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テーマ : シニア・介護・終活・相続

農福連携 赤カブ初収穫 静岡の事業所、生産者減少のオクシズに光

 農業従事者の高齢化で生産量が減少している静岡市中山間地域「オクシズ」産の赤カブを増やそうと、地元の障害者就労支援事業所の利用者が本年度から、農家の手ほどきを受けながら栽培に取り組んでいる。障害者の社会参画と農業の担い手確保を進める「農福連携」の取り組み。12月初旬の作業では、利用者が大きく丸々と育った赤カブを初収穫し、満足そうな笑顔を浮かべた。

笑顔で赤カブの収穫に取り組む事業所の利用者=12月初旬、静岡市葵区飯間
笑顔で赤カブの収穫に取り組む事業所の利用者=12月初旬、静岡市葵区飯間

 最盛期に10軒以上の生産者がいたオクシズの赤カブ。現在は5軒ほどになり、生産者の高齢化とともに作付面積が減少した。「このままでは確保が困難になる」と、赤カブの加工品を生産・販売する同区大川地区の女性グループ「まいれー大川」の森久子代表(66)が、障害者の就労を支援するNPO法人「オールしずおかベストコミュニティ」の永島京子さん(60)に相談。永島さんが事業所を仲介した。
 赤カブ栽培は、同区水見色のわらしな福祉会障害者就労継続支援A型・B型事業所「ワークセンターりんどう」が担当する。同区飯間に広さ約220平方メートルの畑を所有し、利用者が野菜を栽培していたことから、依頼を引き受けた。2日の作業では10代から40代までの利用者8人が1時間半ほどで約50キロの赤カブを収穫した。
 「農福連携は利用者が農家から依頼された作業だけを行うことが多い」と永島さん。「事業所が畑を所有し、作物の種まきから収穫までを一通り請け負うのは珍しい」と語る。森さんも「草むしりなどの細かい作業も熱心に取り組むので高品質。来年度もぜひ契約したい」と話す。
 同事業所の生活支援員佐藤久美子さん(45)は「農業従事者との交流や人から感謝されることで社会貢献を実感するなど、利用者にとって良い職業経験になっている」と喜んでいる。
 収穫した赤カブは、千枚漬や切り漬に加工して販売される。問い合わせは、まいれー大川<電090(7696)2003>へ。

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