望む終末期の医療 家族と話し合って 浜松市天竜区で講演会
浜松市天竜区の二俣地区社会福祉協議会は10日、人生の最終段階に向けて医療やケアの方向性を家族と考える「人生会議(ACP、アドバンス・ケア・プランニング)」をテーマにした講演会を開いた。協議会委員ら約50人が参加し、自身の考えを家族と共有する大切さを学んだ。
同区のあたご診療所の上野山庄一院長(58)が講師を務め、人生会議の意味を説明した。
上野山院長によると、末期がんの患者のうち、病院ではなく自宅で治療を受けることを望む人はおよそ半分程度を占める。そのうち自宅で亡くなる人はわずかで、多くの人が希望通りの最期を迎えられていない。上野山院長は、浜松市が制作した人生会議手帳を使って医療やケアに関する希望を書いておくことや、家族と話し合って価値観を共有する必要性を伝えた。
上野山院長は「家族と話し合うことが大事。本人の価値観を把握していれば、医療やケアを検討する上で本人の意向を推測できる場合がある」と話した。