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テーマ : 政治しずおか

マイカー依存73%に上昇 高齢者中心、コロナ影響か 静岡県西部交通実態調査

 静岡県は2022年度に静岡県西部7市町で実施したパーソントリップ調査(交通実態調査)の速報値をまとめた。平日に移動する際の主な交通手段は自動車が73%を占め、07年度の前回調査から5ポイント上昇した。高齢者を中心にマイカー依存度が高まっている実態が浮き彫りになった。新型コロナウイルス禍の公共交通機関の利用控えなどが影響したとみられる。

平日の主な交通手段(上段は2007年度、下段は22年度)
平日の主な交通手段(上段は2007年度、下段は22年度)

 このほど開いた県都市計画審議会で報告した。浜松、磐田、掛川、袋井、湖西、菊川各市と森町の住民のうち無作為に抽出した約2万7600世帯に調査票を送り、約7200世帯が回答した。特定の平日と休日各1日の外出について、目的地や交通手段を聞いた。
 自動車以外の交通手段は自転車が9%から6%、バイクが3%から2%、バスが2%が1%とそれぞれ低下した。徒歩・その他は15%、鉄道は3%でいずれも横ばいだった。年齢層別にみると、自動車を利用する割合は65~74歳が64%から81%、75歳以上は51%から72%に上昇し、そのほかの年代に比べて大きく伸びた。
 調査では平日の外出率が74%となり、前回から11ポイント低下したことも判明した。全ての年齢層で下回り、20~39歳は91%から77%と最も大きく減少した。コロナ禍でオンライン授業や在宅勤務が広がったことに加え、インターネット通販の普及も影響した可能性がある。県は調査結果を詳しく分析し、24年度中に交通体系の長期的な指針となる「都市交通マスタープラン」を策定する。
 (政治部・森田憲吾)

 パーソントリップ調査 都市圏の人の動きに着目した調査。個人の属性と一日の行動をセットで尋ねることで、「どのような人が」「どのような目的で」「どこからどこへ」「どのような交通手段で」移動したかを把握できる。結果は都市交通の現況の把握や将来の交通需要の予測などに活用される。国土交通省によると2023年3月現在、全国65都市圏で延べ148回実施されている。

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