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テーマ : 政治しずおか

日中韓交流事業「文化の首都 静岡」始動 プログラム4区分、地域挙げ盛り上げ

 日中韓3カ国の選定都市が都市間交流や文化芸術イベントを集中的に実施する「東アジア文化都市」事業が1月、2023年の国内都市となった静岡県を舞台に始まった。「静岡が文化の首都、日本の顔になる」と川勝平太知事は並々ならぬ意欲を示す。県関係部局は事業が本格化する4月以降に向け、露出を高め、県内各地域を挙げた取り組みとして浸透させたい考えだ。

東アジア文化都市事業のプログラム構成
東アジア文化都市事業のプログラム構成
東アジア文化都市のロゴマーク
東アジア文化都市のロゴマーク
東アジア文化都市事業のプログラム構成
東アジア文化都市のロゴマーク

 県は6月に迎える富士山世界遺産登録10周年を旗印に、22年に国内都市に立候補した。中国の四川省成都市、広東省梅州市、韓国全州市とともに同8月に選定された。県は過去最大規模となった19年の東京都豊島区(事業展開数397件、来訪者数353万人)を上回る事業展開を目指す。
 昨年11月に庁内に実行委員会を発足させ、組織体制を強化。同12月にロゴマークを発表し、2月中に公式ホームページを開設する。事業の集中期間を9~11月と設定している。
 本県独自の手法として、東アジア文化都市事業にかかるプログラムを4区分し、国、県、市町、民間団体など各層での盛り上がりを図る。4区分のうち、市町や地域のさまざまな団体と連携する「地域連携プログラム」は、イベント費用の助成制度やロゴマーク使用などの認証制度を設ける。東京五輪・パラリンピックで展開した文化プログラムに似た取り組みで事業の募集は23年度県当初予算成立後の今春から始まる。
 同事業担当の渋谷浩史県理事は「本県が誇る『文化』を県民も見直す好機」と強調する。「東アジア文化都市が『ブランド』となり、終盤までにロゴの付いた事業が魅力的な企画と認知されたい」と対応を急ぐ。

準備期間短く、周知遅れが課題
 1月にスタートした東アジア文化都市事業は準備期間の短さや、事業費が定まらない新年度予算成立前という事情もあり、周知が遅れている。
 県は1月14日に静岡市で開催された人気ファッションイベント「東京ガールズコレクション」や、同23日に静岡、富山、石川の3県知事が締結した「三霊山連携協定」も東アジア文化都市事業の一環に位置付けたが、関連性が分かりづらく、県民の理解が進んでいるかは疑問符が付く。同事業の柱の一つ、都市間交流は、中国の動向などを含め不確定要素が残る。
 一方、韓国とは3年ぶりに静岡空港の国際線定期便再開などの明るい兆しもある。渋谷県理事は「新型コロナウイルス後のインバウンド(訪日外国人客)誘客の呼び水になれば」と期待を込める。

 東アジア文化都市 日中韓文化大臣会合の合意に基づき2014年に始まった。日中韓の選定都市が芸術、伝統、生活などに関わる文化事業を展開する。芸術鑑賞機会を提供し、相互理解や連帯感の形成促進、東アジア地域の国際発信力強化につなげる。14年以降の国内開催都市は横浜市、新潟市、奈良市、京都市、金沢市、東京都豊島区、北九州市、大分県。22年の大分県以降は都道府県単位での開催が可能になった。経済効果は最大だった18年の金沢市が約91億円。

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