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テーマ : 選挙しずおか

伝統がつむぐ人との和 伊豆の国市長 山下正行さん(1973年度卒)【龍城 韮山高150周年 今昔ものがたり⑧インタビュー編】

 韮山高のすぐ近くで生まれ育ち、子どものころから校内が遊び場だったという。龍城山で秘密基地をつくったり、友だちが住む教職員官舎へ遊びに行ったり―。自然な流れで韮高に進み、げたをつっかけて通った3年間。青春の思い出を共有した人間関係が、いまに生きると説く。

山下正行さん
山下正行さん


 高校時代を振り返った時、最も印象に残っているのは部活動です。卓球部に入り、目立った成績を残したわけではありませんが、仲間と練習に励んでいました。夏の合宿はみんなで雑魚寝し、最後の夜に1人ずつ龍城山に行く肝試しもありました。合宿にはOBが参加していたので、社会に出てから通じる年上の方に対する言葉遣いや接し方を学びました。処世術と言ったらいいのでしょうか。
 友人の紹介だったと思いますが、女子校だった三島北高の卓球部の生徒に1日だけ卓球を教えたことがありました。こちらも2人、向こうも2人だったと記憶しています。その後に発展したわけではありませんが、そんなこともありました。
 勉強はテスト前には一生懸命やりました。ただ、普段は部活動が忙しく、十分な時間を割いた印象はありません。むしろ、大学時代に国家公務員試験を受ける前と、公務員になってから米国の大学に留学した時の方が圧倒的に長い時間勉強しました。時期はそれぞれですが、人生の中でがむしゃらに勉強に打ち込む時間は大切だと思います。
 高校生のころ、必ずしも目立つ存在ではなかった自分が農水官僚や「にわか」外交官として政策づくりや国際交渉に携わり、現在は地元に帰って市長を務めている。立場が人を育てます。在校生には目標や志を高く持ち、さまざまなことに積極的に挑戦してほしい。自分の人生を切り開くにはやっぱり努力が必要です。
 韮高のような県立の文武両道の進学校は全国各地にあり、特別な存在ではありません。ただ、江川坦庵公から脈々と続く歴史を持つ。これは誇りを持って言え、人脈も広がっていきます。農水省時代には東京・霞が関で働く同窓生で「霞龍城会」という組織をつくり、親睦を深めていました。県東部には韮高出身の市町長が多く、活発に交流しています。
 市長選に立候補した時、高校時代の同級生が強力な支援者になってくれました。在校時に話すような仲ではなかったとしても、同窓会を機に関係が生まれることもあります。韮高関係者の中でも、同級生は人生の岐路で互いに相談できる大きな存在です。

 やました・まさゆき 東京大卒。1980年、農林水産省に入省。国際部長、食料産業局長などを歴任した。日本中央競馬会を経て、2021年4月から現職。

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