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テーマ : シニア・介護・終活・相続

介護分野支援へ 静岡県が本腰 モンゴルで面接+ICT活用 人材獲得、定着に向け業務改善

 介護分野の人手不足が深刻さを増す中、県が外国人材の獲得や介護事業所の業務改善に本腰を入れている。モンゴルで県内への就労を促す合同面接会を初開催したほか、情報通信技術(ICT)を活用した伴走支援を本格化させる。高齢化の進展で介護需要は高まり続けている。現場を支える人材の確保と定着を両輪で進め、将来にわたり介護サービスを維持、向上させることを目指す。

合同面接会に参加するモンゴルの学生ら=9月下旬、ドルノゴビ県
合同面接会に参加するモンゴルの学生ら=9月下旬、ドルノゴビ県


 合同面接会は9月下旬、県と友好協定を結ぶモンゴル・ドルノゴビ県と首都ウランバートルの2カ所で開催した。外国人材の確保を目指す県内介護事業所4施設が現地を訪れ、モンゴルで介護を学ぶ学生や医療従事者、日本への留学予定者ら200人余りとマッチングを図った。
 参加者からは「日本への就労意欲が強い」「日本語能力が高い参加者もいて、戦力として期待できる」など前向きな声が上がった。今後はオンラインによる最終選考を経て、来春以降の入国に向けて手続きを進める予定。県は在留資格の申請などで事業者に助言する。
 外国人材の獲得競争は激しさを増している。県の調査によると、県内で働くモンゴル出身の介護人材は現時点で少なく、今回の面接会を足掛かりに県内事業所への就労につなげたい考え。「今後は、これまで日本での就業実績の少ない国からの人材確保にも積極的に取り組む」としている。
 人材の定着に向けて、働きやすい職場環境づくりにも力を入れる。介護現場で人手が不足すると、職員の負担が重くなり、さらなる離職を招くという悪循環が生じやすい。ICTの活用により職員の負担軽減を図り、介護現場の生産性向上につなげる狙いがある。
 2023年度は県内5カ所のモデル事業所で、介護職員が専門性の高い業務に注力するための業務の切り分け、介護ロボットや見守りセンサーといったICT機器導入による業務改善などを後押しする。県介護保険課は「職員の負担軽減とともに、介護サービスの質向上につなげていくためにも日常の業務改善は重要」と指摘する。
 県によると、団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となる25年には県内で5700人余りの介護職員が不足すると推計される。
 (政治部・森田憲吾)

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