川勝知事辞意表明「理由はリニア問題に区切り」 再出馬や後継者指名は否定
川勝平太知事は辞意表明から一夜明けた3日、県庁で記者会見を開き、突然の表明の理由を説明した。「リニア(中央新幹線)問題は大きな区切りを迎えた。これが一番大きい」と述べ、JR東海の事業計画変更や、2027年開業の断念表明が最大の理由だと明らかにした。1日の新規採用職員への訓示で発した「職業差別」ともとられる発言も辞職を決めた理由だとし、「不十分な言葉遣いで予期せず人を傷つけた。心からおわびする」と陳謝したが、発言は撤回しなかった。
自らの言動が一因になり、県議会が政局絡みで動くことが常態化したとの認識を示した。その上で「辞職すれば県民のためにもなる」と語り、4期目に深まった県議会とのあつれきが辞職の決断に影響したこともにじませた。
「水や環境をいかに守るかに心を砕いてきた」と強調し、大井川の水問題や、南アルプスの環境や生態系の問題に注力してきたと振り返った。「丹羽(俊介JR東海社長)体制になり、この2、3カ月で大きく動いた」とも述べ、課題解決に進展が見られる中、今後は親交の深い国のモニタリング会議の矢野弘典座長に役割を任せたいとの意向を示した。
6月19日開会を予定する県議会6月定例会の冒頭で辞職する考えを明らかにし、辞職後に行われる知事選に自身が出馬することは「全く考えていない」と述べ、後継候補の指名や支援をしないことも明言した。1日の辞意表明前に立憲民主党の渡辺周衆院議員(比例東海)に電話連絡したことの真意を問われ、後継者指名との見方を否定した。