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テーマ : シニア・介護・終活・相続

静岡人インタビュー「この人」 米寿を迎えても人力車を引き続ける 五條満さん(静岡市駿河区)

 静岡市葵区の駿府城公園で観光客向けの人力車を引き続け、今年2月の誕生日には米寿を迎えた。趣味と「観光発展の一助になれば」というボランティア精神が高じて、7月には27年目に突入する。同市駿河区出身。88歳。

五條満さん
五條満さん

 ―活動を始めたきっかけは。
 「新聞記者だった50歳のころ、妻と訪ねた観光地で見たのが契機。1998年7月に、駿府俥夫(しゃふ)の会を仲間と作った。趣味と健康管理が最初の目的だったが、今は市の観光発展に役立ちたいという気持ちで続けている」
 ―どのような活動か。
 「3月中旬から6月下旬までと9月中旬から11月下旬までの期間に、活動開始時と同じ大人700円、子ども300円で10分程度乗車してもらう。年間60~70日。静岡まつりや大道芸ワールドカップの観光客、新郎・新婦も乗せた」
 ―やりがいは。
 「弁当代も稼げず、赤字続きだが、4月の静岡まつりでも娘たちや孫、ひ孫まで駆け付けて手伝ってくれた。公園内で長年の友人もでき、日々の触れ合いの中で共に支えられている。最近は国際クルーズ船に乗って清水港から来た外国人から写真撮影を頼まれる。自分の限界は140キロまでだと自覚しているが、大柄の外国人カップルもまだまだ運べる」
 ―今後の抱負は。
 「自分の選んだ“道楽”だし、後継者もいないので、行くところまで行きたい。個人的には『(会社定年後の)第二の人生は成功した!』と胸を張っている。弁当を作ってくれた妻(83)も5年ほど前から軽い認知症になり、介護の傍ら、自分で弁当を作って出かけている。日々あったことを伝えてもすぐに忘れてしまうが、これからも夫婦仲良くやっていきたい」
 (清水支局・坂本昌信)

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