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テーマ : シニア・介護・終活・相続

成年後見 見直しへ 柔軟運用目指し期間制も 法相諮問表明

 小泉龍司法相は13日の閣議後記者会見で、認知症や知的障害などがある人を支援する成年後見制度の利用促進に向け、15日の法制審議会に制度見直しを諮問すると表明した。社会の高齢化でニーズが高まる一方、一度後見人が決まると終了・交代が難しく、使い勝手がよくないとの指摘がある。後見人の期間制導入など柔軟な運用を論点に、政府が利用促進計画で定めた期限の2026年度にかけ、民法など関係法令の改正を議論する。
 小泉氏は「利用者がニーズに合った保護を受けられないとの指摘があり、利便性に改善の余地がある」と述べた。
 法務省などによると、22年10月時点で65歳以上は約3600万人。認知症の人だけで数百万人いるとされるが、成年後見の利用者は22年末時点で、約24万5千人にとどまる。
 現行では、後見制度を利用すると事実上亡くなるまで中止できない。弁護士らの専門職には報酬支払いが必要で「負担が重い」との声がある。法制審では、一定の期間や、相続の取り決めなどライフイベントの完了時点で利用を終了できる仕組みの導入を検討する。
 遠方への転居や、資産を使い込まれたなど、限られた理由でのみ後見人の辞任・解任を認める現行ルールの在り方も論点。「身の回りの世話が必要になったので、弁護士から福祉関係者に引き継ぐ」など、交代を柔軟に認める是非を探る。
 後見人には財産管理など強力な代理権があり「後見人の反対で、利用者が望む家族旅行に行けなかった」といったトラブルが起きている。利用者の判断能力に応じ、代理権を制限するかどうかも議論の対象となる。
 15日の法制審ではこのほか、自筆の場合は本文の全文手書きが義務付けられている遺言に関し、パソコン入力などデジタル方式で作成することを認める制度見直しを諮問する。

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