【はりきり人生】「すわま」 作りを指導 太田悦子さん(湖西市) 郷土菓子、次代に伝える
湖西市新居町に伝わる桃の節句を祝う郷土菓子「すわま」を継承するため、地域の小学生や市民向けの講座で講師を務める。81歳。
浜松市から嫁いで義母にすわま作りの伝統を学び、地元の和菓子店でアルバイトとして働いて技術を身に付けた。一般家庭ですわまが作られなくなったことに危機感を覚え、15年ほど前から講師として作り方を教えている。すわまは砂糖やしょうゆを煮詰めた蜜に、米粉を練り込んで蒸す素朴な菓子。「レシピ通りに作ればできるけれど、しっかり練らないとモチモチ感が出ない」とポイントを語る。
市の食育ボランティアが毎年すわま作りの研修会を開き、市民講座は人気企画に。昨年、すわまが文化庁の「100年フード」に認定され、地元の和菓子店が地域の魅力としてPRする動きも出始めた。太田さん自身も「新居の伝統を引き継ぐために今後も努力したい」と意気込む。
(湖西支局・杉崎素子)