給料返上しないまま 川勝平太知事、コシヒカリ発言問題で
いわゆる「コシヒカリ発言」で、2021年11月の静岡県議会臨時会で知事辞職勧告決議を受けた川勝平太知事が自らのペナルティーとして当時の給料と期末手当(ボーナス)の返上を表明していたが、返上しないままでいることが4日までに、分かった。
3日までに公開された22年の所得等報告書で、21年に続き、22年も給料やボーナスが減額されていなかった。
知事は当時、辞職を否定した上で、21年12月分の給料と期末手当の計446万円を返上する意向を示した。返上には新たな条例の制定が必要で、同年の県議会12月定例会での条例案提出を巡って県当局と県議会側が調整した。最大会派自民改革会議が「返上をもって責任を果たしたことにならない」などとして条例制定に反対する構えを見せ、知事は条例案提出を見送った。
その後も「知事として職責を果たす」などと県議会や記者会見で説明し、条例案提出に向けた動きはしなかった。
「コシヒカリ発言」は、21年10月の参院静岡選挙区補欠選挙で、川勝知事が野党系候補者の応援演説で御殿場市を「コシヒカリしかない」などとやゆし、「明確な差別発言」と非難が集中した。