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橋の点検にAI活用 裾野市、あいおい損保が共同開発

 裾野市とあいおいニッセイ同和損害保険(東京)は21日、人工知能(AI)を使った橋点検のサポートツールを共同開発すると発表した。老朽化や被災による橋の損傷状況、健全性などをAIが自動判定し、より精度の高い点検業務と効率的な維持管理、経費削減につなげる。同社によると、国内での開発は初めてとみられる。

老朽化による橋の損傷部分。裾野市とあいおい損保は、AIを利用した点検業務の導入を目指す(同市提供)
老朽化による橋の損傷部分。裾野市とあいおい損保は、AIを利用した点検業務の導入を目指す(同市提供)

 同市が管理する橋は297カ所。AIに橋のデータを学習させたサポートツールは、撮影した写真からひびやさびなどの損傷を自動検知し、損傷部分の大きさや長さを数値化して点検報告書に表示する。国土交通省が定める点検要領に基づき、「健全」「予防保全」「早期措置」「緊急措置」の4段階で橋の健全性も自動判定する。
 市職員はAIで示された結果を踏まえ、修繕や架け替えなどの対応を最終判断する。器具を使った現場での測定や報告書の作成業務が不要になり、点検者の主観による健全性判定のばらつきも是正されるという。
 橋やトンネル、道路といった社会インフラの老朽化と技術系職員の不足は多くの自治体の共通課題になっている。技術開発を担当するあいおいは、2025年1月までにツールを完成させて他の自治体への普及を図り、将来的には橋以外の社会インフラへの展開を目指す。戸田成俊専務執行役員は「地域課題の解決に貢献したい」と話した。
 (東部総局・杉山諭)

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