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高校生 脱炭素に向けた仕掛けやアプリ 企業に提案へ 大学生とワークショップ

 気候変動やエネルギー問題などに関心のある県内の高校生が本年度、脱炭素につながる企画を考える環境ワークショップ「アオハル・エコロジー・ラボ」に取り組んでいる。大学生の支援を受けながらグループごとに脱炭素に向けた仕掛けやアプリ開発などを立案し、来年3月に地域の企業などに提案する。企画の実現が目標で、関係者は「実践的な学びの場にしたい。最終的には高校生と企業のマッチングができれば」と期待を寄せる。

環境をテーマに意見を交わす高校生と大学生=静岡市駿河区の静岡大
環境をテーマに意見を交わす高校生と大学生=静岡市駿河区の静岡大

 県と静岡大が3月に締結した「地域脱炭素の推進に関する連携協定」に基づいた初の事業で、人材育成を目的に両者などで構成する実行委員会が主催する。県内16校の1~3年生43人が参加し、数人ずつの10グループに分かれて活動する。同大や県立大などの学生15人がサポーターとして加わってグループワークの進行や企画内容に対して助言を行う。
 6月にグループを結成してからウェブ会議などで企画の検討を重ねた高校生は7月下旬に静岡市駿河区の静岡大で中間発表を行い、プラスチックの代替品や交通手段のシェアリングサービスなどを提案した。エネルギーの節約アプリの開発をメンバーと企画した裾野市の不二聖心女子学院高2年、作石真幸さん(16)は「電気をたくさん使うことで人間以外の動物にも影響が出る。アプリで消費電力を“見える化”して具体的な対策ができるようにしたい」と意図を語った。
 生徒はグループでの定期的な意見交換や発表を通じて企画の内容を磨く。事務局長を務める水谷洋一静岡大教授は「環境問題を切り口に、答えを自分たちで考えて探す取り組みは高校生と大学生の双方に学びがあるはず」とみる。
 グループワークは普段交流が少ない高校生と大学生をつなげる機会にもなっている。藤枝東高1年の渥美雄冨さん(15)は「同世代と意見交換したくて参加した。他のメンバーの意見を聞くことで、自分の考え方をより深められる」と充実感を示した。県環境政策課の佐藤信太郎課長は「環境というテーマは誰の生活にも影響するので考えやすい。他校の学生と協働する点は教育の一つの形をしても意義がある」と話した。
 (社会部・小沢佑太郎)

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