医療的ケア児ママ 当事者の思い表現 沼津で山本さん写真展
静岡県東部の医療的ケア児のママサークル「ほっこりら」は18日、写真家の山本美里さん(東京都)の作品展「透明人間~インビジブル マム」を沼津市のキラメッセぬまづで開いた。医療的ケア児の母親でもある山本さんは会場で当事者の置かれた現状を報告した。
山本さんはこれまで、子どもの医療的ケアに対応するために学校で待機する必要があった。「教育現場だから気配を消して」と求められる母親の立場に違和感を抱き、自身を被写体にして作品を撮り始めた。今回の写真展では、19世紀の英国で母親が布で全身を隠す親子の写真が多く撮られたのを参考に、母親を透明人間に見立て、学校などで撮影した作品を展示した。
家族の離職を防ぐために整備された医療的ケア児支援法の施行から2年たった今も、保護者が置かれた状況は変わらないという。「声なき声を拾い上げ、支援法にある『切れ目ない支援』とは何かを問うきっかけになれば」と強調した。