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「高齢者に等しく提供を」 「老人クラブ限定」に市議が“異議” 裾野市入浴サービス、新施設に移転へ 

 裾野市は老朽化が進む入浴施設「せせらぎの湯」を3月末で閉鎖し、老人クラブを対象に提供している無料入浴サービスを公設民営温泉「ヘルシーパーク裾野」に移す方針を決めた。これに対して、市議から「老人クラブに加入していない高齢者にも等しくサービスを広げるべきでは」との意見が出ている。

裾野市が3月末で閉鎖する「せせらぎの湯」=同市福祉保健会館
裾野市が3月末で閉鎖する「せせらぎの湯」=同市福祉保健会館


 せせらぎの湯は老人福祉法に基づく老人福祉センターの一部機能で、福祉保健会館2階にある。開設から30年が経過し、市はせせらぎの湯を含むセンターの廃止を決定。老人クラブ連合会の要望を踏まえ、無料送迎と無料入浴サービスは4月からヘルシーパーク裾野で継続する方針を決めた。
 市によると、市内の老人クラブは22団体で、2022年度末時点の会員数は計1092人。60歳以上の加入率は約20%にとどまっている。市は当面、無料サービスの対象を老人クラブ加入者に限り、会員増加を期待する。
 ただ、社会情勢の変化で地域での交流活動の場は多様化。高齢化が加速する一方で、全国的に老人クラブ会員数の減少に歯止めがかからず、同市でも加入しないで仲間内のサロンやサークルなどで趣味を楽しむ高齢者は増えているという。開会中の市議会3月定例会の委員会審議では「加入、未加入にかかわらず、多くの高齢者が利用できるサービスを提供してほしい」などの要望が相次いだ。
 市健康福祉部の高梨恭部長は「事業効果を調査しながら、利用範囲の拡大などを検討していきたい」としている。
 (東部総局・杉山諭)

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