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テーマ : シニア・介護・終活・相続

eスポーツ 高齢者の刺激に リハビリに活用、太鼓ゲームで効果検証 静岡・葵区の施設

 静岡市葵区の通所リハビリテーション施設「駿府の杜」が、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」を高齢者のリハビリに活用する取り組みを始めた。eスポーツ利用前後に歩行速度や握力、注意力などを定期的に測定し、リハビリメニューの策定の参考にする。加齢とともに心身が衰える状態「フレイル」予防などに役立てるよう、利用者と非利用者に分けた数値も比較し、効果を検証する。

リズムに合わせて太鼓ゲームを楽しむ利用者=6月中旬、静岡市葵区の「駿府の杜」
リズムに合わせて太鼓ゲームを楽しむ利用者=6月中旬、静岡市葵区の「駿府の杜」

 「駿府の杜」は病院を退院した人などの自立支援を目的に生活機能向上をサポートする日帰り施設。主に高齢者が1日平均で約百人利用しているが、天候や体調不良を理由に、月平均約15%のキャンセルが生じることが課題となっていた。課題解決を検討する中、採用を決めたのがレクリエーションとしても活用できるeスポーツ。担当責任者の野々村宏紀副主任(38)は「画面を見て音を聞いて手元で操作する。情報処理能力や筋力向上に向いているのでは」と効果を期待する。
 曲のリズムに合わせて太鼓をたたくゲームを導入した。希望者はそれぞれのリハビリの間に自由に利用できる。10年近く同施設を利用する桜井登貴子さん(80)=同市葵区=は施設スタッフの指導の下、人気アニメ曲に挑戦。テレビ画面に表示される楽曲のタイミングに合わせ、専用のバチでリズム良くたたき、「頭も使うので刺激になる。成績をもっと上げたい」と笑顔を見せた。
 コミュニケーションツールとしての役割も大きい。成績や楽曲の話題を通して利用者同士で会話が生まれ、孫などと家庭で楽しむこともできる。プロeスポーツプレーヤーで県eスポーツ連合の高橋勇介さん(27)は、外出頻度の向上といった行動変容に着目した上で、「普段とは違うメニューを楽しみながら継続して行うことで、リハビリのマンネリ化を防ぐこともできる」と話し、心理的なメリットを指摘する。

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