部の中間報告に沿って、金と人事の機能を切り離した政策集団への移行という形で存続を検討している麻生派と茂木派。所属する県内議員2人は派閥のあり方を巡る党や派内の議論を引き続き注視した上で、残るかどうかの結論を出す構えだ。
 麻生派の井林辰憲氏は1日の派閥会合で、麻生太郎会長から今後の運営方針について「しばらく時間をかけ、しっかり考えをまとめたい」と説明されたと明かし、「(派閥の方向性は)会長に一任している。結論が出された段階で、先のことを考える」と述べた。
 茂木派では参院議員を中心に退会者が相次いでいるが、牧野京夫氏は「しかるべき時に冷静に判断する」と語るにとどめている。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

選挙しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む