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⚽アカデミー福島支えた裾野の住民団体解散へ サッカー女子W杯準々決勝へ関係者エール「夢追う選手応援これからも」

 裾野市を拠点とし、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の選手も輩出しているクラブ「JFAアカデミー福島女子」の住民応援団が、同市内で活動している。2016年から支えてきたが、来春クラブが本来の拠点の福島県に戻るのを機に、活動を終える。ワールドカップ(W杯)は応援団にとって解散前の最後の大舞台。「寂しいが、応援は一生続ける」と関係者。11日の準々決勝に臨むなでしこの勇姿を見守る。

学生時代の遠藤純選手らを紹介する古田多津彦会長(左)と湯川史朗さん=7日、裾野市の富岡地区コミュニティーセンター
学生時代の遠藤純選手らを紹介する古田多津彦会長(左)と湯川史朗さん=7日、裾野市の富岡地区コミュニティーセンター

 応援団は「サポートファミリー富岡会」。「夢に向かって頑張る選手たちを応援したい」と、住民有志が集まった。
 「親元を離れてサッカーに打ち込む選手の心のよりどころになりたい」。古田多津彦会長(75)は発足の経緯をこう振り返る。クラブに加入するのは、全国各地から厳しい選抜を勝ち抜いて合格した中学生や高校生。中学1年から6年間、クラブの育成を受けながらプロを目指す。「心身を鍛え抜かれた優秀な選手たちだが、家族の待つ温かい家を恋しく思う気持ちは普通の子と変わらないはず」と古田会長は思いやる。
 共感して会員となっているのは、地元商店街やサッカー愛好家など約70人。歓迎会をはじめ、地域の祭りに招待したり、差し入れをしたりと交流は尽きない。「餅つきをやりたい」という選手の希望に応えて、消防団と連携してイベントを開いたこともある。
 ベスト8進出を決めた5日夜の決勝トーナメント1回戦は、富岡地区コミュニティーセンターでパブリックビューイング(PV)を企画した。会場には、クラブ出身で、この試合に先発出場した遠藤純選手(エンゼルシティー)から贈られたサインが飾られ、遠藤選手ら5人のクラブ出身選手を紹介する「会報号外」を握り締めて声援を送った。
 発起人の杉本和男さん(79)は「日本代表はクラブで頑張る選手たちの目標。ぜひ次も勝ってほしい」と準々決勝へ期待した。
 会報も来春で最終号となる。編集を担当する湯川史朗さん(72)は年に3回程度、遠征の試合結果や選手の意気込みコメント、写真を盛り込み、発行を続けてきた。「選手の姿がなくなるのは寂しいが、プロになって巣立つのと同じ。クラブの拠点が福島に戻り、富岡会が解散しても、一生選手たちを応援していきたい」と声に力を込めた。
 (東部総局・天羽桜子)

 <メモ>JFAアカデミー福島女子は日本サッカー協会(JFA)が福島県で2006年に創設したサッカー選手のエリート教育機関。11年3月の東日本大震災で被災し、御殿場市に拠点を移した後、15年から裾野市に移転した。中学生選手は裾野市立富岡中に通学する。24年4月からは福島県内に拠点を戻す予定。

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