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テーマ : 選挙しずおか

伊東市議選 新人の半数 移住、Uターン 第二の故郷に新風 母校統合で危機感  

 24日投開票の伊東市議選は定数を10上回る30人が出馬し、近年にない混戦模様になっている。立候補者のうち13人は新人。このうち約半数が移住者やUターン組で、人口減少など衰退が進む市の現状や将来に強い危機感を示す。全国的に地方議員のなり手不足が叫ばれる中での多数の出馬に、有権者からは「論戦が活発になる」と歓迎する声も聞かれる。

30人のポスターが並ぶ掲示場。24日に投開票を迎える=20日、伊東市内
30人のポスターが並ぶ掲示場。24日に投開票を迎える=20日、伊東市内

 「観光資源に恵まれた土地なのに、生かされていない。移住者にとってはもったいなく感じる」。県外出身の新人候補の一人は、出馬の理由に現状への不満を挙げる。首都圏からほど近い立地で、自然豊かな環境や温泉などがある伊東には多くの移住者が居を構える。「これからずっと住みたいまち。第二のふるさとの魅力をさらに高めなければ」と新風を吹き込むために汗をかく。
 Uターン組の新人は「母校の小学校が統合でなくなった。人口を増やしていかなければいけない」と地元に戻る決意を固めた。生まれ育った若者の多くが進学や就職で市外に出てしまうのが実情。このまま人口減が続けば、次々と学校が消える―。「培ったノウハウを生かし、雇用を生み出す」と将来世代に希望をつなぐために奔走する。
 同市議選で立候補者が30人に届くのは、定数22だった2011年以来。50代現職は「地域でより良い政治家を育てるために有益なこと。市政の流れを変える可能性がある重要な機会になる」と歓迎する。市内の自営業小林耕宇さん(56)は「これまであまり市民が声を上げてこなかった。さまざまな意見を聞くことができていい」と話す。
 現職の任期中の4年間は大半の期間がコロナ禍の影響を受け、社会は大きく変化した。ただ、少子高齢化をはじめ地域の生き残りをかけた喫緊の課題は依然として積み残されている。一部の現職は即戦力や実行力を掲げ、支持の継続を訴える。別の移住者の新人(50代)は「地盤はないが、地域のしがらみもない。移住者の視点で市を活性化したい」と意欲を示す。
 (伊東支局・白柳一樹)

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