あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 選挙しずおか

「落選1人」選挙戦、熱気なく 御殿場市議選告示 問われる市民への発信力

 28日に告示された御殿場市議選は定数21に対し22人が立候補し、選挙戦が始まった。直近の市議選や県議選で投票率が過去最低を記録し、選挙離れが顕著な同市。今回は「誰を選ぶか」ではなく「1人だけ落選」のイメージが強く、市民の盛り上がりはいまひとつ。投票率上昇の鍵とされる若年層からは選挙との距離感を指摘する声が聞かれ、各陣営はこれまで以上に、有権者に響く政策を訴える発信力が問われる。

立候補者の演説に耳を傾ける聴衆。初日は足を止める市民の姿がまばらだった=28日午後、御殿場市
立候補者の演説に耳を傾ける聴衆。初日は足を止める市民の姿がまばらだった=28日午後、御殿場市

 「20代の方から『何の選挙ですか』と聞かれた」。ある候補者の後援会長は頭を抱える。初日は、候補者の力強い演説に足を止める市民の姿はまばらだった。
 2020年の前回市議選の投票率は51・43%。前々回(12年)から9・65ポイントの大幅下落だった。特に10代38・29%、20代32・41%の数値が示す若者の低投票率が大きな課題となった。
 「若者の情報収集はSNSが中心。各候補者について調べ、選択できる環境はある」と話すのは本年度、市明るい選挙推進協議会の委員となった田中遥菜さん(18)=御殿場高=。若者が理解しやすい表現での公約提示を望む。一方で「結局、地区票や年配者の票が結果を左右すると感じている同年代は多い」と若者と選挙の溝を指摘する。
 元区長の70代男性も「最下位を回避する意識が強まれば、地縁血縁を頼る旧来の選挙戦の様相になるのでは。明確な争点や論戦のない守りの選挙は熱を帯びない」と危惧する。
 子育て世代にも影響が及ぶ市政課題は多く、市は30~40代の投票率向上も課題に挙げる。市選管の長田幸雄委員長(71)は「親が投票に行かず、子も行かなくなる悪循環を止めたい。ぜひ家族で投票に行ってほしい」と呼びかける一方、候補者には「全市に広く課題を訴え、緊張感をつくり出してほしい」と求める。
 (御殿場支局・塩谷将広)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

選挙しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む