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記者コラム「清流」 呼び捨てと人権 

 何年か前から社内で後輩の名前を呼び捨てにするのをやめた。年下の同僚が増え、無用な威圧感を与えることもない、と改めた。もっとも、私にそんな威厳はないかもしれないが…。
 「過去の体験から呼び捨てされるのを嫌がる子供やや親もいる。これは『人権』の話です」。園児虐待事件後、裾野市の私立さくら保育園で職員研修に携わる子ども総合研究所の新保庄三さんが、同市の保育士らへの研修で語った。名前の呼ばれ方は個人の尊厳に関わる事柄という視点を欠いていたと恥じた。
 芸能事務所の性加害や、過重労働の問題も「人権意識の低さが根底にある」と新保さんは手厳しい。それでも「事例ごと考えながら、学ぶ姿勢が大切」と訴える。他人と丁寧に向き合うことが、人権を意識することにつながると痛感した。
(東部総局・尾藤旭)

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